523 / 619
第10章 Freedom国、経済の中心へ!
70話 誘拐事件
しおりを挟む
ケンジは、ギルとローゼリアに、マリとその両親を陰から見張らせていた。
「ケンジ様?いつまで、ギル達を護衛させておくのですか?」
「まあ、一週間ってとこだろうな……」
「一週間ですか?」
「多分だが、それ以上待っても何も事を起こさなければ、あの元貴族達は俺の言っていた事を分かってくれたと思ってもいいんじゃないかな?」
「学校の方は、校長に注意するように言っておきます」
「ああ!よろしく頼むよ」
ケンジは、ムシュダルクに注意してもらうようにお願いをした。そして、1週間が過ぎても元貴族達は動くことは無く、マリも学校では楽しく過ごせていることが分かった。
ケンジは、もう大丈夫だろうと思い、ギルとローゼリアを護衛の任務を解いた。
ローゼリアは、ケンジの役に立ったと思い、ご褒美を期待しつつケンジから声がかかるのを待っていた。しかし、それ以降何も声がかかる事が無かった事を、不審に思いローゼリアはケンジの所に行ったのだった。
「あの……ご主人様?」
「ん?ローゼリアか?この間はありがとな。あの両親たちは幸せだと聞いているよ」
「……」
ケンジの言葉は、任務が終わった時にギルと共に何回もお礼を言われていた。だが、ローゼリアはそれを望んでいた訳ではなく、システィナが特別にデートに誘ってくれたように、自分にもその特別な事を期待していた。
「どうした?何か問題があったのか?」
「ご主人様……いえ……だから」
「なんだ?何が言いたいんだ?」
「あたしにも、なにかご褒美はいただけないのでしょうか?」
ローゼリアは、勇気を出してケンジに自分の欲求を伝えたのだ。しかし、ケンジはローゼリアの方を向き、何事もなく平静を装い説明し出した。
「お礼は、何回もちゃんと言っただろ?」
「はい。それは聞きました」
「なら、その件に関しては終わりだ。これ以上我儘を言うな」
「そ、そんな……あたしは、任務が終わればご主人様と……」
「そういった事は、もうしないと言っただろ?」
「えっ?」
「俺は今まで、お前達を甘やかして来た。だが、それは今まで俺の部下が奴隷の立場の人間が多かったからだ。しかし、ここにきて奴隷じゃない部下が増えてきた事で、お前達の行動に疑問が生じてきている」
「そ、そんな……あたしはてっきり、システィナのようにデートに誘って貰えるとばかり……」
「もう、そういった報酬は期待しない様にしてくれ!」
「そんな……あたしは、それを期待してがんばったのに……」
「ローゼリア、お前はなにを想って任務に就いていた?俺は。お前にそんなに無理をさせていたか?」
「それは……」
ケンジは、ローゼリアには8時間勤務で、鳳凰騎士団斥侯部隊を派遣し交替させ無理をさせない範囲で、任務にあたらせていた。
当然、屋敷に帰ってきていた時には、一緒に食事をとり普段の生活とあまり変わっていなかった。
「ですが、あたしの通常任務は錬金薬士であって、偵察は特別任務では……」
「だったら、お前は偵察をしていた時も、通常任務をこなしていたと?」
「そ、それは……」
「お前達の任務の報酬は衣食住であって、ちゃんと報酬を支払っていると思うが不満なのか?」
「そんな訳ありません!」
「だったら、その要求はおかしいだろ?」
「そうじゃないのです!あたしはご主人様と、楽しく過ごしたいだけなのです!」
「お前は、今この地点でこの屋敷での生活は、なにかプラスアルファーが無いと楽しく思えないのか?」
「そういう事ではありません……」
「いいか?俺とお前の関係が恋人同士や、マイと同じく夫婦関係であったなら、デートもありうるだろう。しかし、お前は俺との関係を奴隷と望んだんだよ?」
「……」
「たぶんだが、こうして話している間でも世間一般の奴隷達の待遇は、ここの奴隷達とは全然違う待遇を受けているだろ?」
「それは……」
「多分だが、その奴隷達は任務を与えられたら8時間じゃないとおもう。一日睡眠時間は、3時間あればいい方で食事も奴隷食だ。その唯一の楽しみである睡眠も暖かいベットではなく、奴隷部屋に押し込まれている」
