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「健気に待ってるようなか弱い女の子に育ってて欲しかったんですよね?」
「リーアは今だって充分健気だぞ?」
「え」
(どの辺が??)
「体つきも華奢だし、背も伸びてはいるが女性として特に高い方でもないし、俺が何もしてやれなかった八年間自分で居場所を作って来たんだろう?そんな女性が健気でなくて何なんだ?」
「____」
アルスリーアはぽかんと口を開けて固まった。

「えぇ……?」
かろうじて出た間延びした声に今度はエドワードが眉根を寄せる。
「怒ってたんじゃないんですか?私が待っていなかったことに対して」
「怒ってたのは君の方だろう?そもそも君が実家に居られない状況を作ったのは俺だ」
「籍抜いて家出してたのに?」
「隣国に自主留学してただけだろう」
「こんな頭でっかちで可愛げのない、口は回るのに気遣いが足りない女に育っててがっかりしなかったんですかっ?」
「君の頭は別に大きくない、可愛いと言うより綺麗になったとは思うが。__あとその後半は誰の評価だ?」
「評価というほどではないですが、大学で一方的な意見を言う男子学生に反論したらそう言われました」
「そいつは単に君に言い負かされたのが口惜しかっただけだ、気にしなくていい」
「……何で言い切れるんですか」
「君みたいないかにも令嬢然とした女性が反論してくるとは普通考えないからだ。見なくてもそれくらいわかる」

むしろどうして本人が気付かないのか。
「__へ?」
思わず呆けた表情が可愛らしい。
年齢に似合わず大人びて見えたのは敢えてそう仕向けていたのだろう、周囲から侮られないために。
ついでに反論されてそんな返ししか出来ないのは相手もガキか単にプライドが高いだけだろう。
嗚呼そうか、そういえば俺は彼女が頭が良いことは知ってたのに学園での成績は知らなかったし知ろうとしなかった。
知ってたら、スキップで卒業出来そうなことも想像がついたろうし、ちゃんと話してたら留学の手助けくらい出来ていたかもしれない、一応侯爵家というツテがあるのだから__まぁもうこの先は必要ないが。
結局あの頃の自分は自分のことでいっぱいいっぱいの脳筋で、自分の行動の結果リーアがどんな思いをするかまで想像が及ばなかった。

「確かに会えなかった八年は長いし、育ってきた想いは単なる思い込みなのかもしれない。けど、俺は今も昔もリーアだけが好きだ。だから__もう一度、チャンスをくれないか?」















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