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第10章 Freedom国、経済の中心へ!
89話 王国の交渉
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1か月経ったある日、とうとうしびれを切らした、キース国王とその部下の上級貴族達が、Freedom国に盛大に現れたのである。
その人数は約3000人!仰々しい隊列で、Freedom国の正面城門から侵入しようとしていた。その瞬間、フリーの町には、警戒サイレンが鳴り響き町の人間はすぐさま、自宅もしくは各地区にある避難所に向かう事になっていた。
「停まれぇ~~~!」
城門から、拡声器のような大きな声で城門の見張り台から、Freedomの衛兵が叫んだ。その声に反応し、城門前にはイチカ率いる衛兵部隊が素早く隊陣を引いたのだった。
すると、その仰々しい隊列から、見たことのある紋章の騎士が一人こちらに向かってきた。一人でやって来るので戦争を仕掛けてきた他国で無いことが分かり、イチカは隊陣をひとまず解いた。
「いきなり警戒させて済まぬ!我々はグランパス王国飛龍騎士団だ!この度、ケンジ国王陛下に我が主君が直々に面会を申し込みに来た。どうか、お取次ぎのほどよろしく頼み申す!」
その言葉に、町中に響いていた警戒サイレンが止んだのだった。
「少しその場でお待ちいただきたい!すぐに連絡いたします!」
「かたじけない!」
そう言って、伝令の騎士は自分の隊に戻っていったのである。それを見たイチカは、部下にそのことをケンジに伝令させたのである。
すぐさま、この伝令はムシュダルクに届き、面会の準備が整えられた。そして、王国支団はパレードのように正面玄関から入場したのだった。これには、警戒サイレンの後の事もあり、大通りは何事が起きたのかと人混みで溢れたのだった。
「なんで、王国支団が……」
「見てみろよ。あれが、飛龍騎士団だぜ?」
「なんか違う騎士団みたいだな……」
「あの馬車がグランパス王国の王様の馬車なのか?」
「何かきらびやかになっているな……」
騎士団は団長がいなくなり、2軍か雑兵でも一番実力のある者が団長に抜擢されているようで、以前のような覇気のある騎士団ではなくなっていた。しかし、貴族達は基本プライドの化け物である。舐められないように馬車や装飾品には金を存分に掛けて、自分達はまだ大丈夫とアピールをしていたのである。
だが、以前グランパス王国に住んでいた平民達はどこか違和感を感じていた。騎士団や馬など部下達はどことなく貧相に見えていたのに、その君主や貴族達だけが目立っていてアンバランスなのである。
本当なら、見た目を気にするのなら、部下の騎士達にも気を使うべきなのだ。
謁見の間に通された、キース国王達は背水の陣で臨んでいた。これ以上NFGに無視をされれば、本当に永きにわたり大陸の覇者だったグランパス王国は、この大陸から名前が消えてしまうからである。
そして、面会に現れたのはケンジではなく、若干25歳のランガスだった。これには、宰相達が目を見開いたのだった。
「貴殿は、ランガス?なんでお主がこの場に!」
「宰相様、お久しぶりです。何でっておかしなことを……私はこの国の外交官ですよ。普通に職務を、まっとうしているに決まっていますが?」
「そうではない!なぜ、ケンジ様がこの場に現れないのかと言っておるのだ!」
「またまた、おかしなことを……こんな強引な訪問をしているのに、ケンジ様のお時間がとれると思っているのですか?」
「こちらは、キース国王がわざわざこの国に訪問しているのだぞ?だったら、そちらも国のトップが対応しないでどうする?失礼ではないか?」
「こちら側としたら、こうなるのは目に見えていたからこそ、ムシュダルク様が何度も事情を説明していたと思いますが?」
「ムぐぐぐ……」
「本来なら、こういう場も設ける事自体ないですがそれでは失礼になる為、私がこうして対応しているのです。失礼どころではなく、本当なら感謝してほしいぐらいなのですよ」
「貴様ぁ、黙って聞いておれば不敬罪で訴えるぞ!」
「何が不敬罪ですか?こうして対応しているから感謝して欲しいと言ったのがおかしいのですか?」
「宰相、もうやめい!このままだと、本当にこの面会は無くなり、この国から追い出される事になるぞ」
「……」
宰相は、キース国王に諫められた。
「早速、本題に入らせてもらう。今回訪問させてもらったのは、NFGの事だ。Freedom国管轄のNFGが、グランパス国領に開設せぬ!早急に開設してほしいのだ。NFGもFreedom国の言う事なら命令に従う。頼むこの通りだ!」
キース国王は、ランガスに交渉したのだった。だが、ランガスはケンジの意向を聞いていた為、首を縦に振ることは無かった。
「申し訳ありません……我が国も、今はそこまでの余裕はないのです」
「なっ⁉」
「考えてもみてください。今、Freedom国は、元ギルドの建て直しているのですよ?」
「だから、その資金を調達する為にも、我が王国にNFGを進出するのではないか」
「それは、貴方達王国側の意見です。Freedom国はギルドの組織の中を見直さないと、同じことの繰り返しになるのです。だから、今は新しく進出するのは愚策と言う以外なにものでもありません」
「では、王国はどうすればいいのだ!」
「それは貴方達が考える事だと思いますが?」
「むぐぐぐ!」
「少なくともFreedom国は、NFGを新しい事をさせることは無いです。これはFreedom国の考えであり、それに反してNFGが勝手に動くことは絶対にありません!」
「では、半年後には必ず約束を守ってもらうぞ?」
「約束と言うのは?」
「馬鹿な事を!書簡には半年後にNFGを進出させると!」
「いやいや……ムシュダルク様の書簡には半年後まで、Freedomは動けないとあったはずです」
「だから、半年後に動くという事だろ?だったら、半年後から……」
「検討に入るとあったはずです!検討と言うのは、動くか撤退するかを決める判断を会議で決定するという事です」
「「「「「馬鹿な!」」」」」
「そんな事になれば本当に王国は!」
「そうならないように頑張ってください!わたし達からそのようにしか言えませんよ」
「なぜだ!なぜそこまで王国を追い込む真似をする?」
「追い込むだなんて言いがかりですよ。王国の事などFreedomには本来関係の無いことです。半年後、王国が持ち直す事が出来れば、まだ国交の価値はありますが、この半年で滅亡すればそれは時代の流れに追いつけなかった王国のせいであって、Freedom国のせいではありません」
「な、な、なんだと!」
「実際そうですよね?Freedomが、グランパス王国に国の事に対して発言権があるというのですか?何か口出ししたら、何か変わっていくのですか?」
「そ、それは……」
「だったら、今の状況を建て直すのは、Freedomではないという事です」
「ムぐぐぐ……」
「まあ、助言の一つでも言ってあげましょう。貴方達のプライドで、着飾って贅沢をしているようですが、そんなプライドは捨てて、その資金を町の為に使った方が、国を建て直すのはより有効ですよ」
ランガスは、キース国王達の凱旋の様子を見て皮肉を言ったのだった。
「ば、ば、ば、馬鹿にするでないわ!お主では話にならん!ケンジを出せ!」
「だから、言っているではないですか。ケンジ様は、忙しくて王国の相手をしている時間が無いと!」
「そんな事言っていいのか?」
「何を言っているのですか?」
「いいか?今、フリーの町の中には、飛龍騎士団の精鋭が3000騎潜入しているのと同じ状況なのだぞ?ワシが一言……」
「馬鹿な事を!」
「それが嫌なら、早くケンジをここに呼べ!」
その言葉を聞き、宰相達もFreedomの首根っこを掴んだと思って、ニヤニヤ嫌らしい笑みを浮かべていた。
ただ、ランガスの言った馬鹿な事とは、そんな事をすればタダで済まないのが王国側だったからだ。ランガスは思っていた。あんな兵士なら鳳凰騎士団が出るまでもなく、町の衛兵だけで十分に対処できると。
「さあ、どうするのだ?町にいる平民達がどうなってもいいと申すのか?」
「それは、Freedom国に戦争を仕掛けると取られてもしょうがないと思うのですが?」
「はっ!町の中に、敵の騎士が入り込んでいて戦争になると思っているのか?」
「そうですか……分かりました……」
「そうか!分かってくれてお互い無血で、話し合いが出来て良かったというものだ!わはははははは!」
キース王とその重鎮である上級貴族達は勝ち誇ったように大笑いした。
「ったく……ランガスの言う事を聞いて、引き下がったなら王国も半年以上は永らえたものを……」
王国の人間を見て、辟易したようにケンジが謁見の間に姿を現したのだった。
その人数は約3000人!仰々しい隊列で、Freedom国の正面城門から侵入しようとしていた。その瞬間、フリーの町には、警戒サイレンが鳴り響き町の人間はすぐさま、自宅もしくは各地区にある避難所に向かう事になっていた。
「停まれぇ~~~!」
城門から、拡声器のような大きな声で城門の見張り台から、Freedomの衛兵が叫んだ。その声に反応し、城門前にはイチカ率いる衛兵部隊が素早く隊陣を引いたのだった。
すると、その仰々しい隊列から、見たことのある紋章の騎士が一人こちらに向かってきた。一人でやって来るので戦争を仕掛けてきた他国で無いことが分かり、イチカは隊陣をひとまず解いた。
「いきなり警戒させて済まぬ!我々はグランパス王国飛龍騎士団だ!この度、ケンジ国王陛下に我が主君が直々に面会を申し込みに来た。どうか、お取次ぎのほどよろしく頼み申す!」
その言葉に、町中に響いていた警戒サイレンが止んだのだった。
「少しその場でお待ちいただきたい!すぐに連絡いたします!」
「かたじけない!」
そう言って、伝令の騎士は自分の隊に戻っていったのである。それを見たイチカは、部下にそのことをケンジに伝令させたのである。
すぐさま、この伝令はムシュダルクに届き、面会の準備が整えられた。そして、王国支団はパレードのように正面玄関から入場したのだった。これには、警戒サイレンの後の事もあり、大通りは何事が起きたのかと人混みで溢れたのだった。
「なんで、王国支団が……」
「見てみろよ。あれが、飛龍騎士団だぜ?」
「なんか違う騎士団みたいだな……」
「あの馬車がグランパス王国の王様の馬車なのか?」
「何かきらびやかになっているな……」
騎士団は団長がいなくなり、2軍か雑兵でも一番実力のある者が団長に抜擢されているようで、以前のような覇気のある騎士団ではなくなっていた。しかし、貴族達は基本プライドの化け物である。舐められないように馬車や装飾品には金を存分に掛けて、自分達はまだ大丈夫とアピールをしていたのである。
だが、以前グランパス王国に住んでいた平民達はどこか違和感を感じていた。騎士団や馬など部下達はどことなく貧相に見えていたのに、その君主や貴族達だけが目立っていてアンバランスなのである。
本当なら、見た目を気にするのなら、部下の騎士達にも気を使うべきなのだ。
謁見の間に通された、キース国王達は背水の陣で臨んでいた。これ以上NFGに無視をされれば、本当に永きにわたり大陸の覇者だったグランパス王国は、この大陸から名前が消えてしまうからである。
そして、面会に現れたのはケンジではなく、若干25歳のランガスだった。これには、宰相達が目を見開いたのだった。
「貴殿は、ランガス?なんでお主がこの場に!」
「宰相様、お久しぶりです。何でっておかしなことを……私はこの国の外交官ですよ。普通に職務を、まっとうしているに決まっていますが?」
「そうではない!なぜ、ケンジ様がこの場に現れないのかと言っておるのだ!」
「またまた、おかしなことを……こんな強引な訪問をしているのに、ケンジ様のお時間がとれると思っているのですか?」
「こちらは、キース国王がわざわざこの国に訪問しているのだぞ?だったら、そちらも国のトップが対応しないでどうする?失礼ではないか?」
「こちら側としたら、こうなるのは目に見えていたからこそ、ムシュダルク様が何度も事情を説明していたと思いますが?」
「ムぐぐぐ……」
「本来なら、こういう場も設ける事自体ないですがそれでは失礼になる為、私がこうして対応しているのです。失礼どころではなく、本当なら感謝してほしいぐらいなのですよ」
「貴様ぁ、黙って聞いておれば不敬罪で訴えるぞ!」
「何が不敬罪ですか?こうして対応しているから感謝して欲しいと言ったのがおかしいのですか?」
「宰相、もうやめい!このままだと、本当にこの面会は無くなり、この国から追い出される事になるぞ」
「……」
宰相は、キース国王に諫められた。
「早速、本題に入らせてもらう。今回訪問させてもらったのは、NFGの事だ。Freedom国管轄のNFGが、グランパス国領に開設せぬ!早急に開設してほしいのだ。NFGもFreedom国の言う事なら命令に従う。頼むこの通りだ!」
キース国王は、ランガスに交渉したのだった。だが、ランガスはケンジの意向を聞いていた為、首を縦に振ることは無かった。
「申し訳ありません……我が国も、今はそこまでの余裕はないのです」
「なっ⁉」
「考えてもみてください。今、Freedom国は、元ギルドの建て直しているのですよ?」
「だから、その資金を調達する為にも、我が王国にNFGを進出するのではないか」
「それは、貴方達王国側の意見です。Freedom国はギルドの組織の中を見直さないと、同じことの繰り返しになるのです。だから、今は新しく進出するのは愚策と言う以外なにものでもありません」
「では、王国はどうすればいいのだ!」
「それは貴方達が考える事だと思いますが?」
「むぐぐぐ!」
「少なくともFreedom国は、NFGを新しい事をさせることは無いです。これはFreedom国の考えであり、それに反してNFGが勝手に動くことは絶対にありません!」
「では、半年後には必ず約束を守ってもらうぞ?」
「約束と言うのは?」
「馬鹿な事を!書簡には半年後にNFGを進出させると!」
「いやいや……ムシュダルク様の書簡には半年後まで、Freedomは動けないとあったはずです」
「だから、半年後に動くという事だろ?だったら、半年後から……」
「検討に入るとあったはずです!検討と言うのは、動くか撤退するかを決める判断を会議で決定するという事です」
「「「「「馬鹿な!」」」」」
「そんな事になれば本当に王国は!」
「そうならないように頑張ってください!わたし達からそのようにしか言えませんよ」
「なぜだ!なぜそこまで王国を追い込む真似をする?」
「追い込むだなんて言いがかりですよ。王国の事などFreedomには本来関係の無いことです。半年後、王国が持ち直す事が出来れば、まだ国交の価値はありますが、この半年で滅亡すればそれは時代の流れに追いつけなかった王国のせいであって、Freedom国のせいではありません」
「な、な、なんだと!」
「実際そうですよね?Freedomが、グランパス王国に国の事に対して発言権があるというのですか?何か口出ししたら、何か変わっていくのですか?」
「そ、それは……」
「だったら、今の状況を建て直すのは、Freedomではないという事です」
「ムぐぐぐ……」
「まあ、助言の一つでも言ってあげましょう。貴方達のプライドで、着飾って贅沢をしているようですが、そんなプライドは捨てて、その資金を町の為に使った方が、国を建て直すのはより有効ですよ」
ランガスは、キース国王達の凱旋の様子を見て皮肉を言ったのだった。
「ば、ば、ば、馬鹿にするでないわ!お主では話にならん!ケンジを出せ!」
「だから、言っているではないですか。ケンジ様は、忙しくて王国の相手をしている時間が無いと!」
「そんな事言っていいのか?」
「何を言っているのですか?」
「いいか?今、フリーの町の中には、飛龍騎士団の精鋭が3000騎潜入しているのと同じ状況なのだぞ?ワシが一言……」
「馬鹿な事を!」
「それが嫌なら、早くケンジをここに呼べ!」
その言葉を聞き、宰相達もFreedomの首根っこを掴んだと思って、ニヤニヤ嫌らしい笑みを浮かべていた。
ただ、ランガスの言った馬鹿な事とは、そんな事をすればタダで済まないのが王国側だったからだ。ランガスは思っていた。あんな兵士なら鳳凰騎士団が出るまでもなく、町の衛兵だけで十分に対処できると。
「さあ、どうするのだ?町にいる平民達がどうなってもいいと申すのか?」
「それは、Freedom国に戦争を仕掛けると取られてもしょうがないと思うのですが?」
「はっ!町の中に、敵の騎士が入り込んでいて戦争になると思っているのか?」
「そうですか……分かりました……」
「そうか!分かってくれてお互い無血で、話し合いが出来て良かったというものだ!わはははははは!」
キース王とその重鎮である上級貴族達は勝ち誇ったように大笑いした。
「ったく……ランガスの言う事を聞いて、引き下がったなら王国も半年以上は永らえたものを……」
王国の人間を見て、辟易したようにケンジが謁見の間に姿を現したのだった。
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