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第10章 Freedom国、経済の中心へ!
61話 鳳凰騎士団の強さ
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ヴァンデインは、鳳凰騎士団隊長見習いとして、入団することが出来た。支給される装備は、鉄鉱石で作られたプレートメイルであり、ただのノーマル品である。隊長クラスの人間はレザーアーマーといった感じで、聖教国にいた時に比べたら雲泥の差だった。
「おい!新入り!もっと早く走らないか!早朝訓練だけで1日が終わってしまうぞ!」
「ぜえぜえぜえ!すいませ……ん……」
ヴァンデインや、少し腕に覚えのある者は何とかその訓練について行っていたが、隊長クラスの人間は訓練の辛さに気絶してしまう程だった。
しかし、新人のヴァンデイン達は、訓練場でのマラソンは重りのない恰好でやっていたが、上司である2軍は20kgの重りを背負ってでのマラソンを軽々とこなしていて、基本体力そのものが違っていた。
「な、何でそんな重りをつけて、そんな速さで走れるのですか?」
「何を言っている!こんなのは重さの内には入らんぞ!1軍の方々は、40kgの重りをつけて俺達より早く走るんだからな……」
ヴァンデイン達は、その言葉に開いた口が塞がらなかった。そして、衝撃の事実を聞かされることになる。
「何驚いてんだ?ここでは普通の事だし、1軍に上がるまではダンジョン遠征には行けないし、3軍の間は基礎トレーニングしか出来ないんだぞ?」
「「「「なっ⁉」」」」
「それじゃ、我々が活躍できる場は?」
「まあ、そんなことを心配する以前の問題だな……だが、これはケンジ様の温情でもあるらしいぞ」
「活躍をさせてくれないのに何が温情だ!」
「まあ、待てよ!あんたって聖教国で団長をやってたんだろ?」
「ああ!実力はあるつもりだ‼」
「だがな?この国から守る相手は、超級ダンジョンや極級ダンジョンのボスらしいんだよ!それに今では、すっかり様変わりした地上の魔の森……それらが対象だ!」
「だからなんだ!我らは極級ダンジョンの警備を!」
「それは分かっているんだが、ここでの警備は1パーティでやるものなんだよ?」
「はぁあ?なんで1パーティーなんだ?連合を組めばいいじゃないか!」
「1パーティー10人が、ダンジョンでは最も動きやすい人数だからな!しょうがないと思うだろ。だから、10人でも魔物に殺されない程の実力をつけるまで、討伐はさせてもらえないんだよ!」
「何でそんな……」
「ただ、町がスタンピードに襲われた場合や他国が攻めてきた場合は、俺達も連合軍として出陣しないといけないんだけどな」
ヴァンデイン達は、上司である2軍の兵士にそのように話をされた。ここでの訓練は、単純だが厳しくずっと基礎トレーニングばかりだった。
魔物を倒すわけではないので、トレーニングでレベルが上がっていく事になり、効率が悪いと思うのだが、ステータスの基本値があまりに低い事もあり、魔物に殺されてしまう恐れがあるのである。そして、組手や段取りをすることで、実戦に近いトレーニングもしたりする。
「お前達!今日は本当に気合を入れないと、死んでしまうから気をつけろよ!」
その言葉に、3軍のメンバー達は騒めいた。訓練場にはSランクの魔物の、ブラッドシープライアーが立っていたのである。
この魔物は、羊の顔を持った赤い羊毛を纏った悪魔族でありその羊毛で物理攻撃を80%軽減する。弱点は光と火属性魔法でありそれでも光は30%、火属性は50%軽減する。
普段ダンジョンで遭遇した場合、テンプルナイトでは太刀打ちできない魔物である。ここにいるのは一匹だが、ダンジョンで遭遇した場合、群れているのが普通でその数はゆうに100匹を超え襲ってくるのだ。
「ブラッドシープライアーだと!何故こんな所に!」
