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第1章 役に立たないスキル
閑話② 魔法(EX)
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マルクは、シオンと酒場でくつろいでいた。
「ねぇマルク?」
「なんだい?」
「ディクト達はどうなるのかな?」
「ギルドマスターも言っただろ?罪を償って禁固刑で3年は出られないって」
「それって罪として軽すぎない?」
「さっきもそんなことを言ってたね。ギルドマスターも言っただろ?僕達は殺人未遂だって言われたじゃないか?」
「だって・・・・・・」
「シオンの言いたい事はわかるよ。僕だって悔しいからさ」
「たったら!」
「だけど、シオンには悪いけど僕は軽いとは思わないよ」
「なんで?」
「あの時、僕はシオンと助かりたいと思って、崖になっている縦穴に自ら飛び込んだだろ?」
「それは覚えてるわ」
「ギルドマスターも言ってただろ?ディクト達は直接手を下してないって?」
「だけど・・・・・・」
「それで禁固刑3年、何も出来ないんだよ?」
「でも、反対に言えばたった3年で出て来ちゃうんだよ」
「多分3年で出てこれたら御の字だろうね」
「どういう事?」
「3年の刑期は模範生だった場合だからね。最初は監守に逆らう人間ばかりだと聞くしね。そうなると大抵、倍の6年の刑期となると聞く」
「倍と言っても6年じゃない」
「6年は大きいよ。今、僕達は16歳だろ?6年後は22歳だ」
「そんなことをわかっているよ」
「いいかい?そこから3年は冒険者ギルドには所属は出来ないんだよ。となると、ディクト達は、25歳でFランクスタートなんだよ?」
「あっ・・・・・・」
「冒険者の寿命は短い30歳から、どうしても体力的に辛くなって来るしね」
「た、確かに」
「それに、ディクト達は犯罪者となるから上がれても、Cランクまでだろ。Bランクからは人格も見られるからね。となると、生活は裕福なものに出来ないだろう」
「そう考えると結構重い罪ね・・・・・・」
「だろ?そうなると、うちの両親みたいに村の用心棒として、田舎暮らしも無理だろうしね」
「どうして無理なの?」
「そりゃ、村の責任者がギルドにディクト達がどういう人物なのか確かめるからだよ。村の用心棒が犯罪者だなんて信頼ができないだろ?」
「確かに!」
「つまり、ディクト達はCランクで安い依頼料金でその日暮らしが約束されているようなものだよ」
「ヒィィィィ!そう考えると惨めだね。全然軽くない罪だね」
マルクの説明に、シオンは悲鳴をあげ顔を青くしたのだった。そして、もうひとつマルクに聞いてきたのだ。
「それと、マルクのスキルなんでっうぐっ!」
マルクは、シオンの口を急いで塞いだ。シオンはいきなり口を塞がれたので焦った。
「んんっ!」
「僕のスキルは秘密だって言ったじゃないか」
シオンは、マルクの腕の中で首を縦に何回も振っていた。そして、シオンはマルクの腕をほどこうとマルクの腕をバシバシ叩いた。
「んんっ!んーんーんー!」
「あっごめん・・・・・・」
「はぁはぁはぁ!死ぬかと思ったわ」
「あはは・・・・・・」
「魔法使いの癖に、ファイターのあたしより力が強いってプライドが傷つくわ」
「シオンが、こんなとこで個人情報を話そうとするからだろ?」
「それは悪かったけど、マルクの事は気になるじゃない。特にあの時の事は聞いておきたいわ」
「わかったよ。だけど、こんなとこでは誰に聞かれるかわからないから、宿屋に戻ってからな」
「わかったわ。じゃあ宿屋に帰りましょ」
そして、マルクとシオンは宿屋に帰り、マルクの部屋で縦穴に飛び込んだ時の事を話始めた。
「それで、マルクのスキルは何であのタイミングで覚醒したの?」
