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テンペトゥス・ノクテム
戦いが終わって
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「――――っ!!!ナディア!!!」
急に糸が切れたようそれまで宙に浮いていたナディア先生が落ちてくる。慌ててセオドア先生が駆け寄り受け止めた。幸いにも怪我はないようで、それを見て私たちはほっと胸をなでおろす。
「ナディア……!!ナディア!!!しっかりしろ!!!!」
ナディア先生は圧倒的実力でテンペトゥス・ノクテムを倒した。それなのに必死の形相で必死に呼びかけるセオドア先生に圧倒され、私たちも歓声を上げることもなく2人の姿を静かに見つめていた。
「ふふっ……セオドア先生……そんなに大声を出さなくても聞こえていますよ。それに生徒のみんなも驚いているじゃないですか」
そう言ってナディア先生は少し笑った。そのなんとも言えない雰囲気に違和感を覚え、動けるものはみな2人を囲むように近づいて行った。
「ナディア先生!」
「あぁ、レヴィアナ、見ていましたよ。あのエレクトロフィールドの展開の速さ、そしてヴォルテックテンペストまるで若き日のアルドリックを見ているようでした」
そう言うとナディア先生はお父様のほうを向いた。
「それにほかのみんなもとてもすごかったです。イグニスのヒートスパイクの繊細なコントロール、自分の身を挺して仲間を守ったナタリー、ガレンの防御魔法の展開の速さも密度もまた成長していましたね…………」
一人ひとりに対して優しく言葉をかけていくナディア先生。
さすがにあれだけ巨大な魔法を使った疲労からか、だんだんと声が小さくなっていくのが少し気になった。
「そしてセオドア・フレイムブレイズ、本当に強くなりましたね」
「俺は……俺はっ……」
「ほら、皆さん。到着が遅れたお詫びと、皆さんの成長をたたえて、魔法訓練場に食事を用意しておくようにシルフィード広場腕利きのコックに頼んでおきました。みなさん、今日は思いっきり体を動かしましたし、お腹もすいたでしょう?」
「でも……」
私たちは顔を見合わせ所在なさげになってしまう。
「ほら、若い奴らはもどったもどった。久しぶりに思いっきり戦闘したからナディアも疲れてるんだよ。あとは私たちがやっておくから」
お父様は私の背中を押して学校の方へと向かわせようとしてきた。
「でも……」
そう言おうと振り返ると、お父様は微笑みながらも、有無を言わせぬ目線で私を黙らせた。
「ほら、行った行った!!ちゃんと倒れたみんなも連れて帰るんだよ」
「そうだ、ナタリー!!じゃ、じゃあお言葉に甘えますわ!」
そうお父様に言葉をかけられて、ナタリーの方へ駆け出した。
***
「ナタリー!ナタリー!!!」
ナディア先生の治癒魔法で一命を取り留めたが、未だ意識は戻っていないようだった。
マリウスと一緒に必死に呼びかける。
「う……うぅん……」
ナタリーの目がゆっくりと開く。
「あ、あれ……?わたし……なんで……ここに……?」
まだ意識がはっきりしないようで目をこすりながらむくりと起き上がった。
「ナタリー!!よかった……本当によかった……!」
「あれ……私……?あれ……」
先ほど穴をあけられたおなかを擦っている。どうやらまだ混乱している様子だった。小刻みにも震えている。
「大丈夫……大丈夫だよ……、もう全部終わったから」
そういって抱きしめる。ナタリーは最初は戸惑っていたが、次第に状況を理解したようで涙を流し始めた。私は背中をさすりながら落ち着かせる。
一緒に声をかけていたマリウスもナタリーの手を取る。
「ナタリー、無事で本当に良かったよ。君のおかげで俺も命拾いした」
マリウスが優しく微笑むと、ナタリーは搾り出すように泣き始めた。
「私……生きて……マリウスも……」
「ああ、もう大丈夫だから」
周りでも気を失っていた生徒が次々と意識を取り戻していった。それに伴い、先ほどまで全く実感がわかなかった脅威が去ったことを少しずつ実感していく。
「やったんだ……私たち……」
最後の山場のテンペトゥス・ノクテムのイベントを攻略することができたんだ。結局私たちだけじゃどうすることも出来なかったけど、ナディア先生のおかげで乗り切ることができた。
そう思った瞬間に体から力が抜け、その場にへたり込んでしまう。
「おい、大丈夫か?」
そういって後から追ってきたイグニスが私に手を差し出した。その手を握り、何とか立ち上がることができたが足に力が入らずによろめいてしまう。そしてそのままイグニスの胸へとダイブしてしまった。
「っと……大丈夫じゃねーな。まぁ、あんだけ無理すりゃ当然か」
「……うるさいわね」
