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第1章 役に立たないスキル

22話 ディクト達の捕縛

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 ディクトは、自分仲間が呆気なくやられた事が信じられなかった。それに、マルクの背中から炎の翼が美しく広がって、あり得ないがその翼から火炎の羽根が飛び出し自分を焼いたのだ。

「てめえ!マルク・・・・・・貴様、その翼はなんなんだよ」

「これはフェニックスウィングと言って魔法だよ」

「なんなをだよその魔法は!それにお前達がなぜそんなに強ぇんだよ?」

「ディクト・・・・・・君は、そのインフィニティブレイクに頼りすぎなんだよ」

「頼って何が悪い!このスキルさえあれば無敵なんだよ!」

「確かに、同じパーティーだった時そのスキルに、僕達は何度も救われてきたよ。だけど、今回は相手が悪いよ。僕達はそのスキルを何回も見てるから弱点も知っている」

「インフィニティブレイクに弱点などない!」

「確かに、初見の者にとったら無敵のスキルだと思うよ」

「うぐっ・・・・・・当たり前だ!」

 ディクトは、インフィニティブレイクを使っていた為、全てのステータスが20倍に上がっていた。その為、マルクのファイヤーフェザーのダメージに耐えていた。
 しかし、インフィニティブレイクの効果時間が過ぎ、ディクトは瀕死状態だった。

「なんせ、ディクトがインフィニティブレイクを使ったら魔物だろうと盗賊だろうと全滅しちやうんだからね」

「当たり前だ!インフィニティブレイクは無敵なんだ」

「しかし、インフィニティブレイクは1分間しか継続しないのが弱点なんだ。それを知っていれば範囲外に逃げれば、次使用可能まで1時間は使えない。それが、インフィニティブレイクの弱点だよ」

「ぐっ!」

「つまり!ディクトの技はあたし達には通じないって事よ!」

 シオンがディクトに上から目線で勝利宣言をしたのだった。

「ぐっ・・・・・・」

 ディクトは、なんとかシオンに一撃を決めたかったが、マルクのファイヤーフェザーのダメージが深くて、立ち上がる事さえできなかった。

「マルクの言う通り、ディクトはインフィニティブレイクに頼りすぎよ!」

「生意気抜かすな!俺はお前にやられたわけじゃない!」

「貴方がインフィニティブレイクを使わず、普通の剣技で戦っていたらあたしは5分ももたなかった」

「なんだと・・・・・・」

 実際、シオンの言う事があっていた。ディクトは神聖の義で剣術(S)をもらっていたからだ。
 その為、普通に戦っていればシオンがレベルが高くても、スキルランクで十分勝利できてはずだからだ。

「と、言う訳で眠っててねっと!」

「うぐっ」

 シオンは、ディクトの腹に蹴りを入れて、気絶させてしまった。

「マルク、ディクト達をどうやって運ぶ?」

「それは任せて!」

 マルクは魔法(EX)を使って牢獄(S)を作った。この魔法は、罪人を亜空間に閉じ込める事ができるものだ。
 つまり、この牢獄さえあれば、盗賊を討伐しても生け捕りして町に護送する事ができるのだ。

「ホント、マルクは何でもできるのね」

「まさか、僕もこんなことになるとは思わなかったよ」

「とりあえず、ストーンゴーレムを倒して依頼の品を集めようか?」

「そうだね。ディクト達の指からアイテムをとっておくか」

「それって何?」

 マルクが、ディクト達から指輪を取ると姿が元に戻り、シオンはびっくりした。

「マジックアイテム!」

「うん。この指輪で姿を変えることができるみたいだね」

 そう言いながら、マルクはディクト達を牢獄に放り込んでしまった。中に入れられたディクト達は気絶していたが、気がつくと身動きができなかった。
 これは牢獄の効果で、町に着いたら兵士やギルドに引き渡す時に罪人達が抵抗できないように、パラライズにかかっていた。

「ねぇ、マルクは魔法でどんなスキルでも作れるんでしょ?」

「まあね」

「じゃあ、インフィニティブレイクも作れるの?」

「うん。作れるけど作らないかな」

「なんで?」

「あのスキルは前衛職が使って効果を発揮するからだよ。僕は魔法使いで後衛職だから意味があまり無いかな?前衛職はシオンがいれば問題ないからね」

「なるほど!」

「そんなスキルを作るなら、付与魔法や状態異常魔法を作った方が有利に戦えるよ」

「確かに、ヴァイスにも状態異常魔法をかけていたわよね」

「やっぱりわかったか?」

 マルクはヴァイスにも、状態異常魔法のカースをかけていた。カースは闇属性魔法でかけられるとステータスが半分になる強力なデバフ魔法である。
 ストレングスが半分になれば、ダメージも低くなり、バイタリティーが半分になれば抵抗力が落ち簡単に倒されてしまう。その為、魔法使いのマルクでも、重戦士のヴァイスをぶっ飛ばす事が出来たのだった。
 そして、ヴィトラにはスローをかけて、ソフィアにはサイレントをかけて、役に立たないようにしたのだ。

「そりゃ、マルクが強いと言っても、あの3人を相手にする事は骨がおれるはずなのに、あっさり勝っちゃったもの」

「まぁ、これも魔法(EX)のおかげだけどね」

 マルクとシオンは笑顔で、スト―ンゴーレムを倒して核を手に入れて、町へと帰還したのだった。
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