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「二人で考えよう、か……」
そう言ってくるあたり、確かに成長というか反省はしてるのだろう、今まで全て独断専行でやって来たことを。
とは言っても、「奥様」としてこの屋敷に迎えられた私だが、そもそも「貴族令嬢」として育ったのは途中までであり、その後苦学生、家庭教師として生きて来た身である。
また生家の子爵家から籍は抜けているものの「フェンティ騎士伯の妻」としての籍は抜かれていない為扱いとしては貴族夫人になるのだが、そもそもデビューしていないので社交などやりようがないし、近くに既知もいない。

今までは働きながら自分のことは自分でやってきたが、ここには使用人がおり、自分は世話を焼かれる側に回らなければならない。
故に、朝エドワードが登城する時に「いってらっしゃいませ」と送り出すことと、帰宅の際に「おかえりなさいませ」と出迎える以外にやることがない。

「暇だわ……」
ドレスを取っ替え引っ替えしたり宝石商を家に呼んだりといった貴族な過ごし方(?)に惹かれないアルスリーアはぼんやりと手入れされた庭を見下ろしてごちた。
エドワードには「好きになんでも買うといい」と言われてはいるが、特に欲しい物も浮かばず、現状屋敷に増えていく物は本だけだ。

護衛付きで買い物に行くのは許可されているが、それ以外の外出は「休みを取るので先に知らせて欲しい」と言われている。

なんで付いてくる前提なんだ。

騎士団長って忙しいんでしょうが?

実際アルスリーアの知らないところでエドワードはこれまでないレベルのスケジュールに忙殺されていたのだが、それをアルスリーアが知るのはまだ先の話である。



「なぁエディ」
声を掛けても返事がない。
「おーい」
やはり返事はない。
「エドワード・フェンティ!」
怒鳴ってもない。
「火事だーー!」
全く反応がない。
この城の警備は大丈夫だろうか……。
「アルスリーア嬢が来たぞー」
と小さく呟くと、
「リーアがっ!?」
凄い勢いで立ち上がったので傍で声を掛けていた相手は尻もちをついた。

きょろきょろと周囲を見渡すも、アルスリーアの姿が見えないことに一転しょげて俯いたエドワードは目線より大分低い位置にいた(倒されたとも言う。)男の姿にやっと気付いた。
「陛下。何故ここに__いつの間に来たんですか?」

























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