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外伝
④ 聖女と鳳凰騎士団長
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数十年後プリムとセイラは、ケンジとは違う場所で生活していた。帝国領のブリュンガスの町はとっくに滅亡していたが、その場所に村を作って生活をしていたのだ。
セイラは、ケンジに我儘をかなえてもらい、父の想い出がある土地を元に戻してもらっていた。この村は最後の砦として、町の人間が治療にくる場所となっていた。聖女はもうこの世界にはいなくて、難病で人生を諦め最後にこの村に辿り着く場所となっていた。
「ねえ、セイラ?」
「何でしょうか?」
「貴方はいつまで人生を続けるつもりなの?」
「どうしたの?プリムは早く人生を終わらせたいの?」
「そういう訳じゃないけどね……だけど、あなたは人間じゃない?ご主人様から離れて、もう500年は経つと思うわ。ギルやマードック、ヴィアもこの世にはもういないわ。いつまで生きるのかと思って疑問に思ったのよ」
「何でいないってわかるのよ?わたし達みたいにリターンポーションで生き残っているかもしれないじゃない?それにわたしはまだ元気よ。ご主人様は犯罪奴隷のわたしに、この土地を元に戻してくれたの。リターンポーションがあるんだから、まだまだその恩を返していきたいだけだよ」
「なるほどね……まあ、あたしもここで貴方の手伝いをして100年近く経つけどそういう訳だったのか」
セイラは、人を治療し統一国家の人間を救う事でケンジの役に立とうとしていた。
「うん。だから、リターンポーションがある限り、わたしはこの場所で頑張るつもりだよ」
「だけど、あなたも知っているんじゃないの?」
「そ、それは……」
ケンジが統一国家の王様だったころは、民衆の為の政策をしていたが、代が変わり今の国王は贅沢な暮らしの為に国を運営していた事実である。それによりリターンポーションが手に入らなくなってきていたのだ。
プリムは国を放浪し、悪事を許さず国の問題を解決していたが、今の統一国家に辟易して、この場所に居ついていたのだった。
「ご主人様……どこにいるのかな?会いたいよ……」
プリムは天翔族でその機動力を活かし、ケンジに各地の問題を任されていたので、その任務をこなしていた。
しかし、あまりにも腐敗しきった統一国家に嫌気が出てしまったのだ。プリムは、ケンジを探し国王に返り咲いてほしくて、今はケンジを探す事に尽力を注いでいたのだった。
プリムやセイラなら、統一国家相手にも引けは取らずに滅亡させる事も可能だった。しかし、そんな事をすればまたこの世は戦乱と化すのでそんな事も出来なかった。
今の国王も、この村は目障りだった。その為、物資を輸送しない様に圧力をかけていたが、この村の事は民衆が放ってはおかなかった。密輸で物資を送り援助していたのだった。
セイラはこのとき、シスター→プリースト→ハイプリーストの順で転職し今や4次職の聖女となっていた。称号の聖女とは違い職業としての聖女であり死者蘇生も可能であった。
そして、プリムは槍術士→バルキリー→バルキリーロードの順で転職。今は4次職のセイントロードとなり、一人で極級ダンジョンをも攻略できるほどだった。
しかし、その耐える日々にプリムは弱気になり、セイラに愚痴ってしまっていた。
「そんな事なら早くご主人様を見つけてよ。そうじゃないと、世の中はあの世界に逆戻りよ」
「だけど、どこにいるのか見つからないよ……ご主人様のような世界地図があればいいんだけど……ねえ、セイラいい事思いついたんだけど?」
「なによ?」
「あんた聖女でしょ?女神クローティア様に連絡を取れないの?」
「何を言ってんですか?女神様にそんな個人的な事でお手を煩わせる事なんてできるわけないでしょ?」
「個人的なこととはいえ、このままじゃ世界はまた元に戻っちゃうじゃない」
「それもまた人の選択です。女神様には関係のない事なんですよ」
「でも、ご主人様が作ったこの世界が潰れても構わないとセイラは言うの?」
「誰もそんな事は言ってないでしょ?それも人間の選択だと言っているのです」
「じゃあ、どうすんのよ?」
「なんでも女神様に頼るなと言っているのです。わたし達で何とかしないといけないと言っているのです」
「何とかって?」
「貴方はご主人様を探す!わたしはこの場所で民衆を助ける。どちらにしても今の国王は、わたし達に直接手を出せるとは思いません。それに、わたし達が生きている限りご主人様の栄光を伝える事が出来ます」
「それはそうだけど……人間は忘れる生き物よ。今だってご主人様の事を覚えているのは……」
「確かに、中心国であるフリーの町ではもう覚えている人間はいないでしょう……もう諦めている人間の方が多いのも事実です。それほどまでに、この500年という月日は長かったと言えるでしょう」
「タクミ様まではまだよかったのに……」
タクミとは、ケンジとマイの御子息だ。要はケンジの後を継いだ王太子殿下である。つまり、フリーダム統一国家が民衆の為になっていたのは70年から100ほどの間だった。後の代になりタクミが亡くなってから、徐々に前の貴族達の考えがはびこってきたのである。
そして、セイラとプリムは1000年という長い時間を、何とか生き延びていた。
「あんたもしぶといわね……」
「そういうあんただって、いつになったらケンジ様を見つけてくるのよ」
「だって見つからないものはしょうがないじゃない!文句言わないでよ」
その時、教会の扉が開き、入って来た人間の姿にセイラとプリムは言葉を失った。
「ねえ、セイラ……」
「何よプリム……」
「これは夢なのかしら?」
「違うわよ……本当にご主人様が帰って来たのよ」
「二人ともよく生きていてくれた。感謝する!」
「「ご主人様ぁ~~~~~!」」
プリムとセイラは、ケンジの姿をみて大号泣をして、ケンジの胸に飛び込んだのだった。その姿は1000年生きてきたとは思えない程少女のような姿だった。その姿を見たケンジはもちろんユリアも涙を流していた。
そして、プリムとセイラはケンジの活躍を又その目で見て、フリーダム統一国家を建て直す事に尽力を尽くす事になり、セイラは享年1115歳まで生き、教会本部最高責任者まで務める事になる。
また、プリムはフリーダム統一国家鳳凰騎士団の軍団長にまで上り詰め、享年1250歳まで騎士団長を務めあげ統一国家を建て直す事になる。
セイラは、ケンジに我儘をかなえてもらい、父の想い出がある土地を元に戻してもらっていた。この村は最後の砦として、町の人間が治療にくる場所となっていた。聖女はもうこの世界にはいなくて、難病で人生を諦め最後にこの村に辿り着く場所となっていた。
「ねえ、セイラ?」
「何でしょうか?」
「貴方はいつまで人生を続けるつもりなの?」
「どうしたの?プリムは早く人生を終わらせたいの?」
「そういう訳じゃないけどね……だけど、あなたは人間じゃない?ご主人様から離れて、もう500年は経つと思うわ。ギルやマードック、ヴィアもこの世にはもういないわ。いつまで生きるのかと思って疑問に思ったのよ」
「何でいないってわかるのよ?わたし達みたいにリターンポーションで生き残っているかもしれないじゃない?それにわたしはまだ元気よ。ご主人様は犯罪奴隷のわたしに、この土地を元に戻してくれたの。リターンポーションがあるんだから、まだまだその恩を返していきたいだけだよ」
「なるほどね……まあ、あたしもここで貴方の手伝いをして100年近く経つけどそういう訳だったのか」
セイラは、人を治療し統一国家の人間を救う事でケンジの役に立とうとしていた。
「うん。だから、リターンポーションがある限り、わたしはこの場所で頑張るつもりだよ」
「だけど、あなたも知っているんじゃないの?」
「そ、それは……」
ケンジが統一国家の王様だったころは、民衆の為の政策をしていたが、代が変わり今の国王は贅沢な暮らしの為に国を運営していた事実である。それによりリターンポーションが手に入らなくなってきていたのだ。
プリムは国を放浪し、悪事を許さず国の問題を解決していたが、今の統一国家に辟易して、この場所に居ついていたのだった。
「ご主人様……どこにいるのかな?会いたいよ……」
プリムは天翔族でその機動力を活かし、ケンジに各地の問題を任されていたので、その任務をこなしていた。
しかし、あまりにも腐敗しきった統一国家に嫌気が出てしまったのだ。プリムは、ケンジを探し国王に返り咲いてほしくて、今はケンジを探す事に尽力を注いでいたのだった。