ケンジは、本来奴隷とはどういうものかと、コンコンと説明した。
「しかし、俺はそういう事をしたくないし、お前達を仲間だと思っている。だから、衣食住は貴族以上の暮らしを提供しているが、それだけでは不満というのか?」
「そういう事ではなく……あたしはご主人様と、楽しい時間が過ごしたかっただけで……」
「悪いな!俺も人間だ。そういうデートみたいな時間を作るならお前とではなくマイと作りたいよ。お前とは、仲間でありそういった関係ではないから、申し訳ないが諦めてくれ」
ケンジは、はっきりとそういった事はしないと断ったのである。それを聞き、ローエリアは肩を落とし、ケンジの部屋から出て行ってしまった。
ローゼリアが出て行った部屋では、ケンジは一人になり頭を抱えていた。ケンジも又、本来はこういう事などしたくなかった。ローゼリアの望みは、特別報酬と言っているがそういったきっかけを作らないと言いだせ無いことくらい重々承知していた。
だが、もう今までと同じではFreedom国としてやってはいけないのだ。奴隷ではない一般人の職員を雇わないと、国として回らず今までのケンジの立場で動くと歪みが出てきてしまうからだ。
本来なら、ローゼリアの我儘を聞いてもケンジとしては何の問題が無いが、それをやると一般従業員から苦情が殺到してくる。
「主……今、よろしいですか?」
部屋の外から、ギルの声が聞こえてきた。
「ギルか?どうかしたのか?」
「失礼します……先ほどのローゼリアの事なのですが……」
「まさか、お前まで?」
「いえ、私達年配というか、初期メンバーの奴隷はそういう事をもう理解しています」
「そうか、ありがとな……」
「ただ、初期メンバー以外の奴隷達なのですが、やはり……主のここに至っての行動があまりに代わり過ぎなのと、日頃からのコミニュケーション不足で主の心の内が理解できていないのです」
「そうか……ちなみに初期メンバーというのは、テンペの町でしかFreedom店を開いていなかった頃のメンバーか?」
「大体、そんなところでしょうか……」
「そうか、わかったよ」
「ですが、ローゼリアの方は心配しなくてもいいかと思います。私達もこの間まで甘えていて、こんな事は言えないのですが、筆頭奴隷として奴隷達をまとめてみせますので安心してください」
「ああ!よろしく頼むな」
「はい!」
ギルは、そう言って部屋から出ていくのだった。ギルは、その夜各部門のリーダーと奴隷会議を開き、色んな事を話したのだった。
おもに自分達の立場をわきまえ考え直す事を、自分の部下に伝えると言う事だった。ギルも又、斥侯部隊の隊長という立場で、ローゼリアに説明したのだった。
そして、それから3週間が経ったある日事件が起きた。学校で行方不明者が出たのである。
学校では、二日続けてその人物が無断で学校に来ない事を不審に思い、教師が家庭訪問を行ったがその家族が留守だったので、その日はなにもせず引き返したのだった。
しかし次の日も、その生徒が学校を休み再度家庭訪問をしたが、家の中に人の気配がしないので、周りの人に行方を聞いたのだが、誰も知らないといわれて引き返すしかなかったのだ。
そして、学校側としては衛兵に通報するしかなくそのままとなった。衛兵達も、一般の事件として処理をして報告書としてあげただけである。
そして、ようやくその報告書がケンジのもとに挙がってくることになり、ケンジはその報告書を見て顔が青ざめる事になった。そして、至急学校責任者と衛兵達を呼び出す事にした。
「ケンジ様?いつまで、ギル達を護衛させておくのですか?」
「まあ、一週間ってとこだろうな……」
「一週間ですか?」
「多分だが、それ以上待っても何も事を起こさなければ、あの元貴族達は俺の言っていた事を分かってくれたと思ってもいいんじゃないかな?」
「学校の方は、校長に注意するように言っておきます」
「ああ!よろしく頼むよ」
ケンジは、ムシュダルクに注意してもらうようにお願いをした。そして、1週間が過ぎても元貴族達は動くことは無く、マリも学校では楽しく過ごせていることが分かった。
ケンジは、もう大丈夫だろうと思い、ギルとローゼリアを護衛の任務を解いた。
ローゼリアは、ケンジの役に立ったと思い、ご褒美を期待しつつケンジから声がかかるのを待っていた。しかし、それ以降何も声がかかる事が無かった事を、不審に思いローゼリアはケンジの所に行ったのだった。
「あの……ご主人様?」
「ん?ローゼリアか?この間はありがとな。あの両親たちは幸せだと聞いているよ」
「……」
ケンジの言葉は、任務が終わった時にギルと共に何回もお礼を言われていた。だが、ローゼリアはそれを望んでいた訳ではなく、システィナが特別にデートに誘ってくれたように、自分にもその特別な事を期待していた。
「どうした?何か問題があったのか?」
「ご主人様……いえ……だから」
「なんだ?何が言いたいんだ?」
「あたしにも、なにかご褒美はいただけないのでしょうか?」
ローゼリアは、勇気を出してケンジに自分の欲求を伝えたのだ。しかし、ケンジはローゼリアの方を向き、何事もなく平静を装い説明し出した。
「お礼は、何回もちゃんと言っただろ?」
「はい。それは聞きました」
「なら、その件に関しては終わりだ。これ以上我儘を言うな」
「そ、そんな……あたしは、任務が終わればご主人様と……」
「そういった事は、もうしないと言っただろ?」
「えっ?」
「俺は今まで、お前達を甘やかして来た。だが、それは今まで俺の部下が奴隷の立場の人間が多かったからだ。しかし、ここにきて奴隷じゃない部下が増えてきた事で、お前達の行動に疑問が生じてきている」
「そ、そんな……あたしはてっきり、システィナのようにデートに誘って貰えるとばかり……」
「もう、そういった報酬は期待しない様にしてくれ!」
「そんな……あたしは、それを期待してがんばったのに……」
「ローゼリア、お前はなにを想って任務に就いていた?俺は。お前にそんなに無理をさせていたか?」
「それは……」
ケンジは、ローゼリアには8時間勤務で、鳳凰騎士団斥侯部隊を派遣し交替させ無理をさせない範囲で、任務にあたらせていた。
当然、屋敷に帰ってきていた時には、一緒に食事をとり普段の生活とあまり変わっていなかった。
「ですが、あたしの通常任務は錬金薬士であって、偵察は特別任務では……」
「だったら、お前は偵察をしていた時も、通常任務をこなしていたと?」
「そ、それは……」
「お前達の任務の報酬は衣食住であって、ちゃんと報酬を支払っていると思うが不満なのか?」
「そんな訳ありません!」
「だったら、その要求はおかしいだろ?」
「そうじゃないのです!あたしはご主人様と、楽しく過ごしたいだけなのです!」
「お前は、今この地点でこの屋敷での生活は、なにかプラスアルファーが無いと楽しく思えないのか?」
「そういう事ではありません……」
「いいか?俺とお前の関係が恋人同士や、マイと同じく夫婦関係であったなら、デートもありうるだろう。しかし、お前は俺との関係を奴隷と望んだんだよ?」
「……」
「たぶんだが、こうして話している間でも世間一般の奴隷達の待遇は、ここの奴隷達とは全然違う待遇を受けているだろ?」
「それは……」
「多分だが、その奴隷達は任務を与えられたら8時間じゃないとおもう。一日睡眠時間は、3時間あればいい方で食事も奴隷食だ。その唯一の楽しみである睡眠も暖かいベットではなく、奴隷部屋に押し込まれている」
ケンジは、本来奴隷とはどういうものかと、コンコンと説明した。
「しかし、俺はそういう事をしたくないし、お前達を仲間だと思っている。だから、衣食住は貴族以上の暮らしを提供しているが、それだけでは不満というのか?」
「そういう事ではなく……あたしはご主人様と、楽しい時間が過ごしたかっただけで……」
「悪いな!俺も人間だ。そういうデートみたいな時間を作るならお前とではなくマイと作りたいよ。お前とは、仲間でありそういった関係ではないから、申し訳ないが諦めてくれ」
ケンジは、はっきりとそういった事はしないと断ったのである。それを聞き、ローエリアは肩を落とし、ケンジの部屋から出て行ってしまった。
ローゼリアが出て行った部屋では、ケンジは一人になり頭を抱えていた。ケンジも又、本来はこういう事などしたくなかった。ローゼリアの望みは、特別報酬と言っているがそういったきっかけを作らないと言いだせ無いことくらい重々承知していた。
だが、もう今までと同じではFreedom国としてやってはいけないのだ。奴隷ではない一般人の職員を雇わないと、国として回らず今までのケンジの立場で動くと歪みが出てきてしまうからだ。
本来なら、ローゼリアの我儘を聞いてもケンジとしては何の問題が無いが、それをやると一般従業員から苦情が殺到してくる。
「主……今、よろしいですか?」
部屋の外から、ギルの声が聞こえてきた。
「ギルか?どうかしたのか?」
「失礼します……先ほどのローゼリアの事なのですが……」
「まさか、お前まで?」
「いえ、私達年配というか、初期メンバーの奴隷はそういう事をもう理解しています」
「そうか、ありがとな……」
「ただ、初期メンバー以外の奴隷達なのですが、やはり……主のここに至っての行動があまりに代わり過ぎなのと、日頃からのコミニュケーション不足で主の心の内が理解できていないのです」
「そうか……ちなみに初期メンバーというのは、テンペの町でしかFreedom店を開いていなかった頃のメンバーか?」
「大体、そんなところでしょうか……」
「そうか、わかったよ」
「ですが、ローゼリアの方は心配しなくてもいいかと思います。私達もこの間まで甘えていて、こんな事は言えないのですが、筆頭奴隷として奴隷達をまとめてみせますので安心してください」
「ああ!よろしく頼むな」
「はい!」
ギルは、そう言って部屋から出ていくのだった。ギルは、その夜各部門のリーダーと奴隷会議を開き、色んな事を話したのだった。
おもに自分達の立場をわきまえ考え直す事を、自分の部下に伝えると言う事だった。ギルも又、斥侯部隊の隊長という立場で、ローゼリアに説明したのだった。
そして、それから3週間が経ったある日事件が起きた。学校で行方不明者が出たのである。
学校では、二日続けてその人物が無断で学校に来ない事を不審に思い、教師が家庭訪問を行ったがその家族が留守だったので、その日はなにもせず引き返したのだった。
しかし次の日も、その生徒が学校を休み再度家庭訪問をしたが、家の中に人の気配がしないので、周りの人に行方を聞いたのだが、誰も知らないといわれて引き返すしかなかったのだ。
そして、学校側としては衛兵に通報するしかなくそのままとなった。衛兵達も、一般の事件として処理をして報告書としてあげただけである。
そして、ようやくその報告書がケンジのもとに挙がってくることになり、ケンジはその報告書を見て顔が青ざめる事になった。そして、至急学校責任者と衛兵達を呼び出す事にした。
0
お気に入りに追加
2,450
あなたにおすすめの小説
悪役令嬢の選んだ末路〜嫌われ妻は愛する夫に復讐を果たします〜
ノルジャン
恋愛
モアーナは夫のオセローに嫌われていた。夫には白い結婚を続け、お互いに愛人をつくろうと言われたのだった。それでも彼女はオセローを愛していた。だが自尊心の強いモアーナはやはり結婚生活に耐えられず、愛してくれない夫に復讐を果たす。その復讐とは……?
※残酷な描写あり
⭐︎6話からマリー、9話目からオセロー視点で完結。
ムーンライトノベルズ からの転載です。
ドン引きするくらいエッチなわたしに年下の彼ができました
中七七三
恋愛
わたしっておかしいの?
小さいころからエッチなことが大好きだった。
そして、小学校のときに起こしてしまった事件。
「アナタ! 女の子なのになにしてるの!」
その母親の言葉が大人になっても頭から離れない。
エッチじゃいけないの?
でも、エッチは大好きなのに。
それでも……
わたしは、男の人と付き合えない――
だって、男の人がドン引きするぐらい
エッチだったから。
嫌われるのが怖いから。
ポンコツ女子は異世界で甘やかされる(R18ルート)
三ツ矢美咲
ファンタジー
投稿済み同タイトル小説の、ifルート・アナザーエンド・R18エピソード集。
各話タイトルの章を本編で読むと、より楽しめるかも。
第?章は前知識不要。
基本的にエロエロ。
本編がちょいちょい小難しい分、こっちはアホな話も書く予定。
一旦中断!詳細は近況を!
【完結】溺愛予告~御曹司の告白躱します~
蓮美ちま
恋愛
モテる彼氏はいらない。
嫉妬に身を焦がす恋愛はこりごり。
だから、仲の良い同期のままでいたい。
そう思っているのに。
今までと違う甘い視線で見つめられて、
“女”扱いしてるって私に気付かせようとしてる気がする。
全部ぜんぶ、勘違いだったらいいのに。
「勘違いじゃないから」
告白したい御曹司と
告白されたくない小ボケ女子
ラブバトル開始
二人の公爵令嬢 どうやら愛されるのはひとりだけのようです
矢野りと
恋愛
ある日、マーコック公爵家の屋敷から一歳になったばかりの娘の姿が忽然と消えた。
それから十六年後、リディアは自分が公爵令嬢だと知る。
本当の家族と感動の再会を果たし、温かく迎え入れられたリディア。
しかし、公爵家には自分と同じ年齢、同じ髪の色、同じ瞳の子がすでにいた。その子はリディアの身代わりとして縁戚から引き取られた養女だった。
『シャロンと申します、お姉様』
彼女が口にしたのは、両親が生まれたばかりのリディアに贈ったはずの名だった。
家族の愛情も本当の名前も婚約者も、すでにその子のものだと気づくのに時間は掛からなかった。
自分の居場所を見つけられず、葛藤するリディア。
『……今更見つかるなんて……』
ある晩、母である公爵夫人の本音を聞いてしまい、リディアは家族と距離を置こうと決意する。
これ以上、傷つくのは嫌だから……。
けれども、公爵家を出たリディアを家族はそっとしておいてはくれず……。
――どうして誘拐されたのか、誰にひとりだけ愛されるのか。それぞれの事情が絡み合っていく。
◇家族との関係に悩みながらも、自分らしく生きようと奮闘するリディア。そんな彼女が自分の居場所を見つけるお話です。
※この作品の設定は架空のものです。
※作品の内容が合わない時は、そっと閉じていただければ幸いです(_ _)
※感想欄のネタバレ配慮はありません。
※執筆中は余裕がないため、感想への返信はお礼のみになっておりますm(_ _;)m
妹が私の婚約者を奪った癖に、返したいと言ってきたので断った
ルイス
恋愛
伯爵令嬢のファラ・イグリオは19歳の誕生日に侯爵との婚約が決定した。
昔からひたむきに続けていた貴族令嬢としての努力が報われた感じだ。
しかし突然、妹のシェリーによって奪われてしまう。
両親もシェリーを優先する始末で、ファラの婚約は解消されてしまった。
「お前はお姉さんなのだから、我慢できるだろう? お前なら他にも良い相手がきっと見つかるさ」
父親からの無常な一言にファラは愕然としてしまう。彼女は幼少の頃から自分の願いが聞き届けられた
ことなど1つもなかった。努力はきっと報われる……そう信じて頑張って来たが、今回の件で心が折れそうになっていた。
だが、ファラの努力を知っていた幼馴染の公爵令息に助けられることになる。妹のシェリーは侯爵との婚約が思っていたのと違うということで、返したいと言って来るが……はあ? もう遅いわよ。
拝啓、婚約者様。ごきげんよう。そしてさようなら
みおな
恋愛
子爵令嬢のクロエ・ルーベンスは今日も《おひとり様》で夜会に参加する。
公爵家を継ぐ予定の婚約者がいながら、だ。
クロエの婚約者、クライヴ・コンラッド公爵令息は、婚約が決まった時から一度も婚約者としての義務を果たしていない。
クライヴは、ずっと義妹のファンティーヌを優先するからだ。
「ファンティーヌが熱を出したから、出かけられない」
「ファンティーヌが行きたいと言っているから、エスコートは出来ない」
「ファンティーヌが」
「ファンティーヌが」
だからクロエは、学園卒業式のパーティーで顔を合わせたクライヴに、にっこりと微笑んで伝える。
「私のことはお気になさらず」
今さら、私に構わないでください
ましゅぺちーの
恋愛
愛する夫が恋をした。
彼を愛していたから、彼女を側妃に迎えるように進言した。
愛し合う二人の前では私は悪役。
幸せそうに微笑み合う二人を見て、私は彼への愛を捨てた。
しかし、夫からの愛を完全に諦めるようになると、彼の態度が少しずつ変化していって……?
タイトル変更しました。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる