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第6章 研磨という職
42話 子供達の将来
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ヒロトシは、カイ達を保護して将来の事を支援するとまで約束した。
この頃になると保護された年長組とされる子供達は、ヒロトシの事を本当の兄のように慕ってなついていた。
「カイ将来はやっぱり冒険者になるつもりなのか?」
「兄貴!俺、兄貴のおかげで町の人達と仲良くできた。今度は町の人達を守れるような冒険者になるつもりだ」
「主君、カイは冒険者としての才能を持っていますよ」
カイのように冒険者になるつもりの子供達は、将来の事を考え、ヒロトシの護衛メンバーに特訓を受けていた。
また、生産職に就きたい子供達は、その工房に入り、今から弟子となり修行を開始していた。
子供達の中には、ヒロトシの弟子になりたいと言って来た者もいたが、それはできないと丁寧に断っていた。
「兄貴(お兄さん)なんで駄目なんですか?」
「俺達は兄貴の技術を学びたいんだ」
「あたしも研磨技術を学びたい!」
「悪いな。研磨技術は俺の代で終わりなんだよ」
「なんだよ?弟子をとって継承していけばいいだろ?その為、俺達が頑張って研磨技術を学びたいんだ」
「それはわかるけど、技術は教えれるが研磨道具がないんじゃお前達は独立ができないんだよ。つまり研磨で食っていけないんだ」
「だけど、ガイン達は研磨技術を学んでいるじゃないか?」
「ガイン達は、俺の奴隷という立場だからな。独立はできないし、鏡や食器等ノンマジカルの研磨だけだ。ずっと俺の側で研磨をしていく人間だから、研磨技術を教えたんだ」
「「「「「「「「だったら俺達も、兄貴の側で研磨をやって行きたい」」」」」」」」
「駄目だ!お前達は平民だからな。ちゃんと独立が出来る職に就かなければいけない」
「だったら、俺は独立せずに兄貴の側で兄貴の役に立ちたい」
「「「「あたしも!」」」」
「生涯をかけて、兄貴の役に立ち恩を返したい」
「お前達の気持ちはありがたいが、それじゃ駄目だろ?お前達はちゃんと結婚をして、個人でやっていき幸せにならないといけないだろ?」
「それはそうだけど・・・・・・」
「じゃあ、独立のできない生産職を修行してどうするんだ?だったらガインの下に就いて鍛冶を学んだ方がいいじゃないか?」
「だけど・・・・・・」
「お前達の気持ちはわかるが、研磨を覚えても俺のようにマジカルを付与することもできないし、独立もできないんじゃどうしようもないだろ?」
「ううううう・・・・・・」
「お前達はちゃんと金が儲ける事が出来る職業に就くべきだよ」
ヒロトシは、子供達に将来の事をしっかり考えさせた。子供達は、ヒロトシの孤児院を出たら自分達でしっかり生きていく事を考えた。
ヒロトシも、子供達が不安にならないように突き放す事はせず、困った時は自分達で対処せずいつでも自分を頼るようにと言った。
すると、子供達は緊張がとけて笑顔になった。
「いいか?ここを出たら、俺と縁が切れるわけじゃないんだ。同じ町に住む人間として、いい関係で付き合って行くんだ」
「「「「「そ、そうか!」」」」」
「そうだぞ。君たちが良い職人になれば、俺が君たちに商品を発注する事になるかもしれないんだぞ」
「兄貴が俺達に商品を発注?」
「そうだぞ。そっちの方がお互い持ちつ持たれづの関係で対等の立場になるんだ」
「兄貴と対等の立場?」
「そっちの方がお前達もやる気にならないか?」
「「「「「「た、たしかに!」」」」」」
「だから、お前達は独立が出来る職に就かなければいけないよ」
「「「「「「わかった!」」」」」」
子供達は、ヒロトシの孤児院を出たら自分達で食べていける生産職を選んだ。
これを聞いたシルフォードは、ヒロトシの手を固く握ったのだ。
「ヒロトシ君、本当にありがとう!」
「いやいや、やっぱり子供達を15才になったら放り出しただけじゃ子供達も困る事になりますから」
「だが、今までそんなことを考える孤児院は皆無だったよ」
「まぁ、孤児院は教会が取り仕切っていましたからね」
「た、たしかに!」
「だけど、この孤児院は冒険者と生産職の人間がいっばいいますからね。子供達のサポートは充実してますからね」
「しかし、教会が孤児院をやるより、商人が孤児院をした方がいいことかわかったよ」
「あの・・・・・・まさかこれを生産ギルドに持ちかけようとしてませんよね?」
「なにかおかしいか?」
「こんなこと他の生産者には無理ですよ」
「えっ?」
「そりゃそうでしょ?孤児院の宿舎を建てるだけでも相当のお金がかかりますよ。税金を投資するのですか?」
「そんな金はない」
「それに、他の生産者が子供達に技術を教えながら仕事をするのも無理ですよ。それに、子供達が冒険者になるつもりだった場合どうするつもりですか?」
「そ、それは・・・・・・」
