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第1部 高校編
Project.01 見るもの
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高校に進学して2年がたった新年度の始まり。仲のいい友人だったりが出来てなんの変哲もないけれどだからこそ順風満帆は高校生活を送っていた私、華枝七穂。ただ1つ違うことがあるとすれば今年は何がなんでも念願だったものを叶える一年にしたい、ということ。その念願が叶った時私は果たしてどうなるかなんて今は考えている余裕はないし、ひたすらに全力で目標を達成したいという気持ちでいっぱいだった。
そしてそのやりたい事……それが『アイドル』だ。人数はまだ決めてないし決まっているのはアイドルをやると言うことだけ。知識も聞いたりしたり調べた程度。だけどそれでも一番はやりたいという気持ちという一心で色々と考えたりを去年の段階で始めていた。
そして今年……その企画が一通り完成し、実行に移せるまでになった。とは言ってもトレーニングだったりしかまだ出来ないんだけど。友達だったり先生だったりには七穂ちゃんはもっと別の道のが安定して食べていけるよ?とかもっと別の道考えた方が安牌じゃん。だったり言われてきたが私は何より大事なのはそれをやると決めたらやりきる覚悟、そして絶対に曲げない気持ちだと思う。
なんて事を意気込んで宣言してきたのにたった今私は途方に暮れています……新しく始めるということで部活じゃないし勧誘するだけ無駄だと思うけどまあやってみな~ということで特別に許可を貰って勧誘をしているが3週間。一切何も無い。それどころか校内でアイドルを本気で目指してるんだって。でも無理だよね~とからかわれたりバカにされることが少し増えた。私自身のやる気はあるものの、それについて行きたいとか魅力を感じてくれる人が現れないのだ……
「ねえ羽生ちゃんはやっぱりやりたくないの~?」
「うーん、興味自体はあるんだよ? でも私的にはちょっとね。何より私はファンでありたい立場であって自分がそれになるって言うのは違うからね~」
クラスの子や仲のいい子。ありとあらゆる自分の知っている人間に声をかけるものの打率はゼロ。興味はあるけどそうじゃない、とか興味本意でやる方が失礼。とかちょっと辛辣で厳しいことを言われたりもしている。やはり同級生には居ないしそもそもが校内で集めるのが不可能なのか……とさえ思い始めていた私の前に1人。その子は現れる。
「いや~…やっぱりすげぇよな……」
周りの男子がざわつき始める。視線の先にいたのは校内でも有名な学園のマドンナ的存在であり、なんと現役モデルの浅篠知希さん。彼女の美しさというか可愛さは私がパッと見ても分かるほどでまさしく天性のルックスとも言うべきそのプロポーションや仕草は男子はもちろん、同性の女の子ですら惚れてしまうほどだった。
そんな存在が同級生でモデル。ダメ元だと分かっていても行動したい私にとってそれはまさしく運命的な出会い。当然のごとく目に止まった瞬間にあの子を誘いたい。そう決めた。
行動力だけはある。周りからもそんな評価だし自分もそれが長所だと思う。そしてそんな行動力はいつの間にか周りに集まって居た生徒たちをかき分け彼女の前に向かって足を動かしていた。声をかけたい。絶対に誘いたい。そんな一心で私は彼女のハートを射止める覚悟を決めた。絶対に彼女が私の方に答えてくれないのなら、彼女が答えてくれるまで何度でも何度でもアプローチをするんだ。
「浅篠さん!!! アイドル、やりませんか!?」
その一言は校内に響き渡り、彼女もそんな私に気づいてくれて、こちらを向いてくれた。だけれどもその瞳には私はきっと見えていなかった。むしろこんなに堂々と話しかけた私に対して物凄い嫌気がしているかもしれない。私の問いかけに対してピリついた校内が少しだけざわざわし始めたくらいに時間差で彼女が私に返答を叩きつける。
「……興味無い」
