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第8章 人類の厄災

24話 大魔王の軍勢

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 地上に落ちる悪魔を、カノンとクレアは見下すような目で見た。

「くっ!ちくしょう!私があんな下等生物にやられるなんて・・・・・・」

 そういいながらも悪魔は口角を上げニヤリと笑った。

「フェザーフォール」

 悪魔はフェザーフォールを唱え、落下速度が落ちる。

「わはははははは!馬鹿め油断大敵だ!」

 悪魔は大笑いして、両手をカノンとクレアに向ける。そして、ファイヤーストームと又唱えようとしていたのだ。

「ファイヤーストー・・・・・・ぐはっ!」

「「本当に馬鹿な奴ね」」

「あたしが最後だ!氷砕拳!」

「まさか私が・・・・・・」

 フェザーフォールは、落下速度が遅くなり落下ダメージを防ぐ魔法だ。油断大敵だったのは悪魔の方だった。ゆっくり落下するところでカノンとクレアに魔法攻撃をするつもりだったが、それを地上で待ち構えていたのがオウカだ。
 
「お前はあたし達を馬鹿にしすぎ!」

「ぎゃあああああああああ!」

 ゆっくり落下する悪魔は、オウカにとって絶好の的だった。オウカの拳は悪魔の背骨を撃ち抜いたのだ。オウカの放った一撃は氷砕拳。自分の拳に水属性の魔力を乗せ撃ち抜く技だ。しかし、オウカのレベルは高く水ではなく氷となっていた。
 オウカの氷砕拳は敵の細胞を氷つかせ撃ち抜く技だ。悪魔の背骨はカチコチに氷り、オウカの拳は悪魔の背骨を撃ち抜き拳が悪魔を貫いたのだ。

「何、悲鳴をあげている?痛くなんかないだろ。大袈裟な奴だな」

 オウカにそう言われた悪魔は穴の空いた自分の腹を触る。

「い、痛くない・・・・・・・なんで?こ、怖い・・・・・・」

 悪魔は自分がどうなってしまったのか分からず、その場にへたり込む。当然であり、意識はちゃんとあるのに痛みが一切なく血の一滴すら流れていないのだ。

「私はどうなってしまったの・・・・・・」

 オウカの氷砕拳は絶対零度で、敵の細胞を原子レベルで凍結させるのだ。痛覚はなくなり血も一瞬で凍結させてしまった。

「あっ、わた・・・・・・しが・・・・・・負け・・・・・・・」

 悪魔は、自分に起こった事が理解できず、苦悶の表情をした。そして、オウカの撃ち抜いた穴は徐々に凍っていき、悪魔全身を凍結させ氷像のようになって絶命した。

「あたし達に勝てると思ったか!」

 オウカは悪魔の氷像を軽く殴ると、悪魔は粉々に砕け散った。

「うっ!アーネストが死んだだと・・・・・・」

 悪魔が死んだ瞬間、大魔王スルトが反応する。

「まさかアーネストを殺せる人間が存在するのか?お前達!本当に勇者の存在は確認していないのだろうな?」

「「「「「大魔王様!」」」」」
「我々のつかんだ情報は確かに勇者は生まれないとの事だったはずです・・・・・・」

「はずだと?」

「あっいえ、聖教国はもう滅亡は確定したようなものです。報告によれば、教皇が聖女を殺害して女神は、聖教国を見限ったとの事です」

「ほう!女神が人間を見限るとは信じられんな」

「し、しかし・・・・・・」

「もう一度調べ直せ!そして、勇者が生まれないと報告した奴を私の前につれてくるのだ!」

「はっ!」

 大魔王スルトの側近は、大魔王の言葉に従い勇者復活の報告をした悪魔をつれてきた。

「主等が勇者復活はないと報告した奴か?」

「「「「「「は、はい・・・・・・」」」」」」

 大魔王スルトの姿を見た悪魔は、大魔王の内からにじみ出る魔力また、炎の化身と言われる姿にガクガクと震えていた。

「主等はなぜ女神が人間を見限ったと報告した」

「そ、それは神の教えを広める国を要らないと言っていたと町の人間が言っていたので・・・・・・」

「愚か者が!」

「「「「「ひっ!」」」」」

「主等のような悪魔は要らぬ!」

「「「「「ぎゃあああああ!」」」」」

 大魔王スルトは、悪魔達をにらむと悪魔達は自然発火して燃え尽きてしまった。
 大魔王スルトは側近を睨む。側近達は大魔王の機嫌をそこなわないように土下座をして指示を待つ。

「お前達は偵察隊を指示して、大陸に怪しいところがないかもう一度偵察し直せ!よいな」

「「「「「は、ははぁ~~~~~~!」」」」」

 大魔王スルトの側近達は、命があった事に安堵してため息を漏らした。そして、大魔王の側近達は自ら出陣して、何を考えたのか大国に侵略を始めたのだ。

 そして、この事はすぐにアインシュタル王国に報せが入るのだった。

「こ、国王!大変です!遂に大魔王の軍勢が動きだしました!」

「な、なんだと!聖教国が滅亡はもう時間の問題で聖女の行方もわかっていないのだぞ?それで、大魔王の軍勢は?」

「北の森に確認できたのは、アンデッドの軍勢が二万!更に後方に続き何体いるかわかりません!」

「なんてことだ!」

 アインシュタル王国アーサー国王は、テーブルをおもいっきり叩いた。
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