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第5章 意外なスキル
35話 王族の面子
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王都に着いたヒロトシを見た騎士団達は、ヒロトシを警戒しながら出迎えた。
「ヒロトシ男爵ようこそ王都へ」
その緊張感はヒロトシにも感じ取れたのだった。
「ご主人様……なんか異様な雰囲気がありますね」
「ああ、そうだな……このまま気にせずに行くからな」
「はい……」
助手席に座っていたセレンも、騎士達の緊張感を感じ取っていた。
「あの、ヒロトシ男爵様」
「どうかしたのか?」
「シャーロット様は?」
「ちゃんと後ろに乗っているよ」
すると、シャーロットはコンテナ部分の窓を開けて顔を見せた。シャーロットは母親にだが、ローベルグの瞳に面影があり王女だというのがわかった。
「失礼いたしました!どうぞお通り下さい!」
王国騎士達は、敬礼をしてヒロトシ達を王城に招き入れた。そして、すぐに謁見の間に通される事になったのだ。そこには王族達が待ち受ける様にハボリムや宰相、公爵公たちが揃っていたのだ。
「ヒロトシよ。よく王女を連れてまいった。感謝する。さあ、シャーロットもっとその顔を見せてくれ」
「はい……」
シャーロットは初めて国王と会い緊張していたが、ローベルグの近くに寄った。
「あの……国王様。あたしはこれからどうなるのでしょうか?」
「ふむ、シャーロットには王族に入ってもらい、貴族としての生活をしてもらうつもりだ」
その言葉を聞き、ハボリムとティアナはえっ?と言う様な顔をした。
「あたしは、出来る事なら王族にはならずに、ヒロトシ様と暮らしたいです」
「それはならぬ!シャーロットは余の血を引いておるのだ。王族にならない道理が分からぬ!」
「しかし、あたしは今まで平民として生活をしてきました。今更、王族と言われても困ります……」
「しかし、現実問題君は王族なのだ。シャロット王女はローザによく似ておる」
「あたしは、ヒロトシ様と一緒にいたいです!」
「なぜそんなにヒロトシに拘る。ヒロトシは余も気に入っておるが、王族になればもっと良い暮らしも出来るし、幸せにもなれるぞ?」
「あたしは、ヒロトシ様に命を救われました。この恩を一生をかけて返していきたいと思っています」
「うむ。その謝礼は王国から支払われる。シャーロット王女が気にする事ではない」
「……」
やはりシャーロットでは、王族の迫力に太刀打ちは出来ないようだ。それに見かねたヒロトシが、ローベルグに話しかけた。
「ローベルグ様、話に割って入るのをお許しください」
「ふむ。許す!」
「シャーロット王女は、今まで平民として生活をしてきました。これからもその生活を続けさせてあげてください」
「やっと見つけた我が子と離れて暮らせと申すのか?」
「はい!」
ヒロトシがローベルグの意見に真っ向意見を言い、周りにいた王族が目をみひらいた。そして、国王の弟の公爵が大きな声を出した。
「ヒロトシ男爵!国王陛下に意見をするつもりか?」
「はい!やっと会えたとはいえ、一生離れ離れになるんじゃありません。そればかりか、シャーロット王女の好きなようにさせてあげる方が、関係は良好となると思います」
「何だと!せっかく会えたと言うのに関係が悪くなると言うのか?無礼者が!」
「シャーロット王女は王族の生活を望んでおりません。自分で言うのは恥ずかしいですが、シャーロット王女は俺の事を想っておられます。それを無理やり引き離し、王族にしてもシャーロット王女はローベルグ様に不信感が生まれると思いませんか?」
「シャーロット王女と結婚を認めよと申すのか?」
「以前、報告したようにあと2年たっても、シャロット王女が俺の事を好きならば結婚したいと思っております」
「余はヒロトシの事を気に入っておる。同じ親戚になるならばシャーロットとは違う令嬢を……」
「それはお断りします!」
ヒロトシははっきりとその申し出を断った。
「何故じゃ!公爵公の令嬢の何が気に食わん!」
「俺はそう言った貴族のしきたりがよくわからないからですよ。結婚するなら気に入った相手とします。政略結婚は必要ないです」
「だったら、一度会うと言うのはどうだ?」
「会うのは構いませんが、シャーロットとその見た事も無いお人とどちらを選ぶ事になるなら、俺はシャーロットを選びますよ」
「どうしてもか?」
「もし、シャーロットが俺と結婚をしたくないと言うのなら別ですけどね」
「あたしはそんな事言いません!」
「という訳です。この状態でシャーロットの自由を奪ったら、ローベルグ様はシャーロット王女といい関係が結べますか?」
「うぐ……」
「国王様。お願いします!あたしをこのまま平民として過ごさせてください!ヒロトシ様と離れたくないです」
シャーロットはローベルグに必死に訴えたのだ。
「王族にならないと言うのは駄目だ!」
「そっ!」
「だが、シャーロット王女の思うようにすればよい。ヒロトシとの結婚も認めよう」
「国王様!」
「平民としてではなく王族としてヒロトシの元へ嫁ぐなら許そう!」
ローベルグは、ヒロトシの意見を聞いたのではなく王女の願いを聞く事で面子を保ったのだった。そして、ローベルグはヒロトシにプレッシャーをかけた。
「ヒロトシよ。後で2人きりで話したい。よいの?」
「承知いたしました」
「シャーロットよ。お主の我儘を聞いたのだ。幸せになるのだぞ」
「は、はい!国王様ありがとうございます」
ハボリムとティアナは先ほどのやり取りを見て、さすが父上だと思い感心していたのだった。そして、公式の面会は終了したのだった。そして、非公式での面会が始まった。
「ヒロトシよ。お主は本当に世間知らずだの?俺に意見など普通はできぬぞ」
「ローベルグ様もお人が悪いですね」
「何の事だ?」
「あんなまどろっこしい事をして、最初からシャーロットの言う事を聞くつもりだったのでしょ?」
「なっ!なんでわかったんだ?」
「そりゃ……ハボリム様とティアナ様の態度を見りゃすぐわかりますよ」
「あいつ等は人がいいからな……この辺りはもっと貴族として教育せぬといかぬな……」
「それで2人きりの話とは、やはり俺の事ですか?」
「ああ!シャーロットを自由にしてやったのだ。俺の言う事を一つ聞いてもらうぞ?」
「やはりそう来ましたか?」
「当たり前だ。俺の計画を一つ潰したくせに」
「俺は、公爵公の御令嬢を貰えませんよ。俺は基本商人だ。そんな方でも平民の様に容赦なく働いてもらう事になりますからね」
「馬鹿な事を!公爵の娘を働かすだと?」
「だから貰えません!で、お願いとは何ですか?自分にできる事ならいいんですけどね」
そういうと、ローベルグは真剣な顔つきになった。
「ヒロトシ、お主は今回の事どこまでわかって行動しておった?」
「まあ、ハッキリ言えば全部ですね」
「だから前に来たとき普通に帰還したのか?」
「普通に帰還とは?」
「俺がシャーロットを先に保護しようとしたことだ。あれはどういうからくりだ?なんであんなに早く帰還できたのだ?王都にいた時にもミトンの町に、ヒロトシは存在したと騎士達が言っておった。」
「やっぱりばれましたか?」
「あいつ等が俺に嘘を言う訳はないからな」
「内緒という事は駄目ですか?」
「駄目だ!」
「どうしてもですか?」
「どうしてもだ。これは絶対言う事を聞いてもらうぞ」
ヒロトシは大きくため息をつき、諦めた様子で今回の事を話し出した。
「ローベルグ様だけにとどめておいてくださいよ」
「ああ、わかった」
「俺は時空魔法が使えるんですよ」
「時空魔法とは何だ?聞いたことが無いぞ?」
「まあ、そうでしょうね。俺だけの魔法だからしょうがないですよ」
「ヒロトシだけが使える魔法だと?どのような魔法だ!」
「つまり、時間と空間にかんした魔法で瞬間移動が出来るんです」
「なっ、なんだと……それは他の人間も離れた場所に送れるのか?」
「まあ、出来ないわけではありませんがしませんよ」
「なぜだ!それがあれば流通が盛んになりより、町の生活は活気づくんだぞ?」
「そうでしょうね」
「だったら!」
「そういう平和的な考えをするローベルグ様みたいな人間ばかりではないからですよ」
「なに?それはどういう事だ?」
「つまりですね。この転移魔法で軍隊を送れると言う事ですよ。この魔法が世に出たらそういうふうに考える人間もいると言う事です」
