19 / 28
行方不明王女とレリルール学園
ドキドキわくわく“恋占い”
しおりを挟む
「「ラ…ラピドゥス様?どうしてここに??」」
((あれ、フィリア、爪切り取りに行ったんじゃなかったの!!??))
「や、フィリアに呼ばれたんだけどさ。
何があったのか?」
アウラとルシオラの疑問に、ラピドゥスもフィリアに何も聞かされていないのか、頭を横に傾げていた。
フィリオはげんなりしてて、カナリアがフィリオの肩をポンと叩いて慰めている。
「実はラピドゥス様にお願いがございまして、これからアウラとルシオラの“恋占い”をするところですが、ふたりの爪を、少量だけ取っ手いただきたく」
「……アウラの恋占いか」
フィリアの説明を聞いているラピドゥスは、ポツリと呟いて、ずず~んと暗くなっていく。
「フィリオさん。
ラピドゥスのが、君の気持ち分かると思うけど?」
「………自分がしたことを自分に返ってきただけじゃないですか。
カナリア様だけ、あっさり受け入れてますよね?」
(王子達は全員ブラコン、シスコンだと思っていたけど)
フィリオはカナリアの言葉に、大好きな双子の姉の婚約者であるラピドゥスを、じとーーと睨みながら、前々から思っていたことをカナリアに問いかける。
「ずっと見ていたからね」
「ずっと?」
「うん、1年前から」
「それ「フィリオー、準備出来たわよ」
ーーーー
カナリアとフィリオの内緒話から、時は遡り冒頭へ戻る。
「「ラ…ラピドゥス様?どうしてここに??」」
((あれ、フィリア、爪切り取りに行ったんじゃなかったの!!??))
「や、フィリアに呼ばれたんだけどさ。
何があったのか?」
アウラとルシオラの疑問に、ラピドゥスもフィリアに何も聞かされていないのか、頭を横に傾げていた。
フィリオはげんなりしてて、カナリアがフィリオの肩をポンと叩いて慰めている。
「実はラピドゥス様にお願いがございまして、これからアウラとルシオラの“恋占い”をするところですが、ふたりの爪を、少量だけ取っ手いただきたく」
「……アウラの恋占いか」
「ラピドゥス様、具合が悪いんですか?
魔法薬の授業で作った、日頃の疲労が吹っ飛ぶ【栄養ドリンク】ありますが、飲みますか?」
ルシオラは黒いローブに付いてる、大きさ関係なく、いろんな物が無限に入る【魔法ポケット】から、茶色の小瓶を取り出す。
「や、ルシオラ、大丈夫だ、疲労じゃねーし。
フィリオにしたことが、俺に返ってきただけだから…」
「返ってきた??」
「お前は一人っ子だもんなー…」
「…え、ええ」
(あれ?なんだろうこの感じ、フィリオがラピドゥス様に向けてる感情と同じ気がする)
ラピドゥスの言葉にルシオラは、ただただ困惑するだけだった。
「…フィリア、爪切り見付からなかったの?」
「アウラ達の爪の長さじゃ、爪切りで切るのは難しいと思って」
「私とルシオラは、薬草詰みや薬作りの邪魔にならないように、爪は整えているけど…」
「毎日、爪ヤスリで整えているわよね」
そう、フィリアが言っているように、アウラとルシオラは、毎日、爪の手入れをしている為、爪切りで切れる爪がなかった。
フィリアが言いたいことが、よく分からないアウラは、自分の長い髪を指差して、
「爪が難しいなら、髪じゃダメかな?少しなら」
「「「綺麗な髪が、勿体ないからダメ!!」」」
アウラは自分のローブの【魔法ポケット】から、ハサミを取り出して、毛先だけ切ろうとしたが、ルシオラとフィリア、ラピドゥスに全力で止められた。
なんでも「この世のものとは思えない漆黒の髪に、歩いて風に靡く度に、醸し出される美しさを損なうことは出来ない」らしい。
「それじゃ、切り傷ぐらいなら初級【ポーション】で治せるし、私の“血”じゃ」
「「もっとダメよ(だ)!?」」
「アウラに怪我してほしくないから、それは止めとこうね」
アウラの提案に、前者の必死なハモりはフィリアとラピドゥスで、後者の冷静に窘める声はルシオラだ。
「では、ラピドゥス様。
アウラ達の肌を傷付けない、ギリギリの力加減で、爪を少量だけ削って頂けませんか」
(私達特有のあの事もありますし、安心して任せられるのはラピドゥス様だけなんです!)
