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第10章 Freedom国、経済の中心へ!
66話 ケンジへの苦言
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ケンジが、隷属の首輪を解析し始めて、3か月の時間が経ったある日、システィナがケンジの所にやって来た。
「ご主人様!いつまで隷属の首輪を調べているのですか?」
「いつまでって、そりゃ……解放しても、奴隷紋が残らないようになるまでだよ」
「ご主人様は、そんなにあたし達が邪魔になっているのですか……」
「そんなわけないだろ。今更、何を言ってんだ?」
「だって、ご主人様は最近秘書を雇い、あたし達を側にいさせてくれないじゃありませんか?」
「オイオイ……何を泣いてんだよ。俺の側にいないとお前達は生きられないのか?」
「だって……あたし達の誰かを、側に置いていたらいいのに、なんでわざわざお金を払ってまで、秘書や一般人を雇うのですか?」
「ったく……お前達は、いつからそんな軟弱になってしまったんだ?」
「軟弱って……」
「オリヴィア達も隠れてないで、部屋に入って来い!」
そこには、オリヴィアを始めプリム達もぞろぞろ部屋に入って来た。
「「「「「ご主人様!」」」」」
「お前達の言う事は、なんとなくわかるから言わなくてもいいが、そんな情けない顔をするな」
「「「「「だってぇ……」」」」」
「いいか?よく聞け。お前達は何を勘違いしているんだ?奴隷から解放されたら、俺との付き合いは無くなってしまうのか?違うだろ?それとも、仮にお前達の奴隷解放がなったなら、お前達はこの国を出ていくつもりなのか?」
「「「「そんなことは、絶対にありません!」」」」」
「だったら、なぜそんなに子供のように駄々をこねる?」
「ご主人様は、あたし達に愛想を尽かせて、解放させようと思っているんだ……」
「ローゼリア、お前まで何を言っているんだ?」
あの、ローゼリアももう成人して立派な女性となっていた。久しぶりにケンジと話しているのは、元ブラックスペンサー諜報部員見習いの女性である。
「でも、あたし達はご主人様の奴隷から解放を望んでいません!なのに、ご主人様は奴隷解放といい、隷属の首輪の研究ばかりして、そんなにあたし達が邪魔になったのですか?」
「だから、何回も言う様に奴隷解放したら、俺達の関係がどう変わる?何も変わらないだろ?」
「変わりますよ!」
「どんなふうに?」
「こうして夜に、ご主人様とご飯が食べれなくなるし、ご主人様からなにか命令もされる事もないし、あたし達はこの屋敷から出て行かないといけなくなり、ご主人様と離れ離れになるのが耐えられないんです!」
「それは、奴隷解放となればお前達は自分達で金を稼ぎ、独り立ちとなるからしょうがないだろ?だが、お前達の才覚で人生を自由に過ごしていけるんだぞ?」
「あたしは、そんなのいりません!そういうのは望んでいないのです!」
そこに、ケンジの書斎の扉がノックされ、秘書のシャイアが入って来た。
「ケンジ様失礼します。ちょっとよろしいでしょうか?」
「シャイア、なんだ?次の仕事は今日はもうないはずだよな?」
「えぇ、今日はもう仕事はございません。わたしが用があるのは、そこにいる奴隷達にです」
シャイアは、システィナ達に向き合い睨んだ。
「貴方達少しよろしいですか?」
「シャイアさんなんでしょうか?」
「貴方達は、ケンジ様に甘え過ぎではないですか?」
「何で、シャイアさんにそんなことを言われないといけないのですか?あたし達は、ご主人様と今の関係で居たいのです!奴隷解放なんて望んでいません」
「貴方達は間違っています!ケンジ様は、この国から犯罪奴隷以外を無くそうと頑張っておられます。なのに、貴方達は主のやっていることを否定してばかりで、足を引っ張ろうとしているのが分からないのですか?」
シャイアの言葉に、システィナ達は押し黙ってしまった。
