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第4章 成長
21話 王国騎士団再び遠征!
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会議室に、兵士が飛び込んできた。
「陛下!大変です!」
「なんだ!騒々しいぞ!今、会議の最中だぞ!」
「申し訳ありません!しかし緊急事態です!」
「宰相いい」
国王のアーサー=フォン=アインシュタルは、宰相をおさめた。
「それで何があった?」
「たった今、情報が入ってきました!ルノーバの森にリッチが出現した模様です!」
「「「「「なんだと!」」」」」
会議室は騒然となり、宰相達貴族は席を立ち身を乗り出した。
「そ、それは本当なのか?」
「はい!行商人からの情報です」
「行商人だと?行商人がリッチと遭遇すればその場で・・・・・・」
「我々もそう思ったのですが、その者の経歴は元高ランク冒険者です。一度だけ見たことがあると言われて信憑性がある判断をしました」
「わ、わかった・・・・・・お前達を信じる。確かあの森には我が部隊を派遣していたはずだが?」
「はい!今、団長にも相談して王国騎士団の派遣の準備に取りかかっています」
「さすが!ラインハルトだ。行動が早い!」
それを聞いた、宰相達貴族はホッとして腰をおろした。リッチなら、王国騎士団が行けば討伐可能であり貴族達は安心した。
しかし、国王のアーサーのその顔には陰りがあった。
「しかし、最近王国領がおかしい」
「国王、いかがなされました?リッチなら騎士団で十分討伐できるではありませんか?」
「それはそうだが、余の言っているのはそうではない。最近では、オークのスタンピードだ。あの群れには新種のオークが見つかり、今回は森にリッチなんて聞いたことがない!」
アーサー王は、タダの人間ではない。若い頃から体を鍛え上げ人類最強とまで言われた人間である。
アーサー王も若い頃は、リッチを討伐した経験があるが、森に出現した事例は聞いたことがなかったからだ。
「リッチは魔法使いのなれの果てだ。あいつらは自分のアジトに籠り自分の研究をしているのだ。自分から森を徘徊することはまずあるえん!」
「国王。人間にも色んな考えの人間がいるように、リッチの中にもそういった変わり者がいる可能性はないのでしょうか?」
「無いとは言い切れまいが、余にはもっと最悪な事が起こっているのではないかと・・・・・・」
「最悪な事とは?」
「余には今のところわからん・・・・・・」
アーサー王が、不安に思っている事はあながち間違いではなかった。オークのスタンピード、今回のリッチ、そして今はまだ明らかになっていないディクトの復活。また、王国領にいる魔物が活性化しつつあったのである。この活性化は冒険者達にまだ実感はないが、行商人達には感じとられていた。
行商人のように、戦闘能力がない人間にとって魔物が少し強くなると異変に気がつき易いからだ。
「余には嫌な予感がする!お主、悪いが使いを頼まれてくれるか?」
「陛下の頼みならば火の中水の中。なんなりと!」
アーサー王は、リッチの報告をした兵士にマルクの屋敷に報せるように言ったのだ。
「マルクには、今はただこの事実を伝えるだけでよい。騎士団だけで始末できれば何も問題はないが、万が一の時には又力を貸してほしいと伝えてくれ」
「はっ!承知いたしました!」
そういった兵士は、マルクの屋敷にかけだした。会議室に残っていた貴族達は、アーサー王の不安を和らげようと楽観的に意見を述べていた。
「アーサー王、リッチが森にいたところで王国騎士団にかかれば楽勝で討伐の報告をしてきますよ」
「そうです!リッチの恐ろしいのは、自分のアジトで待ち受けるからですよ」
「その通りです!リッチのアジトには、魔法防御を張り巡らせリッチに有利な場所だからですよ」
「そうだといいのだがな・・・・・・」
王城の会議室は、アーサー王の言葉に沈黙してしまった。兵士は、アーサー王の頼みでマルクの屋敷に着いた。
「申し訳ない!緊急の用件でマルク殿に取り次いでいただきたい!」
「お待たせいたしました。屋敷の管理を申しつけられているセバスチャンと言います。我が主人のマルクに何かようでしょうか?」
「申し訳ない!陛下からの伝言である。マルク殿に取り次いでいただきたい!」
「国王様からの伝言でありますか?申し訳ありません・・・・・・主人のマルクは、冒険者として活動中で留守にしております」
「いつ帰るかわかるか?」
「一応、一週間と聞いておりますが、なにぶん他の町へと行くとなるといつになるか?」
「そ、そうか・・・・・・でしたら、帰って来たらすぐに連絡をしていただきたい」
「ご用件の内容を聞いてもよろしいですか?」
「いや、駄目だ」
「さようでございますか。でしたら、主人が帰って来たらすぐに連絡をさしあげます」
「よろしく頼む!」
兵士は、ルノーバの町にリッチが出現した事は言えば、パニックの元になるので絶対に内容を言えなかった。この屋敷の人間から、町に噂が広がる可能性は皆無ではないからだ。
兵士は、セバスチャンに用件の内容は伝えず、王城へと帰るしかなかった。
