53 / 226
第5章 勇者と調査クエスト編
第53話 ミミックさんに御用心!
しおりを挟む
ミミック ランクE 危険度★★★☆☆
ミミックとは、生物学的には擬態することを指す言葉である。
体の形を自在に変えられ、見たものに何でも擬態ができる。主にダンジョンの宝箱や壁に擬態しており、近くを通る獲物を捕食する性質がある。狡猾なミミックになると、人の言葉もある程度理解し会話する個体も存在する。
人に取り入って油断した獲物を後ろから襲い捕食することから、危険度は星三つである。
あくまで擬態できるのは、ミミック自身が見たものがものだけに限られ、記憶まで読み取って擬態することはできない。
また擬態する時間にも制限があり、通常は1時間ほどで擬態は解ける。
主な攻撃方法は、体を触手に変化させての物理攻撃である。軟体で柔らかな体には打撃が効きづらい。倒すには、体の中心にある魔石を破壊するか再生不可能な大きさにまで、体を細切れにするしかない。
ミミックと聞いて宝箱を思い浮かべる冒険者は、注意が必要である。本来はどんなものにも擬態ができる、恐ろしい魔物だという事を覚えておくと良いだろう。
著 冒険者ギルド 魔物図鑑参照
◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆
「なんで……なんでこんな事に……」
それは突然の出来事だった。
アルムの冒険者ギルドに所属するEランクパーティー『水の調べ』が、その日の調査クエストを終えて、夜営の準備をしていた時にそれは起こった。
今日はいつもと違い、森にいる魔物の数が明らかに増えていた。
連戦に次ぐ連戦で、パーティーメンバー全員に疲れの色が見え始め、パーティーリーダーのケイトの提案で、その日は早目に休むことにした。
普段から森の中域までクエストをこなしているパーティーにとって、この辺りは自分たちの庭みたいなものであり、比較的安全に夜を明かせる場所も熟知していた。
基本、Fランク程度の魔物しか現れない中域手前までなら、彼女たちにとって脅威となる魔物も存在しない。
いつも通り魔物避けの魔香を焚き、安全を確保して食事をしている時だった。
塩辛い干し肉に硬く不味い携帯パンを、暖かいお茶で無理やり口に詰め込んでいると、パーティーメンバーのスカウトが何かの気配を感じ取り、食事の手を止めていた。
「どうしたの?」
「何か気配を感じたのだけど……すぐに消えてしまったわ。小さな動物かしら? ちょっと気になるから見てくるわ」
スカウトの女性は立ち上がると、自分の武器である弓を持ち矢をつがえる。
「私も行こう。近接職がいれば、何かあった時に最悪壁になって時間が稼げるしな」
パーティーのタンカー兼アタッカーの女戦士が、鉄の盾とミドルソードを手に、スカウトのあとに続く。
「何かあったら、すぐに声を上げなさい」
パーティーリーダーのケイトは、二人に声を掛けて見送る。
「分かっているわ。すぐそこだから大丈夫よ」
戦士とスカウトを見送ると、残った三人はいつでも戦闘に入れるよう、それぞれの武器を傍に食事を続けた。
十分ほど経った頃だろうか……少し戻りが遅い二人を心配した折に、二人が戻ってきた。
「お帰り、何もなかったようね。良かったわ」
「怪我はないようですね。無事で何よりです」
ケイトと回復役の僧侶は、二人が無事に戻って来たことに安堵するが、二人は頷くだけで一言も喋らずに焚き木のそばに無言で座る。
「はい、お茶は温め直しておいたよ。やっぱり動物だったのね。魔物じゃなくてよかった~」
「今日はもう、MPを使い果たしているから、できるだけ戦いたくはないわね。魔法使いの私はMPが尽きたら役に立たないから……二人ともお疲れさま」
パーティーのアタッカーである槍術士と魔法使いの二人も労うが、戻って来た二人はお茶を手に取ると黙々と食べ掛けの食事を口に運びだした。
ケイトは何か雰囲気が変わった二人に違和感を覚えながらも、昼間の連戦で疲れているのかと思い、あまり気にはしていなかった。
パーティーリーダーのケイトは明日の行動内容を簡単に決めると、その日は早目の休む運びとなった。