プリムやセイラなら、統一国家相手にも引けは取らずに滅亡させる事も可能だった。しかし、そんな事をすればまたこの世は戦乱と化すのでそんな事も出来なかった。
今の国王も、この村は目障りだった。その為、物資を輸送しない様に圧力をかけていたが、この村の事は民衆が放ってはおかなかった。密輸で物資を送り援助していたのだった。
セイラはこのとき、シスター→プリースト→ハイプリーストの順で転職し今や4次職の聖女となっていた。称号の聖女とは違い職業としての聖女であり死者蘇生も可能であった。
そして、プリムは槍術士→バルキリー→バルキリーロードの順で転職。今は4次職のセイントロードとなり、一人で極級ダンジョンをも攻略できるほどだった。
しかし、その耐える日々にプリムは弱気になり、セイラに愚痴ってしまっていた。
「そんな事なら早くご主人様を見つけてよ。そうじゃないと、世の中はあの世界に逆戻りよ」
「だけど、どこにいるのか見つからないよ……ご主人様のような世界地図があればいいんだけど……ねえ、セイラいい事思いついたんだけど?」
「なによ?」
「あんた聖女でしょ?女神クローティア様に連絡を取れないの?」
「何を言ってんですか?女神様にそんな個人的な事でお手を煩わせる事なんてできるわけないでしょ?」
「個人的なこととはいえ、このままじゃ世界はまた元に戻っちゃうじゃない」
「それもまた人の選択です。女神様には関係のない事なんですよ」
「でも、ご主人様が作ったこの世界が潰れても構わないとセイラは言うの?」
「誰もそんな事は言ってないでしょ?それも人間の選択だと言っているのです」
「じゃあ、どうすんのよ?」
「なんでも女神様に頼るなと言っているのです。わたし達で何とかしないといけないと言っているのです」
「何とかって?」
「貴方はご主人様を探す!わたしはこの場所で民衆を助ける。どちらにしても今の国王は、わたし達に直接手を出せるとは思いません。それに、わたし達が生きている限りご主人様の栄光を伝える事が出来ます」
「それはそうだけど……人間は忘れる生き物よ。今だってご主人様の事を覚えているのは……」
「確かに、中心国であるフリーの町ではもう覚えている人間はいないでしょう……もう諦めている人間の方が多いのも事実です。それほどまでに、この500年という月日は長かったと言えるでしょう」
「タクミ様まではまだよかったのに……」
タクミとは、ケンジとマイの御子息だ。要はケンジの後を継いだ王太子殿下である。つまり、フリーダム統一国家が民衆の為になっていたのは70年から100ほどの間だった。後の代になりタクミが亡くなってから、徐々に前の貴族達の考えがはびこってきたのである。
そして、セイラとプリムは1000年という長い時間を、何とか生き延びていた。
「あんたもしぶといわね……」
「そういうあんただって、いつになったらケンジ様を見つけてくるのよ」
「だって見つからないものはしょうがないじゃない!文句言わないでよ」
その時、教会の扉が開き、入って来た人間の姿にセイラとプリムは言葉を失った。
「ねえ、セイラ……」
「何よプリム……」
「これは夢なのかしら?」
「違うわよ……本当にご主人様が帰って来たのよ」
「二人ともよく生きていてくれた。感謝する!」
「「ご主人様ぁ~~~~~!」」
プリムとセイラは、ケンジの姿をみて大号泣をして、ケンジの胸に飛び込んだのだった。その姿は1000年生きてきたとは思えない程少女のような姿だった。その姿を見たケンジはもちろんユリアも涙を流していた。
そして、プリムとセイラはケンジの活躍を又その目で見て、フリーダム統一国家を建て直す事に尽力を尽くす事になり、セイラは享年1115歳まで生き、教会本部最高責任者まで務める事になる。
また、プリムはフリーダム統一国家鳳凰騎士団の軍団長にまで上り詰め、享年1250歳まで騎士団長を務めあげ統一国家を建て直す事になる。
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また、続きを書きたいと思っていますが待って頂けると嬉しいです。充電期間が長くて本当に申し訳ないと思っていますm(__)m
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