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お宅訪問いってきます③

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 就寝間近、ベッド脇のサイドテーブルにある小さなランプだけを残して消灯する。ふと、ベッドに戻る途中でドレッサーの上に置きっぱなしにしていた手紙を手に取った。

 薄緑色の封筒の中にカードが一枚。

 内容は夜会の開催と招待のお知らせ。宛名は当然フェルと……私にだった。

 差出人はエリック家当主、アルガード・エリック。

 初めて、このお屋敷で会った人だとフェルが教えてくれた御令嬢──ソール・エリック様のお父上らしい。

「…………」

 そうだとしたら彼女が夜会に出ないはずが無い。

 そう考えたら、緊張が浮かぶ。そんな不穏な心と一緒に、そっとカードを封筒にしまった。

 振り返れば、柔らかく射し込む月明り。

 吸い寄せられるように、窓辺へ向かう。見上げた空には煌々と輝く満月が昇っていた。
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