五人パーティーの場合、二人が見張りにあたり交代で寝るのが基本となる。リーダーのケイトが、いつものようにクジで順番を決めようとすると……。
「私が最初にやるわ」
「私も」
スカウトと戦士が手を上げてくれた。魔法使いと僧侶はMPが底を突いており、早めに寝かせてMPを回復させてあげたい……ケイトは二人の申し出を素直に受け入れ、先に休むことにした。
冒険者をしていれば、浅い眠りで身体の疲労を回復するのは当たり前になる。特に寝込みを襲われることもある冒険者稼業において、たとえ寝ていても異変があれば瞬時に目覚めるのは、基本中の基本だった。
ケイトは、浅い眠りの中で微かな物音に反応して飛び起きていた。当然のようにその手には、傍に置いていた大剣クレイモアが握られていた。
すぐに仲間の様子を確認すると、寝ている僧侶と魔法使いの二人に、半透明なスライム状の物体が近づくのが見えた。
ケイトは奇襲を受けたと思い、見張りをしていたスカウトと戦士の姿を探すが見当たらない。
「みんな起きろ! 魔物の奇襲だ!」
ケイトは目の前で眠る二人を起こそうと声を上げ、手にしたクレイモアをスライム状の魔物に振ると、柔らかなスライム状の物体は、クレイモアに斬られ二人から遠ざかる。
未だに目覚めない僧侶と魔法使いの二人の前に、ケイトがスライム状の魔物に対して壁のように立ち、クレイモアを構える。
スライム擬きと対峙したケイトが、二人を守る為にクレイモアを振るい続けていると、目を覚さなかった二人が起き上がる気配を背中越しに感じた。
これで何とかなると思い、後ろの二人に指示を出す。
「MPが回復していたら、ファイヤーボールで攻撃をお願い! あとライトで辺りを明るくして!」
「……」
前方のスライム擬きに魔法による援護を期待したが、一向に呪文の詠唱が始まらないことにケイトが訝しみ、後ろを肩越しに確認すると……腕から手の先までを触手に変化させた魔法使いに、肩を貫かれていた。
「そ、そんな……」
痛みでクレイモアを落としてしまうケイト。痛みを堪えて触手を無理矢理に引き抜くと、足元に転がるクレイモアに手を伸ばすが、今度は僧侶の触手が手に突き刺さる!
地面に縫い止められ動けなくなるケイトは、二人を睨みつけた。
「クッ、お前ら、みんなをどうした⁈」
ケイトは仲間に化けた魔物を睨みつけて、問い掛けるが返事は返ってこない……すると魔物の後ろから、スカウトと戦士の二人がいつの間にか現れ、背後からゆっくりと近づいていく。
ケイトは仲間が助けに来たものと思い期待するが、それはすぐに絶望へと変わる。
スカウトと戦士の二人が背後から魔物に近づくと、攻撃を加えることもなく魔物と並び、ケイトを上から見下ろすと……ニヤニヤと笑い始めた。
スカウトと戦士の腕が触手に変わるとケイトは理解した。生き残っているのは自分だけで、もう誰も生きていないことを……そして自分は今からこの魔物に食べられてしまうことに……
「なんで、なんでこんな事に……」
ケイトの呟きは誰にも聞かれることはなく、夜の闇へと消えていった。
誰も助けを期待できない森の中で、仲間を殺され仇を討てないまま死にゆく無力なケイトに、もう抗う力は残されていなかった。
仲間の形をしていた魔物が、地面に這いつくばるケイトに群がる。
「嫌だ、嫌だあ、食べないでお願い、イヤアァァッ!」
スライム状の体に変化したスライム擬きがケイトには群がると、触手の中にケイトを取り込み、少しずつ体を溶かし始める。
窒息して死なないよう、顔の部分以外をスライム擬きの触手に包まれるケイト。まるでケイトの恐怖する感情に、歓喜するようにケタケタと笑う魔物たち。
革の鎧と服を溶かし、下着を溶かし終わると、ついには体を溶かし始めた……少しずつ溶かされる恐怖と痛みにケイトは半狂乱になり叫び出した。
「誰か! お願い助けて! イヤアアアアアアア、痛い痛い痛い! 溶かさないで! お願い誰かああああああ!」
もはや死を免れないケイトは、絶望に涙することしかできなかった……だがその時、銀の軌跡がその絶望を打ち砕いた!
