Wonder Magic Family

ジャンマル

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城の中には「ダレモイナイ」

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 森を抜けて私たちは一つの城へ辿り着くのだけれど……そこにあったものは確かに城ではあるのだが、城と呼ぶにはあまりにも……
「おい、どうなっている」
 この状況を説明できるのは約1名、カカシのみだった。だがしかし、そのカカシ事態も言葉に難があり、たまにまともに会話できる程度のものになる程度だ。だからこそわたし達は手分けしてこの近隣に住むものたちを探すこととなる。

 どこかに人は。その呼びかけをかれこれ一時間ほどしていると思う。一向に人は現れない。しかし、城の中を探しているカカシが何やら見つけたようでこちらに何かを訴えるようにジャンプして木のそこを鳴らしている。
 そこまで急いで私たちが駆けつけると……
「なんと……ブリキの軍曹……か。」
「ブリキの軍曹?」
「ああ、我が現役の時に体をブリキの器に移したものがいてな」
 パッとはしなかったが私の元いた世界よりあきらかに技術が進歩している。それに、彼が現役だった時ということは数百年前。元の世界で言えば戦時中。そんな時代にすでにブリキの体……いわゆるアンドロイド。その技術がこの世界では確立されていたのだ。その事実に驚きながらも王の声に我に変える。

「むう、生きておるな……お前たち、近くに油がある。探すのだ」

 燃料切れ、らしいのだーー
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