465 / 619
第10章 Freedom国、経済の中心へ!
12話 極級ダンジョン④
しおりを挟む
ケンジ達は、一晩休んで6階層へと進んだのだ。
「主?さっきの真祖が言ってたけど、またダンジョンマスターがいるみたいだな?」
「マードック、よく覚えてたな」
「ダンジョンマスターって、いったい何の為にいるんだろうな?」
「いきなりなんだ?」
「だってよ……ダンジョンマスターってずっととは言わないが、ダンジョンの奥に篭って魔物を生産し続けて、人間にスタンピードまで起こして迷惑をかけているだろ?」
「そ、そうだな?」
「でも、その一方で宝箱や人間が生活するうえで、必要な素材や資材を提供している節があるじゃないか?」
「た、確かにな……」
「それなら、魔物なんか生み出さず、資材や宝を提供したら地上とももっと共存とかできそうなものだと思うんだよな……」
「マードックにしちゃまともな意見だな」
「主、マードックにしちゃってなんだよ!」
「でもな……ダンジョンマスター自身が地上の人間と共存を望んでなきゃ、そのマードックの意見は成り立たないだろ?」
「なんでなんだ?お宝とか人間に得になる事をやっているだろ?」
「俺は、そうは思わないかな?」
「え?どういう事だ?」
「ダンジョンマスターは人間を食い物にしているって事だよ。要はな、人間の命をダンジョンに吸収させて、独自の国を作っているようなものだな」
「はっ?」
「ご主人様……あたしも何を言っているのかよくわかりません」
「システィナもよくわからないのか?まあ、分かっている方が少ないと思うけどな。実際、俺も分かっている訳じゃないし、仮説を立てて説明しているだけだから!」
「そうなのですか?」
「こう言ったら語弊があるかもしれんが、ダンジョンマスターに憧れる自分がいるからな!」
「「「「「「はぁあ?」」」」」」」
「主!何を言っているのですか⁉」
「そんな怒んなよ……何も人間を食い物にしたいと言っている訳じゃないよ」
「しかし……人類の敵であるダンジョンマスターに憧れるだなんて!」
「ギル……俺は、人類の敵になりたいなんて言ってないだろ?」
「ご主人様が、人類の敵になるなんて私も嫌です!」
「セイラまで何を言ってんだよ!俺がそんな思想の持ち主だったら、Freedom国なんて作るわけないだろ?」
「それはそうですけど……ですが、スタンピードを起こす元凶ともいえるダンジョンマスターに憧れるって……」
「だってよう!ある意味ダンジョンマスターって、一人で自由にすごしている事だろ?貴族とか権力者も関係なく、スローライフを満喫しているのが羨ましいんだよな」
「あなたって、本当に昔から束縛を嫌うからね……そんな事だと思ったわ!」
マイはケンジの説明を聞き呆れて、両手を広げるポーズした。
「主、話を戻すけど人間を食い物にして、独自の国ってどういう事なんだ?」
「人間は、ダンジョンに何を求めて侵入するんだ?」
「そりゃ一獲千金じゃないのか?ダンジョンには、お宝があるってみんな知っているからな」
「人間が欲深い所をよくついた作戦だと思わないか?」
「「「「「あっ!なるほど」」」」」
「宝や資材をチラつかせて、人間達をダンジョンにおびき寄せて、命を奪う事に特化させた要塞だよ!」
「何で、そこまでして人間達の命を?」
「そんなの俺が知るわけないよ……」
「で、ですよね……」
「なんにせよ、ダンジョンマスターが何を考えているかは、直接聞いてみない事には分からないよ。まあ、聞く必要もないけどな」
「なんでですか?」
「何でですかって……そんな事興味が無いからだよ。俺達は死なない様にダンジョンを利用すればいいって事だよ。そうすれば便利な暮らしが出来るからな」
「ですが、スタンピードが起こるかもしれないのですよ?」
「だから、こうしてダンジョンに来ているんだろ?スタンピードが起こらなければ、問題はないじゃないか!」
「じゃあ、ご主人様は今回攻略はしないのですか?」