「ほら、肩貸してやるから」
そう言って私を軽々と持ち上げた。
「ちょ……ちょっと!!」
恥ずかしいのと悔しいのとでイグニスから離れようとするが、やはり体に力が入らない。結局イグニスにしがみつくような形になる。
「なんだ?ん?」
「別に……」
なんだか恥ずかしくてイグニスの顔が見られなかった。
「レヴィアナさん!ジェイミーも!ジェイミーも目を覚ましました!」
大声で呼び止められ、その声を聴いて振り返ると、ミネットがジェイミーに抱き着いて泣きじゃくっているところだった。
ジェイミー本人は何が起きたのか全く理解できていない様子で、困惑しながらもミネットにされるがままになっていた。
「イグニス、ありがとう。もう大丈夫」
「そうか?」
そう言って私の体を離し、地面に立たせてくれた。
「それではみなさん、学校へ戻りましょう」
太陽もずいぶんと傾いてきている。早く帰らないと暗くなってしまう。
幸い、帰り道では特にモンスターに出会うことはなかった。
そうしてようやく学校に到着した時には、すっかり夜になってしまっていた。
ナタリーは疲れてしまったのか、マリウスにおんぶされながら今は眠ってしまっている。
一度解散し、元気がある人達だけ魔法訓練場に向かうという約束だけをして、そこでみんな別れた。
「ふー……っ……」
みんなと別れた後、自室に戻りベッドに倒れ込む。
目を瞑るとさっきまでの情景が次々に浮かんでくる。辺り一面を埋め尽くしたディスペアリアム・オベリスク。突然現れたテンペトゥス・ノクテム、操られたナタリー達。
倒したと思ったテンペストゥス・ノクテムと絶望、そしてテンペストゥス・ノクテムを倒したナディア先生。
もしあの時、ナディア先生がいなかったら今頃私たちはどうなっていたんだろう……。あと5分、いや、1分でも遅かったら全く異なった結末になっていた。そう思うと体が震える。本当にみんな無事でよかった……。
(それにしても【霊石の鎖】はどこにいっちゃったのかしら?もし【霊石の鎖】があれば、ゲームの設定どおりあのテンペストゥス・ノクテムを封印……できたのかな?)
正直あの威圧感を持つテンペトゥス・ノクテムをどうにかできたとは思えないけど、それでも……
「んーーーっ!!!」
いや、そんな事考えても仕方がない。それにいつまでもこうしてゴロゴロしてると眠ってしまいそうだ。
「よっ」
ベッドから勢いよく体を起こす。折角ナディア先生が用意してくれたんだから、みんなでご飯をたべよう。すっかり重くなってしまった体をなんとか起こして、私は魔法訓練場へと向かった。
急に糸が切れたようそれまで宙に浮いていたナディア先生が落ちてくる。慌ててセオドア先生が駆け寄り受け止めた。幸いにも怪我はないようで、それを見て私たちはほっと胸をなでおろす。
「ナディア……!!ナディア!!!しっかりしろ!!!!」
ナディア先生は圧倒的実力でテンペトゥス・ノクテムを倒した。それなのに必死の形相で必死に呼びかけるセオドア先生に圧倒され、私たちも歓声を上げることもなく2人の姿を静かに見つめていた。
「ふふっ……セオドア先生……そんなに大声を出さなくても聞こえていますよ。それに生徒のみんなも驚いているじゃないですか」
そう言ってナディア先生は少し笑った。そのなんとも言えない雰囲気に違和感を覚え、動けるものはみな2人を囲むように近づいて行った。
「ナディア先生!」
「あぁ、レヴィアナ、見ていましたよ。あのエレクトロフィールドの展開の速さ、そしてヴォルテックテンペストまるで若き日のアルドリックを見ているようでした」
そう言うとナディア先生はお父様のほうを向いた。
「それにほかのみんなもとてもすごかったです。イグニスのヒートスパイクの繊細なコントロール、自分の身を挺して仲間を守ったナタリー、ガレンの防御魔法の展開の速さも密度もまた成長していましたね…………」
一人ひとりに対して優しく言葉をかけていくナディア先生。
さすがにあれだけ巨大な魔法を使った疲労からか、だんだんと声が小さくなっていくのが少し気になった。
「そしてセオドア・フレイムブレイズ、本当に強くなりましたね」
「俺は……俺はっ……」
「ほら、皆さん。到着が遅れたお詫びと、皆さんの成長をたたえて、魔法訓練場に食事を用意しておくようにシルフィード広場腕利きのコックに頼んでおきました。みなさん、今日は思いっきり体を動かしましたし、お腹もすいたでしょう?」
「でも……」
私たちは顔を見合わせ所在なさげになってしまう。
「ほら、若い奴らはもどったもどった。久しぶりに思いっきり戦闘したからナディアも疲れてるんだよ。あとは私たちがやっておくから」
お父様は私の背中を押して学校の方へと向かわせようとしてきた。
「でも……」
