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物語の終わり、創造の始まり
柚季 vs 実紗希_1
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「改めて2人きりね。久しぶり、実紗希」
「そうだね。柚季」
少しは実紗希も落ち着いたようで、会話ができる状態になっていた。
「ずいぶんと雰囲気変わったわね」
「そりゃこんな世界で何年も生きたらこうもなるさ」
「7年くらいかしら?」
「お、よく知ってるな。お前も変わったよ。昔は俺のことにふーんって感心してばかりだったのに」
「私も実紗希ほどじゃないけど、いろいろあったかから」
なんだか不思議な感じだ。
目の前にいるのはアリシアなのに、同時に実紗希でもある。実紗希も私に対して同じようなことを思っているのだろうか。
「いつから気づいてたの?」
「入学式の時から変だなって思ってた」
「まぁ、悪役令嬢のはずの私がイグニスたちと仲良く話してたものね」
今でははるか過去のように感じる。あの時はまだこの世界のことも、私のことも何も知らずにあこがれのこの世界に来たことでただただ浮かれてたっけ。
「なんとなく柚季じゃないかって思ったのは教室でノートなんて取り始めたときかな。現実世界でもあんな風にノートなんてものにびっちり文字を書いてたのは柚季だけだったから」
「そう思ったなら話しかけてくれたらよかったのに」
そう。あの時話しかけてくれていたら、きっと私たちの関係はあんなふうにはならなかったのに。
「……、それからミーナが死んだことを覚えてたこと、薔薇と言って通じたこと、あとはなんとなく仕草かな。柚季は?」
「私は本当に最近。イグニスが死んで、お父様が死んで、それから。電車の事故のことを思い出したのもつい最近よ」
「は、そっか。相変わらずのんきだなぁ」
「うるさい。実紗希が神経質なだけよ」
実紗希と軽口をたたきあう。少しだけ昔見たいで懐かしい。
「でも、そっか、お父様……か」
私にもわかるようにはっきりと嘲笑する実紗希。実紗希がお父様のことを襲撃した犯人、それも2度も襲撃した犯人だという事はもう判明している。
どう返していいかわからず次の言葉を待った。
「俺たちはもうあっちでは死んでる。それは知ってるよな?」
「うん、思い出した」
「だから俺ははじめこの世界で楽しもうとしたんだよ。いままでろくにソニカも使ってこなかったから楽しみだった。セレスティアル・ラブ・クロニクルは大好きなゲームだったし」
「知ってる」
「でも楽しめなかった。俺はこの世界で楽しむ資格を持っていなかった」
「どういうこと?」
実紗希は私から視線を外し真っ暗な森の中を、その先にある何かを見つめながら答えた。
「俺がこの世界のヒロインだから」
「は?」
実紗希の言葉に理解が追いつかなかった。
「俺はこの世界にいるのに、だれも俺のことなんて見ちゃいなかったんだ。ただヒロインって存在だけをこの世界は大切にしてた」
「でも、あなたはヒロイン、アリシアよ?この世界の中心にいて、みんなから愛される存在……」
「愛されてるのはお前だよ」
実紗希がまっすぐに私を見据える。その目は暗闇で、冷たく、悲しい色を宿していた。
「俺よりも柚季の方が魅力的なのは俺が誰よりも知っている。その熱意、表情、周りを巻き込む力。俺がこの世界のヒロインなのにまるで柚季が世界のヒロインみたいだった」
「そんなこと……。実紗希だってみんなと仲良くしてたじゃない」
「ちがう。みんなが仲良くしてたのはアリシアだ。俺じゃない」
実紗希が呆れたようにため息を吐く。
「その上、俺が貴族にいじめられてイベントが進みそうになってもセシルだけじゃなくてお前もくる。マリウスとのイベントを進めようにもナタリーに邪魔される。本当にイライラしたよ」
実紗希がまた大きくため息を吐いた。
「まさか私への当てつけでイグニスとお父様を……?そんなことで?」
