異世界転移で生産と魔法チートで誰にも縛られず自由に暮らします！

第１０章 Ｆｒｅｅｄｏｍ国、経済の中心へ！

１３３話 処刑執行

　ケンジは、マリアンヌ達親子を門の外まで見送って屋敷の中に入っていった。

「ご主人様、よかったのですか？」

「セバスか……まあ、マリアンヌさんが決めたことだ。しょうがないよ」

「ですが、フリーの町も生活しやすくなってきたとはいえ、女性だけで子供を育てるのは厳しいかと……」

「だが、俺もマリアンヌさんの気持ちはよく分かるからな」

「どういうことですか？」

「俺も、今までは権力者に逆らって生きてきたじゃないか？俺も自分だけ、贔屓にされたら裏があると思ってきたしな。特に、マリアンヌさんは犯罪に巻き込まれたんだ。用心をしてもおかしくないだろ？」

「た、たしかに……」

「俺としたら、ああいった国民達を少しでも減らすようにする方が大事なのかもしれないな……」

「御心中、お察しします……」

「そういう意味では、あいつ等にはそれ相応の罰が必要なのかもしれないんだがな！」

　ケンジは、自分の国で好き勝手した、グドンとガルドランの事を許さないとおもった。



　そして、諸悪の根源である、グドンとガルドランの裁判が行われていた。

「なんで、こんなややこしい事をする！」
「そうだ！俺達はどうせ処刑だろ？」

「静粛に！」

　裁判官は、グドンとガルドランに真実の水晶を用いたのだ。

「なんだ。これは？」

「それはな、犯罪者の罪を暴くものだよ」

「罪を暴くとは何だ？もうわかっているだろ？」

「そうだ！もう俺達は覚悟を決めて、自白もしたじゃないか？」

「いいか？よく聞くが良い。貴方達はこの国で自分勝手な事をし、どれだけの犠牲者や遺族に悲しい思いをさせたと思っている？」

「だから、それを認めて自白したではないか？俺らはもう助からないんだろ？だったら、処刑でも何でもすればいいじゃないか？」

「お主達は、それだけの事をやって、楽に死ねると思っているのか？」

「どういう事だ？」

「グドン、ガルドラン、両名には処刑より厳しい未来をあたえる」

「「はぁあ？」」
「どういう事だ！」

「両名には、因果応報（法）に処す！」

「な、なんだ、その因果応法とは？」

　グドンとガルドランは、衛兵に連れて行かれてしまった。そして、連れて行かれたのは、一室の独房だった。しかし、その独房には窓もなくベットが１個置いてあるだけで、殺風景な部屋であった。

「なんだ？貴様達！離しやがれ！」

「大人しくしろ！」

　グドンとガルドランは、別の部屋でベッドに拘束されてしまったのである。すると、衛兵達は部屋から出て行ってしまい、扉を閉めてしまった。

「なんだ？おい！この拘束を解けよ！」

　二人は別々の部屋で、わめき散らしていた。すると、扉の外から声が聞こえてきたのだった。

「お前達に下った、因果応法の意味をいま教えてやるよ。犠牲になった人間の恨みを心に刻み反省をするんだな」

「何を言っていやがる！犠牲になった方が悪いんだ！世の中弱肉強食の世界に何を甘い事を！」

「強がっていられるのも今の内だぞ！注入！」

　注入と言う言葉で、部屋の天井付近から、煙が噴き出してきたのだ。

「何だこの煙は？まさか俺を焼き殺すつもりか？」

「ふっ、何を言っている。すぐ死んで罪を軽くするなどするわけないだろ？」

　グドンとガルドランは、煙くて出来るだけ息を止めたのだった。しかし、拘束されていて逃げ場はなく、いつまでも息を止める事などできなかった。そして、苦しくなり大きく息を吸い込んだのだ。