「僕も、よくわからないんだよ。だけど、クリスタルバニーを狩る前に僕のレベルが4に上がったのは覚えてる?」
「そりゃ覚えてるわよ。レベルが上がったのに結局レベルが上がっただけだったから、ディクトの奴又怒鳴ったじゃない」
「うん。だけど、あのレベルアップでMPが400になった事がよかったんだ」
「MPが400になった事が?」
「うん。僕のスキルはどんなスキルや魔法を創れるほど強力なスキルなんだ」
「うん。今更ながらとんでもないスキルだよね。それがなんの関係が?」
「うん。あのそこが見えない縦穴に飛び込んだ事で、僕は空を飛べるように希望したんだよ」
「だから、あのフェニックスウィングが生まれたんだよね」
「だけど、その前にレベルが上がったのが鍵だったんだよ」
「どういう事?」
「うん。僕のスキルはどんなスキルや魔法も創れるんだけど、その為には大量のMPが必要なんだ」
「そうなの?」
「そりゃそうさ。シオンだって、スプリントを使う時、MPを消費するじゃないか」
「確かに!」
「つまり、フェニックスウィングを創るMPは350必要だったんだよ。その他、神眼やインベントリ火属性魔法(S)等、全てMPが300以上必要だったんだよ」
「なるほど。だから、マルクの唯一のスキルは使用できなかったんだ」
「多分だけど、そういう事だと思う」
「あのマルク?ひょっとしたら高ランクのスキルばかり希望した?Sランクスキルじゃなくノーマルスキルはどう?」
「あっ・・・・・・」
マルクは、周りにいるのがディクトやソフィアだったので、強力なスキルを使いたいと希望していたようだ。
シオンに言われて、ノーマルスキルで料理を作ってみると、消費MPは180で創る事が出来た。
「180で創れた・・・・・・」
「まぁ、ノーマルスキルでも180必要なんだ」
シオンは、もっと少ないMPで創る事が出来ると思ったがそんな甘いものじゃなかったのがわかったのだった。
そして、マルクのスキルの偉大さは、これからどんどん明らかになっていくことになる。
本気
「ねぇマルク?」
「なんだい?」
「ディクト達はどうなるのかな?」
「ギルドマスターも言っただろ?罪を償って禁固刑で3年は出られないって」
「それって罪として軽すぎない?」
「さっきもそんなことを言ってたね。ギルドマスターも言っただろ?僕達は殺人未遂だって言われたじゃないか?」
「だって・・・・・・」
「シオンの言いたい事はわかるよ。僕だって悔しいからさ」
「たったら!」
「だけど、シオンには悪いけど僕は軽いとは思わないよ」
「なんで?」
「あの時、僕はシオンと助かりたいと思って、崖になっている縦穴に自ら飛び込んだだろ?」
「それは覚えてるわ」
「ギルドマスターも言ってただろ?ディクト達は直接手を下してないって?」
「だけど・・・・・・」
「それで禁固刑3年、何も出来ないんだよ?」
「でも、反対に言えばたった3年で出て来ちゃうんだよ」
「多分3年で出てこれたら御の字だろうね」
「どういう事?」
「3年の刑期は模範生だった場合だからね。最初は監守に逆らう人間ばかりだと聞くしね。そうなると大抵、倍の6年の刑期となると聞く」
「倍と言っても6年じゃない」
「6年は大きいよ。今、僕達は16歳だろ?6年後は22歳だ」
「そんなことをわかっているよ」
「いいかい?そこから3年は冒険者ギルドには所属は出来ないんだよ。となると、ディクト達は、25歳でFランクスタートなんだよ?」
「あっ・・・・・・」
「冒険者の寿命は短い30歳から、どうしても体力的に辛くなって来るしね」
「た、確かに」
「それに、ディクト達は犯罪者となるから上がれても、Cランクまでだろ。Bランクからは人格も見られるからね。となると、生活は裕福なものに出来ないだろう」
「そう考えると結構重い罪ね・・・・・・」
「だろ?そうなると、うちの両親みたいに村の用心棒として、田舎暮らしも無理だろうしね」
「どうして無理なの?」
「そりゃ、村の責任者がギルドにディクト達がどういう人物なのか確かめるからだよ。村の用心棒が犯罪者だなんて信頼ができないだろ?」
「確かに!」
「つまり、ディクト達はCランクで安い依頼料金でその日暮らしが約束されているようなものだよ」
「ヒィィィィ!そう考えると惨めだね。全然軽くない罪だね」
マルクの説明に、シオンは悲鳴をあげ顔を青くしたのだった。そして、もうひとつマルクに聞いてきたのだ。
「それと、マルクのスキルなんでっうぐっ!」
マルクは、シオンの口を急いで塞いだ。シオンはいきなり口を塞がれたので焦った。
「んんっ!」
「僕のスキルは秘密だって言ったじゃないか」
シオンは、マルクの腕の中で首を縦に何回も振っていた。そして、シオンはマルクの腕をほどこうとマルクの腕をバシバシ叩いた。
「んんっ!んーんーんー!」
「あっごめん・・・・・・」
「はぁはぁはぁ!死ぬかと思ったわ」
「あはは・・・・・・」
「魔法使いの癖に、ファイターのあたしより力が強いってプライドが傷つくわ」
「シオンが、こんなとこで個人情報を話そうとするからだろ?」
「それは悪かったけど、マルクの事は気になるじゃない。特にあの時の事は聞いておきたいわ」
「わかったよ。だけど、こんなとこでは誰に聞かれるかわからないから、宿屋に戻ってからな」
「わかったわ。じゃあ宿屋に帰りましょ」
そして、マルクとシオンは宿屋に帰り、マルクの部屋で縦穴に飛び込んだ時の事を話始めた。
「それで、マルクのスキルは何であのタイミングで覚醒したの?」
「僕も、よくわからないんだよ。だけど、クリスタルバニーを狩る前に僕のレベルが4に上がったのは覚えてる?」
「そりゃ覚えてるわよ。レベルが上がったのに結局レベルが上がっただけだったから、ディクトの奴又怒鳴ったじゃない」
「うん。だけど、あのレベルアップでMPが400になった事がよかったんだ」
「MPが400になった事が?」
「うん。僕のスキルはどんなスキルや魔法を創れるほど強力なスキルなんだ」
「うん。今更ながらとんでもないスキルだよね。それがなんの関係が?」
「うん。あのそこが見えない縦穴に飛び込んだ事で、僕は空を飛べるように希望したんだよ」
「だから、あのフェニックスウィングが生まれたんだよね」
「だけど、その前にレベルが上がったのが鍵だったんだよ」
「どういう事?」
「うん。僕のスキルはどんなスキルや魔法も創れるんだけど、その為には大量のMPが必要なんだ」
「そうなの?」
「そりゃそうさ。シオンだって、スプリントを使う時、MPを消費するじゃないか」
「確かに!」
「つまり、フェニックスウィングを創るMPは350必要だったんだよ。その他、神眼やインベントリ火属性魔法(S)等、全てMPが300以上必要だったんだよ」
「なるほど。だから、マルクの唯一のスキルは使用できなかったんだ」
「多分だけど、そういう事だと思う」
「あのマルク?ひょっとしたら高ランクのスキルばかり希望した?Sランクスキルじゃなくノーマルスキルはどう?」
「あっ・・・・・・」
マルクは、周りにいるのがディクトやソフィアだったので、強力なスキルを使いたいと希望していたようだ。
シオンに言われて、ノーマルスキルで料理を作ってみると、消費MPは180で創る事が出来た。
「180で創れた・・・・・・」
「まぁ、ノーマルスキルでも180必要なんだ」
シオンは、もっと少ないMPで創る事が出来ると思ったがそんな甘いものじゃなかったのがわかったのだった。
そして、マルクのスキルの偉大さは、これからどんどん明らかになっていくことになる。
本気
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