〈絶望の闇に、希望の銀光が降り注ぐ!〉
ミミックとは、生物学的には擬態することを指す言葉である。
体の形を自在に変えられ、見たものに何でも擬態ができる。主にダンジョンの宝箱や壁に擬態しており、近くを通る獲物を捕食する性質がある。狡猾なミミックになると、人の言葉もある程度理解し会話する個体も存在する。
人に取り入って油断した獲物を後ろから襲い捕食することから、危険度は星三つである。
あくまで擬態できるのは、ミミック自身が見たものがものだけに限られ、記憶まで読み取って擬態することはできない。
また擬態する時間にも制限があり、通常は1時間ほどで擬態は解ける。
主な攻撃方法は、体を触手に変化させての物理攻撃である。軟体で柔らかな体には打撃が効きづらい。倒すには、体の中心にある魔石を破壊するか再生不可能な大きさにまで、体を細切れにするしかない。
ミミックと聞いて宝箱を思い浮かべる冒険者は、注意が必要である。本来はどんなものにも擬態ができる、恐ろしい魔物だという事を覚えておくと良いだろう。
著 冒険者ギルド 魔物図鑑参照
◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆
「なんで……なんでこんな事に……」
それは突然の出来事だった。
アルムの冒険者ギルドに所属するEランクパーティー『水の調べ』が、その日の調査クエストを終えて、夜営の準備をしていた時にそれは起こった。
今日はいつもと違い、森にいる魔物の数が明らかに増えていた。
連戦に次ぐ連戦で、パーティーメンバー全員に疲れの色が見え始め、パーティーリーダーのケイトの提案で、その日は早目に休むことにした。
普段から森の中域までクエストをこなしているパーティーにとって、この辺りは自分たちの庭みたいなものであり、比較的安全に夜を明かせる場所も熟知していた。
基本、Fランク程度の魔物しか現れない中域手前までなら、彼女たちにとって脅威となる魔物も存在しない。
いつも通り魔物避けの魔香を焚き、安全を確保して食事をしている時だった。
塩辛い干し肉に硬く不味い携帯パンを、暖かいお茶で無理やり口に詰め込んでいると、パーティーメンバーのスカウトが何かの気配を感じ取り、食事の手を止めていた。
「どうしたの?」
「何か気配を感じたのだけど……すぐに消えてしまったわ。小さな動物かしら? ちょっと気になるから見てくるわ」
スカウトの女性は立ち上がると、自分の武器である弓を持ち矢をつがえる。
「私も行こう。近接職がいれば、何かあった時に最悪壁になって時間が稼げるしな」
パーティーのタンカー兼アタッカーの女戦士が、鉄の盾とミドルソードを手に、スカウトのあとに続く。
「何かあったら、すぐに声を上げなさい」
パーティーリーダーのケイトは、二人に声を掛けて見送る。
「分かっているわ。すぐそこだから大丈夫よ」
戦士とスカウトを見送ると、残った三人はいつでも戦闘に入れるよう、それぞれの武器を傍に食事を続けた。
十分ほど経った頃だろうか……少し戻りが遅い二人を心配した折に、二人が戻ってきた。
「お帰り、何もなかったようね。良かったわ」
「怪我はないようですね。無事で何よりです」
ケイトと回復役の僧侶は、二人が無事に戻って来たことに安堵するが、二人は頷くだけで一言も喋らずに焚き木のそばに無言で座る。
「はい、お茶は温め直しておいたよ。やっぱり動物だったのね。魔物じゃなくてよかった~」
「今日はもう、MPを使い果たしているから、できるだけ戦いたくはないわね。魔法使いの私はMPが尽きたら役に立たないから……二人ともお疲れさま」
パーティーのアタッカーである槍術士と魔法使いの二人も労うが、戻って来た二人はお茶を手に取ると黙々と食べ掛けの食事を口に運びだした。
ケイトは何か雰囲気が変わった二人に違和感を覚えながらも、昼間の連戦で疲れているのかと思い、あまり気にはしていなかった。
パーティーリーダーのケイトは明日の行動内容を簡単に決めると、その日は早目の休む運びとなった。
五人パーティーの場合、二人が見張りにあたり交代で寝るのが基本となる。リーダーのケイトが、いつものようにクジで順番を決めようとすると……。
「私が最初にやるわ」
「私も」
スカウトと戦士が手を上げてくれた。魔法使いと僧侶はMPが底を突いており、早めに寝かせてMPを回復させてあげたい……ケイトは二人の申し出を素直に受け入れ、先に休むことにした。
冒険者をしていれば、浅い眠りで身体の疲労を回復するのは当たり前になる。特に寝込みを襲われることもある冒険者稼業において、たとえ寝ていても異変があれば瞬時に目覚めるのは、基本中の基本だった。
ケイトは、浅い眠りの中で微かな物音に反応して飛び起きていた。当然のようにその手には、傍に置いていた大剣クレイモアが握られていた。
すぐに仲間の様子を確認すると、寝ている僧侶と魔法使いの二人に、半透明なスライム状の物体が近づくのが見えた。
ケイトは奇襲を受けたと思い、見張りをしていたスカウトと戦士の姿を探すが見当たらない。
「みんな起きろ! 魔物の奇襲だ!」
ケイトは目の前で眠る二人を起こそうと声を上げ、手にしたクレイモアをスライム状の魔物に振ると、柔らかなスライム状の物体は、クレイモアに斬られ二人から遠ざかる。
未だに目覚めない僧侶と魔法使いの二人の前に、ケイトがスライム状の魔物に対して壁のように立ち、クレイモアを構える。
スライム擬きと対峙したケイトが、二人を守る為にクレイモアを振るい続けていると、目を覚さなかった二人が起き上がる気配を背中越しに感じた。
これで何とかなると思い、後ろの二人に指示を出す。
「MPが回復していたら、ファイヤーボールで攻撃をお願い! あとライトで辺りを明るくして!」
「……」
前方のスライム擬きに魔法による援護を期待したが、一向に呪文の詠唱が始まらないことにケイトが訝しみ、後ろを肩越しに確認すると……腕から手の先までを触手に変化させた魔法使いに、肩を貫かれていた。
「そ、そんな……」
痛みでクレイモアを落としてしまうケイト。痛みを堪えて触手を無理矢理に引き抜くと、足元に転がるクレイモアに手を伸ばすが、今度は僧侶の触手が手に突き刺さる!
地面に縫い止められ動けなくなるケイトは、二人を睨みつけた。
「クッ、お前ら、みんなをどうした⁈」
ケイトは仲間に化けた魔物を睨みつけて、問い掛けるが返事は返ってこない……すると魔物の後ろから、スカウトと戦士の二人がいつの間にか現れ、背後からゆっくりと近づいていく。
ケイトは仲間が助けに来たものと思い期待するが、それはすぐに絶望へと変わる。
スカウトと戦士の二人が背後から魔物に近づくと、攻撃を加えることもなく魔物と並び、ケイトを上から見下ろすと……ニヤニヤと笑い始めた。
スカウトと戦士の腕が触手に変わるとケイトは理解した。生き残っているのは自分だけで、もう誰も生きていないことを……そして自分は今からこの魔物に食べられてしまうことに……
「なんで、なんでこんな事に……」
ケイトの呟きは誰にも聞かれることはなく、夜の闇へと消えていった。
誰も助けを期待できない森の中で、仲間を殺され仇を討てないまま死にゆく無力なケイトに、もう抗う力は残されていなかった。
仲間の形をしていた魔物が、地面に這いつくばるケイトに群がる。
「嫌だ、嫌だあ、食べないでお願い、イヤアァァッ!」
スライム状の体に変化したスライム擬きがケイトには群がると、触手の中にケイトを取り込み、少しずつ体を溶かし始める。
窒息して死なないよう、顔の部分以外をスライム擬きの触手に包まれるケイト。まるでケイトの恐怖する感情に、歓喜するようにケタケタと笑う魔物たち。
革の鎧と服を溶かし、下着を溶かし終わると、ついには体を溶かし始めた……少しずつ溶かされる恐怖と痛みにケイトは半狂乱になり叫び出した。
「誰か! お願い助けて! イヤアアアアアアア、痛い痛い痛い! 溶かさないで! お願い誰かああああああ!」
もはや死を免れないケイトは、絶望に涙することしかできなかった……だがその時、銀の軌跡がその絶望を打ち砕いた!
