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少女の始まり

親友

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パタパタと立ち去っていく後ろ姿。
肩で切りそろえた青みがかった銀髪が揺れた。

マロンは私の親友で、尊敬する団長の養女だった。
もちろん最初は気に入らなかったけど、その朗らかで優しい性根に絆されて、今や親友として隣にいる。

こう言ってはなんだけど、マロンは地味だ。
肌は健康的な色をしているし、一つ一つのパーツは悪くない。
笑顔なんて思わず抱きしめたくなるし、その身に持った珍しい色合いも素晴らしい。
それでもどことなく田舎娘のような素朴さを······まあ、言ってしまえば華やかさがない。

それはもちろんマロンのせいでは無い。
普通に可愛い部類である。
でもそんなふうに思ってしまうのは、マロンを囲む人たちのせいだった。

どいつもこいつも顔がいい。
しかもマロンはそいつらに好かれている。

なんでもマロンの初恋の君たちの顔がたちそう良かったらしく、メンクイを公言する割に美形になびかないのだ。
そこがいいらしい。

まあ、何となくわかる。

でも私は、出来ればマロンは私の姉になって欲しい。
アーノルトみたいな馬鹿な兄貴とくっ付けるのは悪いけど、あいつもマロンが好きだし。
むしろなんで気付かないのか謎のレベル。

それで······そうだなぁ、将来的にとっても素敵な旦那様を手に入れた私の隣で、幸せそうに笑っていればいい。
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