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第7章 新たな進化
14話 教会が動く
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アイリーン達は、ヒロトシに懇願していた。やはり自分の力でヒロトシの役に立ちたいようだ。
「お願いいたします!もう一度チャンスを」
「わかったよ。しかし、お前達はすでに達人以上の実力者だからな。そして、奴隷という立場を忘れないようにしろよ」
「「「「「はい!」」」」」
それから、数週間何事もなくポーションは冒険者や一般の工事現場からも買い求められていた。
「すまない!城壁修繕工事でブロックが崩れたんだけど、ポーションを50本譲って欲しい!」
ヒロトシのポーション屋は、安値で販売されていて購入個数を制限されていた。今までなら教会に運び込んだしていたが、ヒロトシのポーションを購入した方が安心して治療ができていた。
「事故がおきたのですか?」
「ティアさん頼む。購入制限があるのは知っているが、このままでは仲間が助からないんだ!」
「大丈夫です。こういう場合は、ご主人様から購入制限を外して対応しろと言われています」
「本当か?」
「ポーションは50本でよろしいのですか?」
「いや・・・・・・できれば100本欲しい」
購入制限を知っていた現場監督は、遠慮して二人で一本与えようとしていたのだ。
「こういう時は、遠慮せず言って下さい!」
「すまねぇ・・・・・・」
ティアは、ポーションを100本用意して、現場監督に持たせた。
「い、いくらだ?」
「そんなことはいいから、早くポーションを届けて下さい」
「すまねぇ!代金は、必ず!」
そういった現場監督は、ポーションを持って現場に駆け出したのだった。そして、店の中はお客様の拍手が鳴り止まなかった。
「ティアさん、あんたはすげぇよ」
「本当だな。俺達、最初このポーション屋も他の所と同じだと思って邪険に扱って本当悪かった」
「あたし達もごめんなさい」
「いえ、わたしは凄くありません。凄くて立派なのは主人であるヒロトシ様です」
「そ、そうか。でも、さっきのポーションの対応は感動したぜ?」
「それも、ご主人様から指示されていたからですよ」
「はぁ、ヒロトシさんってすごいんだな」
この数週間で、冒険者達はティア達受付嬢に心を許していた。そして、工事現場の人間や一般家庭の平民達からも頼りにされていた。
当然だが、この後現場監督がお礼を言いに店までやって来て、ポーション代を払ったのは言うまでもない。
今はもう、教会の息がかかったポーション屋は、次々に閉店に追い込まれていた。教会にも、怪我人は運び込まれることはなくなっていたのだ。
すると、ヒロトシのポーション屋に教会の司祭がやってきた。
教会では、司祭が内政担当で司教が外交担当のようだ。
「申し訳ありませんが、店主のヒロトシさんとお話があって参りました。取り次ぎのほどを」
「あなたはどちら様でしょうか?面会のお約束はありますか?」
「約束はありません。わたくしは教会本部、司祭のマリーと申します」
「少々お待ち下さい。こちらへどうぞ」
ティアは、マリー達を店の客室に案内してヒロトシを呼びにいった。
「お待たせいたしました」
「忙しい中すいません。お初にお目にかかります。わたくしは教会本部で司祭を勤めるマリーと申します」
「ご丁寧にありがとうございます。俺はここの店主のヒロトシと言います。それで今日は、何のご用でしょうか?」
「何のご用でしょうか?ではありません!」
「と、言うと?」
「この店のせいで、他のポーション屋が困っています。聖都のポーション価額を無視しないで欲しいのです」
「・・・・・・」
「この店のせいで、ポーション屋が何件も潰れています」
「なら、聖都の薬草問屋に文句を言って下さい。こちらへの苦情はおかしいかと?」
「しかし、実際多くの店が?」
「だったら、その店の営業努力が足りなかったんでしょう。どちらにしても潰れた店は消費者を馬鹿にしすぎですよ」
「ぐっ!」
「それにですね。いい加減、薬草問屋は目を覚ました方がいい。薬草を買ってくれる錬金術師がいなくなって来たから教会になきついたんだろ?」
「そ、そんな事は!」
「マリーさんだっけ、中間管理職は辛いとは思うがそろそろ自分の意見を持った方がいいと思うよ」
「貴方に、そんなことを言われるいわれはありません!」
「そいつは悪かったな。しかし、俺の店の価額は通常価格であり、教会にも患者来なくなって焦って来たか?」
「なんで教会を追い詰めることを!」
「わからないのか?教会は女神の教えを広める場所じゃないのか?」
「ええ、そうです!その教会をなんで追い詰めることを!」
「そうか?俺には女神の名を使って金を集める悪徳商会にしかみえんぞ?」
「なっ!聖教国を愚弄する気ですか?」
「愚弄?薬草問屋と手を組み、薬草の値段を吊り上げてその売り上げの一部をお布施として受け取っているのにか?」
「な、なんでそ!」
マリーは、とっさに口を押さえた!
