研磨職人！異世界に渡り、色んなものを磨き魔法スキルと合わせて、幸せに暮らす。

本条蒼依

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第７章　新たな進化

３０話　攻撃準備が整った！

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　アークデーモンは、ミルデンスの攻撃を仁王立ちで防いだ。アークデーモンには、物理攻撃をキャンセルするストーンオヴスキンという付与魔法がかけられていた。

「そのような剣技、我には通じず！」

「くそぉ！」

　ヒロトシのディスペルマジックも、アークデーモンの付与魔法を剥がしきれないでいた。
　ディスペルマジックは、魔法の効果を消滅させる魔法だが、消滅できる確率は３０％低い。
　ヒロトシなら、上級魔法のアンチマジックシェルを使った方が早いのだが、ヒロトシを中心に魔法無効化の結界を張ってしまい、ミルデンス達の効果も消滅させてしまうので使えなかったのだ。

「グハハハハハハハ！出でよ！デーモン！マスサモン・グレーターデーモン」

　アークデーモンは、中級デーモンは役に立たないと思い、上級デーモンであるグレーターデーモンを召還したのだ。

　召還されたグレーターデーモンは、真っ黒な皮膚を持ち、頭には大きな角、背中から蝙蝠のような翼が生えていた。
　それを見た聖騎士団やクレリック神聖隊は、この世の終わりだと愕然とした。

　上級デーモンなど、災害クラスの悪魔である。しかも、アークデーモンはまだ健在で、超級クラスのデーモンである。
　そして、アークデーモンが唱えたマスサモンとは複数召還で、フレアデーモン(炎)やミスト(水)、ロック(土)、エア(風)４元素のデーモンが出現した。
　最初に出現したグレーターデーモンは、闇属性である。

　ミルデンス達は、グレーターデーモンに気後れして後退りした。

「ミルデンス、お前なら大丈夫だ！アイリーン、ミランダ、自分の力を信じろ！」

「グハハハハハハハ！人間のような下等生物が、グレーターデーモンに敵うわけがないだろうが！」

　それを聞いた。ミルデンス達３人はヒロトシの前に出て剣を構え直した。

「「「我々は自分の力を、主君(ご主人様)の言葉を信じる！」」」

　ヒロトシの、ディスペルマジックがアークデーモンの付与魔法のレジストウォーターとリジェネレーションを剥がした。

「むぐぐぐぐぐぐっ、お前達かかれ！」

　グレーターデーモンはアークデーモンの指示に従い、ミルデンス達３人に襲いかかった。

「地雷閃」

　ミルデンスが、剣を地面に沿うように凪ぎ払うと、グレーターデーモンに向かって地面の中を剣気が走った。その剣気が、グレーターデーモンの足元に着いた瞬間、グレーターデーモンの足元が膨れ上がり、地面が鋭利な刃物のようになって、グレーターデーモンに突き刺さった。

『グオオオオオオオオオ！』

　グレーターデーモンが雄叫びをあげた。そこにすかさず、アイリーンとミランダが神速にグレーターデーモンの後方に回り込み、バックスタブとデットリーブロウを叩き込んだ。

「「「死ねぇ！」」」

『グワァアアアアアアアアア！』

　上級デーモンのグレーターデーモンがなすすべもなく、地面に倒れ込み消滅してしまった。

「まさか！」
「「「「「「うおおおおお！」」」」」」

　グレーターデーモンを、たった３人で倒してしまったのを見た聖騎士団が雄叫びをあげた。
　そして、アークデーモンは信じられないとばかりに声を荒げた。

「お前達も、タッグを組むのだ！」

　アークデーモンが、グレーターデーモンに強化魔法をかける前に倒れてしまい愕然とした。
　そして、アークデーモンのレジストアースやヘイスト、ストレングス、プロテクション次々に剥がれていった。

「俺達は、主君を守る！」

「やかましい！下等生物が調子に乗るな！ファイヤーデーモンかかれ！」

　ファイヤーデーモンは、口から炎をはきだした。
デーモンがファイヤーブレスを使い、ミルデンスを包み込んだ。

「「ミルデンス！」」

　アイリーンとミランダは、ミルデンスが死んだと思い声をだした。

「大丈夫だ。主君の装備品はそんなやわじゃない」

「なんだと！」

　ミルデンスが、グレーターデーモンのファイヤーブレスを微動だにせず生き残っていたのを見て声をあげていた。

　ミルデンスの防具は、オリハルコンで作られていて、＋５マジカルだ。その装備に魔宝石を研磨したオプションが付き、ファイヤーレジスト効果で９０％軽減がついていた。
　その上、リジェネレート効果も付き、グレーターデーモンごときのファイヤーブレスでは、アッという間にミルデンスのＨＰは回復してしまっていた。

「パワーストライク！」

　ミルデンスは、剣を振りかぶりファイヤーデーモンに攻撃を仕掛けた。
　アイリーンとミランダも、連携をとってファイヤーデーモンに一撃を加えた。

『ぎゃあああああああああ！』

　ファイヤーデーモンも、ミルデンス達の攻撃に消滅してしまった。
　アークデーモンは、このままだと自分の命もヤバイと思い、汗だくになるがもう遅かった。
　パシッと言う音と共に、マジックレジストの魔法が剥がれた。

「やっと剥がれたな！」

　ヒロトシの言葉に、アークデーモンはギクッと、体が縮んだ感じがした。ミルデンス達もまた、ヒロトシの言葉を聞き、残りのグレーターデーモンを叩きのした。

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