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天使に失礼ではなかろうか__いや、そういえば天使というのは文字通り“天からのお使い“、つまり天上に住まう神々の召し使いであるからあながち間違ってもいないのか?
驚くあまりアルスリーアの思考は途方もなく残念な方向に振り切れていく。
__案外、似たもの同士なのかもしれない。
「見たくなかったわけじゃないんだ……信じて?」
超絶美形のどアップでそれはズルい。
ダンスは密着するものとはいえ、顔が近すぎやしないだろうか。
そう思っている間に曲は終わったが、エドワードは手を離さなかった。
「このまま踊ろう。疲れたら言ってくれ」
「他の方と交流しなくてよろしいのですか?」
「挨拶はしたし、今日は元々君のお披露目だ。俺は添え物でいい」
そんなキラキラしい添え物はあり得ません と言いたいが、次の曲が始まってしまいそのまま二曲目、三曲目と二人で踊り続ける。
もちろん二曲目からは他の招待客も踊っているが、二人の周囲は何故だか人が疎らだった。
結局エドワード以外と踊らなかった(踊らせてもらえなかったとも言う。疲れて休む間もその後もエドワードがぴったりくっついて離れなかったからだ)初めての夜会の翌日、
「リーア、今日その、もし良かったら、町に__その、俺とデートしないか?」
デート?
って、
なんだっけ……?
アルスリーアの思考が暫くコールドスリープした。
アルスリーアが停止したまま動かないので、
「あ!えぇと、昨日の疲れが残っていなかったら、でいいんだ。リーアとならただ町を歩くだけでも楽しいだろうと思って。一緒にカフェに行ったり、買い物をしたりするんだろう?婚約者同士なら。俺はリーアとそういう時間を作ることもせず、勝手に籍だけ入れて__本当にごめん」
あゝやっぱりそのデートで合ってるのか。
この人のことだから単に何か日付確認の手伝い請われてんのかと思った。
アルスリーアの思考もやはり残念な方向に振りきれたままだった。
とくにすることもなかったのでエドワードの申し出を受け、二人は今馬車に揺られている。
「その、一応リサーチはしておいたんだけどリーアはどこに行きたい?行きたい場所とか、欲しいものがあったら言ってくれ」
今度はリサーチときた。
だが、エドワードがデートスポットについて調べる姿が想像できず、
「リサーチ……どなたに?」
と、思ったより冷たい声が出てしまった。
「騎士団の部下に集めてもらったものだ。正確には騎士団員の婚約者や奥方たちだな」
なるほど。
確かに元々王都にお住まいの夫人や令嬢なら、そういったスポットを熟知しているだろう。
自分は王都に来てからもほとんど外出らしい外出をしていない。
人付き合いもないから情報も仕入れようがない。
ジェイミーは元気だろうか。
そんなことを思いながら窓の外を流れる街並みに目をやる。
アルスリーアが住んでいたガゼル領とはまるで違う。
「リーア」
外に想いを馳せていたアルスリーアをエドワードの声が引き戻す。
「リーアはガゼル子爵領に帰りたい?」
「え?」
「離れていたくないから強引に邸に連れて来てしまったけど、リーアは王都は嫌?あの邸は住み心地が悪いかい?もしそうなら言って?」
「言って……どうなるのですか?」
「決まってる。君をガゼル子爵領に帰すよ」
「帰って良いのですか?」
「もちろん。君の嫌がることはしたくない。もし戻るつもりなら早めに言ってくれ、俺も準備するから」
「………」
じゅんび??
何の。
「決まってるだろう、その場合俺も子爵領に引っ越すからだ。リーアの子爵邸の部屋はそのままにしてもらってあるが手狭だろう?近くに二人で住む邸を探そう、そうすればガゼル家には俺が送り迎えできるし__」
「あ あの?フェンティ様、」
「エディだ」
「エドワード様、」
「“エディ“」
「……エディ」
「うん、何?リーア」
驚くあまりアルスリーアの思考は途方もなく残念な方向に振り切れていく。
__案外、似たもの同士なのかもしれない。
「見たくなかったわけじゃないんだ……信じて?」
超絶美形のどアップでそれはズルい。
ダンスは密着するものとはいえ、顔が近すぎやしないだろうか。
そう思っている間に曲は終わったが、エドワードは手を離さなかった。
「このまま踊ろう。疲れたら言ってくれ」
「他の方と交流しなくてよろしいのですか?」
「挨拶はしたし、今日は元々君のお披露目だ。俺は添え物でいい」
そんなキラキラしい添え物はあり得ません と言いたいが、次の曲が始まってしまいそのまま二曲目、三曲目と二人で踊り続ける。
もちろん二曲目からは他の招待客も踊っているが、二人の周囲は何故だか人が疎らだった。
結局エドワード以外と踊らなかった(踊らせてもらえなかったとも言う。疲れて休む間もその後もエドワードがぴったりくっついて離れなかったからだ)初めての夜会の翌日、
「リーア、今日その、もし良かったら、町に__その、俺とデートしないか?」
デート?
って、
なんだっけ……?
アルスリーアの思考が暫くコールドスリープした。
アルスリーアが停止したまま動かないので、
「あ!えぇと、昨日の疲れが残っていなかったら、でいいんだ。リーアとならただ町を歩くだけでも楽しいだろうと思って。一緒にカフェに行ったり、買い物をしたりするんだろう?婚約者同士なら。俺はリーアとそういう時間を作ることもせず、勝手に籍だけ入れて__本当にごめん」
あゝやっぱりそのデートで合ってるのか。
この人のことだから単に何か日付確認の手伝い請われてんのかと思った。
アルスリーアの思考もやはり残念な方向に振りきれたままだった。
とくにすることもなかったのでエドワードの申し出を受け、二人は今馬車に揺られている。
「その、一応リサーチはしておいたんだけどリーアはどこに行きたい?行きたい場所とか、欲しいものがあったら言ってくれ」
今度はリサーチときた。
だが、エドワードがデートスポットについて調べる姿が想像できず、
「リサーチ……どなたに?」
と、思ったより冷たい声が出てしまった。
「騎士団の部下に集めてもらったものだ。正確には騎士団員の婚約者や奥方たちだな」
なるほど。
確かに元々王都にお住まいの夫人や令嬢なら、そういったスポットを熟知しているだろう。
自分は王都に来てからもほとんど外出らしい外出をしていない。
人付き合いもないから情報も仕入れようがない。
ジェイミーは元気だろうか。
そんなことを思いながら窓の外を流れる街並みに目をやる。
アルスリーアが住んでいたガゼル領とはまるで違う。
「リーア」
外に想いを馳せていたアルスリーアをエドワードの声が引き戻す。
「リーアはガゼル子爵領に帰りたい?」
「え?」
「離れていたくないから強引に邸に連れて来てしまったけど、リーアは王都は嫌?あの邸は住み心地が悪いかい?もしそうなら言って?」
「言って……どうなるのですか?」
「決まってる。君をガゼル子爵領に帰すよ」
「帰って良いのですか?」
「もちろん。君の嫌がることはしたくない。もし戻るつもりなら早めに言ってくれ、俺も準備するから」
「………」
じゅんび??
何の。
「決まってるだろう、その場合俺も子爵領に引っ越すからだ。リーアの子爵邸の部屋はそのままにしてもらってあるが手狭だろう?近くに二人で住む邸を探そう、そうすればガゼル家には俺が送り迎えできるし__」
「あ あの?フェンティ様、」
「エディだ」
「エドワード様、」
「“エディ“」
「……エディ」
「うん、何?リーア」
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