「…お、おう。
アウラ、ルシオラ、水盆の上に手を出して、動くなよ?」
(いや、分かってるからいいんだけどさ。
何で爪ヤスリじゃなくて、俺なんだ?)
「う、うん。ねぇ、ルシ」
(だって、ラピドゥス様は“試験”と“あの事”で忙しく……王宮と学園を行き来してて、なかなか会えなかったんですもの…)
「な、何?アウラ」
(…フィリア。俺だって会いたかったさ)
「フィリアとラピドゥス様、ふたりだけの世界に入ってるんだけど…」
(ラピドゥス様)
「僕達を間に挟まないで欲しいよね…」
(フィリア)
「う…うん。恥ずかしい」
このやり取りを、内緒話をしていたカナリアとフィリオが見ていたら、
((また、ダブルカップルがラブいちゃしてる…))
と、カナリアは生暖かく、フィリオは複雑に見つめて、もしこの場にコルもいたら、あまりにもの「煩さ」で耳を押さえ、ラピドゥスの足を踏んだだろう。
「アウラ、ルシオラ動くなよ」
「「う…うん。どう」」
最後の「ぞ」を言い終える前に、アウラとルシオラの爪に、一陣の風が吹いた。
パラパラと粉砕されたアウラとルシオラの【爪】が、水盆の中に落ちていく。
「フィリア、これぐらいでいいか?」
「はい、ラピドゥス様、ありがとうございます。
フィリオー、準備出来たわよ」
「「????」」
「アウラ、ルシオラ。
自分の爪を見つめて、どうしたの?」
「「カナリア様。
ラピドゥス様が、どの辺の爪を削ったのかなって」」
「ああ、ラピドゥスは兄弟の中で、魔力調節や細かい作業が得意だからね」
カナリアはアウラとルシオラの手元を覗く、
「……ラピドゥス、本当に削ったの?」
「薬指の先っぽを少しな」
「「「薬指」」」
アウラ、ルシオラ、カナリアはじっと薬指を見つめるが、
「「変わってないよね?」」
「見た目は変わってませんね」
「アウラ、ルシオラ、そろそろいい?」
「あ、うん。大丈夫だよ」
会話に一区切りついたところで、フィリオが声をかけて、ルシオラが返事をする。
「どうすればいいの?」
アウラの問いかけに、
「アウラとルシオラは水盆を挟んで向かい合って、手を繋いで、ゆっくり目を閉じて」
「「…うん」」
ふたりはフィリアの説明通りに動く。
「自分の魔力を…薬を作っている時みたいに、水盆に注いで……そのまま、じっとしてて」
フィリアとフィリオも水盆を挟んで向かい合う。
図にすると、下のように並んでいる。
フィリア
↓
アウラ→水盆←ルシオラ
↑
フィリオ
フィリアとフィリオも、ゆっくり目を閉じて、魔力を水盆に注ぐ、
「「〈静寂を司る闇よ。夜空に煌めく星よ。
我等の声が願いが届くならば、かの者達の相性を運命を、清らかな魔力を宿す水面に写し出して〉」」
フィリアとフィリオが「占い」の呪文を唱え終えると水面を覗く、
「赤い糸と…」
「クロロ…」
「紅蓮の炎…」
ふたりは水面に写った姿を交互に言っていく、そして最後に写ったのが、
「「黒百合…?」」
((あれ、フィリア、爪切り取りに行ったんじゃなかったの!!??))
「や、フィリアに呼ばれたんだけどさ。
何があったのか?」
アウラとルシオラの疑問に、ラピドゥスもフィリアに何も聞かされていないのか、頭を横に傾げていた。
フィリオはげんなりしてて、カナリアがフィリオの肩をポンと叩いて慰めている。
「実はラピドゥス様にお願いがございまして、これからアウラとルシオラの“恋占い”をするところですが、ふたりの爪を、少量だけ取っ手いただきたく」
「……アウラの恋占いか」
フィリアの説明を聞いているラピドゥスは、ポツリと呟いて、ずず~んと暗くなっていく。
「フィリオさん。
ラピドゥスのが、君の気持ち分かると思うけど?」
「………自分がしたことを自分に返ってきただけじゃないですか。
カナリア様だけ、あっさり受け入れてますよね?」
(王子達は全員ブラコン、シスコンだと思っていたけど)
フィリオはカナリアの言葉に、大好きな双子の姉の婚約者であるラピドゥスを、じとーーと睨みながら、前々から思っていたことをカナリアに問いかける。
「ずっと見ていたからね」
「ずっと?」
「うん、1年前から」
「それ「フィリオー、準備出来たわよ」
ーーーー
カナリアとフィリオの内緒話から、時は遡り冒頭へ戻る。
「「ラ…ラピドゥス様?どうしてここに??」」
((あれ、フィリア、爪切り取りに行ったんじゃなかったの!!??))
「や、フィリアに呼ばれたんだけどさ。
何があったのか?」
アウラとルシオラの疑問に、ラピドゥスもフィリアに何も聞かされていないのか、頭を横に傾げていた。
フィリオはげんなりしてて、カナリアがフィリオの肩をポンと叩いて慰めている。
「実はラピドゥス様にお願いがございまして、これからアウラとルシオラの“恋占い”をするところですが、ふたりの爪を、少量だけ取っ手いただきたく」
「……アウラの恋占いか」
「ラピドゥス様、具合が悪いんですか?
魔法薬の授業で作った、日頃の疲労が吹っ飛ぶ【栄養ドリンク】ありますが、飲みますか?」
ルシオラは黒いローブに付いてる、大きさ関係なく、いろんな物が無限に入る【魔法ポケット】から、茶色の小瓶を取り出す。
「や、ルシオラ、大丈夫だ、疲労じゃねーし。
フィリオにしたことが、俺に返ってきただけだから…」
「返ってきた??」
「お前は一人っ子だもんなー…」
「…え、ええ」
(あれ?なんだろうこの感じ、フィリオがラピドゥス様に向けてる感情と同じ気がする)
ラピドゥスの言葉にルシオラは、ただただ困惑するだけだった。
「…フィリア、爪切り見付からなかったの?」
「アウラ達の爪の長さじゃ、爪切りで切るのは難しいと思って」
「私とルシオラは、薬草詰みや薬作りの邪魔にならないように、爪は整えているけど…」
「毎日、爪ヤスリで整えているわよね」
そう、フィリアが言っているように、アウラとルシオラは、毎日、爪の手入れをしている為、爪切りで切れる爪がなかった。
フィリアが言いたいことが、よく分からないアウラは、自分の長い髪を指差して、
「爪が難しいなら、髪じゃダメかな?少しなら」
「「「綺麗な髪が、勿体ないからダメ!!」」」
アウラは自分のローブの【魔法ポケット】から、ハサミを取り出して、毛先だけ切ろうとしたが、ルシオラとフィリア、ラピドゥスに全力で止められた。
なんでも「この世のものとは思えない漆黒の髪に、歩いて風に靡く度に、醸し出される美しさを損なうことは出来ない」らしい。
「それじゃ、切り傷ぐらいなら初級【ポーション】で治せるし、私の“血”じゃ」
「「もっとダメよ(だ)!?」」
「アウラに怪我してほしくないから、それは止めとこうね」
アウラの提案に、前者の必死なハモりはフィリアとラピドゥスで、後者の冷静に窘める声はルシオラだ。
「では、ラピドゥス様。
アウラ達の肌を傷付けない、ギリギリの力加減で、爪を少量だけ削って頂けませんか」
(私達特有のあの事もありますし、安心して任せられるのはラピドゥス様だけなんです!)
「…お、おう。
アウラ、ルシオラ、水盆の上に手を出して、動くなよ?」
(いや、分かってるからいいんだけどさ。
何で爪ヤスリじゃなくて、俺なんだ?)
