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初めての※ヴェル視点
しおりを挟む「あ、あのっ....」
「ん?なんでしょう?」
「わ、私アティリア・ローズと言いますの!宜しければ、私とご友人になって下さい!!!」
こんなやり取りから始まった僕達の出会い。
◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇
自分でいうのは恥ずかしいが、僕は見目麗しいと思う。幼い頃からこの容姿に惹かれる人は老若男女問わずいた。
特に女性は顕著で、名も知らない顔も知らない人に声をかけられたと思ったら次は大体同じセリフ。
「「「「好きです!付き合ってください」」」」
普通なら嬉しいかもしれないが、結局は皆んな僕の器が好きなだけ。僕の器が欲しいだけ。中身なんて知らない要らない。
そんな事が続き辟易した僕は、極力人と関わる事を避け勉学に勤しんだ。少しでも器を満たす様に中身を埋めたかったのかもしれない____。
専門的な事を学ぶ為隣国の学園へ留学を決めた。そこも同じようなモノで僕は変わらず多くを1人で過ごしていたんだ。
そんな時だった。
いつもの様にいきなり声をかけられた。
またか.....。
視線をあげると、直立から直角に腕を差し出し、顔を真っ赤にしながら下に伏せる少女がいた。
「わ、私アティリア・ローズと言いますの!宜しければ、私とご友人になって下さい!!!」
ん?
一瞬聞き慣れない言葉に僕は思考を巡らせ、その言葉を解読する。何度か考え今までにない転回を理解する。
ぷ、
ぷはははは!
気づけば僕は声を出して笑っていた。
涙を堪えて視線を彼女へ向けると呆けていた。惚けるではなく呆けるだ。
その反応も新鮮だった
それから僕も自己紹介をして、初めての友人ができた。
あれからお互いに交流を続け、初めは少し気まずさを含んでいたが幸い共通の話題もあり徐々に打ち解けた。
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