上 下
34 / 143
夏休み

2人だけの真実

しおりを挟む
緊張しながら、昼間みんなで寝そべった草むらで一人待っていた。
待っている間心の中で何度もセリフを反復する。

――トクン……トクン……

心臓の鼓動は高まる一方だ。街は誰もいないかのように静かで、私の心臓の音が街全体に鳴り響いているんじゃないかと錯覚してしまう程だった。

ふぅ……と大きく息を吐いて心を落ち着ける。

ある程度確信はあった。ここに来る間にソフィアさんにも確認したから間違いない、と思う。
それでも実際に確認するまではやはり緊張するし、もしも違っていれば恥ずかしいどころの話ではない。
少し遠くから草を踏みしめながら近づいてくる足音が聞こえる。

「結構夜は冷えるんだな」

そう呟く声が聞こえる。足音は私の目の前で止まった。
何度も心の中で練習した言葉を、少しためらって、それでもはっきりと聞こえるように声に出した。

「ノーラン、あなた、この世界の人間ではありませんわね?」

星明かりに照らされたノーランは困ったような、呆れたような、それでも笑っているような不思議な顔をしていた。

「この世界……?何言ってるんだ?」

ノーランは否定するが、それが形式だけの否定だという事は声のトーンから察することができてほっと胸をなでおろす。ノーランの回答を受け、一応理屈付けの様な事を告げる。

「あなたは【貴族主義】に染まってなさすぎですわ」
「ん?もっと敬ってほしいのか?」

ふざけ半分にそんなことを返してくる。なら、付き合ってあげよう。

「この世界は良い、悪いを抜きにして間違いなく【貴族主義】がありますわ。時間が経った今ならまだしも、平民のあなたが初日からあのようにイグニスたちと対等な関係を築けるなんて普通はありえません。あのアリシアですらはじめの頃はわたくしの姿を見るとビクビクとしていたものですわ」
「ま、俺が能天気って事もあるだろ。それに―――」
「次に、今日あなたが言った『生きる』という言葉ですわ」

ノーランの反論をあえて無視する形で話を続ける。

「この世界の方々は『死んでも安心』ということはしきりに教典で言いますが、『生きる』という事はまず言いませんの。ましてや『将来の夢』と言う単語をわたくしは初めて聞きましたわ」
「それくらい、たまたま言わなかったってだけじゃないのか?」
「最後に、この世界に、あのクッキーをラング・ド・シャという名称で作っている方はいません」

ソフィアさんに料理名を確認しても、バターを使った焼き菓子としか教えてくれなかった。この世界の美味しいものを散々食べているであろうイグニスたちもその名前を知らなくて当然だ。
だってこの世界にはラング・ド・シャという名前のお菓子なんて存在しないのだから。

「ははっ」

どんな言葉を言われるか分からなかったけど、ノーランは笑った。

「つーか気付くのおせぇよ。俺はお前もそうだってとっくの昔に気付いてたぜ?」
「え……?」

予想外の言葉に頭が一瞬混乱する。そんな私を見ながらノーランは自分の右腕の袖を捲った。

「あなた……その傷……?」

そこには手首を包むような傷がはっきりと刻まれていた。

「お前もあるだろ?」

右手首のブレスレットの下には確かに同じような傷がある。

「この世界に急に来た人間にはこういった傷が刻まれるんだってよ」
「……!あなたここに来た時の記憶があるの!?」

私の質問にノーランは首を縦に振った。

「ん?そう言うレヴィアナ……はどうなんだ?違うのか?」
「私……は……気付いたらこの世界にいたわ。どちらも断片的にしか思い出せないの」
「ふーん、そっか。そう言うのもあるのか」

ノーランは独り言の様に呟いた。

「あなたはこの世界がセレスティアル・ラブ・クロニクルという事を知ってるの?」
「まぁな。ねーちゃんがやってたのを横で見ててこのゲームの事は知ってた。「運命の星の下でー」ってヒロインの女の子が歌ってるのは今でも鮮明に覚えてるぜ」

