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6 マッスル大決戦

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「我も名乗ろう。我は異世界の日の本の国より来たりしマッチョである!!」

そうしてサイドチェストのポーズをとるマッチョ。
その分厚い胸筋が強調される。

「異世界から…… もしや、光の勇者か。そしてそのポーズ、かっこいいな!!!」

この世界にボディビルの様なものはいまだ存在していない。
筋肉をアピールするポーズというものにマ王マ―マオは感銘を受けていた。
真似てポーズをとるマーマオ。ポージングは難しいのだが、そこは筋肉を極めた王だけあり、多少苦戦するもきれいなポージングを行った。

「くっ、胸のマッスルで負けてるだと、このマッスルを極めし王たる我が!?」
「我の胸筋は宇宙一である」

そうして露わになるマッスルの差。
コンから見たら、二人とも気持ち悪いぐらいの筋肉にしか見えないのだが、二人の間では勝敗がついていたようだ。
不敵に笑いながら、胸筋をぴくぴくさせるマッチョ。マーマオをあおっているのだ。

二人の間の空間では光の筋肉パワーと闇のマッスルパワーがぶつかり合い、その衝撃波で地面がえぐれ始めていた。

「しかし、胸の大きさだけでは決まらんよ!!!」

そうしてマッスルの天才であるマーマオは違うポージングをした。いまただ思いついただけのポーズだが、日本ではダブル・バイセップスといわれるポーズだった。天才たるマーマオは、一瞬にして自らの最も誇るマッスルを強調するポーズを編み出したのだ。
その上腕二頭筋が強烈に強調される。
マッチョも同じポーズをとるが……

「なんという、上腕二頭筋である……っ!?」
「これだけは、まけぬ、まけぬよ!!!」
「ボクはいったい何を見せられているのだろう」

二人から放たれる光の筋肉パワーと闇のマッスルパワーがそこらじゅうでぶつかり合い、空間がそこかしこではじける。
汗臭さがあたりに充満していく。

「ねえ、そろそろボク、帰るね」

コンは決めた。こんな正気を試されるような空間にもういられないから帰ろうと。
というか謎の爆発が起きてて普通に怖い。
そう思って彼女は帰ると宣言したのだった。
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