「超級ダンジョンの時のように、だまし討ちをして来るようなら害を持つ者として討伐したらいいんじゃない?ここのダンジョンマスターが、どのような人物かわからないからな」
ケンジはどっちつかずの返事をしたのだ。今この段階では、どういう性格のダンジョンマスターかわからないし、ケンジはこのダンジョンに魔王が封印されているお伽噺の事もまだ気になっていた。
バンパイア(真祖)の言ったダンジョンマスターが、その昔暴れていた魔王という可能性もあったからだ。どちらにしても、ケンジとしてはダンジョンは利用する物という認識であった為、ダンジョンマスターが襲ってきた場合討伐対象となり、ダンジョンコアは超級ダンジョンの時のように、誰にも触れれない様に結界で囲ってしまえばいいと思っていたのだ。
一方、こちらはダンジョン最深部の部屋では、ダンジョンマスターが焦っていたのだ。大陸で唯一といわれるこの極級ダンジョンは最下層が10階層だったのだ。
つまりケンジ達は、全階層の50%を攻略していたのだ。この極級ダンジョンは階層に力を入れず、ダンジョンを守る魔物達にポイントを極振りしたダンジョンだったのである。
「どうしたらいいのだ?あの真祖が、呆気なく討伐されてしまった……」
「ご主人様!落ち着いて下さい!」
「落ち着けだと?このままでは7千年前に、勇者に封印された時にポイントを犠牲にして復活したのに、また無駄になるのだぞ!」
「これから先のボスにはあの真祖より強い魔物がも待っておりますし、最後にはわたしもいます!」
「本当に大丈夫なのか?」
「ご主人様の期待を裏切らない様にします!」
ダンジョンマスターは、その昔地上で暴れていた魔王だった。ダンジョンはケンジの予想したように、人間をダンジョンにおびき寄せ殺す事で魔力を吸収し、そのMPをポイントにして魔物を生み出していた。レベルが高い人間はMPも高く殺す事で、色んなものを創造して人間を食い物にしていたのだ。
このダンジョンマスターは暴れ過ぎた為、勇者と相打ちとなり一時的に封印された。しかし、ダンジョンマスターは勇者が寿命で死ぬのを待っていた。
そして、死ぬのを見届けてから大量のポイントを使い復活を遂げていたのである。前の経験を活かし、復活を遂げてからはダンジョンの階層や罠ではなく、守りの魔物達にポイントを使っていた。
ダンジョンの階層を増やすより強力な魔物を生み出した方が、人類は魔物には太刀打ちできないと思っていたのである。
しかし、ケンジがこの世界に来たことでこの方式は簡単に崩れたのである。ダンジョンマスターも、まさか人間が3次職に転職できるとは思ってもいなかったのだ。
「本当に大丈夫なんだろうな?今度封印されたらもう、復活が出来ないんだ……もっと時間があれば、ポイントも貯まるだろうが、今この段階では全然足りないんだからな!」
「ご主人様!次の階層を守っているのは、ダークマスターです。もし敗れても、次はエンシャントリッチに続き、獣王、龍王、そして最後はエンジェルであるわたくしでございます」
「そ、そうだな……天界の使者と言われる、エンジェルが人間に負けるとは考えられぬな」
「その通りです!わたくしも人間に負けるとは思いません!」
ケンジ達は、これから迫りくる魔物達がこんなにも強敵だと思ってもいなかった。そして、今は情けない事を言っているが、昔は魔王と呼ばれたダンジョンマスターが待ち受けていたのである。
「主?さっきの真祖が言ってたけど、またダンジョンマスターがいるみたいだな?」
「マードック、よく覚えてたな」
「ダンジョンマスターって、いったい何の為にいるんだろうな?」
「いきなりなんだ?」
「だってよ……ダンジョンマスターってずっととは言わないが、ダンジョンの奥に篭って魔物を生産し続けて、人間にスタンピードまで起こして迷惑をかけているだろ?」
「そ、そうだな?」
「でも、その一方で宝箱や人間が生活するうえで、必要な素材や資材を提供している節があるじゃないか?」
「た、確かにな……」
「それなら、魔物なんか生み出さず、資材や宝を提供したら地上とももっと共存とかできそうなものだと思うんだよな……」
