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第3章 新しい研磨
34話 これからの計画
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家の中に入ったララとナミは、家の中の綺麗さに驚いた。隙間風がまったくなく、家のなかは暖かいのである。普通の家は木の板が普通なのに、壁一面が一つの板の様になっていて、この壁は一体と不思議に思っていると、ヒロトシから話しかけられた。
「これは一体……」
「それは壁紙だよ。壁の中には断熱材と言っても分からないだろうけど、とにかく隙間風なんか入ってこないよ」
「断熱材?」
「まあ、簡単に言えば外の寒さを防ぐ材料が壁の中に入っていて、その上から壁紙で覆っているんだよ」
ララとナミは説明を聞いてもよくわからなかった。
「まあ、そんなに難しく考える必要はないよ。とにかく寒い事はないって事だよ。今日はこの部屋で寝てくれたらいいからな」
案内されたのは、アイリーン達と一緒の大部屋で6人分のベッドが用意されていた。
「こんな立派な部屋とベッドを⁉」
ララとナミは目を見開いた。こんなベッドは使った事なんかなくフカフカだった。そして、寝る前には風呂にも入れと言われて、何が起こっているのか分からなくて、頭がショートしてしまう程だった。
「まあ、いいから風呂に入って来い。結構大きいから気持ちいいぞ。アイリーンこの二人を頼んだぞ」
「わかりました!」
そういって、ヒロトシも一人で風呂に入った後、リビングでジュースを飲んでくつろいでいた。すると、アイリーン達が風呂から上がってきたが、ララとナミの二人はなんかゾンビの様に呆然とふらふらしながら、リビングに入ってきた。
「おいおい、大丈夫か?湯あたりでもしたのか?」
「違いますよ!なんなんですか?この待遇は」
「何か不満でもあるのか?とりあえずジュースでも飲むか?果汁100%で美味しいぞ?」
「違います!不満だなんて恐れ多い。これが奴隷への扱いですか?絶対おかしいですよ」
「いや全然おかしくぞ。風呂は気持ちよかっただろ?汗臭くなくなっただろ?」
「「それはそうですが」」
「普通平民ですら、お風呂なんか入れないんですよ?」
「でもあるんだから入ればいいじゃないか?それにミトンの町に帰っても風呂はあるから絶対に入ってもらうよ。一日の疲れは取らないと、次の日がしんどくなるからね」
「でも、わたし達は奴隷ですよ」
「いやいや。俺の奴隷というのは、あくまでも立場上だと言ったはずだよ?」
「「えっ?」」
「君達には、ミトンの町ではお店でウェイトレスをやってもらうつもりだからね。言ってみれば客商売だ。風呂に入らず不潔にしていてはこっちが困る」
「「どういう事ですか?」」
「説明は帰ってから詳しくするが、俺の店は研磨の依頼を受けるみせだが、新たに喫茶店を開くつもりなんだ」
ヒロトシは、砂糖を使ったお菓子を出すお店を開こうと考えていた。今はクッキーを㋪美研のホールで売っているだけだが、紅茶とクッキーを出せば町の人達は通ってくれると考えていた。そこのウェイトレスとして、ララとナミには働いてもらうつもりでいた。
「わたし達がウェイトレス?」
「嘘ですよね?」
「嘘ついてどうすんだよ」
ウェイトレスは、女性にとって人気の職業の一つである。当然ギルドの受付嬢ほどは人気はないが、それでも倍率の高い職業であるのは間違いなかった。
「だけど、奴隷のわたし達がウェイトレスだなんてお客様が来なくなりますよ」
「その辺は大丈夫だよ」
「でも……」
「でもじゃない。これは決定事項だ。そんなやる前から無理とか思う必要はないよ」
「そうですよ。これからはご主人様の言う通りにしたらいいだけです。ミトンの町に行けば、ナミの考え方が間違っていると衝撃を受けますよ」
「アイリーンの言う通りだな。君達にはちゃんと働いてもらうかわりと言うのはちょっと違うかもしれないが、今までの不幸を吹き飛ばすぐらいの生活を約束しようじゃないか」
「「そんな事が……」」
「ああ!詳しい話はミトンに戻ってからだ。今日は疲れただろ?部屋に戻ってもう寝たらいいよ」
「「えっ?」」
「えってなんだよ?後はもう寝るだけだろ?明日は早いしな」
「い、いえ……ですが今日は、夜の奉仕は良いのですか?」
「あっ……そういうことか」
「はい……ご主人様の為に頑張りますから」
「ちょっと待て。そういう事は、俺の事が好きという感情があればいいが、奴隷だからという事ならやらなくていいよ。その辺は後でちゃんと説明しておいてくれ」
「「「「承知いたしました」」」」
ヒロトシは、アイリーン達にそのように指示をした。そして、アイリーン達は自分達の部屋に入ろうとした。
「あ、アイリーンは残ってくれ。他の者はもう休んでくれてもいいよ」
「ご主人様ったら、わたしを指名してくれるなんて嬉しいです」
アイリーンは顔を赤くして身体をしならせた。
「い、いや!違うぞ?そういう意味で残らせたんじゃないからな」
「もう……てれなくてもいいですよ」
アイリーン以外は、ふて腐れながら部屋に戻っていった。ララとナミは他の3人に肩を押されてリビングから出て行くのだった。
「それじゃ、ご主人様部屋に行きましょうか」
「だから違うと言っているだろ。ララとナミのことだよ」
「えっ?二人がどうしたのですか?」
「お前、酒場で何を言うんだ?あんな人目のある場所でどうにかしろってあまりにも何も考えていないだろ?」
「申し訳ありません!だけど私は……」
「ああ!俺もあの話を聞いて許せないのは分かるが、お前はもっと言動を考えろ!」
「す、すみません!」
アイリーンは、ヒロトシに怒られその場に土下座したのだった。
「土下座は止めろ。俺が虐めているみたいだろ?俺はお前に、もっと考えて行動を考えろと言っているんだ」
「じゃあ、やっぱりご主人様は、ガーラの町に何かしようと言うのですか?」
「ああ!とりあえず何かしらの証拠を掴まないとな。だけど、俺がやるんじゃなくその証拠を掴み、それを訴える事でシルフォード様が動かないと意味が無いよ」
「シルフォード様が?」
「当たり前だろ。町の事だからな。シルフォード様が今の現状を把握しないと、塩工場をなんとかしても次に他の所で同じような事が起こったら意味が無いじゃないか。第二第三のララとナミが出ないよにしないといけないだろ」
「な、なるほど……」
「いいな?お前はもっと反省をしないといけない。その場の感情だけで動いたって、こっちが怪我をするだけだ」
「はい……申し訳ありません」
「しっかりしろよ。そんな事じゃ、いつまでたっても俺の護衛としてついてくるだけになるぞ」
「えっ?わたし達はご主人様の護衛じゃないのですか?」
「それは、お前達が成長しないからだ!」
「どういう事ですか?ご主人様を守るために、レベルも80まで成長したのに成長しないって酷いです!」
「だったら、アイリーン一人でサトウキビを取って来いと指示されたら、魔の森のあの場所に行けるのか?」
「それは……」
「行けないだろ?お前一人では魔の森にも入れないはずだ。俺としてはそれぐらい成長したら、他の事も指示を出せるんだがな。所詮今のお前達では、俺についてくる事しか出来ないんだ」
「そんな!」
「いいか?お前達はオリハルコンの装備を持っているから、魔の森に入れるのを忘れちゃいけない。確かに、冒険者の時より遥かに強くはなっているとは思うが、猪突猛進だけじゃ駄目だ。もっと周りに気を配り精神的に強くなってくれ。いいな?」
アイリーンは、ヒロトシの言葉を聞き、わたし達がもっと強くならないと、次の何か別の計画が発動できないと悟ったのだ。
「わ、わかりました。わたしが愚かでした……」
「分かってくれたらいい。言葉がきつくなったて悪かったな」
「いえ……わたしが何も考えていなかったのが悪かったんです。申し訳ありませんでした」
そういって、アイリーンは大部屋に戻ろうと席を立ったのだ。しかし、ヒロトシはアイリーンの手を掴み、部屋に行くのを止めた。
「どうしたのですか?まだなにか?」
「えーっと……なんだその……今日は俺の部屋で……」
それを聞いた、アイリーンは先ほど怒られて沈み切っていたが、パアっと笑顔となって、ヒロトシに抱きついた。