「ふーん。あんたはそれを知っていても何もしてないみたいだな」
「知りません!」
「怪我をした人間に教会は今まで何をした?」
「・・・・・・」
「ヒールで治る怪我に、グレーターヒールをかけて高額治療費を請求して、その人が金を支払えなかったら奴隷に落としたり、平気でしているだろ?」
「それは確実に患者を治す為に・・・・・・」
「だったら、最初にグレーターヒールで治療して値段を確認するべきだろ?」
「そんなことをしている暇などあり・・・・・・」
「グレーターヒールを使うような押さえたなら、聞いている余裕もないかもしれないが、ヒールで治る怪我なら、確認はできるはずだぞ?」
「それは・・・・・・」
「つまりだ。あんた達はそういった事を繰り返してきて、町の人達から信用されてないんだよ」
「そんな、でたらめです!」
「いいや。全部本当の事だ!教皇に伝えておけ!」
「教皇様を呼び捨てに!」
「このままじゃ、聖教国は終わることになるから、早く引退して聖女様を解放しろとな!」
「聖女様を解放ですって?」
「なんだ?それは知らないのか?」
「聖女様は人前には絶対に姿は見せません!女神様のお言葉を聞くために俗世間とは係わらないようにしているのです!けっして教皇様が監禁している訳ではございません!」
マリーは、声を荒げてヒロトシの意見を否定したが、ヒロトシはマリーを睨み返したのだった。
「お願いいたします!もう一度チャンスを」
「わかったよ。しかし、お前達はすでに達人以上の実力者だからな。そして、奴隷という立場を忘れないようにしろよ」
「「「「「はい!」」」」」
それから、数週間何事もなくポーションは冒険者や一般の工事現場からも買い求められていた。
「すまない!城壁修繕工事でブロックが崩れたんだけど、ポーションを50本譲って欲しい!」
ヒロトシのポーション屋は、安値で販売されていて購入個数を制限されていた。今までなら教会に運び込んだしていたが、ヒロトシのポーションを購入した方が安心して治療ができていた。
「事故がおきたのですか?」
「ティアさん頼む。購入制限があるのは知っているが、このままでは仲間が助からないんだ!」
「大丈夫です。こういう場合は、ご主人様から購入制限を外して対応しろと言われています」
「本当か?」
「ポーションは50本でよろしいのですか?」
「いや・・・・・・できれば100本欲しい」
購入制限を知っていた現場監督は、遠慮して二人で一本与えようとしていたのだ。
「こういう時は、遠慮せず言って下さい!」
「すまねぇ・・・・・・」
ティアは、ポーションを100本用意して、現場監督に持たせた。
「い、いくらだ?」
「そんなことはいいから、早くポーションを届けて下さい」
「すまねぇ!代金は、必ず!」
そういった現場監督は、ポーションを持って現場に駆け出したのだった。そして、店の中はお客様の拍手が鳴り止まなかった。
「ティアさん、あんたはすげぇよ」
「本当だな。俺達、最初このポーション屋も他の所と同じだと思って邪険に扱って本当悪かった」
「あたし達もごめんなさい」
「いえ、わたしは凄くありません。凄くて立派なのは主人であるヒロトシ様です」
「そ、そうか。でも、さっきのポーションの対応は感動したぜ?」
「それも、ご主人様から指示されていたからですよ」
「はぁ、ヒロトシさんってすごいんだな」
この数週間で、冒険者達はティア達受付嬢に心を許していた。そして、工事現場の人間や一般家庭の平民達からも頼りにされていた。
当然だが、この後現場監督がお礼を言いに店までやって来て、ポーション代を払ったのは言うまでもない。
今はもう、教会の息がかかったポーション屋は、次々に閉店に追い込まれていた。教会にも、怪我人は運び込まれることはなくなっていたのだ。
