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第6章 異世界転移
58話 猛獣王ダイガロスの切り札
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リベリア王国騎士団隊長は、迫りくるダイガロスの恐怖に自分の命を諦めた。しかし、ダイガロスの丸太のような腕は振り下ろされる事はなかった。
「何が?」
リベリア王国騎士団隊長は、恐る恐る目を開けると自分とダイガロスの間には3m程の土壁が出来ていた。
「早く逃げるんだ!」
隊長は後方から聞こえた声に振り向くと、そこにはヒューマン族が立っていた。
「なんでこんな所にヒューマンが?」
「僕はマルク。ブリーナッシュ王国で冒険者をしている」
マルクは、早口で自己紹介をした。
「俺は、リベリア王国騎士団第三部隊隊長のロベルトだ!助けてくれてありがとう!」
ロベルトは、後方に駆け出しすれ違い様に自己紹介をした。
「もっと後方で身を隠して下さい」
「身を隠してと言われても・・・・・・」
ここは荒廃した荒野で身を隠す場所はない。遠くの方に刺だらけのサボーテの植物が一本生えていたぐらいだ。
ロベルトはマルクの言葉を聞き、サボーテの所まで走った。
「あれが、他国で英雄と呼ばれているマルク殿なのか?」
リベリア王国でも、マルクの事は当然伝わっていた。獣人族の中にもマルクに救援要請を出した方がいいという意見があった。しかし、圧倒的多数の否定派に却下されたのだ。
ロベルトも、ここに派遣されるまでヒューマン族の援助は要らないと思っていた。猛獣王ダイガロスがこんな強いとわかっていたなら、素直に他国を頼る選択をとった方がいいと思ったが後の祭りだ。
陛下に、この惨状をどのように伝えたらいいかわからなかったのだ。
猛獣王ダイガロスは、いきなり目の前に出現した土壁を突進して破壊した。そして、目の前にはマルクが立っていて、猛獣王ダイガロスは身を低くして唸り声を発して威嚇した。
猛獣王ダイガロスの姿は、真っ白な毛並みを持ち額に一本の大きな角が生えている。そして、口には二本の大きな牙を持ち、その大きな爪は鋼鉄も切り裂く程の強力なものだった。
『グルルルルル!』
「お前がダイガロスか?」
ダイガロスは、マルクを見て騎士団のような弱い生物とは違うと本能で察知したようだ。そして、咆哮をあげた瞬間、ダイガロスはマルクとの間合いを詰めたのだ。
「は、速い!」
ロベルトは、ダイガロスが今まで手を抜いていたと思い知らされた。ダイガロスの姿が消えたと同時に、マルクの前に現れてその丸太のような腕を振り下ろしていた。
「危ない!」
ロベルトはとっさに叫んでいた。しかし、ダイガロスの丸太のような腕は振り下ろされ、マルクを引き裂いた。
『ガオオオオオ!』
神速で移動してマルクを引き裂いたダイガロス。確かにその強靭な爪でマルクを引き裂いたが、マルクに命中した瞬間、マルクの姿が消えてしまった。
ダイガロスは、まさか自分より早く動ける生物がいるとは思わず、周りをキョロキョロ見渡した。
その瞬間、ダイガロスの背中に衝撃が走った。
『ガッガガガガガガガ!』
マルクは、フライで宙に浮いており、ダイガロスの頭上から、無数のストーンバレットが豪雨のように降り注いだのだ。
ダイガロスは、かつてないダメージに襲われた。風属性の魔物である猛獣王ダイガロスにとって、土属性魔法は弱点だった。
『ガオオオオオオオオオ!』
ダイガロスは、マルクがいつの間にか宙に浮いていた事に驚いていた。
「ナイスだ!まさか、ヒューマン族が魔族のようにフライの魔法が使えるとは信じられん!」
ロベルトはマルクの戦法は最高だと思った。ダイガロスに空は飛べないと思い、このまま一方的に勝利できると思ったからだ。
しかし、その考えは甘かった。ダイガロスは咆哮を上げるとジャンプした。それを見てロベルトは言葉を失った。
ダイガロスは、宙を蹴り見えない地面を次々蹴り上がり、空中にいるマルクに突進していき、ダイガロスはマルクに跳びかかった。
ダイガロスは、逃げても無駄とばかりに爪でマルクを引き裂く。しかし、命中した瞬間マルクの姿は消えた。
『グオオオオオオオオオオ!』
ダイガロスは、マルクにダメージを与える事が出来ず咆哮を上げる。その瞬間、今度はダイガロスの腹に無数のストーンバレットが撃ち込まれた。