「そんなこと!?そんなことだって!?」
実紗希が目を見開いて私につめよってくる。
「あぁそんなことだよ!!お前さえいなければナタリーもミーナみたいにあの時死んでたんだ!!」
「……そう、ミーナもあなたが」
「あの時のミーナはセシルと一番仲が良かったからね。気づかなかったのか?」
実紗希がにやりと笑う。
「まぁ、どうでもいいだろ。所詮あいつらはゲームの中の登場人物、それも誰の記憶にも残らないモブキャラだ」
「……実紗希に何があったかは知らない。私よりも7年もこの世界に来ていろいろあったんだと思う。私は実紗希の言う通り、のんきに楽しんでただけかもしれない。でも、今の言葉だけは絶対に許さない」
それでナタリーがどれだけ悩んだと思ってる。
それにこの世界にモブキャラなんてキャラクターなんていない。
みんなそれぞれ悩みながら一生懸命過ごしてた。
「許さない、か。お前に許されようなんて思ってないよ」
実紗希が冷たい視線を私に向けたまま話す。
「どうせ卒業式ですぐに終わる世界だ。その前にお前を排除して、俺はもう一度この世界を楽しむ。お前を排除したらこの世界に3人いた転生者も1人になるからな」
「転生者が1人……?それがどうしたのよ」
「もういい。俺のことを友達だと思うなら黙って消えてくれ」
「させない。あなたにこの幸せな世界を壊させやしない」
私は実紗希をしっかりと見据えてそう言った。
「その目……やっぱりお前は嫌いだよ」
「私も今のあなたは大嫌いよ。昔のデコヒーレンスとかわけわかんないこと言ってた実紗希の方が好きだったわ」
私たちはお互いに睨み合ったまま、ゆっくりと距離を取った。
「最後に1つだけ聞いていいかしら?」
「……なんだ」
「あなたは本当にこの世界を愛してるの?」
私の質問に実紗希が鼻で笑った。
「……セレスティアル・ラブ・クロニクルは愛してる。でもこの世界は嫌いだ」
「……そう、ありがとう」
私はその答えを聞いて安心した。ならば遠慮は必要ない。
「あなたは私が止める」
2人の間にひんやりとした風が流れていく。
お互いの視線が交錯したのを合図に私は魔法の詠唱を始めた。
「そうだね。柚季」
少しは実紗希も落ち着いたようで、会話ができる状態になっていた。
「ずいぶんと雰囲気変わったわね」
「そりゃこんな世界で何年も生きたらこうもなるさ」
「7年くらいかしら?」
「お、よく知ってるな。お前も変わったよ。昔は俺のことにふーんって感心してばかりだったのに」
「私も実紗希ほどじゃないけど、いろいろあったかから」
なんだか不思議な感じだ。
目の前にいるのはアリシアなのに、同時に実紗希でもある。実紗希も私に対して同じようなことを思っているのだろうか。
「いつから気づいてたの?」
「入学式の時から変だなって思ってた」
「まぁ、悪役令嬢のはずの私がイグニスたちと仲良く話してたものね」
今でははるか過去のように感じる。あの時はまだこの世界のことも、私のことも何も知らずにあこがれのこの世界に来たことでただただ浮かれてたっけ。
「なんとなく柚季じゃないかって思ったのは教室でノートなんて取り始めたときかな。現実世界でもあんな風にノートなんてものにびっちり文字を書いてたのは柚季だけだったから」
「そう思ったなら話しかけてくれたらよかったのに」
そう。あの時話しかけてくれていたら、きっと私たちの関係はあんなふうにはならなかったのに。
「……、それからミーナが死んだことを覚えてたこと、薔薇と言って通じたこと、あとはなんとなく仕草かな。柚季は?」
「私は本当に最近。イグニスが死んで、お父様が死んで、それから。電車の事故のことを思い出したのもつい最近よ」
「は、そっか。相変わらずのんきだなぁ」
「うるさい。実紗希が神経質なだけよ」
実紗希と軽口をたたきあう。少しだけ昔見たいで懐かしい。
「でも、そっか、お父様……か」
私にもわかるようにはっきりと嘲笑する実紗希。実紗希がお父様のことを襲撃した犯人、それも2度も襲撃した犯人だという事はもう判明している。