「この孤児院は特別と思ってください。他のところには無理ですよ」
ヒロトシはシルフォードに、うちの孤児院は特別と説明をしたのだった。
この頃になると保護された年長組とされる子供達は、ヒロトシの事を本当の兄のように慕ってなついていた。
「カイ将来はやっぱり冒険者になるつもりなのか?」
「兄貴!俺、兄貴のおかげで町の人達と仲良くできた。今度は町の人達を守れるような冒険者になるつもりだ」
「主君、カイは冒険者としての才能を持っていますよ」
カイのように冒険者になるつもりの子供達は、将来の事を考え、ヒロトシの護衛メンバーに特訓を受けていた。
また、生産職に就きたい子供達は、その工房に入り、今から弟子となり修行を開始していた。
子供達の中には、ヒロトシの弟子になりたいと言って来た者もいたが、それはできないと丁寧に断っていた。
「兄貴(お兄さん)なんで駄目なんですか?」
「俺達は兄貴の技術を学びたいんだ」
「あたしも研磨技術を学びたい!」
「悪いな。研磨技術は俺の代で終わりなんだよ」
「なんだよ?弟子をとって継承していけばいいだろ?その為、俺達が頑張って研磨技術を学びたいんだ」
「それはわかるけど、技術は教えれるが研磨道具がないんじゃお前達は独立ができないんだよ。つまり研磨で食っていけないんだ」
「だけど、ガイン達は研磨技術を学んでいるじゃないか?」
「ガイン達は、俺の奴隷という立場だからな。独立はできないし、鏡や食器等ノンマジカルの研磨だけだ。ずっと俺の側で研磨をしていく人間だから、研磨技術を教えたんだ」
「「「「「「「「だったら俺達も、兄貴の側で研磨をやって行きたい」」」」」」」」
「駄目だ!お前達は平民だからな。ちゃんと独立が出来る職に就かなければいけない」
「だったら、俺は独立せずに兄貴の側で兄貴の役に立ちたい」
「「「「あたしも!」」」」
「生涯をかけて、兄貴の役に立ち恩を返したい」
「お前達の気持ちはありがたいが、それじゃ駄目だろ?お前達はちゃんと結婚をして、個人でやっていき幸せにならないといけないだろ?」
「それはそうだけど・・・・・・」
「じゃあ、独立のできない生産職を修行してどうするんだ?だったらガインの下に就いて鍛冶を学んだ方がいいじゃないか?」
「だけど・・・・・・」
「お前達の気持ちはわかるが、研磨を覚えても俺のようにマジカルを付与することもできないし、独立もできないんじゃどうしようもないだろ?」
「ううううう・・・・・・」
「お前達はちゃんと金が儲ける事が出来る職業に就くべきだよ」
ヒロトシは、子供達に将来の事をしっかり考えさせた。子供達は、ヒロトシの孤児院を出たら自分達でしっかり生きていく事を考えた。
ヒロトシも、子供達が不安にならないように突き放す事はせず、困った時は自分達で対処せずいつでも自分を頼るようにと言った。
すると、子供達は緊張がとけて笑顔になった。
「いいか?ここを出たら、俺と縁が切れるわけじゃないんだ。同じ町に住む人間として、いい関係で付き合って行くんだ」
「「「「「そ、そうか!」」」」」
「そうだぞ。君たちが良い職人になれば、俺が君たちに商品を発注する事になるかもしれないんだぞ」
「兄貴が俺達に商品を発注?」
「そうだぞ。そっちの方がお互い持ちつ持たれづの関係で対等の立場になるんだ」
「兄貴と対等の立場?」
「そっちの方がお前達もやる気にならないか?」
「「「「「「た、たしかに!」」」」」」
「だから、お前達は独立が出来る職に就かなければいけないよ」
「「「「「「わかった!」」」」」」
子供達は、ヒロトシの孤児院を出たら自分達で食べていける生産職を選んだ。
これを聞いたシルフォードは、ヒロトシの手を固く握ったのだ。
「ヒロトシ君、本当にありがとう!」
「いやいや、やっぱり子供達を15才になったら放り出しただけじゃ子供達も困る事になりますから」
「だが、今までそんなことを考える孤児院は皆無だったよ」
「まぁ、孤児院は教会が取り仕切っていましたからね」
「た、たしかに!」
「だけど、この孤児院は冒険者と生産職の人間がいっばいいますからね。子供達のサポートは充実してますからね」
「しかし、教会が孤児院をやるより、商人が孤児院をした方がいいことかわかったよ」
「あの・・・・・・まさかこれを生産ギルドに持ちかけようとしてませんよね?」
「なにかおかしいか?」
「こんなこと他の生産者には無理ですよ」
「えっ?」
「そりゃそうでしょ?孤児院の宿舎を建てるだけでも相当のお金がかかりますよ。税金を投資するのですか?」
「そんな金はない」
「それに、他の生産者が子供達に技術を教えながら仕事をするのも無理ですよ。それに、子供達が冒険者になるつもりだった場合どうするつもりですか?」
「そ、それは・・・・・・」
「この孤児院は特別と思ってください。他のところには無理ですよ」
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