そう言おうと振り返ると、お父様は微笑みながらも、有無を言わせぬ目線で私を黙らせた。
「ほら、行った行った!!ちゃんと倒れたみんなも連れて帰るんだよ」
「そうだ、ナタリー!!じゃ、じゃあお言葉に甘えますわ!」
そうお父様に言葉をかけられて、ナタリーの方へ駆け出した。
***
「ナタリー!ナタリー!!!」
ナディア先生の治癒魔法で一命を取り留めたが、未だ意識は戻っていないようだった。
マリウスと一緒に必死に呼びかける。
「う……うぅん……」
ナタリーの目がゆっくりと開く。
「あ、あれ……?わたし……なんで……ここに……?」
まだ意識がはっきりしないようで目をこすりながらむくりと起き上がった。
「ナタリー!!よかった……本当によかった……!」
「あれ……私……?あれ……」
先ほど穴をあけられたおなかを擦っている。どうやらまだ混乱している様子だった。小刻みにも震えている。
「大丈夫……大丈夫だよ……、もう全部終わったから」
そういって抱きしめる。ナタリーは最初は戸惑っていたが、次第に状況を理解したようで涙を流し始めた。私は背中をさすりながら落ち着かせる。
一緒に声をかけていたマリウスもナタリーの手を取る。
「ナタリー、無事で本当に良かったよ。君のおかげで俺も命拾いした」
マリウスが優しく微笑むと、ナタリーは搾り出すように泣き始めた。
「私……生きて……マリウスも……」
「ああ、もう大丈夫だから」
周りでも気を失っていた生徒が次々と意識を取り戻していった。それに伴い、先ほどまで全く実感がわかなかった脅威が去ったことを少しずつ実感していく。
「やったんだ……私たち……」
最後の山場のテンペトゥス・ノクテムのイベントを攻略することができたんだ。結局私たちだけじゃどうすることも出来なかったけど、ナディア先生のおかげで乗り切ることができた。
そう思った瞬間に体から力が抜け、その場にへたり込んでしまう。
「おい、大丈夫か?」
そういって後から追ってきたイグニスが私に手を差し出した。その手を握り、何とか立ち上がることができたが足に力が入らずによろめいてしまう。そしてそのままイグニスの胸へとダイブしてしまった。
「っと……大丈夫じゃねーな。まぁ、あんだけ無理すりゃ当然か」
「……うるさいわね」
「ほら、肩貸してやるから」
そう言って私を軽々と持ち上げた。
「ちょ……ちょっと!!」
恥ずかしいのと悔しいのとでイグニスから離れようとするが、やはり体に力が入らない。結局イグニスにしがみつくような形になる。
「なんだ?ん?」
「別に……」
なんだか恥ずかしくてイグニスの顔が見られなかった。
「レヴィアナさん!ジェイミーも!ジェイミーも目を覚ましました!」
大声で呼び止められ、その声を聴いて振り返ると、ミネットがジェイミーに抱き着いて泣きじゃくっているところだった。
ジェイミー本人は何が起きたのか全く理解できていない様子で、困惑しながらもミネットにされるがままになっていた。
「イグニス、ありがとう。もう大丈夫」
「そうか?」
そう言って私の体を離し、地面に立たせてくれた。
「それではみなさん、学校へ戻りましょう」
太陽もずいぶんと傾いてきている。早く帰らないと暗くなってしまう。
幸い、帰り道では特にモンスターに出会うことはなかった。
そうしてようやく学校に到着した時には、すっかり夜になってしまっていた。
ナタリーは疲れてしまったのか、マリウスにおんぶされながら今は眠ってしまっている。
一度解散し、元気がある人達だけ魔法訓練場に向かうという約束だけをして、そこでみんな別れた。
「ふー……っ……」
みんなと別れた後、自室に戻りベッドに倒れ込む。
目を瞑るとさっきまでの情景が次々に浮かんでくる。辺り一面を埋め尽くしたディスペアリアム・オベリスク。突然現れたテンペトゥス・ノクテム、操られたナタリー達。
倒したと思ったテンペストゥス・ノクテムと絶望、そしてテンペストゥス・ノクテムを倒したナディア先生。
もしあの時、ナディア先生がいなかったら今頃私たちはどうなっていたんだろう……。あと5分、いや、1分でも遅かったら全く異なった結末になっていた。そう思うと体が震える。本当にみんな無事でよかった……。
(それにしても【霊石の鎖】はどこにいっちゃったのかしら?もし【霊石の鎖】があれば、ゲームの設定どおりあのテンペストゥス・ノクテムを封印……できたのかな?)
正直あの威圧感を持つテンペトゥス・ノクテムをどうにかできたとは思えないけど、それでも……
「んーーーっ!!!」
いや、そんな事考えても仕方がない。それにいつまでもこうしてゴロゴロしてると眠ってしまいそうだ。
「よっ」
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