「まさか、この匂いは？放せ！ここから出せ！」

　グドンもガルドランも、顔を青くしてわめき散らしたのだった。

「ようやくわかったか？」

「俺達を、薬物中毒にしてどうするつもりだ‼」

「お前達のアジトには、証拠物件の大麻草が大量にあったからな。お前達は他人を犠牲にして、大麻草を売りさばき私腹を肥やした罪で因果応法が適応されたのだ。」

「俺達を、中毒死させるつもりか？」

「だから言っているだろ？なんでそんな簡単に死ねると思っている？」

「何だと……」

「お前達には、中毒になってそこから立ち直ってもらう。それが因果応法だ！」

「な、な、なんだと……」

「心配するな。そんな簡単には死なせない。飯も、１日２食は与えてやるし心配は無用だ！」

「馬鹿な事を言うな！」

「ほう、焦っている様子だと、この犯罪がどれほど罪深いか分かってきたようだな？」

「何言ってやがる。なんで俺達が中毒者にならなきゃいけねえんだ！」

「馬鹿は、貴様達だ。何の罪もない国民達を食い物にして、自分はいい思いなどできるわけなかろう！犠牲者は、今もなお苦しい思いをして、立ち直ろうと必死なのだぞ？」

　兵士の言葉に、グドンとガルドランはわめき散らしたのだった。

「俺達を殺せ！死んで詫びる。だから許してくれぇ！」

　グドンは、舌を噛み切って自殺をはかった。しかし、死ぬことさえ許されなかった。ポーションを使われて治療されてしまったのである。

「な、何で……俺は今舌を噛み切ったはず……」

「そんなすぐに死ねると思ったのか？舌を噛み切ってもすぐには死ねない。すぐにポーションをかければ傷は治るだろうが！」

　拘束された状態だと、舌を噛み切るのが精一杯だった。この世界には、ポーションがあり、その程度の傷などすぐ治ってしまう。仮に死んだとしてもＦｒｅｅｄｏｍ国には、神の涙という死者蘇生のポーションがある為、無駄な努力になるのだ。

　グドンとガルドランは部屋の中で３日間大麻草を吸わされ、中毒者となってしまった。

「ク、クスリをくれえええええええ！頼む！」
「俺が悪かった！たのむ！」

「そこから立ち直れ！そしたら罪を償ったことになるのだ」

　グドンとガルドランは、クスリからの治療に励むしかなかった。体は拘束され薬を身体から抜けるまで、必死に耐えるしかなかったのだった。
　そして、３ヶ月間の苦しみに耐えようやく楽になってきた。そのころになると体重は減り疲労感が漂っていた。

「ハアハアハア……やっと薬が抜けてきたぜ……」

「ガルドランの親分も抜けて来ましたか？」

「ああ……これで俺達も……」

「薬が抜けたようだな。おめでとう！」

「ああ！俺達が悪かった。心から反省を反省している」
「自分達がなって初めて気づかされた……これからはそれを心に刻んで生きていく」

「そうか、反省できているようだな」

「「はい！」」

　グドンとガルドランは、自分のやった事を心から反省をした。そして、罪を償い終えて、人の為に役に立とうと思っていた。

「じゃあ、この拘束を解いてくれ」

「ん？何故だ？」

「俺達は立ち直った！これからは……」

「何を言っている、お前達はまだまだ罪を償わないといけない」

「「なっ⁉」」

「お前達は何か勘違いしているみたいだが、お前達の行為で何人の人間が死んだと思っているんだ？」

「それは……だが俺達も薬物中毒から立ち直り……」

「それだけじゃない。少しづつ成分を変える為に、何人の奴隷を殺した？」

「奴隷は所有物だ！俺達がどう扱おうが関係ないだろ？」

「奴隷も同じ命だ！犯罪奴隷ならその言い訳も通じよう。だがお主達は、借金奴隷や違法に売られた奴隷達の命を無駄に散らしたのだぞ」

「じゃあ、俺達は？」

「グドンよ。いい質問だ。注入開始！」

　その言葉で、二人が拘束された部屋に煙が噴出されたのだった。

「なんだと！」
「や、やめろおおおおおお！」
「又、あの苦しみを……」

　二人は必死に息を止めた。しかし、そんなことがずっと出来る訳もなく、苦しくなり思いっきり息を吸い込んでしまった。

「ゲㇹゲㇹゲㇹ……何でこんな事を」

「何でだと？これは因果応法だよ」

「もうやめてくれええええ！」

　あれだけ、自分勝手で横柄な態度だったガルドランは、涙を流し許しを請うていたのだ。

「今更、涙を流し反省しても遅いんだよ」

　そして、４か月後ようやく身体から薬が抜けた二人は、心身ともに疲れ切っていた。

「ようやく薬が抜けたみたいだな」

「ああ！又耐えてみせたぜ！」

　二人ともガリガリにやせ細ってしまっていた。しかし、まだ生きていたのである。

「そうか、それはよかったな」

「こ、これでもう罪は償えただろ？頼む、もう解放してくれ……」
「お、俺ももう反省した……」

「お前達はまだ二人の犠牲者しか償っていない」

「「えｔ……ま、まさか！」」

「そうだよ。この因果応法と言う罪をようやく理解できたか？」

「う、嘘だろ？」
「やめてくれぇえええええええええ！」
「お、俺達が悪かった！」
「た、頼む。本当に反省した。だからこれ以上は！」

「お前達の犠牲者は１５２７人と真実の水晶で出たんだ。あと１５２５回立ち直ってもらうぞ」

「馬鹿な事を！死んでしまう！そんな事をされたらもう！」
「そうだ！俺達を殺せ！殺してください！お願いします！」

「ああ！最後は薬漬けになって死ぬだろうな！しかし、そう簡単に楽にはさせない。お前達は自分の罪を悔いて地獄に堕ちよ」

「「うわああああああああああ！止めてくれええええぇ！」」

　グドンとガルドランは、断末魔のような叫びで許しを乞うたが、それは聞きとげられず無間地獄に落ちていった。