2人で草むらに腰を下ろし、お互い空の星を見つめながら話をする。

「で、まぁ見ず知らずのこの世界の親の勧めで学校に行ったら見覚えのある学校でよ。その上そのヒロインが目の前で生きて動いてるじゃねーか。もうこれは運命だと思ったね」

ノーランは体を反らしながら嬉しそうに語る。

「あなた、もしかしてそれで生徒会に……?単純ねー……」
「そりゃそうだろ。ガキの頃大好きだったヒロインが目の前にいるんだぜ?頑張って
お近づきになりたくもなるだろ」

ノーランは鼻の頭をポリポリと掻きながら少し恥ずかしそうにしていた。そんなシンプルな言葉に、色々考えてた自分が少しだけ馬鹿らしくなる。

「ま、頑張りなさいよ。ライバルは強力よ?」
「知ってるっての。ゲームでも完璧超人だったし、この世界でも言うに及ばずだわ。アイツらカッコよすぎだろ」

ノーランはケッと言って少し悔しそうに空を見た。

「お前は良いのかよ?」
「良いって何が?」
「あの4人の中に好きなヤツいるんじゃねーの?」

ノーランはこちらの目を真っすぐに見つめて問いかけた。
思わず顔を逸らして空を見上げる。一瞬頭に浮かんだ気がしたが、慌てて自分の中にしまい込んだ。

「無理よ。私は悪役令嬢のレヴィアナよ?このゲームのヒロインはアリシア。私にはそんな権利はないわ」

そう、私はレヴィアナ。このセレスティアル・ラブ・クロニクルの悪役令嬢だ。ヒロインが幸せになる為には障害でしかない存在だ。この世界に来てから何度も言い聞かせた言葉をもう一度胸に刻み込む。

「そんなもんわかんねーだろ?現にゲームと違って、アリシアをいじめてたお前がこうして生徒会に居るんだし」

ノーランはへらへら笑いながら空に吐いた。

「元々ゲームで名前すら登場しないモブキャラの俺がこうしてアリシアの家にお呼ばれして遊んでるんだからさ」

ノーランは悪戯っぽい、そして少し小馬鹿にしたような笑い顔で私の目を見る。

「せっかくなんだし楽しく生きようぜ!あ、それに俺がアリシアの心を射止めたら、お前は4人から選び放題じゃねーか」

なんともノーランらしい、単純明快な考え方だった。そんな風に考えたことは無かった。

(生きる……か)

昼間私の意見が言えなくて当然だった。私はこのレヴィアナの事をどこか他人事としてしか見ていなかった。それにこれまでずっと、どうアリシアの邪魔をしないかという事ばかり考えていて、私自身がこの世界を楽しむという事が完全に抜け落ちていたようにも思う。
ふふっと笑みがこぼれる。そんな私の様子を見てノーランもニッっと笑い返してきた。

「まぁ、あまり期待しないで待っておくわ。でも!アリシアの事泣かせたら許さないわよ!」

私にできる精いっぱいの照れ隠しとともにノーランに拳を向けると、ノーランも笑いながら私の拳に拳をぶつけた。

「あー、こんな所にいたです!」
「ほんとだね」
「ん?おー、ミーナにセシル」

声のする方を見ると、すっかり復活したミーナが手を振りながらこちらに近づいてくる。セシルも一緒だった。ノーランは2人の姿を見ると、よっと言って勢いよく立ち上がり同じように手を振って2人を迎え入れる。

「これからナタリーさんとアリシアさんが美味しい氷のお菓子を振舞ってくれるです。早く来ないと無くなってしまうですよ!」

ミーナがニッと笑って2人に呼びかける。

「かき氷とかかな?」

ノーランは小さく耳打ちをして「レヴィアナも行こうぜ!」と2人の方へ駆けて行った。

「ふふっ……まだ食べますの?太ってしまいますわよ?」

私も笑いながら立ち上がると、2人の後を追って星空の下を駆けだした。

***

2人のシルフィードダンスに包まれアリシアの家に到着すると、すでに準備は整っていた。
全員で桟橋に腰掛けて、アリシアとナタリーが作ってくれた氷菓をみんなで楽しむ。イグニスが器用に灯してくれている炎魔法が水面に反射して、辺り一面を幻想的な雰囲気で包んでいる。

