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開戦

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「でやあああああ!」
「うお!? へなちょこな刀には当たらねえんだよ!」
「つーー!?」

 なんでーーこうなったんだっけーー

「殿! いくでござるよ!」
「え? え?」

 ああ。そうか。そう言えばそうだったね。家臣の一人に無理やり連れてこられたね。そう言えば。って――どうしたらいいんだよおおおおおおおおおおおおおお!!!!

「戦うのです!」
「嫌だよ!?」
「嫌じゃありません!」
「嫌だ!!」
「やるのです!」

 そうやって無理矢理戦場へ連れ出された僕はどうしようもなく戦うことにした。ああ、なんでこうなったんだろう……まあ、いいか。そうやって僕は戦場に出た。よくわからない戦場へ。よくわからない場所へ。こうして僕の戦いが幕を開けた。っていうか、上杉謙信とか勝てるわけないじゃん!!
 武田家とは永久に引き分けってところじゃん!! なんでだよ、なんで戦うんだよっ!!

「殿。メタ発言はよくありませんぞ」
「え、なんで現代用語を?」
「え?」

 まあいいや……とはいえ、すごいなあ、戦場ってすごいなあ。僕が戦えれば尚更すごいんだろうけど無理だなあ。と言いつつも僕は戦場に旅立っていった。このバカげた戦を終わらせるために。
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