〈絶望の闇に、希望の銀光が降り注ぐ!〉
1
お気に入りに追加
144
あなたにおすすめの小説
裏庭が裏ダンジョンでした@完結
まっど↑きみはる
ファンタジー
結界で隔離されたど田舎に住んでいる『ムツヤ』。彼は裏庭の塔が裏ダンジョンだと知らずに子供の頃から遊び場にしていた。
裏ダンジョンで鍛えた力とチート級のアイテムと、アホのムツヤは夢を見て外の世界へと飛び立つが、早速オークに捕らえれてしまう。
そこで知る憧れの世界の厳しく、残酷な現実とは……?
挿絵結構あります
ジャック&ミーナ ―魔法科学部研究科―
浅山いちる
ファンタジー
この作品は改稿版があります。こちらはサクサク進みますがそちらも見てもらえると嬉しいです!
大事なモノは、いつだって手の届くところにある。――人も、魔法も。
幼い頃憧れた、兵士を目指す少年ジャック。数年の時を経て、念願の兵士となるのだが、その初日「行ってほしい部署がある」と上官から告げられる。
なくなくその部署へと向かう彼だったが、そこで待っていたのは、昔、隣の家に住んでいた幼馴染だった。
――モンスターから魔法を作るの。
悠久の時を経て再会した二人が、新たな魔法を生み出す冒険ファンタジーが今、幕を開ける!!
※この作品は「小説家になろう」「カクヨム」「マグネット!」にも掲載しています。
サモンブレイブ・クロニクル~無能扱いされた少年の異世界無双物語
イズミント(エセフォルネウス)
ファンタジー
高校2年の佐々木 暁斗は、クラスメイト達と共に異世界に召還される。
その目的は、魔王を倒す戦力として。
しかし、クラスメイトのみんなが勇者判定されるなかで、暁斗だけは勇者判定されず、無能とされる。
多くのクラスメイトにも見捨てられた暁斗は、唯一見捨てず助けてくれた女子生徒や、暁斗を介抱した魔女と共に異世界生活を送る。
その過程で、暁斗の潜在能力が発揮され、至るところで無双していくお話である。
*この作品はかつてノベルアップ+や小説家になろうに投稿したものの再々リメイクです。
凡人がおまけ召喚されてしまった件
根鳥 泰造
ファンタジー
勇者召喚に巻き込まれて、異世界にきてしまった祐介。最初は勇者の様に大切に扱われていたが、ごく普通の才能しかないので、冷遇されるようになり、ついには王宮から追い出される。
仕方なく冒険者登録することにしたが、この世界では希少なヒーラー適正を持っていた。一年掛けて治癒魔法を習得し、治癒剣士となると、引く手あまたに。しかも、彼は『強欲』という大罪スキルを持っていて、倒した敵のスキルを自分のものにできるのだ。
それらのお蔭で、才能は凡人でも、数多のスキルで能力を補い、熟練度は飛びぬけ、高難度クエストも熟せる有名冒険者となる。そして、裏では気配消去や不可視化スキルを活かして、暗殺という裏の仕事も始めた。
異世界に来て八年後、その暗殺依頼で、召喚勇者の暗殺を受けたのだが、それは祐介を捕まえるための罠だった。祐介が暗殺者になっていると知った勇者が、改心させよう企てたもので、その後は勇者一行に加わり、魔王討伐の旅に同行することに。
最初は脅され渋々同行していた祐介も、勇者や仲間の思いをしり、どんどん勇者が好きになり、勇者から告白までされる。
だが、魔王を討伐を成し遂げるも、魔王戦で勇者は祐介を庇い、障害者になる。
祐介は、勇者の嘘で、病院を作り、医師の道を歩みだすのだった。
長女は家族を養いたい! ~凍死から始まるお仕事冒険記~
灰色サレナ
ファンタジー
とある片田舎で貧困の末に殺された3きょうだい。
