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2部 再起編
Project.23 母と娘
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「頼む、もう辞めてくれ……」
「やめ……るってなにを? これだけが私の今の楽しみなの……邪魔しないで」
薬を求めれば求めるほど彼女の目からは生気が消えていき、更にはどんどん薬の量も増えていく。彼女が薬を出したきっかけは芸能界から干された後、母の知り合いと名乗る暴力団の押しかけによるもの。彼女自身は断ったりしていたものの、暴力団に逆らったらどうなるか。それを彼女はよく知っていた。実の母親がそうだったからこそだ。そして彼女は薬の魔力に負けた。そこから先は想像出来るとおり薬が切れてはまた薬を体に入れる。それは繰り返せば繰り返すほど中毒者になって行く。量も増え、回数も増え、そして廃人になる。
今の彼女は廃人にこそまだなってはいないし、意識がしっかりしている段階ではあるものの、日に日におかしくなっているのも事実。続けていけばそのうち破綻する。自分の意識が保つうちはどうとでもなるがきっと明日、また明日……と過ぎれば過ぎるほど取り返しがつかなくなる。だからこそ十六夜君は自ら彼女のそばに居ることを選択した。好意とかそういうのでは無い。
今はしっかりしているが彼は中学のときに薬に手を出し止められている。ほんの少量であったが効果は普通に使うのと変わらない。
その後の彼はなんとか薬から完全に吹っ切れた状態である。むしろ……薬に染まっていく彼女を見ている方がまた手を出す可能性が高くなり危ない。そこまでの危険な状態であるにもかかわらず名乗り出た時は正直どうしようかと思った。止めるべきなのは分かっていたし、止めるべきだった。だけど彼は自分がやらなくても誰かがやる。なら自分がそれをやる。と聞かなかったのだ。
それが果たして正解だったか……それは分からない。
「やめ……るってなにを? これだけが私の今の楽しみなの……邪魔しないで」
薬を求めれば求めるほど彼女の目からは生気が消えていき、更にはどんどん薬の量も増えていく。彼女が薬を出したきっかけは芸能界から干された後、母の知り合いと名乗る暴力団の押しかけによるもの。彼女自身は断ったりしていたものの、暴力団に逆らったらどうなるか。それを彼女はよく知っていた。実の母親がそうだったからこそだ。そして彼女は薬の魔力に負けた。そこから先は想像出来るとおり薬が切れてはまた薬を体に入れる。それは繰り返せば繰り返すほど中毒者になって行く。量も増え、回数も増え、そして廃人になる。
今の彼女は廃人にこそまだなってはいないし、意識がしっかりしている段階ではあるものの、日に日におかしくなっているのも事実。続けていけばそのうち破綻する。自分の意識が保つうちはどうとでもなるがきっと明日、また明日……と過ぎれば過ぎるほど取り返しがつかなくなる。だからこそ十六夜君は自ら彼女のそばに居ることを選択した。好意とかそういうのでは無い。
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それが果たして正解だったか……それは分からない。
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