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51 メーリちゃんは浮世絵が怖い
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『もしもし、私メーリちゃん。いま浮世絵を見に来てるの』
「ずいぶん高尚なもの見てるな」
『これを見たらおにーさんのところいくの』
「まだ来るつもりなのか」
とっくにあきらめたと思っていたのに、電話がかかってきたから何かと思ったら、まだ来るつもりのようだ。
しかし浮世絵展か、なかなか変わったものを見に行ってるな。
『ジャポニズムなの! 多分すごくおいしいの!!』
「いや、ジャポニズムはおいしくないぞ」
『でも、おいしいの。おにぎりみたいなお寿司なの』
『お兄さん、ボクも食べたい!!!』
「ん? なんだ?」
あいつがいきなりPCを指さしてそんなことをいうから、何の話だろうと思いPCモニタをのぞき込む。
どうやらメーリちゃんのアカウントのようだが……
かなりでかい寿司が写っていた。
マグロの漬けのようだが…… 大きさが普通の寿司の何倍もある。本当におにぎりのようだった。
『おにーさんつくって!』
「さすがに寿司は難しいぞ」
寿司の握り方なんてさすがにわからん。ただ、刺身とかのネタを買ってきて、酢飯を作れば後はこいつが勝手にやるだろうか。食いに行ってもいいのだが、場所が少し遠く、こいつを連れていけるかはかなり不安があった。
『とてもおいしいの!! 半分でおなかいっぱいなの』
「全部は食べられなかったのか」
若干もったいない精神がうずくが、しょうがない。まあ上司さんのお金で食べているだろうから俺が口を出す話じゃ……
『じゃあお金ないから逃げるの』
「おい、上司さんどうした!?」
『今日はお仕事で別行動なの! お金は後で上司さんがきっと払うの!!!』
「自由過ぎんだろお前!?」
上司さんの苦労がしのばれる。まあ、管理責任の範疇だろう。
『では見学再開なの。浮世絵はよくわからないの』
「まあ確かにわかりにくいかもな」
今時風ではない。昔の人はこれをどう見ていたのだろうか。
そんな風に思うが……
『ぎやああああああ!!!』
「!? どうした?」
『な、なまくびいぃぃぃ』
「おい、生首ってなんだよ…… 切れた」
妙な断末魔をあげて、メーリさんからの電話は切れてしまった。
『どうしたの?』
「メーリちゃんが悲鳴を上げて電話切れた」
『何があったんだろうね』
「SNSのアカウントのほうにないかないか?」
『ちょっと見てみるね……』
生首、ねえ。浮世絵で生首というと…… もしかして
『ひぎゃあああああ!!!』
「ああ、すまんすまん、早く気づけばよかったな」
『あわわわわわわわ』
こいつはおびえて俺に抱き着いてくる。
PCの画面には、グロテスクな生首が写った幽霊画が写っていた。
それにしても、こいつは前から知っていたが、メーリちゃんもホラーは苦手なのだろうか。
本人たちがホラーなのに、ホラーが苦手とは一体どういうことなのか。なかなか疑問であった。
「ずいぶん高尚なもの見てるな」
『これを見たらおにーさんのところいくの』
「まだ来るつもりなのか」
とっくにあきらめたと思っていたのに、電話がかかってきたから何かと思ったら、まだ来るつもりのようだ。
しかし浮世絵展か、なかなか変わったものを見に行ってるな。
『ジャポニズムなの! 多分すごくおいしいの!!』
「いや、ジャポニズムはおいしくないぞ」
『でも、おいしいの。おにぎりみたいなお寿司なの』
『お兄さん、ボクも食べたい!!!』
「ん? なんだ?」
あいつがいきなりPCを指さしてそんなことをいうから、何の話だろうと思いPCモニタをのぞき込む。
どうやらメーリちゃんのアカウントのようだが……
かなりでかい寿司が写っていた。
マグロの漬けのようだが…… 大きさが普通の寿司の何倍もある。本当におにぎりのようだった。
『おにーさんつくって!』
「さすがに寿司は難しいぞ」
寿司の握り方なんてさすがにわからん。ただ、刺身とかのネタを買ってきて、酢飯を作れば後はこいつが勝手にやるだろうか。食いに行ってもいいのだが、場所が少し遠く、こいつを連れていけるかはかなり不安があった。
『とてもおいしいの!! 半分でおなかいっぱいなの』
「全部は食べられなかったのか」
若干もったいない精神がうずくが、しょうがない。まあ上司さんのお金で食べているだろうから俺が口を出す話じゃ……
『じゃあお金ないから逃げるの』
「おい、上司さんどうした!?」
『今日はお仕事で別行動なの! お金は後で上司さんがきっと払うの!!!』
「自由過ぎんだろお前!?」
上司さんの苦労がしのばれる。まあ、管理責任の範疇だろう。
『では見学再開なの。浮世絵はよくわからないの』
「まあ確かにわかりにくいかもな」
今時風ではない。昔の人はこれをどう見ていたのだろうか。
そんな風に思うが……
『ぎやああああああ!!!』
「!? どうした?」
『な、なまくびいぃぃぃ』
「おい、生首ってなんだよ…… 切れた」
妙な断末魔をあげて、メーリさんからの電話は切れてしまった。
『どうしたの?』
「メーリちゃんが悲鳴を上げて電話切れた」
『何があったんだろうね』
「SNSのアカウントのほうにないかないか?」
『ちょっと見てみるね……』
生首、ねえ。浮世絵で生首というと…… もしかして
『ひぎゃあああああ!!!』
「ああ、すまんすまん、早く気づけばよかったな」
『あわわわわわわわ』
こいつはおびえて俺に抱き着いてくる。
PCの画面には、グロテスクな生首が写った幽霊画が写っていた。
それにしても、こいつは前から知っていたが、メーリちゃんもホラーは苦手なのだろうか。
本人たちがホラーなのに、ホラーが苦手とは一体どういうことなのか。なかなか疑問であった。
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