どう返していいかわからず次の言葉を待った。
「俺たちはもうあっちでは死んでる。それは知ってるよな?」
「うん、思い出した」
「だから俺ははじめこの世界で楽しもうとしたんだよ。いままでろくにソニカも使ってこなかったから楽しみだった。セレスティアル・ラブ・クロニクルは大好きなゲームだったし」
「知ってる」
「でも楽しめなかった。俺はこの世界で楽しむ資格を持っていなかった」
「どういうこと?」
実紗希は私から視線を外し真っ暗な森の中を、その先にある何かを見つめながら答えた。
「俺がこの世界のヒロインだから」
「は?」
実紗希の言葉に理解が追いつかなかった。
「俺はこの世界にいるのに、だれも俺のことなんて見ちゃいなかったんだ。ただヒロインって存在だけをこの世界は大切にしてた」
「でも、あなたはヒロイン、アリシアよ?この世界の中心にいて、みんなから愛される存在……」
「愛されてるのはお前だよ」
実紗希がまっすぐに私を見据える。その目は暗闇で、冷たく、悲しい色を宿していた。
「俺よりも柚季の方が魅力的なのは俺が誰よりも知っている。その熱意、表情、周りを巻き込む力。俺がこの世界のヒロインなのにまるで柚季が世界のヒロインみたいだった」
「そんなこと……。実紗希だってみんなと仲良くしてたじゃない」
「ちがう。みんなが仲良くしてたのはアリシアだ。俺じゃない」
実紗希が呆れたようにため息を吐く。
「その上、俺が貴族にいじめられてイベントが進みそうになってもセシルだけじゃなくてお前もくる。マリウスとのイベントを進めようにもナタリーに邪魔される。本当にイライラしたよ」
実紗希がまた大きくため息を吐いた。
「まさか私への当てつけでイグニスとお父様を……?そんなことで?」
「そんなこと!?そんなことだって!?」
実紗希が目を見開いて私につめよってくる。
「あぁそんなことだよ!!お前さえいなければナタリーもミーナみたいにあの時死んでたんだ!!」
「……そう、ミーナもあなたが」
「あの時のミーナはセシルと一番仲が良かったからね。気づかなかったのか?」
実紗希がにやりと笑う。
「まぁ、どうでもいいだろ。所詮あいつらはゲームの中の登場人物、それも誰の記憶にも残らないモブキャラだ」
「……実紗希に何があったかは知らない。私よりも7年もこの世界に来ていろいろあったんだと思う。私は実紗希の言う通り、のんきに楽しんでただけかもしれない。でも、今の言葉だけは絶対に許さない」
それでナタリーがどれだけ悩んだと思ってる。
それにこの世界にモブキャラなんてキャラクターなんていない。
みんなそれぞれ悩みながら一生懸命過ごしてた。
「許さない、か。お前に許されようなんて思ってないよ」
実紗希が冷たい視線を私に向けたまま話す。
「どうせ卒業式ですぐに終わる世界だ。その前にお前を排除して、俺はもう一度この世界を楽しむ。お前を排除したらこの世界に3人いた転生者も1人になるからな」
「転生者が1人……?それがどうしたのよ」
「もういい。俺のことを友達だと思うなら黙って消えてくれ」
「させない。あなたにこの幸せな世界を壊させやしない」
私は実紗希をしっかりと見据えてそう言った。
「その目……やっぱりお前は嫌いだよ」
「私も今のあなたは大嫌いよ。昔のデコヒーレンスとかわけわかんないこと言ってた実紗希の方が好きだったわ」
私たちはお互いに睨み合ったまま、ゆっくりと距離を取った。
「最後に1つだけ聞いていいかしら?」
「……なんだ」
「あなたは本当にこの世界を愛してるの?」
私の質問に実紗希が鼻で笑った。
「……セレスティアル・ラブ・クロニクルは愛してる。でもこの世界は嫌いだ」
「……そう、ありがとう」
私はその答えを聞いて安心した。ならば遠慮は必要ない。
「あなたは私が止める」
2人の間にひんやりとした風が流れていく。
お互いの視線が交錯したのを合図に私は魔法の詠唱を始めた。
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