野生動物と同様、ダイガロスの腹は背中と違って硬い毛皮で守られていない。そのダメージ量は先ほどのものとは比ではなかった。ダイガロスは地上を見ると、マルクが何人もいて自分の目を疑った。そして、そのマルク達全員が右手を自分に向けて、ストーンバレットを撃つ構えをとっていた。
『グルルルルルルルルル!』
ダイガロスは、初めて恐怖を感じていた。先ほどまでは、リベリア王国騎士団を余裕であしらい命を奪った。今度は自分が狩られる番だと思い身動きができなくなっていた。
「ストーンバレット!」
地上にいた全てのマルクの右手から、無数のストーンバレットが撃ち出された。ダイガロスは咆哮を上げる。ダイガロスの周りに竜巻のような空気の渦が纏い、マルクのストーンバレットが弾かれた。
「エアカーテンか。敵ながらやるな!」
しかし、ダイガロスのエアカーテンは、土属性の攻撃魔法を全ては防げなかったようだ。
ダイガロスは、ストーンバレットのダメージで顔が歪む。しかし、ダイガロスは諦めず咆哮を上げると、マルクにエアカッターを飛ばした。ダイガロスのエアカッターは巨大で地上にいたマルク全てに命中した。命中した瞬間マルクの姿は消滅してしまった。
「まさか、ミラーイメージが全部消されるとは思いもしなかったよ」
ダイガロスはギョッとした。自分の頭上から声がしたからだ。ダイガロスはまだ諦めてはいない。本能で体か動き、空中を蹴りその場を神速で逃げた。
「おいおい。どこに行くつもりだ?」
ダイガロスは、神速で空中を駆けて逃げた先に、マルクが目の前で腕組をして宙に浮いて待ち構えていたのだ。
今度はダイガロスが、リベリア王国騎士団と同じ立場になっていた。マルクからは絶対に逃げる事ができないのだ。
ダイガロスは自分が助かるには、この目の前にいる人間を倒さないと生き残れないと悟った。そして、最後の取って置きを見せるしかないと。
「ほう!まだ諦めないのか。さすが伝説の魔獣だ」
マルクは、猛獣王ダイガロスの最後の攻防を受けてる事にした。ダイガロスはマルクの意思がわかったように、不気味な笑みを溢した。
『グルルルルル!グオオオオオオオオオオ!』
猛獣王ダイガロスが唸った瞬間、ダイガロスの角が光った。それと同時にダイガロスの角から稲妻がほとばしったのだ。
ダイガロスの最後の切り札は、風属性魔法のライトニングだったのだ。
「何が?」
リベリア王国騎士団隊長は、恐る恐る目を開けると自分とダイガロスの間には3m程の土壁が出来ていた。
「早く逃げるんだ!」
隊長は後方から聞こえた声に振り向くと、そこにはヒューマン族が立っていた。
「なんでこんな所にヒューマンが?」
「僕はマルク。ブリーナッシュ王国で冒険者をしている」
マルクは、早口で自己紹介をした。
「俺は、リベリア王国騎士団第三部隊隊長のロベルトだ!助けてくれてありがとう!」
ロベルトは、後方に駆け出しすれ違い様に自己紹介をした。
「もっと後方で身を隠して下さい」
「身を隠してと言われても・・・・・・」
ここは荒廃した荒野で身を隠す場所はない。遠くの方に刺だらけのサボーテの植物が一本生えていたぐらいだ。
ロベルトはマルクの言葉を聞き、サボーテの所まで走った。
「あれが、他国で英雄と呼ばれているマルク殿なのか?」
リベリア王国でも、マルクの事は当然伝わっていた。獣人族の中にもマルクに救援要請を出した方がいいという意見があった。しかし、圧倒的多数の否定派に却下されたのだ。
ロベルトも、ここに派遣されるまでヒューマン族の援助は要らないと思っていた。猛獣王ダイガロスがこんな強いとわかっていたなら、素直に他国を頼る選択をとった方がいいと思ったが後の祭りだ。
陛下に、この惨状をどのように伝えたらいいかわからなかったのだ。
猛獣王ダイガロスは、いきなり目の前に出現した土壁を突進して破壊した。そして、目の前にはマルクが立っていて、猛獣王ダイガロスは身を低くして唸り声を発して威嚇した。
猛獣王ダイガロスの姿は、真っ白な毛並みを持ち額に一本の大きな角が生えている。そして、口には二本の大きな牙を持ち、その大きな爪は鋼鉄も切り裂く程の強力なものだった。
『グルルルルル!』
「お前がダイガロスか?」
ダイガロスは、マルクを見て騎士団のような弱い生物とは違うと本能で察知したようだ。そして、咆哮をあげた瞬間、ダイガロスはマルクとの間合いを詰めたのだ。
「は、速い!」
ロベルトは、ダイガロスが今まで手を抜いていたと思い知らされた。ダイガロスの姿が消えたと同時に、マルクの前に現れてその丸太のような腕を振り下ろしていた。
「危ない!」
ロベルトはとっさに叫んでいた。しかし、ダイガロスの丸太のような腕は振り下ろされ、マルクを引き裂いた。
『ガオオオオオ!』
神速で移動してマルクを引き裂いたダイガロス。確かにその強靭な爪でマルクを引き裂いたが、マルクに命中した瞬間、マルクの姿が消えてしまった。
ダイガロスは、まさか自分より早く動ける生物がいるとは思わず、周りをキョロキョロ見渡した。
その瞬間、ダイガロスの背中に衝撃が走った。
『ガッガガガガガガガ!』
マルクは、フライで宙に浮いており、ダイガロスの頭上から、無数のストーンバレットが豪雨のように降り注いだのだ。
ダイガロスは、かつてないダメージに襲われた。風属性の魔物である猛獣王ダイガロスにとって、土属性魔法は弱点だった。
『ガオオオオオオオオオ!』
ダイガロスは、マルクがいつの間にか宙に浮いていた事に驚いていた。
「ナイスだ!まさか、ヒューマン族が魔族のようにフライの魔法が使えるとは信じられん!」
ロベルトはマルクの戦法は最高だと思った。ダイガロスに空は飛べないと思い、このまま一方的に勝利できると思ったからだ。
しかし、その考えは甘かった。ダイガロスは咆哮を上げるとジャンプした。それを見てロベルトは言葉を失った。
ダイガロスは、宙を蹴り見えない地面を次々蹴り上がり、空中にいるマルクに突進していき、ダイガロスはマルクに跳びかかった。
ダイガロスは、逃げても無駄とばかりに爪でマルクを引き裂く。しかし、命中した瞬間マルクの姿は消えた。
『グオオオオオオオオオオ!』
ダイガロスは、マルクにダメージを与える事が出来ず咆哮を上げる。その瞬間、今度はダイガロスの腹に無数のストーンバレットが撃ち込まれた。
野生動物と同様、ダイガロスの腹は背中と違って硬い毛皮で守られていない。そのダメージ量は先ほどのものとは比ではなかった。ダイガロスは地上を見ると、マルクが何人もいて自分の目を疑った。そして、そのマルク達全員が右手を自分に向けて、ストーンバレットを撃つ構えをとっていた。
『グルルルルルルルルル!』
ダイガロスは、初めて恐怖を感じていた。先ほどまでは、リベリア王国騎士団を余裕であしらい命を奪った。今度は自分が狩られる番だと思い身動きができなくなっていた。
「ストーンバレット!」
地上にいた全てのマルクの右手から、無数のストーンバレットが撃ち出された。ダイガロスは咆哮を上げる。ダイガロスの周りに竜巻のような空気の渦が纏い、マルクのストーンバレットが弾かれた。
「エアカーテンか。敵ながらやるな!」
しかし、ダイガロスのエアカーテンは、土属性の攻撃魔法を全ては防げなかったようだ。
ダイガロスは、ストーンバレットのダメージで顔が歪む。しかし、ダイガロスは諦めず咆哮を上げると、マルクにエアカッターを飛ばした。ダイガロスのエアカッターは巨大で地上にいたマルク全てに命中した。命中した瞬間マルクの姿は消滅してしまった。
「まさか、ミラーイメージが全部消されるとは思いもしなかったよ」
ダイガロスはギョッとした。自分の頭上から声がしたからだ。ダイガロスはまだ諦めてはいない。本能で体か動き、空中を蹴りその場を神速で逃げた。
「おいおい。どこに行くつもりだ?」
ダイガロスは、神速で空中を駆けて逃げた先に、マルクが目の前で腕組をして宙に浮いて待ち構えていたのだ。
今度はダイガロスが、リベリア王国騎士団と同じ立場になっていた。マルクからは絶対に逃げる事ができないのだ。
ダイガロスは自分が助かるには、この目の前にいる人間を倒さないと生き残れないと悟った。そして、最後の取って置きを見せるしかないと。
「ほう!まだ諦めないのか。さすが伝説の魔獣だ」
マルクは、猛獣王ダイガロスの最後の攻防を受けてる事にした。ダイガロスはマルクの意思がわかったように、不気味な笑みを溢した。
『グルルルルル!グオオオオオオオオオオ!』
猛獣王ダイガロスが唸った瞬間、ダイガロスの角が光った。それと同時にダイガロスの角から稲妻がほとばしったのだ。
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