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少女の始まり

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「ってことがあって」

二人並んで洗濯物をしていたら、隣から大きなため息がひとつ。

「マロンってば、まだ初恋の君たちにご執心なの?」
「えっ」

私より多分何倍もキラキラしくて顔が小さくて目が大きくて可愛い、サバサバとした性格の大好きな親友の言葉に動揺する。

彼女はセレスティーナ・ルフォー。
同じ傭兵団の一員なんだけど、回復要員の私と違って立派な戦力だ。

しかも可愛い。
さっきも言ったけど顔は小さく目は大きく、髪だってふわふわで、高身長だけど出るとこは出て、引っ込むとこは引っ込んでる。

正しく理想の体型。

それに比べて私は······いつまでたっても寸銅体型なんだけど。
うーん、複雑。

ちなみに、初恋の君たちっていうのは私の三人の初恋の相手のこと。
なんか色々あったらしくて小さい頃に記憶を失っちゃったんだけど、寝るたんびに無くなった記憶の人物かは知らないけど順番に、黒髪黒目の美青年、金髪赤目の美丈夫、黒髪青目の美少年が出てくる夢を見る。

ちなみに全員顔がよろしい。
いつも一緒のみんなには悪いけど、どれだけ顔がいいだろアピールされてもこの三人には敵わないと思うよ。

「うー······そんなんじゃないよ······」
「じゃ、もうちょっと前向きに検討すれば?せっかくだし」
「うーん······」
「あ、ダメならアーノルトなんてどう!?」

あ、アーノルトっていうのはセレスティーナの実の兄で、うーん······悪友?
ちょっと考えられないなぁ······。

そう言ったらセレスティーナは「この鈍感め······」と心底残念そうにため息をついた。
失礼な。
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