その一言であしらわれた。だけど周りの声に一切振り向かなかった彼女が私を見て振り向いてくれた。それだけで私は彼女を絶対にメンバーにしたい。そう決め、先程の覚悟を胸に長い長い勧誘計画が始まったのだった。
絶対に彼女とアイドルをやりたい。そう決めたからには私は実現出来るまで続けるまでだ。
そしてそのやりたい事……それが『アイドル』だ。人数はまだ決めてないし決まっているのはアイドルをやると言うことだけ。知識も聞いたりしたり調べた程度。だけどそれでも一番はやりたいという気持ちという一心で色々と考えたりを去年の段階で始めていた。
そして今年……その企画が一通り完成し、実行に移せるまでになった。とは言ってもトレーニングだったりしかまだ出来ないんだけど。友達だったり先生だったりには七穂ちゃんはもっと別の道のが安定して食べていけるよ?とかもっと別の道考えた方が安牌じゃん。だったり言われてきたが私は何より大事なのはそれをやると決めたらやりきる覚悟、そして絶対に曲げない気持ちだと思う。
なんて事を意気込んで宣言してきたのにたった今私は途方に暮れています……新しく始めるということで部活じゃないし勧誘するだけ無駄だと思うけどまあやってみな~ということで特別に許可を貰って勧誘をしているが3週間。一切何も無い。それどころか校内でアイドルを本気で目指してるんだって。でも無理だよね~とからかわれたりバカにされることが少し増えた。私自身のやる気はあるものの、それについて行きたいとか魅力を感じてくれる人が現れないのだ……
「ねえ羽生ちゃんはやっぱりやりたくないの~?」
「うーん、興味自体はあるんだよ? でも私的にはちょっとね。何より私はファンでありたい立場であって自分がそれになるって言うのは違うからね~」
クラスの子や仲のいい子。ありとあらゆる自分の知っている人間に声をかけるものの打率はゼロ。興味はあるけどそうじゃない、とか興味本意でやる方が失礼。とかちょっと辛辣で厳しいことを言われたりもしている。やはり同級生には居ないしそもそもが校内で集めるのが不可能なのか……とさえ思い始めていた私の前に1人。その子は現れる。
「いや~…やっぱりすげぇよな……」
周りの男子がざわつき始める。視線の先にいたのは校内でも有名な学園のマドンナ的存在であり、なんと現役モデルの浅篠知希さん。彼女の美しさというか可愛さは私がパッと見ても分かるほどでまさしく天性のルックスとも言うべきそのプロポーションや仕草は男子はもちろん、同性の女の子ですら惚れてしまうほどだった。
そんな存在が同級生でモデル。ダメ元だと分かっていても行動したい私にとってそれはまさしく運命的な出会い。当然のごとく目に止まった瞬間にあの子を誘いたい。そう決めた。
行動力だけはある。周りからもそんな評価だし自分もそれが長所だと思う。そしてそんな行動力はいつの間にか周りに集まって居た生徒たちをかき分け彼女の前に向かって足を動かしていた。声をかけたい。絶対に誘いたい。そんな一心で私は彼女のハートを射止める覚悟を決めた。絶対に彼女が私の方に答えてくれないのなら、彼女が答えてくれるまで何度でも何度でもアプローチをするんだ。
「浅篠さん!!! アイドル、やりませんか!?」
その一言は校内に響き渡り、彼女もそんな私に気づいてくれて、こちらを向いてくれた。だけれどもその瞳には私はきっと見えていなかった。むしろこんなに堂々と話しかけた私に対して物凄い嫌気がしているかもしれない。私の問いかけに対してピリついた校内が少しだけざわざわし始めたくらいに時間差で彼女が私に返答を叩きつける。
「……興味無い」
その一言であしらわれた。だけど周りの声に一切振り向かなかった彼女が私を見て振り向いてくれた。それだけで私は彼女を絶対にメンバーにしたい。そう決め、先程の覚悟を胸に長い長い勧誘計画が始まったのだった。
絶対に彼女とアイドルをやりたい。そう決めたからには私は実現出来るまで続けるまでだ。
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