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第10章 Freedom国、経済の中心へ!

151話 新たな提案

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 1週間後ドーガン宅に、鳳凰騎士団達は配置させ逮捕した。その時に、雇われた荒くれ者達も一緒に逮捕に至ったのである。

 その時、牢屋に囚われていた少女たちは、鳳凰騎士団に保護されたのだった。

「なんだ!貴様達は!」

「黙れ!お前達の悪事はすでにFreedomの知るところ。言い訳は法廷でするんだな!」

「くっそおおおおおお!あの女狐め……こうなることが分かっていたというのか!」

「女狐とは、奴隷商のことか?」

「ああ!そうだ!俺のバックには奴隷商が!それも元締めの女がいるんだ!」

 ドーガンは、自分だけ逮捕されるわけはいかないと思い、奴隷商の元締めも道連れにしようとしたのだった。

「ふん!我々、Freedomがそれくらい知らないと思っているのか?馬鹿にするでないわ!」

「そ、そうか。くっくっくっ、あの女俺達を切り捨てたと思っておるが、そうは問屋が許さねえ!」

「何をニヤニヤしている。お前は自分の心配をしていたらいい。まあ、心配したところで、子供を誘拐し未来を奪っていたお前には極刑が言い渡されるだろうがな!」

「なっ⁉」

「何を驚くことがある!この国の王はこういう犯罪には容赦することはない。当たり前だろうが!」

 ドーガンや、荒くれ者達はその場に崩れ落ちたのだった。そして、鳳凰騎士団は、地下牢に囚われていた少女達を見た瞬間、目を覆いたくなる惨状で支給されていたグレーターヒールポーションを振りかけたのだ。

「こ、これは……」

「君達、よくがんばったな。もう大丈夫だ」

 鳳凰騎士団の姿を見た少女たちは、この屋敷に衛兵が入りドーガン達が逮捕されたことを悟ったのだった。

 ランスロットは、牢屋に閉じ込められていた少女達を保護して、ケンジの屋敷に帰還したのだった。

「主君、無事全員逮捕し帰還しました」

「ランスロットご苦労だったな」

「それにしても、今回だけでなく酷い事件が横行しております」

「ああ!分かっている……皆はこれがこの世界の普通というんだが、俺はやっぱり納得はできない」

「それで、今回なのですが牢屋に閉じ込められていた少女が4人と、男達に誘拐された子供達が15人いました」

「誘拐されていたのが15人もだと?」

「はい……ある村の子供達だそうです」

「それで、その村は?」

「それが、子供達の証言なのですが、誘拐した男達の手で村の者達は全滅させられたそうです……」

「わかった……子供達は全員孤児院に入所させてくれ」

「わかりました。それで、牢屋に閉じ込められていた4人の少女達なのですが、奴隷に落とされていたので、主君の奴隷となります」

「わかった……」

 ケンジは、捕らえられていた少女達に会いに行ったのだった。少女たちは保護されており、温かい食事を与えられていた。そこにはアイリスもいて、みんな助かった事を喜んでいたのだった。
 保護された少女たちは最初、アイリスの顔を見て驚いていた。てっきり新しい奴隷が来たので、アイリスは殺されたとばかり思っていたからだ。
 しかし、国王の奴隷となって、食事係として食事を運んでいたので顔を会せた時みんなで泣いて喜んでいた。

 その時、部屋にケンジがノックをして入ってきたのだった。いきなり国王が目の前に現れた為、少女たちは思考が停止し、口に運んでいた肉を皿に落してしまったのだった。

「みんなよく頑張ってくれた。助けるのが遅くなって本当にすまなかった」

 ケンジは、少女達に頭を下げ謝罪したのだった。

「「「「やめてください!」」」」
「あたし達に頭を下げないでください」

 ケンジは、ゆっくりと頭を上げたのだった。そして、少女達の席の前に座り、話しを始めたのだった。すると少女たちは、席から立ち上がり直立不動でケンジの話を聞こうとしたのだった。

「そんな緊張しないで席についてくれ。ご飯を食べながらでいいから、今後の話をしよう」

「そ、そんな奴隷の立場で、国王様と同じ席につくわけには」

「俺がいいと言っているから、席についてくれないか?」

 ケンジは、少女達の緊張をほぐすように優しく語りかけた。

「わ、わかりました」

「それで、話は続けるが君達は奴隷から解放したいと思う」

「「「「えっ?」」」」
「「本当ですか?」」

 その中の2人が反応を示した。

「しかし、解放をするにあたってリターンポーションを使う事により、その分の借金が出来るが、それだけは返していただきたい。大丈夫か?」

「はい!Freedom国で申請すれば、頂けるというポーションですね」

「そうだ。解放されたら奴隷の立場ではなくなり、国民として働き借金を返していくことになる」

「「分かりました」」

 少女2人は、こんなスムーズに解放されるとは思いもしなかった為、手を取り喜んでいた。しかし、後の二人はケンジの奴隷にしてほしいと懇願してきたのだった。

 これは、人生に疲れたような感じであり、アイリスの話を聞いて自分達も同じ立場になろうと思っていた。ケンジは、もう少女達の話を否定せず、自分の奴隷になりたいのならそれでもいいと思いそれを承諾した。

(ホント、こういう事が普通と思っている世の中を、何とかしないといけないな……) 

「分かった。ジューンとメイリンだな。これからよろしく頼むぞ」

「「分かりました!」」

 ジューンとメイリンは、元気よく返事をしたのだった。ケンジは、奴隷から解放を望んだ二人の手続きを取り、残りの二人はここで食事係の仕事を与えたのだった。




 そして、ケンジはこの国の重鎮達を緊急招集をかけ、この事を議題に上げたのであった。

「みんな聞いてほしい!」

「今日は、いきなり何を行うのですか?会議の日は明後日ですよね?」

「ここのところ、目を覆いたくなるような事件ばかり起きているのは、ムシュダルクさんも分かっているよな?」

「は、はい……」

「俺は、国民の生活水準を上げたらそういう事も少なくなると思い、今まで頑張って来たがそうじゃないみたいみたいだと思い始めてきた」

「そんな……ケンジ様は、国民の為に生活を豊かに……」

「まあ、最後まで聴いてくれ。確かに生活水準を上げる事も大切だと思う。これらの、事業は引き続きやる事は決定事項だ」

「は、はい……」

「それで、あなたは何を間違っていたと思ったの?」

「つまりだ、マイお前にも関係のある事なんだがいいか?」

「あたしにも?」

「ああ!俺は今まで、奴隷の扱いに対して理不尽だと言い続けていた。しかし、この世界で生活をしてきたマイにとっては、それが普通だと認識しているということだ」

「でも、それが普通で当たり前の事じゃない」

「うん、それは分かるが俺にとってはやはり違う事なんだよ。多分、俺が最初からこの世界で生まれたとしたら、それが普通だという事も納得しただろう」

「そ、それは……」

「つまりだ!俺はこう考えることにしたんだ。子供のころからの教育が駄目なんだってな!」

「はぁあ?あなたは何を言っているの?」

「つまり、子供のころからそれが普通と教えられる事が、そもそもの元凶って事なんだ」

「で、でも……それを認識を変えるとなると……」

「そう!学校での教育がカギとなり、子供達の親も何とかしないといけないという事だ」

「だったら何をするというの?」

「俺は、この世界にレジャーというか遊びが、いや、息抜きが少なすぎるんだと思う?」

「遊びってどういう事ですか?」

「俺は、今まで女性達の待遇が低すぎると思って、石鹸や洗濯機、ファッションショー等、女性中心の物を開発してきた。それにより主婦業がだいぶん楽になったと自負している」

「それはそうですよ!ケンジ様のおかげで水をくむだけでも相当楽になっているはずです」

「ああ!だが、男性の楽しみはどうだ?」

「どういう事でしょうか?」

「男性の楽しみって事だよ。酒場で酒を飲み、女性を抱きに行くぐらいしかないと思わないか?」

「そ、それは……」

「極論だが、だから、男性たちの考えがおかしくなると思ったんだよ。それに、子供達もだ」

「子供の何がおかしいというのですか?」

「フリーの町では、だいぶんと生活水準が上がっているのにも関わらず、今だ子供達はあんな小さいころから親の手伝いと言われて働いている子供がたくさんいる。本来なら、子供同士で遊んでいてもおかしくないというのが俺の考えだ!」

「ですが、子供達も働かないと生活が出来ない実情がある家族も少なくありません」

「うん。それを否定するつもりはないよ。だが、子供達はもっと遊ぶものだと思っているんだ」

「ということは、ケンジ様はこれから男性と子供達に対する、何かを作るという事ですか?」

「そういうことだ!その為、国の事はムシュダルクさんに任せたぞ」

「なっ⁉何を言っているのですか?ケンジ様がやらないでどうするのですか!」

「まあまあ、俺のやる事なんて、決定事項や予算に対して判をつく事だけだ」

「そんな事はありません!」

「そんな焦んなって、なにもムシュダルクさんに丸投げする訳じゃないよ」

「それならいいのですが……」

「だから、みんなもムシュダルクさんに協力して、今まで以上に頑張ってほしい!」

「「「「「はい!」」」」」

 ケンジは、みんなにそのように提案し、新たな試みをやろうとしていた。
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