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55 メーリちゃんは海が怖い
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『うーみーだーよー!!!!』
「だああああ!! うるせええ!!!」
『私メーリちゃん、うーみーだーよおおおおお!!!!!』
「うるせえって言ってんだろ!!!」
上司さんと出会ってから電話の頻度が上がった気がするメーリさんからの電話である。
海らしいがなんかテンションが非常に高い。
『海といったら!!!!』
「はいはいいったら?」
『潮干狩りなのです!!!!! お兄さんにお土産にいっぱい持っていくからね!!!!』
「というかいつになったらうちにたどり着くんだ」
もう永久にたどり着かないんじゃないかと思ってる。
前は山だったのに今回海とか、うちの近く完全に通過してその先に行ってるじゃねえか。
『おにいさん、蟹取れたよ蟹!』
「いや、食えるものもってきてくれよ。あさりとか」
何を持ってくるつもりなのか、かなり不安になる話しか出てこない。
「おーい、SNSの方に何か写っているか?」
『写真上がってるね』
「どれどれ」
あいつに声をかけると、SNSのアカウントを確認してくれたようだ。
ちょうどメーリちゃんの写真が写ってたらしい。
『水着だね』
「ああ、水着だな」
金髪の美少女メーリちゃんのかわいらしい水着姿と、その後ろで上司さんのブーメラン水着姿が写っていた。
なんというか、うん
「いろいろ問題画像だな」
幼げなメーリちゃんが上司さんに誘拐されているようにも見えるなかなかな写真である。
というか怪異とそれを管理する側がこんな仲良くしていていいのだろうか。
『で、おにいさん、蟹と木の枝とどっちがいい?』
「どっちも遠慮する。アサリとハマグリがいい」
『わがままだなぁ』
いや、小さな磯蟹も木の枝もいらねーよ。
そんな話をするとすぐ電話は切れてしまった。
きっと楽しく潮干狩りをしているのだろう。
翌日、上司さんが大きなハマグリをいくつも届けてくれた。
しかしメーリちゃんは来なかった。途中で迷子になったのだとか。
意味の分からないこともあるものである。
「だああああ!! うるせええ!!!」
『私メーリちゃん、うーみーだーよおおおおお!!!!!』
「うるせえって言ってんだろ!!!」
上司さんと出会ってから電話の頻度が上がった気がするメーリさんからの電話である。
海らしいがなんかテンションが非常に高い。
『海といったら!!!!』
「はいはいいったら?」
『潮干狩りなのです!!!!! お兄さんにお土産にいっぱい持っていくからね!!!!』
「というかいつになったらうちにたどり着くんだ」
もう永久にたどり着かないんじゃないかと思ってる。
前は山だったのに今回海とか、うちの近く完全に通過してその先に行ってるじゃねえか。
『おにいさん、蟹取れたよ蟹!』
「いや、食えるものもってきてくれよ。あさりとか」
何を持ってくるつもりなのか、かなり不安になる話しか出てこない。
「おーい、SNSの方に何か写っているか?」
『写真上がってるね』
「どれどれ」
あいつに声をかけると、SNSのアカウントを確認してくれたようだ。
ちょうどメーリちゃんの写真が写ってたらしい。
『水着だね』
「ああ、水着だな」
金髪の美少女メーリちゃんのかわいらしい水着姿と、その後ろで上司さんのブーメラン水着姿が写っていた。
なんというか、うん
「いろいろ問題画像だな」
幼げなメーリちゃんが上司さんに誘拐されているようにも見えるなかなかな写真である。
というか怪異とそれを管理する側がこんな仲良くしていていいのだろうか。
『で、おにいさん、蟹と木の枝とどっちがいい?』
「どっちも遠慮する。アサリとハマグリがいい」
『わがままだなぁ』
いや、小さな磯蟹も木の枝もいらねーよ。
そんな話をするとすぐ電話は切れてしまった。
きっと楽しく潮干狩りをしているのだろう。
翌日、上司さんが大きなハマグリをいくつも届けてくれた。
しかしメーリちゃんは来なかった。途中で迷子になったのだとか。
意味の分からないこともあるものである。
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