「あたし達は、ご主人様の足を……まだ引っ張っているのですか?」
「どう考えても引っ張っているじゃないですか?ケンジ様程、奴隷達の事を考えてくれている主人はいないという事を肝に命じなさい!」
「ですが、あたし達は解放を望んでいないのです……他の事なら命令されても従います。ですが、あたし達はご主人様から離れたくないのです」
「ったく、貴方達は本当に愚かですね……ケンジ様程、貴方達の事を考えてくれている主人は、世の中にはいないと言っているでしょ?」
「だから、あたし達は……」
「いいですね?先ほど私が言ったことを、肝に銘じて個人個人でよく考えなさい!そうじゃないと貴方達は、本当にケンジ様から愛想を尽かされますよ?いいのですか?」
「「「「「そ、そんな!」」」」」
「もういいから部屋から出なさい!ケンジ様の仕事の邪魔をするつもりですか?」
そういって、シャイアはシスティナ達を書斎から追い出してしまった。部屋から出された、システィナ達は肩を落として、自分達の持ち場に戻るしかなかった。
「ったく……あの子達は、本当にケンジ様の事分かっていないんだから……」
「シャイア、ありがとな。お前達がいて本当に助かるよ」
「ケンジ様、貴方にもあの子達以上に、言いたいことがいっぱいあります。何故、もっとしっかり教育をしないのですか?」
「だってよう……」
「だってじゃありません!あの子達は奴隷の解放を望んでないと言うこと自体、普通はおかしい事を理解してないのです。基本的に主人の言った事は絶対であり、逆らわないのが奴隷の立場なんですよ?」
「しかし、俺はあいつ等の事を……」
「奴隷と思っていない!でしょ?もう聞きあきました」
「分かっているじゃないか?」
「奴隷と思っていないのなら、今この場ですぐに解放したらいいじゃないですか?」
「おい!そんな事できないのは、シャイアもよく知っているだろ?」
「わかってますよ。でも、奴隷と思っていないのですよね?」
「いい加減にしないと、俺も怒るぞ?」
「えぇ!怒るなら怒りなさいよ!」
「シャイア!」
「ここで怒ったなら、私はケンジ様を見損ない軽蔑します!」
「なんでだよ!」
「いいですか?ケンジ様は、システィナ達を仲間とよく言っていますが、世間から見たらどう考えてもあの人間は奴隷なのです。解放しない……いや、出来ないのであれば主人として接するようにしないと、あのような我儘な奴隷に
なるのが分からないのですか?」
「うぐっ……」
「それに、ケンジ様はシスティナ達が望むのなら、解放をしようとわたしに言っていたではありませんか?つまり、その研究が上手く行き奴隷紋がすぐ消えても、あの子達が解放を望まないのであればしないという事を、ちゃんと伝えるべきじゃないんですか?」
「そ、それは……」
「ケンジ様は、いつも秘密主義になさるから何かポリシーがあるのかもしれませんが、やり方が間違っていると思います!」
「……」
「今やっている研究は、これから出てくるであろう奴隷達の為のものであって、システィナ達を解放する為じゃないと、はっきり伝えてあげてください!そうすれば、あの子達の心配事は無くなり、もうちょっとマシになるかと思います」
「……」
ケンジは、完璧なまでにシャイアに言い負かされてしまった。そして、ケンジのよく言っている、『出し惜しみは知っている者の特権だ!』という言葉は、時と場合によって仲間に使うものじゃないと、シャイアにコンコンと怒られたのだった。
そして、ケンジは長時間正座をさせられ、シャイアに説教をされた。システィナ達を解放しないのであればそれを伝える事、ケンジは仲間と言っているが都合の良い風に扱っている事、奴隷から解放しないのであれば主人として責任を果たすようにと、ケンジは耳にタコが出来るほど言い聞かされた。
「それじゃ、ケンジ様よく考えてくださいね!」
「は、はい……」
シャイアが、部屋から出て行ったのは4時間後の事だった。
「お、終わった……このFreedomで、一番怖いのはシャイアだな!」
その時、書斎の扉がカチャリと開いた。その音にケンジの身体がビクッと跳ね上がり、背筋がピンと伸びたのだった。
「あなた、みっちり絞られたみたいね」
マイがクスクス笑いながら、書斎に入って来た。
「なんだ、マイかよ……びっくりさせんなよ……」
「でも、あなたがシスティナ達の扱いが、普通じゃないとよくわかったんじゃないの?」
「ああ……それは分かったけど、俺はやっぱりシスティナ達を奴隷のあつかいは……」
「あっそう?シャイア~!ケンちゃんは、まだわかっていな……もごもご……」
「わぁ~!馬鹿馬鹿!いきなり何、大声で言ってんだよ!」
ケンジは、急いでマイの口を押さえて、言葉を出ないようにした。
「もごもご……」(だって……)
「もうシャイアを怒らせないでくれよ……」
「もごもごもごもご……」(あなた全然わかってないじゃない)
「何言ってんだか全然わからねえよ」
マイは、ケンジの手を外し文句を言った。
「シャイアの言っていたことが、まだわからないようだから悪いのよ」
「だけど……実際の所、俺がシスティナ達を奴隷にように扱う所を想像できるか?できないだろ?」
「いやいや……シャイアは、そんな事言ってなかったじゃない。あなたに、奴隷達の主人として教育をしろと言ってたでしょ?」
「だから、奴隷のように我儘を言わせない様にするんだろ?」
「まったく、あなたは自分の事となるとどうして物分かりが悪いのよ。システィナ達を、奴隷のように扱えと誰が言ったのよ?」
「言ってなかったな……」
「システィナ達を、甘やかすなと言っただけで、大事なところは伝えて教育しろと言っただけでしょ?後は、今まで通りの付き合いでいいんじゃないの?」
「な、なるほど……だったら、もっとわかりやすく……」
「あなたがそれを言うの⁉それこそ驚きよ!」
「あっ……」
「まあ、今度からシャイアには感謝しないとね。仮にも、国王にあれだけ苦言を言うのは、相当勇気がいったと思うわよ」
ケンジは、マイの言葉にやっと気づくことが出来た。自分も、今の状況に慣れてしまい、周りの事が分からなくなっていたからだ。
シャイアを始め、一般の人間達に気を遣わせていた事を思い知ったのだった。
「ご主人様!いつまで隷属の首輪を調べているのですか?」
「いつまでって、そりゃ……解放しても、奴隷紋が残らないようになるまでだよ」
「ご主人様は、そんなにあたし達が邪魔になっているのですか……」
「そんなわけないだろ。今更、何を言ってんだ?」
「だって、ご主人様は最近秘書を雇い、あたし達を側にいさせてくれないじゃありませんか?」
「オイオイ……何を泣いてんだよ。俺の側にいないとお前達は生きられないのか?」
「だって……あたし達の誰かを、側に置いていたらいいのに、なんでわざわざお金を払ってまで、秘書や一般人を雇うのですか?」
「ったく……お前達は、いつからそんな軟弱になってしまったんだ?」
「軟弱って……」
「オリヴィア達も隠れてないで、部屋に入って来い!」
そこには、オリヴィアを始めプリム達もぞろぞろ部屋に入って来た。
「「「「「ご主人様!」」」」」
「お前達の言う事は、なんとなくわかるから言わなくてもいいが、そんな情けない顔をするな」
「「「「「だってぇ……」」」」」
「いいか?よく聞け。お前達は何を勘違いしているんだ?奴隷から解放されたら、俺との付き合いは無くなってしまうのか?違うだろ?それとも、仮にお前達の奴隷解放がなったなら、お前達はこの国を出ていくつもりなのか?」
「「「「そんなことは、絶対にありません!」」」」」
「だったら、なぜそんなに子供のように駄々をこねる?」
「ご主人様は、あたし達に愛想を尽かせて、解放させようと思っているんだ……」
「ローゼリア、お前まで何を言っているんだ?」
あの、ローゼリアももう成人して立派な女性となっていた。久しぶりにケンジと話しているのは、元ブラックスペンサー諜報部員見習いの女性である。
「でも、あたし達はご主人様の奴隷から解放を望んでいません!なのに、ご主人様は奴隷解放といい、隷属の首輪の研究ばかりして、そんなにあたし達が邪魔になったのですか?」