涼しいとは言え夏の夜には変わりない。口の中で溶けていく氷菓と、川のせせらぎの音を楽しみながら、それぞれが思い思いに夏の夜を楽しんでいた。

「なんだか……全部あるって感じだね」

誰かがぽそっとそんな呟きを漏らした。それくらいにこの空間は満たされていた。

「今度はガレンも一緒に来れると良いですわね」

私の言葉にみんながうんうんと頷く。

「あいつも勿体ねーよなぁ」
「用事があるなら仕方ありませんわ。――――でも、次回はこちら優先してもらえるように思いっきり楽しい思い出話をつくっていきませんこと?」
「あ、それでは明日はあの山に登りませんか?山頂からの景色がとても綺麗なんですよ!」

アリシアが指についた氷をペロッと舐めながら嬉しそうに提案する。私を含め、みんなから賛成の声があがった。

イグニスの灯す炎に揺らぐみんなの笑顔を見ながら、このかけがえのない空間を経験する贅沢を噛み締める。

ノーランがさっき言ってたことは机上の空論だとは思う。やっぱりこの場所での主役はアリシアとイグニスたちなんだと思う。
でも、私の大好きなこのおとぎ話みたいな世界で、みんなと一緒に笑ったり騒いだりできる時間はやっぱり私の宝物だ。

だから私は、その宝物を無くさないためにも全力でこの人達を応援して、そして最後は少しだけ自分も宝物を分けてもらえるように頑張ろう。

(この先も、こんな幸せな時間が続くといいな)

満点の星空に向かって、私はそんな事を祈った。


しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

悪役令嬢でも素材はいいんだから楽しく生きなきゃ損だよね!

ペトラ
恋愛
   ぼんやりとした意識を覚醒させながら、自分の置かれた状況を考えます。ここは、この世界は、途中まで攻略した乙女ゲームの世界だと思います。たぶん。  戦乙女≪ヴァルキュリア≫を育成する学園での、勉強あり、恋あり、戦いありの恋愛シミュレーションゲーム「ヴァルキュリア デスティニー~恋の最前線~」通称バル恋。戦乙女を育成しているのに、なぜか共学で、男子生徒が目指すのは・・・なんでしたっけ。忘れてしまいました。とにかく、前世の自分が死ぬ直前まではまっていたゲームの世界のようです。  前世は彼氏いない歴イコール年齢の、ややぽっちゃり(自己診断)享年28歳歯科衛生士でした。  悪役令嬢でもナイスバディの美少女に生まれ変わったのだから、人生楽しもう!というお話。  他サイトに連載中の話の改訂版になります。

【完結】伝説の悪役令嬢らしいので本編には出ないことにしました~執着も溺愛も婚約破棄も全部お断りします!~

イトカワジンカイ
恋愛
「目には目をおおおお!歯には歯をおおおお!」   どごおおおぉっ!! 5歳の時、イリア・トリステンは虐められていた少年をかばい、いじめっ子をぶっ飛ばした結果、少年からとある書物を渡され(以下、悪役令嬢テンプレなので略) ということで、自分は伝説の悪役令嬢であり、攻略対象の王太子と婚約すると断罪→死刑となることを知ったイリアは、「なら本編にでなやきゃいいじゃん!」的思考で、王家と関わらないことを決意する。 …だが何故か突然王家から婚約の決定通知がきてしまい、イリアは侯爵家からとんずらして辺境の魔術師ディボに押しかけて弟子になることにした。 それから12年…チートの魔力を持つイリアはその魔法と、トリステン家に伝わる気功を駆使して診療所を開き、平穏に暮らしていた。そこに王家からの使いが来て「不治の病に倒れた王太子の病気を治せ」との命令が下る。 泣く泣く王都へ戻ることになったイリアと旅に出たのは、幼馴染で兄弟子のカインと、王の使いで来たアイザック、女騎士のミレーヌ、そして以前イリアを助けてくれた騎士のリオ… 旅の途中では色々なトラブルに見舞われるがイリアはそれを拳で解決していく。一方で何故かリオから熱烈な求愛を受けて困惑するイリアだったが、果たしてリオの思惑とは? 更には何故か第一王子から執着され、なぜか溺愛され、さらには婚約破棄まで!? ジェットコースター人生のイリアは持ち前のチート魔力と前世での知識を用いてこの苦境から立ち直り、自分を断罪した人間に逆襲できるのか? 困難を力でねじ伏せるパワフル悪役令嬢の物語! ※地学の知識を織り交ぜますが若干正確ではなかったりもしますが多めに見てください… ※ゆるゆる設定ですがファンタジーということでご了承ください… ※小説家になろう様でも掲載しております ※イラストは湶リク様に描いていただきました

悪役令嬢に転生したので、すべて無視することにしたのですが……?

りーさん
恋愛
 気がついたら、生まれ変わっていた。自分が死んだ記憶もない。どうやら、悪役令嬢に生まれ変わったみたい。しかも、生まれ変わったタイミングが、学園の入学式の前日で、攻略対象からも嫌われまくってる!?  こうなったら、破滅回避は諦めよう。だって、悪役令嬢は、悪口しか言ってなかったんだから。それだけで、公の場で断罪するような婚約者など、こっちから願い下げだ。  他の攻略対象も、別にお前らは関係ないだろ!って感じなのに、一緒に断罪に参加するんだから!そんな奴らのご機嫌をとるだけ無駄なのよ。 もう攻略対象もヒロインもシナリオも全部無視!やりたいことをやらせてもらうわ!  そうやって無視していたら、なんでか攻略対象がこっちに来るんだけど……? ※恋愛はのんびりになります。タグにあるように、主人公が恋をし出すのは後半です。 1/31 タイトル変更 破滅寸前→ゲーム開始直前

チート薬学で成り上がり! 伯爵家から放逐されたけど優しい子爵家の養子になりました!

芽狐
ファンタジー
⭐️チート薬学3巻発売中⭐️ ブラック企業勤めの37歳の高橋 渉(わたる)は、過労で倒れ会社をクビになる。  嫌なことを忘れようと、異世界のアニメを見ていて、ふと「異世界に行きたい」と口に出したことが、始まりで女神によって死にかけている体に転生させられる! 転生先は、スキルないも魔法も使えないアレクを家族は他人のように扱い、使用人すらも見下した態度で接する伯爵家だった。 新しく生まれ変わったアレク(渉)は、この最悪な現状をどう打破して幸せになっていくのか?? 更新予定:なるべく毎日19時にアップします! アップされなければ、多忙とお考え下さい!

悪役令嬢は二度も断罪されたくない!~あのー、私に平穏な暮らしをさせてくれませんか?~

イトカワジンカイ
恋愛
(あれって…もしや断罪イベントだった?) グランディアス王国の貴族令嬢で王子の婚約者だったアドリアーヌは、国外追放になり敵国に送られる馬車の中で不意に前世の記憶を思い出した。 「あー、小説とかでよく似たパターンがあったような」 そう、これは前世でプレイした乙女ゲームの世界。だが、元社畜だった社畜パワーを活かしアドリアーヌは逆にこの世界を満喫することを決意する。 (これで憧れのスローライフが楽しめる。ターシャ・デューダのような自給自足ののんびり生活をするぞ!) と公爵令嬢という貴族社会から離れた”平穏な暮らし”を夢見ながら敵国での生活をはじめるのだが、そこはアドリアーヌが断罪されたゲームの続編の世界だった。 続編の世界でも断罪されることを思い出したアドリアーヌだったが、悲しいかな攻略対象たちと必然のように関わることになってしまう。 さぁ…アドリアーヌは2度目の断罪イベントを受けることなく、平穏な暮らしを取り戻すことができるのか!? 「あのー、私に平穏な暮らしをさせてくれませんか?」 ※ファンタジーなので細かいご都合設定は多めに見てください(´・ω・`) ※小説家になろう、ノベルバにも掲載

異世界の片隅で引き篭りたい少女。

月芝
ファンタジー
玄関開けたら一分で異世界!  見知らぬオッサンに雑に扱われただけでも腹立たしいのに 初っ端から詰んでいる状況下に放り出されて、 さすがにこれは無理じゃないかな? という出オチ感漂う能力で過ごす新生活。 生態系の最下層から成り上がらずに、こっそりと世界の片隅で心穏やかに過ごしたい。 世界が私を見捨てるのならば、私も世界を見捨ててやろうと森の奥に引き篭った少女。 なのに世界が私を放っておいてくれない。 自分にかまうな、近寄るな、勝手に幻想を押しつけるな。 それから私を聖女と呼ぶんじゃねぇ! 己の平穏のために、ふざけた能力でわりと真面目に頑張る少女の物語。 ※本作主人公は極端に他者との関わりを避けます。あとトキメキLOVEもハーレムもありません。 ですので濃厚なヒューマンドラマとか、心の葛藤とか、胸の成長なんかは期待しないで下さい。  

婚約破棄られ令嬢がカフェ経営を始めたらなぜか王宮から求婚状が届きました!?

江原里奈
恋愛
【婚約破棄? 慰謝料いただければ喜んで^^ 復縁についてはお断りでございます】 ベルクロン王国の田舎の伯爵令嬢カタリナは突然婚約者フィリップから手紙で婚約破棄されてしまう。ショックのあまり寝込んだのは母親だけで、カタリナはなぜか手紙を踏みつけながらもニヤニヤし始める。なぜなら、婚約破棄されたら相手から慰謝料が入る。それを元手に夢を実現させられるかもしれない……! 実はカタリナには前世の記憶がある。前世、彼女はカフェでバイトをしながら、夜間の製菓学校に通っている苦学生だった。夢のカフェ経営をこの世界で実現するために、カタリナの奮闘がいま始まる! ※カクヨム、ノベルバなど複数サイトに投稿中。  カクヨムコン9最終選考・第4回アイリス異世界ファンタジー大賞最終選考通過! ※ブクマしてくださるとモチベ上がります♪ ※厳格なヒストリカルではなく、縦コミ漫画をイメージしたゆるふわ飯テロ系ロマンスファンタジー。作品内の事象・人間関係はすべてフィクション。法制度等々細かな部分を気にせず、寛大なお気持ちでお楽しみください<(_ _)>

毒を盛られて生死を彷徨い前世の記憶を取り戻しました。小説の悪役令嬢などやってられません。

克全
ファンタジー
公爵令嬢エマは、アバコーン王国の王太子チャーリーの婚約者だった。だがステュワート教団の孤児院で性技を仕込まれたイザベラに籠絡されていた。王太子達に無実の罪をなすりつけられエマは、修道院に送られた。王太子達は執拗で、本来なら侯爵一族とは認められない妾腹の叔父を操り、父親と母嫌を殺させ公爵家を乗っ取ってしまった。母の父親であるブラウン侯爵が最後まで護ろうとしてくれるも、王国とステュワート教団が協力し、イザベラが直接新種の空気感染する毒薬まで使った事で、毒殺されそうになった。だがこれをきっかけに、異世界で暴漢に腹を刺された女性、美咲の魂が憑依同居する事になった。その女性の話しでは、自分の住んでいる世界の話が、異世界では小説になって多くの人が知っているという。エマと美咲は協力して王国と教団に復讐する事にした。

処理中です...