「う、うん。ねぇ、ルシ」
(だって、ラピドゥス様は“試験”と“あの事”で忙しく……王宮と学園を行き来してて、なかなか会えなかったんですもの…)
「な、何?アウラ」
(…フィリア。俺だって会いたかったさ)
「フィリアとラピドゥス様、ふたりだけの世界に入ってるんだけど…」
(ラピドゥス様)
「僕達を間に挟まないで欲しいよね…」
(フィリア)
「う…うん。恥ずかしい」
このやり取りを、内緒話をしていたカナリアとフィリオが見ていたら、
((また、ダブルカップルがラブいちゃしてる…))
と、カナリアは生暖かく、フィリオは複雑に見つめて、もしこの場にコルもいたら、あまりにもの「煩さ」で耳を押さえ、ラピドゥスの足を踏んだだろう。
「アウラ、ルシオラ動くなよ」
「「う…うん。どう」」
最後の「ぞ」を言い終える前に、アウラとルシオラの爪に、一陣の風が吹いた。
パラパラと粉砕されたアウラとルシオラの【爪】が、水盆の中に落ちていく。
「フィリア、これぐらいでいいか?」
「はい、ラピドゥス様、ありがとうございます。
フィリオー、準備出来たわよ」
「「????」」
「アウラ、ルシオラ。
自分の爪を見つめて、どうしたの?」
「「カナリア様。
ラピドゥス様が、どの辺の爪を削ったのかなって」」
「ああ、ラピドゥスは兄弟の中で、魔力調節や細かい作業が得意だからね」
カナリアはアウラとルシオラの手元を覗く、
「……ラピドゥス、本当に削ったの?」
「薬指の先っぽを少しな」
「「「薬指」」」
アウラ、ルシオラ、カナリアはじっと薬指を見つめるが、
「「変わってないよね?」」
「見た目は変わってませんね」
「アウラ、ルシオラ、そろそろいい?」
「あ、うん。大丈夫だよ」
会話に一区切りついたところで、フィリオが声をかけて、ルシオラが返事をする。
「どうすればいいの?」
アウラの問いかけに、
「アウラとルシオラは水盆を挟んで向かい合って、手を繋いで、ゆっくり目を閉じて」
「「…うん」」
ふたりはフィリアの説明通りに動く。
「自分の魔力を…薬を作っている時みたいに、水盆に注いで……そのまま、じっとしてて」
フィリアとフィリオも水盆を挟んで向かい合う。
図にすると、下のように並んでいる。
フィリア
↓
アウラ→水盆←ルシオラ
↑
フィリオ
フィリアとフィリオも、ゆっくり目を閉じて、魔力を水盆に注ぐ、
「「〈静寂を司る闇よ。夜空に煌めく星よ。
我等の声が願いが届くならば、かの者達の相性を運命を、清らかな魔力を宿す水面に写し出して〉」」
フィリアとフィリオが「占い」の呪文を唱え終えると水面を覗く、
「赤い糸と…」
「クロロ…」
「紅蓮の炎…」
ふたりは水面に写った姿を交互に言っていく、そして最後に写ったのが、
「「黒百合…?」」
0
お気に入りに追加
12
あなたにおすすめの小説
【完結】殿下、自由にさせていただきます。
なか
恋愛
「出て行ってくれリルレット。王宮に君が住む必要はなくなった」
その言葉と同時に私の五年間に及ぶ初恋は終わりを告げた。
アルフレッド殿下の妃候補として選ばれ、心の底から喜んでいた私はもういない。
髪を綺麗だと言ってくれた口からは、私を貶める言葉しか出てこない。
見惚れてしまう程の笑みは、もう見せてもくれない。
私………貴方に嫌われた理由が分からないよ。
初夜を私一人だけにしたあの日から、貴方はどうして変わってしまったの?
恋心は砕かれた私は死さえ考えたが、過去に見知らぬ男性から渡された本をきっかけに騎士を目指す。
しかし、正騎士団は女人禁制。
故に私は男性と性別を偽って生きていく事を決めたのに……。
晴れて騎士となった私を待っていたのは、全てを見抜いて笑う副団長であった。
身分を明かせない私は、全てを知っている彼と秘密の恋をする事になる。
そして、騎士として王宮内で起きた変死事件やアルフレッドの奇行に大きく関わり、やがて王宮に蔓延る謎と対峙する。
これは、私の初恋が終わり。
僕として新たな人生を歩みだした話。
最愛の側妃だけを愛する旦那様、あなたの愛は要りません
abang
恋愛
私の旦那様は七人の側妃を持つ、巷でも噂の好色王。
後宮はいつでも女の戦いが絶えない。
安心して眠ることもできない後宮に、他の妃の所にばかり通う皇帝である夫。
「どうして、この人を愛していたのかしら?」
ずっと静観していた皇后の心は冷めてしまいう。
それなのに皇帝は急に皇后に興味を向けて……!?