その3人が目覚めた先は日本語が通じてしまうのに魔物はいるわ魔法はあるわのファンタジー世界……そこで出会った首が取れるおねーさん事、アンドロイドのエキドナ・アルカーノと共に大陸で一番大きい鍛冶国家ウェイランドへ向かう。
魔物が生息する世界で生き抜こうと弥生は真司と文香を護るためギルドへと就職、エキドナもまた家族を探すという目的のために弥生と生活を共にしていた。
首尾よく仕事と家、仲間を得た弥生は別世界での生活に慣れていく、そんな中ウェイランド王城での見学イベントで不思議な男性に狙われてしまう。
訳も分からぬまま再び死ぬかと思われた時、新たな来訪者『神楽洞爺』に命を救われた。
そしてひょんなことからこの世界に実の両親が生存していることを知り、弥生は妹と弟を守りつつ、生活向上に全力で遊んでみたり、合流するために路銀稼ぎや体力づくり、なし崩し的に侵略者の撃退に奮闘する。
座敷童や女郎蜘蛛、古代の優しき竜。
全ての家族と仲間が集まる時、物語の始まりである弥生が選んだ道がこの世界の始まりでもあった。
ほのぼののんびり、時たまハードな弥生の家族探しの物語
女神から貰えるはずのチート能力をクラスメートに奪われ、原生林みたいなところに飛ばされたけどゲームキャラの能力が使えるので問題ありません
青山 有
ファンタジー
強引に言い寄る男から片思いの幼馴染を守ろうとした瞬間、教室に魔法陣が突如現れクラスごと異世界へ。
だが主人公と幼馴染、友人の三人は、女神から貰えるはずの希少スキルを他の生徒に奪われてしまう。さらに、一緒に召喚されたはずの生徒とは別の場所に弾かれてしまった。
女神から貰えるはずのチート能力は奪われ、弾かれた先は未開の原生林。
途方に暮れる主人公たち。
だが、たった一つの救いがあった。
三人は開発中のファンタジーRPGのキャラクターの能力を引き継いでいたのだ。
右も左も分からない異世界で途方に暮れる主人公たちが出会ったのは悩める大司教。
圧倒的な能力を持ちながら寄る辺なき主人公と、教会内部の勢力争いに勝利するためにも優秀な部下を必要としている大司教。
双方の利害が一致した。
※他サイトで投稿した作品を加筆修正して投稿しております
都市伝説と呼ばれて
松虫大
ファンタジー
アルテミラ王国の辺境カモフの地方都市サザン。
この街では十年程前からある人物の噂が囁かれていた。
曰く『領主様に隠し子がいるらしい』
曰く『領主様が密かに匿い、人知れず塩坑の奥で育てている子供がいるそうだ』
曰く『かつて暗殺された子供が、夜な夜な復習するため街を徘徊しているらしい』
曰く『路地裏や屋根裏から覗く目が、言うことを聞かない子供をさらっていく』
曰く『領主様の隠し子が、フォレスの姫様を救ったそうだ』等々・・・・
眉唾な噂が大半であったが、娯楽の少ない土地柄だけにその噂は尾鰭を付けて広く広まっていた。
しかし、その子供の姿を実際に見た者は誰もおらず、その存在を信じる者はほとんどいなかった。
いつしかその少年はこの街の都市伝説のひとつとなっていた。
ある年、サザンの春の市に現れた金髪の少年は、街の暴れん坊ユーリに目を付けられる。
この二人の出会いをきっかけに都市伝説と呼ばれた少年が、本当の伝説へと駆け上っていく異世界戦記。
小説家になろう、カクヨムでも公開してましたが、この度アルファポリスでも公開することにしました。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる