23 / 50
共通ルート
二十Ⅲ節/埋め合わせ?
しおりを挟む
冴城さんに呼び出された僕は屋上に人知れず連れていかれる。そして誰もいない人気のない屋上に着いたと思った途端急に形相を変えて僕に迫っていた。その顔はどこか寂しさと怒りを表しているようだった――
「本当に淺霧さんと何もないの?」
「そ、そうだって……」
「……でもそうとは思えないくらいあなたの顔、喜んでた」
「二人で過ごしただけ……だよ……」
正直自分にもわからない。緊張してたし、今までよりうれしかった。でもそれが二人きりだからだったのか。それとも単純に同じものを一心につくれたからなのか。わからないのだ。恋とか友情とか。そういうのは正直わからないからこそ曖昧な表現だと思う。そんな曖昧気持ちを彼女にぶつけたくないっていうのも気持ちの一つだ。
「これ以上僕を責めても……何もでな――」
「……」
それは本当に一瞬の出来事だった。頭の整理ができない。だけどそれはたぶん彼女も同じだ。
「今……ドキドキした? 私を見てどう思った?」
「そんなの……わかんないって……」
キス、されたんだ。今。だけど気持ちが整理追いつかないし何より彼女がそんな行動に出た、という事実を頭が受け入れなかった。そして僕はその場から逃げ出してしまった。自分の行動に後悔し、今にも泣きそうな彼女を横目に……
きっともう前みたいな平和な日常は過ごせなくなってしまうかもしれない。僕と彼女の間に――そんな不安が生まれた。
「本当に淺霧さんと何もないの?」
「そ、そうだって……」
「……でもそうとは思えないくらいあなたの顔、喜んでた」
「二人で過ごしただけ……だよ……」
正直自分にもわからない。緊張してたし、今までよりうれしかった。でもそれが二人きりだからだったのか。それとも単純に同じものを一心につくれたからなのか。わからないのだ。恋とか友情とか。そういうのは正直わからないからこそ曖昧な表現だと思う。そんな曖昧気持ちを彼女にぶつけたくないっていうのも気持ちの一つだ。
「これ以上僕を責めても……何もでな――」
「……」
それは本当に一瞬の出来事だった。頭の整理ができない。だけどそれはたぶん彼女も同じだ。
「今……ドキドキした? 私を見てどう思った?」
「そんなの……わかんないって……」
キス、されたんだ。今。だけど気持ちが整理追いつかないし何より彼女がそんな行動に出た、という事実を頭が受け入れなかった。そして僕はその場から逃げ出してしまった。自分の行動に後悔し、今にも泣きそうな彼女を横目に……
きっともう前みたいな平和な日常は過ごせなくなってしまうかもしれない。僕と彼女の間に――そんな不安が生まれた。
0
お気に入りに追加
1
あなたにおすすめの小説
寝室から喘ぎ声が聞こえてきて震える私・・・ベッドの上で激しく絡む浮気女に復讐したい
白崎アイド
大衆娯楽
カチャッ。
私は静かに玄関のドアを開けて、足音を立てずに夫が寝ている寝室に向かって入っていく。
「あの人、私が
[恥辱]りみの強制おむつ生活
rei
大衆娯楽
中学三年生になる主人公倉持りみが集会中にお漏らしをしてしまい、おむつを当てられる。
保健室の先生におむつを当ててもらうようにお願い、クラスメイトの前でおむつ着用宣言、お漏らしで小学一年生へ落第など恥辱にあふれた作品です。
お父様の相手をしなさいよ・・・亡き夫の姉の指示を受け入れる私が学ぶしきたりとは・・・
マッキーの世界
大衆娯楽
「あなた、この家にいたいなら、お父様の相手をしてみなさいよ」
義姉にそう言われてしまい、困っている。
「義父と寝るだなんて、そんなことは
夫の幼馴染が毎晩のように遊びにくる
ヘロディア
恋愛
数年前、主人公は結婚した。夫とは大学時代から知り合いで、五年ほど付き合った後に結婚を決めた。
正直結構ラブラブな方だと思っている。喧嘩の一つや二つはあるけれど、仲直りも早いし、お互いの嫌なところも受け入れられるくらいには愛しているつもりだ。
そう、あの女が私の前に立ちはだかるまでは…
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる