傷者部

ジャンマル

文字の大きさ
上 下
48 / 69

向こうは向こう

しおりを挟む
 みんなが出ていき私は彼女と二人きり。同じ空間に二人きり。だけど彼女は何も言わない、喋らない。まるで私が居ないかのように振る舞う。それはそれでいい。でも私は彼女と意地でもコミュニケーションをとる。

「諦めなさい」
「なんなのよほんと.......」

 やはり居ないものとして無視。私の声は届いていない.......?また私は誰かに無視をされるのだろうか。あの時、部活のみんなのように。それはーーとても辛い。

「ぅ.......」

 少し吐き気を催していた。思い出したくないものを思い出したらそれは誰だってそうなる。しかもそれがあまりいい思い出じゃない上にトラウマになっている、後悔になっているものと来た精神的な部分の負担でいえば相当でかい。でもそんなの彼女にとってはどうでもいいことで、知らないことだ。だから今こうして苦しんでいるのは私自身だけ。私自信を苦しめているのは過去の私。誰も攻めることは出来ないし、誰かのためになることも出来ない。所詮は約立たず.......なのかな。

「なんでそんな震えてんの?」
「あなたもそのうちこうなるのよ.......」

 彼女はあと一歩でも道を踏み違えばこうなってしまう。そういう可能性であることは違いないし、だからこそ私が今こうして彼女と一緒にいる。全ての要素において彼女と私は似ているのだ。

「あなたのその態度治さないと痛い目見るわよ」
「あんたに言われたくないんだけど。あんただって自分の傲慢で居場所なくしたんしょ?緒方由紀」
「そりゃそうね」

 だが否定をするのは違うからそこは否定しない。あくまでも未来の自分であるということを意識させないといけない。まあ、究極私がここで食い止めるからそうはならないんだけど。それでもあくまでも可能性として提示する必要性はなんとなくあるのかなと思う。私みたいに口数少なくなっても困るし。

「あんまり生意気だとその口塞ぐわよ」
「は、はぁ!?」

 とりあえず、冗談は通じるらしい。
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

校長室のソファの染みを知っていますか?

フルーツパフェ
大衆娯楽
校長室ならば必ず置かれている黒いソファ。 しかしそれが何のために置かれているのか、考えたことはあるだろうか。 座面にこびりついた幾つもの染みが、その真実を物語る

JKがいつもしていること

フルーツパフェ
大衆娯楽
平凡な女子高生達の日常を描く日常の叙事詩。 挿絵から御察しの通り、それ以外、言いようがありません。

寝室から喘ぎ声が聞こえてきて震える私・・・ベッドの上で激しく絡む浮気女に復讐したい

白崎アイド
大衆娯楽
カチャッ。 私は静かに玄関のドアを開けて、足音を立てずに夫が寝ている寝室に向かって入っていく。 「あの人、私が

若妻の穴を堪能する夫の話

かめのこたろう
現代文学
内容は題名の通りです。

令嬢の名門女学校で、パンツを初めて履くことになりました

フルーツパフェ
大衆娯楽
 とある事件を受けて、財閥のご令嬢が数多く通う女学校で校則が改訂された。  曰く、全校生徒はパンツを履くこと。  生徒の安全を確保するための善意で制定されたこの校則だが、学校側の意図に反して事態は思わぬ方向に?  史実上の事件を元に描かれた近代歴史小説。

勝負に勝ったので委員長におっぱいを見せてもらった

矢木羽研
青春
優等生の委員長と「勝ったほうが言うことを聞く」という賭けをしたので、「おっぱい見せて」と頼んでみたら……青春寸止めストーリー。

ママと中学生の僕

キムラエス
大衆娯楽
「ママと僕」は、中学生編、高校生編、大学生編の3部作で、本編は中学生編になります。ママは子供の時に両親を事故で亡くしており、結婚後に夫を病気で失い、身内として残された僕に精神的に依存をするようになる。幼少期の「僕」はそのママの依存が嬉しく、素敵なママに甘える閉鎖的な生活を当たり前のことと考える。成長し、性に目覚め始めた中学生の「僕」は自分の性もママとの日常の中で処理すべきものと疑わず、ママも戸惑いながらもママに甘える「僕」に満足する。ママも僕もそうした行為が少なからず社会規範に反していることは理解しているが、ママとの甘美な繋がりは解消できずに戸惑いながらも続く「ママと中学生の僕」の営みを描いてみました。

幼なじみとセックスごっこを始めて、10年がたった。

スタジオ.T
青春
 幼なじみの鞠川春姫(まりかわはるひめ)は、学校内でも屈指の美少女だ。  そんな春姫と俺は、毎週水曜日にセックスごっこをする約束をしている。    ゆるいイチャラブ、そしてエッチなラブストーリー。

処理中です...