「だから、何回も言う様に奴隷解放したら、俺達の関係がどう変わる?何も変わらないだろ?」
「変わりますよ!」
「どんなふうに?」
「こうして夜に、ご主人様とご飯が食べれなくなるし、ご主人様からなにか命令もされる事もないし、あたし達はこの屋敷から出て行かないといけなくなり、ご主人様と離れ離れになるのが耐えられないんです!」
「それは、奴隷解放となればお前達は自分達で金を稼ぎ、独り立ちとなるからしょうがないだろ?だが、お前達の才覚で人生を自由に過ごしていけるんだぞ?」
「あたしは、そんなのいりません!そういうのは望んでいないのです!」
そこに、ケンジの書斎の扉がノックされ、秘書のシャイアが入って来た。
「ケンジ様失礼します。ちょっとよろしいでしょうか?」
「シャイア、なんだ?次の仕事は今日はもうないはずだよな?」
「えぇ、今日はもう仕事はございません。わたしが用があるのは、そこにいる奴隷達にです」
シャイアは、システィナ達に向き合い睨んだ。
「貴方達少しよろしいですか?」
「シャイアさんなんでしょうか?」
「貴方達は、ケンジ様に甘え過ぎではないですか?」
「何で、シャイアさんにそんなことを言われないといけないのですか?あたし達は、ご主人様と今の関係で居たいのです!奴隷解放なんて望んでいません」
「貴方達は間違っています!ケンジ様は、この国から犯罪奴隷以外を無くそうと頑張っておられます。なのに、貴方達は主のやっていることを否定してばかりで、足を引っ張ろうとしているのが分からないのですか?」
シャイアの言葉に、システィナ達は押し黙ってしまった。
「あたし達は、ご主人様の足を……まだ引っ張っているのですか?」
「どう考えても引っ張っているじゃないですか?ケンジ様程、奴隷達の事を考えてくれている主人はいないという事を肝に命じなさい!」
「ですが、あたし達は解放を望んでいないのです……他の事なら命令されても従います。ですが、あたし達はご主人様から離れたくないのです」
「ったく、貴方達は本当に愚かですね……ケンジ様程、貴方達の事を考えてくれている主人は、世の中にはいないと言っているでしょ?」
「だから、あたし達は……」
「いいですね?先ほど私が言ったことを、肝に銘じて個人個人でよく考えなさい!そうじゃないと貴方達は、本当にケンジ様から愛想を尽かされますよ?いいのですか?」
「「「「「そ、そんな!」」」」」
「もういいから部屋から出なさい!ケンジ様の仕事の邪魔をするつもりですか?」
そういって、シャイアはシスティナ達を書斎から追い出してしまった。部屋から出された、システィナ達は肩を落として、自分達の持ち場に戻るしかなかった。
「ったく……あの子達は、本当にケンジ様の事分かっていないんだから……」
「シャイア、ありがとな。お前達がいて本当に助かるよ」
「ケンジ様、貴方にもあの子達以上に、言いたいことがいっぱいあります。何故、もっとしっかり教育をしないのですか?」
「だってよう……」
「だってじゃありません!あの子達は奴隷の解放を望んでないと言うこと自体、普通はおかしい事を理解してないのです。基本的に主人の言った事は絶対であり、逆らわないのが奴隷の立場なんですよ?」
「しかし、俺はあいつ等の事を……」
「奴隷と思っていない!でしょ?もう聞きあきました」
「分かっているじゃないか?」
「奴隷と思っていないのなら、今この場ですぐに解放したらいいじゃないですか?」
「おい!そんな事できないのは、シャイアもよく知っているだろ?」
「わかってますよ。でも、奴隷と思っていないのですよね?」
「いい加減にしないと、俺も怒るぞ?」
「えぇ!怒るなら怒りなさいよ!」
「シャイア!」
「ここで怒ったなら、私はケンジ様を見損ない軽蔑します!」
「なんでだよ!」
「いいですか?ケンジ様は、システィナ達を仲間とよく言っていますが、世間から見たらどう考えてもあの人間は奴隷なのです。解放しない……いや、出来ないのであれば主人として接するようにしないと、あのような我儘な奴隷に
なるのが分からないのですか?」
「うぐっ……」
「それに、ケンジ様はシスティナ達が望むのなら、解放をしようとわたしに言っていたではありませんか?つまり、その研究が上手く行き奴隷紋がすぐ消えても、あの子達が解放を望まないのであればしないという事を、ちゃんと伝えるべきじゃないんですか?」
「そ、それは……」
「ケンジ様は、いつも秘密主義になさるから何かポリシーがあるのかもしれませんが、やり方が間違っていると思います!」
「……」
「今やっている研究は、これから出てくるであろう奴隷達の為のものであって、システィナ達を解放する為じゃないと、はっきり伝えてあげてください!そうすれば、あの子達の心配事は無くなり、もうちょっとマシになるかと思います」
「……」
ケンジは、完璧なまでにシャイアに言い負かされてしまった。そして、ケンジのよく言っている、『出し惜しみは知っている者の特権だ!』という言葉は、時と場合によって仲間に使うものじゃないと、シャイアにコンコンと怒られたのだった。
そして、ケンジは長時間正座をさせられ、シャイアに説教をされた。システィナ達を解放しないのであればそれを伝える事、ケンジは仲間と言っているが都合の良い風に扱っている事、奴隷から解放しないのであれば主人として責任を果たすようにと、ケンジは耳にタコが出来るほど言い聞かされた。
「それじゃ、ケンジ様よく考えてくださいね!」
「は、はい……」
シャイアが、部屋から出て行ったのは4時間後の事だった。
「お、終わった……このFreedomで、一番怖いのはシャイアだな!」
その時、書斎の扉がカチャリと開いた。その音にケンジの身体がビクッと跳ね上がり、背筋がピンと伸びたのだった。
「あなた、みっちり絞られたみたいね」
マイがクスクス笑いながら、書斎に入って来た。
「なんだ、マイかよ……びっくりさせんなよ……」
「でも、あなたがシスティナ達の扱いが、普通じゃないとよくわかったんじゃないの?」
「ああ……それは分かったけど、俺はやっぱりシスティナ達を奴隷のあつかいは……」
「あっそう?シャイア~!ケンちゃんは、まだわかっていな……もごもご……」
「わぁ~!馬鹿馬鹿!いきなり何、大声で言ってんだよ!」
ケンジは、急いでマイの口を押さえて、言葉を出ないようにした。
「もごもご……」(だって……)
「もうシャイアを怒らせないでくれよ……」
「もごもごもごもご……」(あなた全然わかってないじゃない)
「何言ってんだか全然わからねえよ」
マイは、ケンジの手を外し文句を言った。
「シャイアの言っていたことが、まだわからないようだから悪いのよ」
「だけど……実際の所、俺がシスティナ達を奴隷にように扱う所を想像できるか?できないだろ?」
「いやいや……シャイアは、そんな事言ってなかったじゃない。あなたに、奴隷達の主人として教育をしろと言ってたでしょ?」
「だから、奴隷のように我儘を言わせない様にするんだろ?」
「まったく、あなたは自分の事となるとどうして物分かりが悪いのよ。システィナ達を、奴隷のように扱えと誰が言ったのよ?」
「言ってなかったな……」
「システィナ達を、甘やかすなと言っただけで、大事なところは伝えて教育しろと言っただけでしょ?後は、今まで通りの付き合いでいいんじゃないの?」
「な、なるほど……だったら、もっとわかりやすく……」
「あなたがそれを言うの⁉それこそ驚きよ!」
「あっ……」
「まあ、今度からシャイアには感謝しないとね。仮にも、国王にあれだけ苦言を言うのは、相当勇気がいったと思うわよ」
ケンジは、マイの言葉にやっと気づくことが出来た。自分も、今の状況に慣れてしまい、周りの事が分からなくなっていたからだ。
シャイアを始め、一般の人間達に気を遣わせていた事を思い知ったのだった。
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