転生しても女顔だったけど今度は負けない〜転生先は第六王子〜

詩海猫

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第一章

二人のアルトハーツ

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アルトハーツが間借り(?)している邸に戻ってすぐ、ピンク色の髪をした青年が部屋に入ってきた。
「はぁ~つっかれた~質問責めにも限度ってもんがあんだろ、一応この国の王子だぞ?」
「お疲れ、、君ともあろう者がわざわざそんな奴ら相手にしてたのか?」
「まさか。最初だけ適当に答えて後はとっとと逃げてきたさ。あと頼むからここに戻ったら本名で呼んでくれ、余計に消耗する」
そう言う彼のピンクの髪色が徐々に変化し、金色に変わっていく。
髪の長さまで変わり、一瞬後には金髪金眼の青年が立っていた。
「お疲れ、ゼスト。どうだった?ナイトエルの王子として入学した感想は」

「疲れたに決まってるだろ、王子って身分だけでも人が集まるのにこの目立つ容姿じゃあな。令嬢がた、早くもハンターの目になってたぞ」
「僕が知ってる限りじゃ、ナイトエルの貴族令嬢が僕に興味を持ったことなんかないけどな?」
「ばーか、女ってのは綺麗なもんが好きな生き物なんだよ。留学から帰ってきた王子がこんな美人になってたらそら欲しくなんだろうよ」
「どうだかな?この国の攻撃属性信仰は根深いから、王族としては失格の探査特化を本気で取り込もうなんて貴族はそうそういないはずだけど」
「__そんなにか?」
迷わず頷くアルトハーツにゼストは大きく息を吐く。

本当に、自国とは全く違う。

「しかし、本当に全く気づかれないものなんだな?この擬態魔法ってのは」
「ゼストも整った顔立ちだから造り自体はそんなに変えてないんだけどな?髪を伸ばしてピンクにして、瞳の色も同じにしただけで」
「あゝ、わかってる。それだけで本当に大丈夫か疑ったが__」
学園といえど王室直轄組織なのだ。
疑ってかかる奴の一人や二人、いるものかと思っていたのに。
蓋を開けて見たら大歓声の大歓迎だ。
誰ひとり、疑いの眼差しを向けては来なかった。
「皆俺の髪と瞳の色しか見てなかったし、最後に会った時はコロコロしてたとしか認識してないんだろうな」
何ともいえない顔で押し黙るゼストに、アルトハーツは淡々と告げた。

__そんな周囲の反応には、まるで関心などないように。












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