ローベルグはそれを聞いて、ハボリムやティアナの言う事を聞いてよかったと安堵したのだった。あのままシャーロットを自由にせず、我がを貫いたらヒロトシは王国を離れることになっていただろう。そうなった場合、王国はシャーロットを誘拐されたとして、ヒロトシを追い詰める事になっていた。しかし、こんな魔法があった場合、王国が反対に窮地に陥る事になっていたはずである。
ローベルグは、ヒロトシに着いてきていた護衛メンバーの異様な雰囲気にも気づいていたからだ。筆頭護衛であるミルデンスを見て、ローベルグが恐怖を感じていたぐらいだった。あの物は奴隷なはずなのに、自分より強いオーラを感じていたからだ。
つまり、ヒロトシは自分の土地に避難してしまえば、王国には手を出す事は出来なくなり、反対にヒロトシの護衛メンバーがいつでも王国に攻めてこれるのだ。あの場にいた護衛メンバーが数人いれば王国が落ちてしまうのだ。
「まさか……ヒロトシはそういう事を考える訳はないよな?」
「今回、ローベルグ様が我がを通していた場合、俺は自分の家族を守る為に男爵位を返上し、ミトンの町を離れていたでしょうね」
「オイオイ……馬鹿な事を考えるでない!」
「だけど、ハボリム様やティアナ様の意見を聞いてくれたのでしょ?」
「そ、そこまで……」
「こういう場合は、若い人間の方が柔軟な発想をしますからね。ですが、ローベルグ様も元はベテラン冒険者であられる事が、俺も救われましたよ。俺も、そういう選択はしたくありませんからね」
「お主には負けたよ……まあ、これからは親戚としてよろしく頼むよ」
「はい!」
ヒロトシは、ローベルグの言葉に笑顔で答えたのだった。
*-----*-----*-----*
いつもこの小説をお読みしてくれる読者様本当に
ありがとうございます<m(__)m>
私は毎日更新させていただいていたのですが、ちょ
っとモチベーションの維持が保てなくなったので、
2、3日休憩させていただきたく思います。
勝手な事をしますが、申し訳ございません<m(__)m>
ちゃんとこの小説をかきあげるつもりはあります。
なので、楽しみに待っていただけると作者も嬉しく
思います。
いつもこの小説を読んでくれてありがとうございます
<m(__)m>
「ヒロトシ男爵ようこそ王都へ」
その緊張感はヒロトシにも感じ取れたのだった。
「ご主人様……なんか異様な雰囲気がありますね」
「ああ、そうだな……このまま気にせずに行くからな」
「はい……」
助手席に座っていたセレンも、騎士達の緊張感を感じ取っていた。
「あの、ヒロトシ男爵様」
「どうかしたのか?」
「シャーロット様は?」
「ちゃんと後ろに乗っているよ」
すると、シャーロットはコンテナ部分の窓を開けて顔を見せた。シャーロットは母親にだが、ローベルグの瞳に面影があり王女だというのがわかった。
「失礼いたしました!どうぞお通り下さい!」
王国騎士達は、敬礼をしてヒロトシ達を王城に招き入れた。そして、すぐに謁見の間に通される事になったのだ。そこには王族達が待ち受ける様にハボリムや宰相、公爵公たちが揃っていたのだ。
「ヒロトシよ。よく王女を連れてまいった。感謝する。さあ、シャーロットもっとその顔を見せてくれ」
「はい……」
シャーロットは初めて国王と会い緊張していたが、ローベルグの近くに寄った。
「あの……国王様。あたしはこれからどうなるのでしょうか?」
「ふむ、シャーロットには王族に入ってもらい、貴族としての生活をしてもらうつもりだ」
その言葉を聞き、ハボリムとティアナはえっ?と言う様な顔をした。
「あたしは、出来る事なら王族にはならずに、ヒロトシ様と暮らしたいです」
「それはならぬ!シャーロットは余の血を引いておるのだ。王族にならない道理が分からぬ!」
「しかし、あたしは今まで平民として生活をしてきました。今更、王族と言われても困ります……」
「しかし、現実問題君は王族なのだ。シャロット王女はローザによく似ておる」
「あたしは、ヒロトシ様と一緒にいたいです!」
「なぜそんなにヒロトシに拘る。ヒロトシは余も気に入っておるが、王族になればもっと良い暮らしも出来るし、幸せにもなれるぞ?」
「あたしは、ヒロトシ様に命を救われました。この恩を一生をかけて返していきたいと思っています」
「うむ。その謝礼は王国から支払われる。シャーロット王女が気にする事ではない」
「……」
やはりシャーロットでは、王族の迫力に太刀打ちは出来ないようだ。それに見かねたヒロトシが、ローベルグに話しかけた。
「ローベルグ様、話に割って入るのをお許しください」
「ふむ。許す!」
「シャーロット王女は、今まで平民として生活をしてきました。これからもその生活を続けさせてあげてください」
「やっと見つけた我が子と離れて暮らせと申すのか?」
「はい!」
ヒロトシがローベルグの意見に真っ向意見を言い、周りにいた王族が目をみひらいた。そして、国王の弟の公爵が大きな声を出した。
「ヒロトシ男爵!国王陛下に意見をするつもりか?」
「はい!やっと会えたとはいえ、一生離れ離れになるんじゃありません。そればかりか、シャーロット王女の好きなようにさせてあげる方が、関係は良好となると思います」
「何だと!せっかく会えたと言うのに関係が悪くなると言うのか?無礼者が!」
「シャーロット王女は王族の生活を望んでおりません。自分で言うのは恥ずかしいですが、シャーロット王女は俺の事を想っておられます。それを無理やり引き離し、王族にしてもシャーロット王女はローベルグ様に不信感が生まれると思いませんか?」
「シャーロット王女と結婚を認めよと申すのか?」
「以前、報告したようにあと2年たっても、シャロット王女が俺の事を好きならば結婚したいと思っております」
「余はヒロトシの事を気に入っておる。同じ親戚になるならばシャーロットとは違う令嬢を……」
「それはお断りします!」
ヒロトシははっきりとその申し出を断った。
「何故じゃ!公爵公の令嬢の何が気に食わん!」
「俺はそう言った貴族のしきたりがよくわからないからですよ。結婚するなら気に入った相手とします。政略結婚は必要ないです」
「だったら、一度会うと言うのはどうだ?」
「会うのは構いませんが、シャーロットとその見た事も無いお人とどちらを選ぶ事になるなら、俺はシャーロットを選びますよ」
「どうしてもか?」
「もし、シャーロットが俺と結婚をしたくないと言うのなら別ですけどね」
「あたしはそんな事言いません!」
「という訳です。この状態でシャーロットの自由を奪ったら、ローベルグ様はシャーロット王女といい関係が結べますか?」
「うぐ……」
「国王様。お願いします!あたしをこのまま平民として過ごさせてください!ヒロトシ様と離れたくないです」
シャーロットはローベルグに必死に訴えたのだ。
「王族にならないと言うのは駄目だ!」
「そっ!」
「だが、シャーロット王女の思うようにすればよい。ヒロトシとの結婚も認めよう」
「国王様!」
「平民としてではなく王族としてヒロトシの元へ嫁ぐなら許そう!」
ローベルグは、ヒロトシの意見を聞いたのではなく王女の願いを聞く事で面子を保ったのだった。そして、ローベルグはヒロトシにプレッシャーをかけた。
「ヒロトシよ。後で2人きりで話したい。よいの?」
「承知いたしました」
「シャーロットよ。お主の我儘を聞いたのだ。幸せになるのだぞ」
「は、はい!国王様ありがとうございます」
ハボリムとティアナは先ほどのやり取りを見て、さすが父上だと思い感心していたのだった。そして、公式の面会は終了したのだった。そして、非公式での面会が始まった。
「ヒロトシよ。お主は本当に世間知らずだの?俺に意見など普通はできぬぞ」
「ローベルグ様もお人が悪いですね」
「何の事だ?」
「あんなまどろっこしい事をして、最初からシャーロットの言う事を聞くつもりだったのでしょ?」
「なっ!なんでわかったんだ?」
「そりゃ……ハボリム様とティアナ様の態度を見りゃすぐわかりますよ」
「あいつ等は人がいいからな……この辺りはもっと貴族として教育せぬといかぬな……」
「それで2人きりの話とは、やはり俺の事ですか?」
「ああ!シャーロットを自由にしてやったのだ。俺の言う事を一つ聞いてもらうぞ?」
「やはりそう来ましたか?」
「当たり前だ。俺の計画を一つ潰したくせに」
「俺は、公爵公の御令嬢を貰えませんよ。俺は基本商人だ。そんな方でも平民の様に容赦なく働いてもらう事になりますからね」
「馬鹿な事を!公爵の娘を働かすだと?」
「だから貰えません!で、お願いとは何ですか?自分にできる事ならいいんですけどね」
そういうと、ローベルグは真剣な顔つきになった。
「ヒロトシ、お主は今回の事どこまでわかって行動しておった?」
「まあ、ハッキリ言えば全部ですね」
「だから前に来たとき普通に帰還したのか?」
「普通に帰還とは?」
「俺がシャーロットを先に保護しようとしたことだ。あれはどういうからくりだ?なんであんなに早く帰還できたのだ?王都にいた時にもミトンの町に、ヒロトシは存在したと騎士達が言っておった。」
「やっぱりばれましたか?」
「あいつ等が俺に嘘を言う訳はないからな」
「内緒という事は駄目ですか?」
「駄目だ!」
「どうしてもですか?」
「どうしてもだ。これは絶対言う事を聞いてもらうぞ」
ヒロトシは大きくため息をつき、諦めた様子で今回の事を話し出した。
「ローベルグ様だけにとどめておいてくださいよ」
「ああ、わかった」
「俺は時空魔法が使えるんですよ」
「時空魔法とは何だ?聞いたことが無いぞ?」
「まあ、そうでしょうね。俺だけの魔法だからしょうがないですよ」
「ヒロトシだけが使える魔法だと?どのような魔法だ!」
「つまり、時間と空間にかんした魔法で瞬間移動が出来るんです」
「なっ、なんだと……それは他の人間も離れた場所に送れるのか?」
「まあ、出来ないわけではありませんがしませんよ」
「なぜだ!それがあれば流通が盛んになりより、町の生活は活気づくんだぞ?」
「そうでしょうね」
「だったら!」
「そういう平和的な考えをするローベルグ様みたいな人間ばかりではないからですよ」
「なに?それはどういう事だ?」
「つまりですね。この転移魔法で軍隊を送れると言う事ですよ。この魔法が世に出たらそういうふうに考える人間もいると言う事です」
ローベルグはそれを聞いて、ハボリムやティアナの言う事を聞いてよかったと安堵したのだった。あのままシャーロットを自由にせず、我がを貫いたらヒロトシは王国を離れることになっていただろう。そうなった場合、王国はシャーロットを誘拐されたとして、ヒロトシを追い詰める事になっていた。しかし、こんな魔法があった場合、王国が反対に窮地に陥る事になっていたはずである。
ローベルグは、ヒロトシに着いてきていた護衛メンバーの異様な雰囲気にも気づいていたからだ。筆頭護衛であるミルデンスを見て、ローベルグが恐怖を感じていたぐらいだった。あの物は奴隷なはずなのに、自分より強いオーラを感じていたからだ。
つまり、ヒロトシは自分の土地に避難してしまえば、王国には手を出す事は出来なくなり、反対にヒロトシの護衛メンバーがいつでも王国に攻めてこれるのだ。あの場にいた護衛メンバーが数人いれば王国が落ちてしまうのだ。
「まさか……ヒロトシはそういう事を考える訳はないよな?」
「今回、ローベルグ様が我がを通していた場合、俺は自分の家族を守る為に男爵位を返上し、ミトンの町を離れていたでしょうね」
「オイオイ……馬鹿な事を考えるでない!」
「だけど、ハボリム様やティアナ様の意見を聞いてくれたのでしょ?」
「そ、そこまで……」
「こういう場合は、若い人間の方が柔軟な発想をしますからね。ですが、ローベルグ様も元はベテラン冒険者であられる事が、俺も救われましたよ。俺も、そういう選択はしたくありませんからね」
「お主には負けたよ……まあ、これからは親戚としてよろしく頼むよ」
「はい!」
ヒロトシは、ローベルグの言葉に笑顔で答えたのだった。
*-----*-----*-----*
いつもこの小説をお読みしてくれる読者様本当に
ありがとうございます<m(__)m>
私は毎日更新させていただいていたのですが、ちょ
っとモチベーションの維持が保てなくなったので、
2、3日休憩させていただきたく思います。
勝手な事をしますが、申し訳ございません<m(__)m>
ちゃんとこの小説をかきあげるつもりはあります。
なので、楽しみに待っていただけると作者も嬉しく
思います。
いつもこの小説を読んでくれてありがとうございます
<m(__)m>
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