「だから、ご主人様って大好きです!」
「そんな、はしゃぐなって!」
その夜は、アイリーンと一緒の部屋で寝る事になり、ヒロトシは次の朝寝坊をしてウィノア・カノン・オリビアの3人に叩き起こされる事になる。
合唱……
「これは一体……」
「それは壁紙だよ。壁の中には断熱材と言っても分からないだろうけど、とにかく隙間風なんか入ってこないよ」
「断熱材?」
「まあ、簡単に言えば外の寒さを防ぐ材料が壁の中に入っていて、その上から壁紙で覆っているんだよ」
ララとナミは説明を聞いてもよくわからなかった。
「まあ、そんなに難しく考える必要はないよ。とにかく寒い事はないって事だよ。今日はこの部屋で寝てくれたらいいからな」
案内されたのは、アイリーン達と一緒の大部屋で6人分のベッドが用意されていた。
「こんな立派な部屋とベッドを⁉」
ララとナミは目を見開いた。こんなベッドは使った事なんかなくフカフカだった。そして、寝る前には風呂にも入れと言われて、何が起こっているのか分からなくて、頭がショートしてしまう程だった。
「まあ、いいから風呂に入って来い。結構大きいから気持ちいいぞ。アイリーンこの二人を頼んだぞ」
「わかりました!」
そういって、ヒロトシも一人で風呂に入った後、リビングでジュースを飲んでくつろいでいた。すると、アイリーン達が風呂から上がってきたが、ララとナミの二人はなんかゾンビの様に呆然とふらふらしながら、リビングに入ってきた。
「おいおい、大丈夫か?湯あたりでもしたのか?」
「違いますよ!なんなんですか?この待遇は」
「何か不満でもあるのか?とりあえずジュースでも飲むか?果汁100%で美味しいぞ?」
「違います!不満だなんて恐れ多い。これが奴隷への扱いですか?絶対おかしいですよ」
「いや全然おかしくぞ。風呂は気持ちよかっただろ?汗臭くなくなっただろ?」
「「それはそうですが」」
「普通平民ですら、お風呂なんか入れないんですよ?」
「でもあるんだから入ればいいじゃないか?それにミトンの町に帰っても風呂はあるから絶対に入ってもらうよ。一日の疲れは取らないと、次の日がしんどくなるからね」
「でも、わたし達は奴隷ですよ」
「いやいや。俺の奴隷というのは、あくまでも立場上だと言ったはずだよ?」
「「えっ?」」
「君達には、ミトンの町ではお店でウェイトレスをやってもらうつもりだからね。言ってみれば客商売だ。風呂に入らず不潔にしていてはこっちが困る」
「「どういう事ですか?」」
「説明は帰ってから詳しくするが、俺の店は研磨の依頼を受けるみせだが、新たに喫茶店を開くつもりなんだ」
ヒロトシは、砂糖を使ったお菓子を出すお店を開こうと考えていた。今はクッキーを㋪美研のホールで売っているだけだが、紅茶とクッキーを出せば町の人達は通ってくれると考えていた。そこのウェイトレスとして、ララとナミには働いてもらうつもりでいた。
「わたし達がウェイトレス?」
「嘘ですよね?」
「嘘ついてどうすんだよ」
ウェイトレスは、女性にとって人気の職業の一つである。当然ギルドの受付嬢ほどは人気はないが、それでも倍率の高い職業であるのは間違いなかった。
「だけど、奴隷のわたし達がウェイトレスだなんてお客様が来なくなりますよ」
「その辺は大丈夫だよ」
「でも……」
「でもじゃない。これは決定事項だ。そんなやる前から無理とか思う必要はないよ」
「そうですよ。これからはご主人様の言う通りにしたらいいだけです。ミトンの町に行けば、ナミの考え方が間違っていると衝撃を受けますよ」
「アイリーンの言う通りだな。君達にはちゃんと働いてもらうかわりと言うのはちょっと違うかもしれないが、今までの不幸を吹き飛ばすぐらいの生活を約束しようじゃないか」
「「そんな事が……」」
「ああ!詳しい話はミトンに戻ってからだ。今日は疲れただろ?部屋に戻ってもう寝たらいいよ」
「「えっ?」」
「えってなんだよ?後はもう寝るだけだろ?明日は早いしな」
「い、いえ……ですが今日は、夜の奉仕は良いのですか?」
「あっ……そういうことか」
「はい……ご主人様の為に頑張りますから」
「ちょっと待て。そういう事は、俺の事が好きという感情があればいいが、奴隷だからという事ならやらなくていいよ。その辺は後でちゃんと説明しておいてくれ」
「「「「承知いたしました」」」」
ヒロトシは、アイリーン達にそのように指示をした。そして、アイリーン達は自分達の部屋に入ろうとした。
「あ、アイリーンは残ってくれ。他の者はもう休んでくれてもいいよ」
「ご主人様ったら、わたしを指名してくれるなんて嬉しいです」
アイリーンは顔を赤くして身体をしならせた。
「い、いや!違うぞ?そういう意味で残らせたんじゃないからな」
「もう……てれなくてもいいですよ」
アイリーン以外は、ふて腐れながら部屋に戻っていった。ララとナミは他の3人に肩を押されてリビングから出て行くのだった。
「それじゃ、ご主人様部屋に行きましょうか」
「だから違うと言っているだろ。ララとナミのことだよ」
「えっ?二人がどうしたのですか?」
「お前、酒場で何を言うんだ?あんな人目のある場所でどうにかしろってあまりにも何も考えていないだろ?」
「申し訳ありません!だけど私は……」
「ああ!俺もあの話を聞いて許せないのは分かるが、お前はもっと言動を考えろ!」
「す、すみません!」
アイリーンは、ヒロトシに怒られその場に土下座したのだった。
「土下座は止めろ。俺が虐めているみたいだろ?俺はお前に、もっと考えて行動を考えろと言っているんだ」
「じゃあ、やっぱりご主人様は、ガーラの町に何かしようと言うのですか?」
「ああ!とりあえず何かしらの証拠を掴まないとな。だけど、俺がやるんじゃなくその証拠を掴み、それを訴える事でシルフォード様が動かないと意味が無いよ」
「シルフォード様が?」
「当たり前だろ。町の事だからな。シルフォード様が今の現状を把握しないと、塩工場をなんとかしても次に他の所で同じような事が起こったら意味が無いじゃないか。第二第三のララとナミが出ないよにしないといけないだろ」
「な、なるほど……」
「いいな?お前はもっと反省をしないといけない。その場の感情だけで動いたって、こっちが怪我をするだけだ」
「はい……申し訳ありません」
「しっかりしろよ。そんな事じゃ、いつまでたっても俺の護衛としてついてくるだけになるぞ」
「えっ?わたし達はご主人様の護衛じゃないのですか?」
「それは、お前達が成長しないからだ!」
「どういう事ですか?ご主人様を守るために、レベルも80まで成長したのに成長しないって酷いです!」
「だったら、アイリーン一人でサトウキビを取って来いと指示されたら、魔の森のあの場所に行けるのか?」
「それは……」
「行けないだろ?お前一人では魔の森にも入れないはずだ。俺としてはそれぐらい成長したら、他の事も指示を出せるんだがな。所詮今のお前達では、俺についてくる事しか出来ないんだ」
「そんな!」
「いいか?お前達はオリハルコンの装備を持っているから、魔の森に入れるのを忘れちゃいけない。確かに、冒険者の時より遥かに強くはなっているとは思うが、猪突猛進だけじゃ駄目だ。もっと周りに気を配り精神的に強くなってくれ。いいな?」
アイリーンは、ヒロトシの言葉を聞き、わたし達がもっと強くならないと、次の何か別の計画が発動できないと悟ったのだ。
「わ、わかりました。わたしが愚かでした……」
「分かってくれたらいい。言葉がきつくなったて悪かったな」
「いえ……わたしが何も考えていなかったのが悪かったんです。申し訳ありませんでした」
そういって、アイリーンは大部屋に戻ろうと席を立ったのだ。しかし、ヒロトシはアイリーンの手を掴み、部屋に行くのを止めた。
「どうしたのですか?まだなにか?」
「えーっと……なんだその……今日は俺の部屋で……」
それを聞いた、アイリーンは先ほど怒られて沈み切っていたが、パアっと笑顔となって、ヒロトシに抱きついた。
「だから、ご主人様って大好きです!」
「そんな、はしゃぐなって!」
その夜は、アイリーンと一緒の部屋で寝る事になり、ヒロトシは次の朝寝坊をしてウィノア・カノン・オリビアの3人に叩き起こされる事になる。
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