「めえええええ!めえええええ!」
ブラッドシープライアーは、戦闘態勢でこちらを威嚇してきたのである。
「この国は、魔物が出入りしているのか?」
「お前!五月蠅いぞ!めええええ!お主からかかってくるめええええ!」
「しゃ、喋っただと!」
「ヴァンデイン、お主から訓練開始だ!絶対油断するんじゃないぞ!始め!」
ヴァンデインは、何が起こっているのか理解できなかった。魔物が喋り、自分に対してかかって来いと言っているのである。
「ヴァンデイン何をやっている!ボ~っとするな!」
その瞬間、ヴァンデインはブラッドシープライアーの、繰り出した刃のない棍棒の一撃を食らって、その場に倒れてしまった。
「ぐはっ!」
「そ、それまで!」
「き、貴様!卑怯だぞ……」
ヴァンデインは、その喋るブラッドシープライアーに文句を言った。すると、2軍の上司がヴァンデインに忠告を入れた。
「ヴァンデイン止めろ!」
「なんでですか!こいつはいきなり襲い掛かってきて!」
「じゃあ、お前に聞くが、ダンジョンで魔物に襲われた時、いちいち卑怯だと文句を言うのか?」
「ぐっ!それは……だけど、その魔物はいったい!」
「そんなの決まっているめええええええ!俺はケンジ様の従魔に決まっているだろめえええええ!」
「めえめえ!うるせえぇ!」
ブラッドシープライアーは、ケンジの従魔だった。鳳凰騎士団の強さはここにもあったのである。魔物の瞬発力とパワーと耐久力を実戦形式で手加減をしながら訓練が出来るからだ。ヴァンデインは、Sクラスの魔物の一撃で動けなくなってしまった。
「介護班よろしく頼む」
ヒーラーが、すぐにやってきてヴァンデインにヒールを掛けた。すぐに対処が出来るのも、Freedomだからできる事である。
そして、一対一でのタイマン勝負で勝てる兵士は誰一人いなかった。
「お前達の実力はそんなものだ!身にしみてわかったと思う。この状態で、ダンジョンに潜ったら死に行くようなもので、足手まといになるのは分かったと思う!」
「なんで、高ランクの魔物とタイマン勝負をしなきゃいけないんだ!効率よく倒せるように、パーティーで戦えばいいじゃないか!」
3軍のメンバー達は納得出来なかった。ヒューマンなら、もっと頭を使い倒せる手段もあるのに、あえてタイマン勝負する意味が分からなかったのだ。
「お前達!まだわからないのか?」
「ですが!」
「いいか?俺達が警備する対象は、Sランクの魔物一体じゃないんだぞ?このブラッドシープライアーだって、ここにいる魔物の中では最弱なんだ!」
「最弱って言うなめえええええ!」
「最弱なんだからしょうがないだろ?」
「それはそうだが、わざわざ言うなめええええ!」
「悪かったよ!そう怒るな」
「「「「「こ、この魔物が最弱……」」」」」
「いいか?こういった魔物が、たくさんいるダンジョンに俺達は討伐に行くんだ。これぐらいは個人で、対処できなければとてもじゃないが、ボス部屋の魔物なんか倒せるわけはない!」
「「「「「……」」」」」
鳳凰騎士団の、目的は国民達の安全である。その為、他の国のようにダンジョンの見回りではなく、ボス部屋の魔物の間引きであり、スタンピードを起こさせない様にすることが役目だという事が分かった。
だからこそ、入隊条件は100レベル以上であり、安心して超級ダンジョンの魔物を間引けるという事になる。
「いいか?他国のような温い警備方法じゃ、ここではやっていけない事を胸に刻め!」
「なっ‼我々が今までやっていたことが温いだと……」
「ヴァンデイン!ケンジ様からも言われたはずだぞ?過去の栄光は捨てろとな。わかったなら、全員今日は一日走り込め!」
「「「「「……」」」」」」
「返事はどうした!」
「「「「「はい……」」」」」
「声が小さい!もう一度!」
「「「「「はい!」」」」」」
返事と共に、3軍の兵士達はその日一日走り込んだのである。そして、入隊試験から3ヶ月の見習い期間が終わった。
3ヶ月後、見習い兵士達は受かった時の半分の人数になっていた。それほどまでに、鳳凰騎士団の訓練は厳しかったのだった。しかし、これは序の口であり、あくまでも見習い期間での訓練だったことを、3軍の見習い兵士達は知らない。
そして、ケンジはランスロットを呼んで兵士達の様子をきいた。
「ランスロット!忙しい所をすまんな……」
「いえ、構いません!定期連絡は必要ですから!」
「今回はどれくらい残った?」
「今回は優秀の方だと思います。半分も残ったのですから!しかし、本当の試練はこれからですからね。どうなる事やら……」
「それで、元テンプルナイト達はどうなった?」
「さすがと言っていいモノか、よくわかりませんが50人ほどですね……」
「ほう!50人も残ったのなら、さすがと言ってもいいよ!俺の予想では40弱かと思っていたからな」
ケンジは、その報告に笑顔となった。それを見たランスロットは、ケンジは一体どのように先を見据えているのか訳が分からなかった。
実際の所、ヴァンデインは2軍にも上がれないと思っていたからだ。しかし、ケンジの笑顔を見る限り、そうは思っていなさそうだからだ。
「ケンジ様!なんかうれしそうな感じですね?ヴァンデイン達が、鳳凰騎士団に入隊するのは反対だったのでは?」
「ああ!今のままだったらな。だけど、この3ヶ月を乗り切り考え方が変わる者も出てくるだろう?俺は、ヴァンデインだけを見ている訳じゃないよ」
ケンジは、ランスロットの問いに答えたのだった。
「えっ?ケンジ様は、ヴァンデインの事で笑顔を見せた訳じゃないのですか?」
「まあ、そうかな?ヴァンデイン個人じゃなく、要は見習いが50人も残った事と、元テンプルナイトじゃない者達に期待をしただけだよ」
ケンジは、どの人間が残ったのではなく、頼りになる鳳凰騎士団を担う人間が育つことに、期待をしていたのだった。
元テンプルナイトが思う理想など、ケンジはいらないと思っていた。そんな事より、この時も勢力を上げている魔物達から、国民を守れる存在が増えてくれたらいいと思っていた。
ケンジは、見習い期間を終えた兵士達には続けて訓練を実施し、半年に1回ある入隊試験の事を、ランスロットに説明していた。
そして、とうとうそれから半年後、聖女直々にFreedom国に、正式な場を求められる事になったのである。
「おい!新入り!もっと早く走らないか!早朝訓練だけで1日が終わってしまうぞ!」
「ぜえぜえぜえ!すいませ……ん……」
ヴァンデインや、少し腕に覚えのある者は何とかその訓練について行っていたが、隊長クラスの人間は訓練の辛さに気絶してしまう程だった。
しかし、新人のヴァンデイン達は、訓練場でのマラソンは重りのない恰好でやっていたが、上司である2軍は20kgの重りを背負ってでのマラソンを軽々とこなしていて、基本体力そのものが違っていた。
「な、何でそんな重りをつけて、そんな速さで走れるのですか?」
「何を言っている!こんなのは重さの内には入らんぞ!1軍の方々は、40kgの重りをつけて俺達より早く走るんだからな……」
ヴァンデイン達は、その言葉に開いた口が塞がらなかった。そして、衝撃の事実を聞かされることになる。
「何驚いてんだ?ここでは普通の事だし、1軍に上がるまではダンジョン遠征には行けないし、3軍の間は基礎トレーニングしか出来ないんだぞ?」
「「「「なっ⁉」」」」
「それじゃ、我々が活躍できる場は?」
「まあ、そんなことを心配する以前の問題だな……だが、これはケンジ様の温情でもあるらしいぞ」
「活躍をさせてくれないのに何が温情だ!」
「まあ、待てよ!あんたって聖教国で団長をやってたんだろ?」
「ああ!実力はあるつもりだ‼」
「だがな?この国から守る相手は、超級ダンジョンや極級ダンジョンのボスらしいんだよ!それに今では、すっかり様変わりした地上の魔の森……それらが対象だ!」
「だからなんだ!我らは極級ダンジョンの警備を!」
「それは分かっているんだが、ここでの警備は1パーティでやるものなんだよ?」
「はぁあ?なんで1パーティーなんだ?連合を組めばいいじゃないか!」
「1パーティー10人が、ダンジョンでは最も動きやすい人数だからな!しょうがないと思うだろ。だから、10人でも魔物に殺されない程の実力をつけるまで、討伐はさせてもらえないんだよ!」
「何でそんな……」
「ただ、町がスタンピードに襲われた場合や他国が攻めてきた場合は、俺達も連合軍として出陣しないといけないんだけどな」
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「お前達!今日は本当に気合を入れないと、死んでしまうから気をつけろよ!」
その言葉に、3軍のメンバー達は騒めいた。訓練場にはSランクの魔物の、ブラッドシープライアーが立っていたのである。
この魔物は、羊の顔を持った赤い羊毛を纏った悪魔族でありその羊毛で物理攻撃を80%軽減する。弱点は光と火属性魔法でありそれでも光は30%、火属性は50%軽減する。
普段ダンジョンで遭遇した場合、テンプルナイトでは太刀打ちできない魔物である。ここにいるのは一匹だが、ダンジョンで遭遇した場合、群れているのが普通でその数はゆうに100匹を超え襲ってくるのだ。
「ブラッドシープライアーだと!何故こんな所に!」
「めえええええ!めえええええ!」
ブラッドシープライアーは、戦闘態勢でこちらを威嚇してきたのである。
「この国は、魔物が出入りしているのか?」
「お前!五月蠅いぞ!めええええ!お主からかかってくるめええええ!」
「しゃ、喋っただと!」
「ヴァンデイン、お主から訓練開始だ!絶対油断するんじゃないぞ!始め!」
ヴァンデインは、何が起こっているのか理解できなかった。魔物が喋り、自分に対してかかって来いと言っているのである。
「ヴァンデイン何をやっている!ボ~っとするな!」
その瞬間、ヴァンデインはブラッドシープライアーの、繰り出した刃のない棍棒の一撃を食らって、その場に倒れてしまった。
「ぐはっ!」
「そ、それまで!」
「き、貴様!卑怯だぞ……」
ヴァンデインは、その喋るブラッドシープライアーに文句を言った。すると、2軍の上司がヴァンデインに忠告を入れた。
「ヴァンデイン止めろ!」
「なんでですか!こいつはいきなり襲い掛かってきて!」
「じゃあ、お前に聞くが、ダンジョンで魔物に襲われた時、いちいち卑怯だと文句を言うのか?」
「ぐっ!それは……だけど、その魔物はいったい!」
「そんなの決まっているめええええええ!俺はケンジ様の従魔に決まっているだろめえええええ!」
「めえめえ!うるせえぇ!」
ブラッドシープライアーは、ケンジの従魔だった。鳳凰騎士団の強さはここにもあったのである。魔物の瞬発力とパワーと耐久力を実戦形式で手加減をしながら訓練が出来るからだ。ヴァンデインは、Sクラスの魔物の一撃で動けなくなってしまった。
「介護班よろしく頼む」
ヒーラーが、すぐにやってきてヴァンデインにヒールを掛けた。すぐに対処が出来るのも、Freedomだからできる事である。
そして、一対一でのタイマン勝負で勝てる兵士は誰一人いなかった。
「お前達の実力はそんなものだ!身にしみてわかったと思う。この状態で、ダンジョンに潜ったら死に行くようなもので、足手まといになるのは分かったと思う!」
「なんで、高ランクの魔物とタイマン勝負をしなきゃいけないんだ!効率よく倒せるように、パーティーで戦えばいいじゃないか!」
3軍のメンバー達は納得出来なかった。ヒューマンなら、もっと頭を使い倒せる手段もあるのに、あえてタイマン勝負する意味が分からなかったのだ。
「お前達!まだわからないのか?」
「ですが!」
「いいか?俺達が警備する対象は、Sランクの魔物一体じゃないんだぞ?このブラッドシープライアーだって、ここにいる魔物の中では最弱なんだ!」
「最弱って言うなめえええええ!」
「最弱なんだからしょうがないだろ?」
「それはそうだが、わざわざ言うなめええええ!」
「悪かったよ!そう怒るな」
「「「「「こ、この魔物が最弱……」」」」」
「いいか?こういった魔物が、たくさんいるダンジョンに俺達は討伐に行くんだ。これぐらいは個人で、対処できなければとてもじゃないが、ボス部屋の魔物なんか倒せるわけはない!」
「「「「「……」」」」」
鳳凰騎士団の、目的は国民達の安全である。その為、他の国のようにダンジョンの見回りではなく、ボス部屋の魔物の間引きであり、スタンピードを起こさせない様にすることが役目だという事が分かった。
だからこそ、入隊条件は100レベル以上であり、安心して超級ダンジョンの魔物を間引けるという事になる。
「いいか?他国のような温い警備方法じゃ、ここではやっていけない事を胸に刻め!」
「なっ‼我々が今までやっていたことが温いだと……」
「ヴァンデイン!ケンジ様からも言われたはずだぞ?過去の栄光は捨てろとな。わかったなら、全員今日は一日走り込め!」
「「「「「……」」」」」」
「返事はどうした!」
「「「「「はい……」」」」」
「声が小さい!もう一度!」
「「「「「はい!」」」」」」
返事と共に、3軍の兵士達はその日一日走り込んだのである。そして、入隊試験から3ヶ月の見習い期間が終わった。
3ヶ月後、見習い兵士達は受かった時の半分の人数になっていた。それほどまでに、鳳凰騎士団の訓練は厳しかったのだった。しかし、これは序の口であり、あくまでも見習い期間での訓練だったことを、3軍の見習い兵士達は知らない。
そして、ケンジはランスロットを呼んで兵士達の様子をきいた。
「ランスロット!忙しい所をすまんな……」
「いえ、構いません!定期連絡は必要ですから!」
「今回はどれくらい残った?」
「今回は優秀の方だと思います。半分も残ったのですから!しかし、本当の試練はこれからですからね。どうなる事やら……」
「それで、元テンプルナイト達はどうなった?」
「さすがと言っていいモノか、よくわかりませんが50人ほどですね……」
「ほう!50人も残ったのなら、さすがと言ってもいいよ!俺の予想では40弱かと思っていたからな」
ケンジは、その報告に笑顔となった。それを見たランスロットは、ケンジは一体どのように先を見据えているのか訳が分からなかった。
実際の所、ヴァンデインは2軍にも上がれないと思っていたからだ。しかし、ケンジの笑顔を見る限り、そうは思っていなさそうだからだ。
「ケンジ様!なんかうれしそうな感じですね?ヴァンデイン達が、鳳凰騎士団に入隊するのは反対だったのでは?」
「ああ!今のままだったらな。だけど、この3ヶ月を乗り切り考え方が変わる者も出てくるだろう?俺は、ヴァンデインだけを見ている訳じゃないよ」
ケンジは、ランスロットの問いに答えたのだった。
「えっ?ケンジ様は、ヴァンデインの事で笑顔を見せた訳じゃないのですか?」
「まあ、そうかな?ヴァンデイン個人じゃなく、要は見習いが50人も残った事と、元テンプルナイトじゃない者達に期待をしただけだよ」
ケンジは、どの人間が残ったのではなく、頼りになる鳳凰騎士団を担う人間が育つことに、期待をしていたのだった。
元テンプルナイトが思う理想など、ケンジはいらないと思っていた。そんな事より、この時も勢力を上げている魔物達から、国民を守れる存在が増えてくれたらいいと思っていた。
ケンジは、見習い期間を終えた兵士達には続けて訓練を実施し、半年に1回ある入隊試験の事を、ランスロットに説明していた。
そして、とうとうそれから半年後、聖女直々にFreedom国に、正式な場を求められる事になったのである。
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