「あの人に興味はありません。勝手になさい!」
【完結】烏公爵の後妻〜旦那様は亡き前妻を想い、一生喪に服すらしい〜
七瀬菜々
恋愛
------ウィンターソン公爵の元に嫁ぎなさい。
ある日突然、兄がそう言った。
魔力がなく魔術師にもなれなければ、女というだけで父と同じ医者にもなれないシャロンは『自分にできることは家のためになる結婚をすること』と、日々婚活を頑張っていた。
しかし、表情を作ることが苦手な彼女の婚活はそううまくいくはずも無く…。
そろそろ諦めて修道院にで入ろうかと思っていた矢先、突然にウィンターソン公爵との縁談が持ち上がる。
ウィンターソン公爵といえば、亡き妻エミリアのことが忘れられず、5年間ずっと喪に服したままで有名な男だ。
前妻を今でも愛している公爵は、シャロンに対して予め『自分に愛されないことを受け入れろ』という誓約書を書かせるほどに徹底していた。
これはそんなウィンターソン公爵の後妻シャロンの愛されないはずの結婚の物語である。
※基本的にちょっと残念な夫婦のお話です
5年も苦しんだのだから、もうスッキリ幸せになってもいいですよね?
gacchi
恋愛
13歳の学園入学時から5年、第一王子と婚約しているミレーヌは王子妃教育に疲れていた。好きでもない王子のために苦労する意味ってあるんでしょうか。
そんなミレーヌに王子は新しい恋人を連れて
「婚約解消してくれる?優しいミレーヌなら許してくれるよね?」
もう私、こんな婚約者忘れてスッキリ幸せになってもいいですよね?
3/5 1章完結しました。おまけの後、2章になります。
4/4 完結しました。奨励賞受賞ありがとうございました。
1章が書籍になりました。
「お前を妻だと思ったことはない」と言ってくる旦那様と離婚した私は、幼馴染の侯爵から溺愛されています。
木山楽斗
恋愛
第二王女のエリームは、かつて王家と敵対していたオルバディオン公爵家に嫁がされた。
因縁を解消するための結婚であったが、現当主であるジグールは彼女のことを冷遇した。長きに渡る因縁は、簡単に解消できるものではなかったのである。
そんな暮らしは、エリームにとって息苦しいものだった。それを重く見た彼女の兄アルベルドと幼馴染カルディアスは、二人の結婚を解消させることを決意する。
彼らの働きかけによって、エリームは苦しい生活から解放されるのだった。
晴れて自由の身になったエリームに、一人の男性が婚約を申し込んできた。
それは、彼女の幼馴染であるカルディアスである。彼は以前からエリームに好意を寄せていたようなのだ。
幼い頃から彼の人となりを知っているエリームは、喜んでその婚約を受け入れた。二人は、晴れて夫婦となったのである。
二度目の結婚を果たしたエリームは、以前とは異なる生活を送っていた。
カルディアスは以前の夫とは違い、彼女のことを愛して尊重してくれたのである。
こうして、エリームは幸せな生活を送るのだった。
何もできない王妃と言うのなら、出て行くことにします
天宮有
恋愛
国王ドスラは、王妃の私エルノアの魔法により国が守られていると信じていなかった。
側妃の発言を聞き「何もできない王妃」と言い出すようになり、私は城の人達から蔑まれてしまう。
それなら国から出て行くことにして――その後ドスラは、後悔するようになっていた。
あなたの秘密を知ってしまったから私は消えます
おぜいくと
恋愛
「あなたの秘密を知ってしまったから私は消えます。さようなら」
そう書き残してエアリーはいなくなった……
緑豊かな高原地帯にあるデニスミール王国の王子ロイスは、来月にエアリーと結婚式を挙げる予定だった。エアリーは隣国アーランドの王女で、元々は政略結婚が目的で引き合わされたのだが、誰にでも平等に接するエアリーの姿勢や穢れを知らない澄んだ目に俺は惹かれた。俺はエアリーに素直な気持ちを伝え、王家に代々伝わる指輪を渡した。エアリーはとても喜んでくれた。俺は早めにエアリーを呼び寄せた。デニスミールでの暮らしに慣れてほしかったからだ。初めは人見知りを発揮していたエアリーだったが、次第に打ち解けていった。
そう思っていたのに。
エアリーは突然姿を消した。俺が渡した指輪を置いて……
※ストーリーは、ロイスとエアリーそれぞれの視点で交互に進みます。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる