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行方不明王女とレリルール学園

ドキドキわくわく“恋占い”

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「「ラ…ラピドゥス様?どうしてここに??」」
((あれ、フィリア、爪切り取りに行ったんじゃなかったの!!??))
「や、フィリアに呼ばれたんだけどさ。
 何があったのか?」

 アウラとルシオラの疑問に、ラピドゥスもフィリアに何も聞かされていないのか、頭を横に傾げていた。
 フィリオはげんなりしてて、カナリアがフィリオの肩をポンと叩いて慰めている。

「実はラピドゥス様にお願いがございまして、これからアウラとルシオラの“”をするところですが、ふたりの爪を、少量だけ取っ手いただきたく」
「……か」

 フィリアの説明を聞いているラピドゥスは、ポツリと呟いて、ずず~んと暗くなっていく。

「フィリオさん。
 ラピドゥスのが、君の気持ち分かると思うけど?」
「………自分がしたことを自分に返ってきただけじゃないですか。
 カナリア様だけ、?」
(王子達は全員ブラコン、シスコンだと思っていたけど)

 フィリオはカナリアの言葉に、大好きな双子の姉の婚約者であるラピドゥスを、じとーーと睨みながら、前々から思っていたことをカナリアに問いかける。


「ずっと?」
「うん、1から」
「それ「フィリオー、準備出来たわよ」


 ーーーー


 カナリアとフィリオの内緒話から、時は遡り冒頭へ戻る。

「「ラ…ラピドゥス様?どうしてここに??」」
((あれ、フィリア、爪切り取りに行ったんじゃなかったの!!??))
「や、フィリアに呼ばれたんだけどさ。
 何があったのか?」

 アウラとルシオラの疑問に、ラピドゥスもフィリアに何も聞かされていないのか、頭を横に傾げていた。
 フィリオはげんなりしてて、カナリアがフィリオの肩をポンと叩いて慰めている。

「実はラピドゥス様にお願いがございまして、これからアウラとルシオラの“”をするところですが、ふたりの爪を、少量だけ取っ手いただきたく」
「……か」
「ラピドゥス様、具合が悪いんですか?
 魔法薬の授業で作った、日頃の疲労が吹っ飛ぶ【栄養ドリンク】ありますが、飲みますか?」

 ルシオラは黒いローブに付いてる、大きさ関係なく、いろんな物が無限に入る【魔法ポケット】から、茶色の小瓶を取り出す。

「や、ルシオラ、大丈夫だ、疲労じゃねーし。
 フィリオにしたことが、俺に返ってきただけだから…」
「返ってきた??」
「お前はだもんなー…」
「…え、ええ」
(あれ?なんだろうこの感じ、フィリオがラピドゥス様に向けてる感情と同じ気がする)

 ラピドゥスの言葉にルシオラは、ただただ困惑するだけだった。

「…フィリア、爪切り見付からなかったの?」
「アウラ達の爪の長さじゃ、爪切りで切るのは難しいと思って」
「私とルシオラは、薬草詰みや薬作りの邪魔にならないように、爪は整えているけど…」
「毎日、爪ヤスリで整えているわよね」

 そう、フィリアが言っているように、アウラとルシオラは、毎日、爪の手入れをしている為、爪切りで切れる爪がなかった。
 フィリアが言いたいことが、よく分からないアウラは、自分の長い髪を指差して、

「爪が難しいなら、髪じゃダメかな?少しなら」
「「「綺麗な髪が、勿体ないからダメ!!」」」

 アウラは自分のローブの【魔法ポケット】から、ハサミを取り出して、毛先だけ切ろうとしたが、ルシオラとフィリア、ラピドゥスに全力で止められた。
 なんでも「この世のものとは思えない漆黒の髪に、歩いて風になびく度に、醸し出される美しさを損なうことは出来ない」らしい。

「それじゃ、切り傷ぐらいなら初級【ポーション】で治せるし、私の“”じゃ」
「「もっとダメよ(だ)!?」」
「アウラに怪我してほしくないから、それは止めとこうね」

 アウラの提案に、前者の必死なハモりはフィリアとラピドゥスで、後者の冷静にたしなめる声はルシオラだ。

「では、ラピドゥス様。
 アウラ達の肌を傷付けない、ギリギリの力加減で、爪を少量だけ削って頂けませんか」
のあの事もありますし、安心して任せられるのはラピドゥス様だけなんです!)
「…お、おう。
 アウラ、ルシオラ、水盆の上に手を出して、動くなよ?」
(いや、分かってるからいいんだけどさ。
 何で爪ヤスリじゃなくて、俺なんだ?)
「う、うん。ねぇ、ルシ」
(だって、ラピドゥス様は“試験”と“あの事”で忙しく……王宮と学園を行き来してて、なかなか会えなかったんですもの…)
「な、何?アウラ」
(…フィリア。俺だって会いたかったさ)
「フィリアとラピドゥス様、ふたりだけの世界に入ってるんだけど…」
(ラピドゥス様)
「僕達を間に挟まないで欲しいよね…」
(フィリア)
「う…うん。恥ずかしい」

 このやり取りを、内緒話をしていたカナリアとフィリオが見ていたら、

((また、ダブルカップルがラブいちゃしてる…))

 と、カナリアは生暖かく、フィリオは複雑に見つめて、もしこの場にコルもいたら、あまりにもの「うるささ」で耳を押さえ、ラピドゥスの足を踏んだだろう。

「アウラ、ルシオラ動くなよ」
「「う…うん。どう」」

 最後の「ぞ」を言い終える前に、アウラとルシオラの爪に、一陣の風が吹いた。
 パラパラと粉砕されたアウラとルシオラの【爪】が、水盆の中に落ちていく。

「フィリア、これぐらいでいいか?」
「はい、ラピドゥス様、ありがとうございます。
 フィリオー、準備出来たわよ」
「「????」」
「アウラ、ルシオラ。
 自分の爪を見つめて、どうしたの?」
「「カナリア様。
 ラピドゥス様が、どの辺の爪を削ったのかなって」」
「ああ、ラピドゥスは兄弟の中で、魔力調節や細かい作業が得意だからね」

 カナリアはアウラとルシオラの手元を覗く、

「……ラピドゥス、本当に削ったの?」
「薬指の先っぽを少しな」
「「「薬指」」」

 アウラ、ルシオラ、カナリアはじっと薬指を見つめるが、

「「変わってないよね?」」
「見た目は変わってませんね」

「アウラ、ルシオラ、そろそろいい?」
「あ、うん。大丈夫だよ」

 会話に一区切りついたところで、フィリオが声をかけて、ルシオラが返事をする。

「どうすればいいの?」

 アウラの問いかけに、

「アウラとルシオラは水盆を挟んで向かい合って、手を繋いで、ゆっくり目を閉じて」
「「…うん」」

 ふたりはフィリアの説明通りに動く。

「自分の魔力を…薬を作っている時みたいに、水盆に注いで……そのまま、じっとしてて」

 フィリアとフィリオも水盆を挟んで向かい合う。
 図にすると、下のように並んでいる。

    フィリア
     ↓
 アウラ→水盆←ルシオラ
     ↑
    フィリオ

 フィリアとフィリオも、ゆっくり目を閉じて、魔力を水盆に注ぐ、

「「〈静寂を司る闇よ。夜空に煌めく星よ。
 我等の声が願いが届くならば、かの者達の相性を運命を、清らかな魔力を宿す水面みなもに写し出して〉」」

 フィリアとフィリオが「占い」の呪文を唱え終えると水面を覗く、

と…」
…」
…」

 ふたりは水面に写った姿を交互に言っていく、そして最後に写ったのが、

「「…?」」
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