すると、ヒロトシのポーション屋に教会の司祭がやってきた。
教会では、司祭が内政担当で司教が外交担当のようだ。
「申し訳ありませんが、店主のヒロトシさんとお話があって参りました。取り次ぎのほどを」
「あなたはどちら様でしょうか?面会のお約束はありますか?」
「約束はありません。わたくしは教会本部、司祭のマリーと申します」
「少々お待ち下さい。こちらへどうぞ」
ティアは、マリー達を店の客室に案内してヒロトシを呼びにいった。
「お待たせいたしました」
「忙しい中すいません。お初にお目にかかります。わたくしは教会本部で司祭を勤めるマリーと申します」
「ご丁寧にありがとうございます。俺はここの店主のヒロトシと言います。それで今日は、何のご用でしょうか?」
「何のご用でしょうか?ではありません!」
「と、言うと?」
「この店のせいで、他のポーション屋が困っています。聖都のポーション価額を無視しないで欲しいのです」
「・・・・・・」
「この店のせいで、ポーション屋が何件も潰れています」
「なら、聖都の薬草問屋に文句を言って下さい。こちらへの苦情はおかしいかと?」
「しかし、実際多くの店が?」
「だったら、その店の営業努力が足りなかったんでしょう。どちらにしても潰れた店は消費者を馬鹿にしすぎですよ」
「ぐっ!」
「それにですね。いい加減、薬草問屋は目を覚ました方がいい。薬草を買ってくれる錬金術師がいなくなって来たから教会になきついたんだろ?」
「そ、そんな事は!」
「マリーさんだっけ、中間管理職は辛いとは思うがそろそろ自分の意見を持った方がいいと思うよ」
「貴方に、そんなことを言われるいわれはありません!」
「そいつは悪かったな。しかし、俺の店の価額は通常価格であり、教会にも患者来なくなって焦って来たか?」
「なんで教会を追い詰めることを!」
「わからないのか?教会は女神の教えを広める場所じゃないのか?」
「ええ、そうです!その教会をなんで追い詰めることを!」
「そうか?俺には女神の名を使って金を集める悪徳商会にしかみえんぞ?」
「なっ!聖教国を愚弄する気ですか?」
「愚弄?薬草問屋と手を組み、薬草の値段を吊り上げてその売り上げの一部をお布施として受け取っているのにか?」
「な、なんでそ!」
マリーは、とっさに口を押さえた!
「ふーん。あんたはそれを知っていても何もしてないみたいだな」
「知りません!」
「怪我をした人間に教会は今まで何をした?」
「・・・・・・」
「ヒールで治る怪我に、グレーターヒールをかけて高額治療費を請求して、その人が金を支払えなかったら奴隷に落としたり、平気でしているだろ?」
「それは確実に患者を治す為に・・・・・・」
「だったら、最初にグレーターヒールで治療して値段を確認するべきだろ?」
「そんなことをしている暇などあり・・・・・・」
「グレーターヒールを使うような押さえたなら、聞いている余裕もないかもしれないが、ヒールで治る怪我なら、確認はできるはずだぞ?」
「それは・・・・・・」
「つまりだ。あんた達はそういった事を繰り返してきて、町の人達から信用されてないんだよ」
「そんな、でたらめです!」
「いいや。全部本当の事だ!教皇に伝えておけ!」
「教皇様を呼び捨てに!」
「このままじゃ、聖教国は終わることになるから、早く引退して聖女様を解放しろとな!」
「聖女様を解放ですって?」
「なんだ?それは知らないのか?」
「聖女様は人前には絶対に姿は見せません!女神様のお言葉を聞くために俗世間とは係わらないようにしているのです!けっして教皇様が監禁している訳ではございません!」
マリーは、声を荒げてヒロトシの意見を否定したが、ヒロトシはマリーを睨み返したのだった。
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