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【完結】エピローグ
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「意外でしたわ。 お兄様が本気になるなんて」
「ん。 そうか?」
「ええ、そうですわよ。 花婿様を気に入った妾に付き合っただけかと思っておりました」
妖輝は自分の後ろから、もたれ掛かる妖華のお腹の膨らみを背中で感じながら、
「まぁ。 最初はそうだったのう」
「やはり。 そうでしたのね。 今では “ 愛妻家 ” になって、本当に意外でしたわ」
「何がだ?」
「いえ。 お兄様は “ 愛妻家 ” より、我に従え! と、 “ 亭主関白 ” なイメージが御座いましたので」
「そうか。 妖華も花婿には気を付けろよ」
「何がです?」
妖華は妖輝の心配が分からず首をかしげる。
「妖狐化した “ 男性 ” は欲に忠実で、血を分けた “ 女性 ” も襲う可能性があるしな。 我が花嫁に手を出されたら八つ裂きにするぞ」
「おほほ。 安心なさってお兄様。 そんなことを阻止するために花婿様を “ 座敷牢 ” に閉じ込めておりますの。 花婿様が愛するのは妾だけですわ」
「…………まぁ。 花嫁に害がないなら、何でもよい」
「ほほ。 それでは花婿様の元へ行って参ります」
妖華は微笑みながら十二単で自分の口元を覆いながら、部屋から去っていく。 これから濃厚な一時を過ごすのだろう。
「妖輝様……」
「どうした? 花嫁よ」
妖華と入れ違いに入ってきた遥香を妖輝は見つめる。
遥香の頭には狐耳がピンッと、お尻からは狐しっぽが生えてくるくると動いている。
「先ほどお腹の子が動いたの。 触ってください」
「本当か。 どれどれ」
妖輝は遥香の膨らんだお腹に頭を近づけ、胎動を感じる。
「おお。 蹴ったのか? それとも殴ったのか? もしやオスなのか? 遥香はどちらがよいか?」
「私は……どちらでも。 妖輝様が側にいてくれればそれだけで幸せですから」
「そうか。 そうか。 時折 “ 正気 ” を取り戻した、花嫁を愛することも大好きじゃが、現在の “ 正気 ” じゃない花嫁を愛することも楽しいぞ。 だが、妖狐化したとはいえ、花嫁は元人間だからのう。 腹の子に大事があってはいかぬ故、当分はお預けじゃ。 生まれたら存分に愛してやるからな。 楽しみにしておれ」
「……はい。 楽しみにしております」
ーーーー
陽太が過ごす妖華が用意した “ 座敷牢 ” は淫乱な空気で満ちていた。
「んっ、んん」
「はぁ。 はぁ」
「もう、花婿様。 落ち着いてくださいませ。 発情期で辛いのは分かりますが、そんなに突いてはぁ」
妖狐化した陽太は “ 発情 ” して、やって来た妖華の十二単を脱がし、問答無用に繋がりはじめた。
「妾は妖狐ですので、どんなに激しくされてもお腹の子は無事ですが、もう少し労って下さいな。 花婿様」
「はぁ、はぁ。 妖華さん。 遥香お姉ちゃんは無事なの? 元の場所へ帰ったの?」
「あら? 今日は “ 正気 ” ですのね。 安心なさって。 遥香様は無事に帰られたわ。 さぁ、妾へのご褒美に愛して下さいな」
この双子の姉弟は2度と出会うことがない。 お兄様も上手く花嫁を幽閉するだろうし、妖華は平然と嘘を本当のように陽太に囁く。
「あっ、あぁ。 花婿様ぁ! もっとぉ!! 」
「はぁ、はぁ。 妖華。 愛してる!」
「妾も愛しております!!」
再び “ 正気 ” をなくした陽太に妖華は満足するまで愛され続ける。
妖狐の兄妹に気に入られ神隠しされた双子の姉弟の運命は淫らに乱れ逃れられない――……。
「ん。 そうか?」
「ええ、そうですわよ。 花婿様を気に入った妾に付き合っただけかと思っておりました」
妖輝は自分の後ろから、もたれ掛かる妖華のお腹の膨らみを背中で感じながら、
「まぁ。 最初はそうだったのう」
「やはり。 そうでしたのね。 今では “ 愛妻家 ” になって、本当に意外でしたわ」
「何がだ?」
「いえ。 お兄様は “ 愛妻家 ” より、我に従え! と、 “ 亭主関白 ” なイメージが御座いましたので」
「そうか。 妖華も花婿には気を付けろよ」
「何がです?」
妖華は妖輝の心配が分からず首をかしげる。
「妖狐化した “ 男性 ” は欲に忠実で、血を分けた “ 女性 ” も襲う可能性があるしな。 我が花嫁に手を出されたら八つ裂きにするぞ」
「おほほ。 安心なさってお兄様。 そんなことを阻止するために花婿様を “ 座敷牢 ” に閉じ込めておりますの。 花婿様が愛するのは妾だけですわ」
「…………まぁ。 花嫁に害がないなら、何でもよい」
「ほほ。 それでは花婿様の元へ行って参ります」
妖華は微笑みながら十二単で自分の口元を覆いながら、部屋から去っていく。 これから濃厚な一時を過ごすのだろう。
「妖輝様……」
「どうした? 花嫁よ」
妖華と入れ違いに入ってきた遥香を妖輝は見つめる。
遥香の頭には狐耳がピンッと、お尻からは狐しっぽが生えてくるくると動いている。
「先ほどお腹の子が動いたの。 触ってください」
「本当か。 どれどれ」
妖輝は遥香の膨らんだお腹に頭を近づけ、胎動を感じる。
「おお。 蹴ったのか? それとも殴ったのか? もしやオスなのか? 遥香はどちらがよいか?」
「私は……どちらでも。 妖輝様が側にいてくれればそれだけで幸せですから」
「そうか。 そうか。 時折 “ 正気 ” を取り戻した、花嫁を愛することも大好きじゃが、現在の “ 正気 ” じゃない花嫁を愛することも楽しいぞ。 だが、妖狐化したとはいえ、花嫁は元人間だからのう。 腹の子に大事があってはいかぬ故、当分はお預けじゃ。 生まれたら存分に愛してやるからな。 楽しみにしておれ」
「……はい。 楽しみにしております」
ーーーー
陽太が過ごす妖華が用意した “ 座敷牢 ” は淫乱な空気で満ちていた。
「んっ、んん」
「はぁ。 はぁ」
「もう、花婿様。 落ち着いてくださいませ。 発情期で辛いのは分かりますが、そんなに突いてはぁ」
妖狐化した陽太は “ 発情 ” して、やって来た妖華の十二単を脱がし、問答無用に繋がりはじめた。
「妾は妖狐ですので、どんなに激しくされてもお腹の子は無事ですが、もう少し労って下さいな。 花婿様」
「はぁ、はぁ。 妖華さん。 遥香お姉ちゃんは無事なの? 元の場所へ帰ったの?」
「あら? 今日は “ 正気 ” ですのね。 安心なさって。 遥香様は無事に帰られたわ。 さぁ、妾へのご褒美に愛して下さいな」
この双子の姉弟は2度と出会うことがない。 お兄様も上手く花嫁を幽閉するだろうし、妖華は平然と嘘を本当のように陽太に囁く。
「あっ、あぁ。 花婿様ぁ! もっとぉ!! 」
「はぁ、はぁ。 妖華。 愛してる!」
「妾も愛しております!!」
再び “ 正気 ” をなくした陽太に妖華は満足するまで愛され続ける。
妖狐の兄妹に気に入られ神隠しされた双子の姉弟の運命は淫らに乱れ逃れられない――……。
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