「マードックにしちゃまともな意見だな」
「主、マードックにしちゃってなんだよ!」
「でもな……ダンジョンマスター自身が地上の人間と共存を望んでなきゃ、そのマードックの意見は成り立たないだろ?」
「なんでなんだ?お宝とか人間に得になる事をやっているだろ?」
「俺は、そうは思わないかな?」
「え?どういう事だ?」
「ダンジョンマスターは人間を食い物にしているって事だよ。要はな、人間の命をダンジョンに吸収させて、独自の国を作っているようなものだな」
「はっ?」
「ご主人様……あたしも何を言っているのかよくわかりません」
「システィナもよくわからないのか?まあ、分かっている方が少ないと思うけどな。実際、俺も分かっている訳じゃないし、仮説を立てて説明しているだけだから!」
「そうなのですか?」
「こう言ったら語弊があるかもしれんが、ダンジョンマスターに憧れる自分がいるからな!」
「「「「「「はぁあ?」」」」」」」
「主!何を言っているのですか⁉」
「そんな怒んなよ……何も人間を食い物にしたいと言っている訳じゃないよ」
「しかし……人類の敵であるダンジョンマスターに憧れるだなんて!」
「ギル……俺は、人類の敵になりたいなんて言ってないだろ?」
「ご主人様が、人類の敵になるなんて私も嫌です!」
「セイラまで何を言ってんだよ!俺がそんな思想の持ち主だったら、Freedom国なんて作るわけないだろ?」
「それはそうですけど……ですが、スタンピードを起こす元凶ともいえるダンジョンマスターに憧れるって……」
「だってよう!ある意味ダンジョンマスターって、一人で自由にすごしている事だろ?貴族とか権力者も関係なく、スローライフを満喫しているのが羨ましいんだよな」
「あなたって、本当に昔から束縛を嫌うからね……そんな事だと思ったわ!」
マイはケンジの説明を聞き呆れて、両手を広げるポーズした。
「主、話を戻すけど人間を食い物にして、独自の国ってどういう事なんだ?」
「人間は、ダンジョンに何を求めて侵入するんだ?」
「そりゃ一獲千金じゃないのか?ダンジョンには、お宝があるってみんな知っているからな」
「人間が欲深い所をよくついた作戦だと思わないか?」
「「「「「あっ!なるほど」」」」」
「宝や資材をチラつかせて、人間達をダンジョンにおびき寄せて、命を奪う事に特化させた要塞だよ!」
「何で、そこまでして人間達の命を?」
「そんなの俺が知るわけないよ……」
「で、ですよね……」
「なんにせよ、ダンジョンマスターが何を考えているかは、直接聞いてみない事には分からないよ。まあ、聞く必要もないけどな」
「なんでですか?」
「何でですかって……そんな事興味が無いからだよ。俺達は死なない様にダンジョンを利用すればいいって事だよ。そうすれば便利な暮らしが出来るからな」
「ですが、スタンピードが起こるかもしれないのですよ?」
「だから、こうしてダンジョンに来ているんだろ?スタンピードが起こらなければ、問題はないじゃないか!」
「じゃあ、ご主人様は今回攻略はしないのですか?」
「超級ダンジョンの時のように、だまし討ちをして来るようなら害を持つ者として討伐したらいいんじゃない?ここのダンジョンマスターが、どのような人物かわからないからな」
ケンジはどっちつかずの返事をしたのだ。今この段階では、どういう性格のダンジョンマスターかわからないし、ケンジはこのダンジョンに魔王が封印されているお伽噺の事もまだ気になっていた。
バンパイア(真祖)の言ったダンジョンマスターが、その昔暴れていた魔王という可能性もあったからだ。どちらにしても、ケンジとしてはダンジョンは利用する物という認識であった為、ダンジョンマスターが襲ってきた場合討伐対象となり、ダンジョンコアは超級ダンジョンの時のように、誰にも触れれない様に結界で囲ってしまえばいいと思っていたのだ。
一方、こちらはダンジョン最深部の部屋では、ダンジョンマスターが焦っていたのだ。大陸で唯一といわれるこの極級ダンジョンは最下層が10階層だったのだ。