そして、次の日には王国騎士団が王都を出発した事で王都では、町の人間が色んな憶測をしたのである。
「陛下!大変です!」
「なんだ!騒々しいぞ!今、会議の最中だぞ!」
「申し訳ありません!しかし緊急事態です!」
「宰相いい」
国王のアーサー=フォン=アインシュタルは、宰相をおさめた。
「それで何があった?」
「たった今、情報が入ってきました!ルノーバの森にリッチが出現した模様です!」
「「「「「なんだと!」」」」」
会議室は騒然となり、宰相達貴族は席を立ち身を乗り出した。
「そ、それは本当なのか?」
「はい!行商人からの情報です」
「行商人だと?行商人がリッチと遭遇すればその場で・・・・・・」
「我々もそう思ったのですが、その者の経歴は元高ランク冒険者です。一度だけ見たことがあると言われて信憑性がある判断をしました」
「わ、わかった・・・・・・お前達を信じる。確かあの森には我が部隊を派遣していたはずだが?」
「はい!今、団長にも相談して王国騎士団の派遣の準備に取りかかっています」
「さすが!ラインハルトだ。行動が早い!」
それを聞いた、宰相達貴族はホッとして腰をおろした。リッチなら、王国騎士団が行けば討伐可能であり貴族達は安心した。
しかし、国王のアーサーのその顔には陰りがあった。
「しかし、最近王国領がおかしい」
「国王、いかがなされました?リッチなら騎士団で十分討伐できるではありませんか?」
「それはそうだが、余の言っているのはそうではない。最近では、オークのスタンピードだ。あの群れには新種のオークが見つかり、今回は森にリッチなんて聞いたことがない!」
アーサー王は、タダの人間ではない。若い頃から体を鍛え上げ人類最強とまで言われた人間である。
アーサー王も若い頃は、リッチを討伐した経験があるが、森に出現した事例は聞いたことがなかったからだ。
「リッチは魔法使いのなれの果てだ。あいつらは自分のアジトに籠り自分の研究をしているのだ。自分から森を徘徊することはまずあるえん!」
「国王。人間にも色んな考えの人間がいるように、リッチの中にもそういった変わり者がいる可能性はないのでしょうか?」
「無いとは言い切れまいが、余にはもっと最悪な事が起こっているのではないかと・・・・・・」
「最悪な事とは?」
「余には今のところわからん・・・・・・」
アーサー王が、不安に思っている事はあながち間違いではなかった。オークのスタンピード、今回のリッチ、そして今はまだ明らかになっていないディクトの復活。また、王国領にいる魔物が活性化しつつあったのである。この活性化は冒険者達にまだ実感はないが、行商人達には感じとられていた。
行商人のように、戦闘能力がない人間にとって魔物が少し強くなると異変に気がつき易いからだ。
「余には嫌な予感がする!お主、悪いが使いを頼まれてくれるか?」
「陛下の頼みならば火の中水の中。なんなりと!」
アーサー王は、リッチの報告をした兵士にマルクの屋敷に報せるように言ったのだ。
「マルクには、今はただこの事実を伝えるだけでよい。騎士団だけで始末できれば何も問題はないが、万が一の時には又力を貸してほしいと伝えてくれ」
「はっ!承知いたしました!」
そういった兵士は、マルクの屋敷にかけだした。会議室に残っていた貴族達は、アーサー王の不安を和らげようと楽観的に意見を述べていた。
「アーサー王、リッチが森にいたところで王国騎士団にかかれば楽勝で討伐の報告をしてきますよ」
「そうです!リッチの恐ろしいのは、自分のアジトで待ち受けるからですよ」
「その通りです!リッチのアジトには、魔法防御を張り巡らせリッチに有利な場所だからですよ」
「そうだといいのだがな・・・・・・」
王城の会議室は、アーサー王の言葉に沈黙してしまった。兵士は、アーサー王の頼みでマルクの屋敷に着いた。
「申し訳ない!緊急の用件でマルク殿に取り次いでいただきたい!」
「お待たせいたしました。屋敷の管理を申しつけられているセバスチャンと言います。我が主人のマルクに何かようでしょうか?」
「申し訳ない!陛下からの伝言である。マルク殿に取り次いでいただきたい!」
「国王様からの伝言でありますか?申し訳ありません・・・・・・主人のマルクは、冒険者として活動中で留守にしております」
「いつ帰るかわかるか?」
「一応、一週間と聞いておりますが、なにぶん他の町へと行くとなるといつになるか?」
「そ、そうか・・・・・・でしたら、帰って来たらすぐに連絡をしていただきたい」
「ご用件の内容を聞いてもよろしいですか?」
「いや、駄目だ」
「さようでございますか。でしたら、主人が帰って来たらすぐに連絡をさしあげます」
「よろしく頼む!」
兵士は、ルノーバの町にリッチが出現した事は言えば、パニックの元になるので絶対に内容を言えなかった。この屋敷の人間から、町に噂が広がる可能性は皆無ではないからだ。
兵士は、セバスチャンに用件の内容は伝えず、王城へと帰るしかなかった。
そして、次の日には王国騎士団が王都を出発した事で王都では、町の人間が色んな憶測をしたのである。
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