つまりケンジ達は、全階層の50%を攻略していたのだ。この極級ダンジョンは階層に力を入れず、ダンジョンを守る魔物達にポイントを極振りしたダンジョンだったのである。
「どうしたらいいのだ?あの真祖が、呆気なく討伐されてしまった……」
「ご主人様!落ち着いて下さい!」
「落ち着けだと?このままでは7千年前に、勇者に封印された時にポイントを犠牲にして復活したのに、また無駄になるのだぞ!」
「これから先のボスにはあの真祖より強い魔物がも待っておりますし、最後にはわたしもいます!」
「本当に大丈夫なのか?」
「ご主人様の期待を裏切らない様にします!」
ダンジョンマスターは、その昔地上で暴れていた魔王だった。ダンジョンはケンジの予想したように、人間をダンジョンにおびき寄せ殺す事で魔力を吸収し、そのMPをポイントにして魔物を生み出していた。レベルが高い人間はMPも高く殺す事で、色んなものを創造して人間を食い物にしていたのだ。
このダンジョンマスターは暴れ過ぎた為、勇者と相打ちとなり一時的に封印された。しかし、ダンジョンマスターは勇者が寿命で死ぬのを待っていた。
そして、死ぬのを見届けてから大量のポイントを使い復活を遂げていたのである。前の経験を活かし、復活を遂げてからはダンジョンの階層や罠ではなく、守りの魔物達にポイントを使っていた。
ダンジョンの階層を増やすより強力な魔物を生み出した方が、人類は魔物には太刀打ちできないと思っていたのである。
しかし、ケンジがこの世界に来たことでこの方式は簡単に崩れたのである。ダンジョンマスターも、まさか人間が3次職に転職できるとは思ってもいなかったのだ。
「本当に大丈夫なんだろうな?今度封印されたらもう、復活が出来ないんだ……もっと時間があれば、ポイントも貯まるだろうが、今この段階では全然足りないんだからな!」
「ご主人様!次の階層を守っているのは、ダークマスターです。もし敗れても、次はエンシャントリッチに続き、獣王、龍王、そして最後はエンジェルであるわたくしでございます」
「そ、そうだな……天界の使者と言われる、エンジェルが人間に負けるとは考えられぬな」
「その通りです!わたくしも人間に負けるとは思いません!」
ケンジ達は、これから迫りくる魔物達がこんなにも強敵だと思ってもいなかった。そして、今は情けない事を言っているが、昔は魔王と呼ばれたダンジョンマスターが待ち受けていたのである。
0
お気に入りに追加
2,450
あなたにおすすめの小説
悪役令嬢の選んだ末路〜嫌われ妻は愛する夫に復讐を果たします〜
ノルジャン
恋愛
モアーナは夫のオセローに嫌われていた。夫には白い結婚を続け、お互いに愛人をつくろうと言われたのだった。それでも彼女はオセローを愛していた。だが自尊心の強いモアーナはやはり結婚生活に耐えられず、愛してくれない夫に復讐を果たす。その復讐とは……?
※残酷な描写あり
⭐︎6話からマリー、9話目からオセロー視点で完結。
ムーンライトノベルズ からの転載です。
ドン引きするくらいエッチなわたしに年下の彼ができました
中七七三
恋愛
わたしっておかしいの?
小さいころからエッチなことが大好きだった。
そして、小学校のときに起こしてしまった事件。
「アナタ! 女の子なのになにしてるの!」
その母親の言葉が大人になっても頭から離れない。
エッチじゃいけないの?
でも、エッチは大好きなのに。
それでも……
わたしは、男の人と付き合えない――
だって、男の人がドン引きするぐらい
エッチだったから。
嫌われるのが怖いから。
ポンコツ女子は異世界で甘やかされる(R18ルート)
三ツ矢美咲
ファンタジー
投稿済み同タイトル小説の、ifルート・アナザーエンド・R18エピソード集。
各話タイトルの章を本編で読むと、より楽しめるかも。
第?章は前知識不要。
基本的にエロエロ。
本編がちょいちょい小難しい分、こっちはアホな話も書く予定。
一旦中断!詳細は近況を!
【完結】溺愛予告~御曹司の告白躱します~
蓮美ちま
恋愛
モテる彼氏はいらない。
嫉妬に身を焦がす恋愛はこりごり。
だから、仲の良い同期のままでいたい。
そう思っているのに。
今までと違う甘い視線で見つめられて、
“女”扱いしてるって私に気付かせようとしてる気がする。
全部ぜんぶ、勘違いだったらいいのに。
「勘違いじゃないから」
告白したい御曹司と
告白されたくない小ボケ女子
ラブバトル開始
二人の公爵令嬢 どうやら愛されるのはひとりだけのようです
矢野りと
恋愛
ある日、マーコック公爵家の屋敷から一歳になったばかりの娘の姿が忽然と消えた。
それから十六年後、リディアは自分が公爵令嬢だと知る。
本当の家族と感動の再会を果たし、温かく迎え入れられたリディア。
しかし、公爵家には自分と同じ年齢、同じ髪の色、同じ瞳の子がすでにいた。その子はリディアの身代わりとして縁戚から引き取られた養女だった。
『シャロンと申します、お姉様』
彼女が口にしたのは、両親が生まれたばかりのリディアに贈ったはずの名だった。
家族の愛情も本当の名前も婚約者も、すでにその子のものだと気づくのに時間は掛からなかった。
自分の居場所を見つけられず、葛藤するリディア。
『……今更見つかるなんて……』
ある晩、母である公爵夫人の本音を聞いてしまい、リディアは家族と距離を置こうと決意する。
これ以上、傷つくのは嫌だから……。
けれども、公爵家を出たリディアを家族はそっとしておいてはくれず……。
――どうして誘拐されたのか、誰にひとりだけ愛されるのか。それぞれの事情が絡み合っていく。
◇家族との関係に悩みながらも、自分らしく生きようと奮闘するリディア。そんな彼女が自分の居場所を見つけるお話です。
※この作品の設定は架空のものです。
※作品の内容が合わない時は、そっと閉じていただければ幸いです(_ _)
※感想欄のネタバレ配慮はありません。
※執筆中は余裕がないため、感想への返信はお礼のみになっておりますm(_ _;)m
妹が私の婚約者を奪った癖に、返したいと言ってきたので断った
ルイス
恋愛
伯爵令嬢のファラ・イグリオは19歳の誕生日に侯爵との婚約が決定した。
昔からひたむきに続けていた貴族令嬢としての努力が報われた感じだ。
しかし突然、妹のシェリーによって奪われてしまう。
両親もシェリーを優先する始末で、ファラの婚約は解消されてしまった。
「お前はお姉さんなのだから、我慢できるだろう? お前なら他にも良い相手がきっと見つかるさ」
父親からの無常な一言にファラは愕然としてしまう。彼女は幼少の頃から自分の願いが聞き届けられた
ことなど1つもなかった。努力はきっと報われる……そう信じて頑張って来たが、今回の件で心が折れそうになっていた。
だが、ファラの努力を知っていた幼馴染の公爵令息に助けられることになる。妹のシェリーは侯爵との婚約が思っていたのと違うということで、返したいと言って来るが……はあ? もう遅いわよ。
拝啓、婚約者様。ごきげんよう。そしてさようなら
みおな
恋愛
子爵令嬢のクロエ・ルーベンスは今日も《おひとり様》で夜会に参加する。
公爵家を継ぐ予定の婚約者がいながら、だ。
クロエの婚約者、クライヴ・コンラッド公爵令息は、婚約が決まった時から一度も婚約者としての義務を果たしていない。
クライヴは、ずっと義妹のファンティーヌを優先するからだ。
「ファンティーヌが熱を出したから、出かけられない」
「ファンティーヌが行きたいと言っているから、エスコートは出来ない」
「ファンティーヌが」
「ファンティーヌが」
だからクロエは、学園卒業式のパーティーで顔を合わせたクライヴに、にっこりと微笑んで伝える。
「私のことはお気になさらず」
今さら、私に構わないでください
ましゅぺちーの
恋愛
愛する夫が恋をした。
彼を愛していたから、彼女を側妃に迎えるように進言した。
愛し合う二人の前では私は悪役。
幸せそうに微笑み合う二人を見て、私は彼への愛を捨てた。
しかし、夫からの愛を完全に諦めるようになると、彼の態度が少しずつ変化していって……?
タイトル変更しました。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる