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第9章 Freedom国の発展!

97話 新しいポーション

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 ケンジは、ギルドへ蹄鉄を3万個の納品をすませるのであった。ギルドはケンジが、いきなりの大量受注にも難なくこなしたことにより、こうなる事はケンジにとって、シナリオ通りだった事をギルドは理解したのである。

「ギルドマスター!」

「なんだ、いきなり騒々しいぞ!」

「申し訳ありません!ですが……Freedomの事なのですが!」

「まさか⁉独自で、馬車を販売しはじめたのか?」

 ギルドマスターは、Freedomをまだ信じ切れていなかったのである。その為、Freedomはギルドの馬車の協力を抑えて、まだ教えていなかった技術を注いだもっと高性能の馬車を、Freedomから販売し始めたと思ったのである。

「ギルドマスター……何を言っているのですか?」

「Freedomが何かをやったのだろ?だったら、ギルドを追い詰める何かをやったのじゃないのか?」

「そうじゃありません!昨日発注した蹄鉄3万個の納品が終わりました!」

「はっ⁉3万個というか3万セットをか?」

「はい……やはり、Freedomではこういう事になる事をわかって協力していたと思われます」

「そっか……」

 ギルドマスターは、力が抜けてソファーにもたれかかるように、脱力してその場に座ったのである。

「ギルドマスター?」

「どうしたら……いや、そうじゃない。Freedomから学び取る事を考えた方がいい……」

 オッシは、今までのようにギルドがFreedomにしてきた過去を思い出すのであった。ここでFreedomと張り合うと同じことの繰り返しになると考えたのだった。そして、自分の頬をパシパシ叩き、気合を入れ直したのである。

「うむ……わかった!その納品された分を各町に分配し、契約通りの値段で販売してくれ!」

「はい……」

「そして、ギルド会議をするから、皆を招集してくれるか?」

「わかりました!」

 オッシは、Freedomとは別と自分に言い聞かせながら会議室に向かうのであった。



 そして、ここFreedomでは、ケンジの錬金術が150.01となったのである。そして、スキルを見るとそこには※①【リターンポーション】の名があったのである。
 ケンジのインベントリには、今までのレア素材が収納されていたため、アイテムの製作には困る事は殆どなかったのである。

 そして、リターンポーションの説明を見て驚いて大きな声を出してしまったのである。

「ま、まじかよ!」

「どうかしたのですか?」

「ダリア!聞いてくれよ。錬金術のスキルが150.00を超えたんだ!」

「ご主人様……いったいどうなっておられるのですか?この間、130を超えてエリクサーが作れるようになったばかりではありませんか?これ以上、驚くことが出来たのですか?」

「ああ!そうなんだよ……リターンポーションってのが作れるようになった……」

 ケンジとダリアの会話が気になり、工房の錬金術師がケンジの側に集まってきたのである。

「リターン?それってどんなポーションなんですか?聞いた事ありませんが……」

「効果を聞いたら驚くぞ!なんと、これを服用したら1歳肉体年齢が若返るみたいだ!」

「「「「「はっ?」」」」」」

 ケンジの言葉に、その場にいた人間すべてが固まってしまったのである。

「お~い!みんな正気に戻れ……」

「「「「「なんですかそれ!」」」」」」
「凄い発見じゃないですか⁉」

「ああ!俺も驚いている……まさかこんなポーションが存在するなんて思わなかったもんな……いやぁ~びっくりだわコレ!」

「もっとびっくりしてくださいよ!ご主人様は全然状況がわかっていませんニョ!」

 ダリアは、あまりの状況に噛んでしまったのである。

「いや、ちゃんとわかってるにょ!」

「もう!ご主人様!ふざけないでください!」

 ケンジにからかわれて、ダリアは顔を真っ赤にして文句を言うのだった。

「いやぁ、言葉を噛んだのが可愛くてつい!」

「か、可、可愛い……」

 ダリアの顔は更に真っ赤になって、言葉を失ったのだった。

「そ!それより!リターンってヒューマン族が、今まで求めてきたような効果のポーションじゃないですか⁉」

「えっ、そうなのか?」

「そのポーションがあれば、不老不死になれるって事ですよね?」

「まあ、1歳だけ肉体が若返るってあるけど、不死になれるって訳じゃないかな?」

「でも、飲み続けたら死ぬことは無いんでしょ?言ってみたら、ハイエルフと同じになる訳じゃないですか」

「いやいや……盗賊とかに襲われたりしたら、死んじゃうかもしれないだろ?」

「あっ、そうか!」

「それが怖いからといって、部屋に閉じこもって餓死しても、死んじゃうから不老不死じゃなくて、不老というのが正解だな!」

「不老だったとしても、凄い発見ですよ!」

「まあ、確かに凄い発見だよな!でも、使い道がないなあ……」

「「「「「「はっ?」」」」」」
「何を言ってんですか?不老ですよ?」

「考えてもみろよ!こんなものが世に広まったらどうなるんだよ……」

「どうって、どういう事ですか?ヒューマンの寿命が延びて繁栄するじゃないですか!」

「それは、もっと平民達や奴隷の生活が不自由なかったらのことだよ」

「「「「「えっ?」」」」」

「いいか?基本このポーションが世に広まって手に入れれるのは誰だ?」

「「「「あっ……」」」」

「気づいたようだな?そういう事だ!横暴な権力者や貴族達だろ?そんな人間がエルフのように、長生きなんかしてみろ!世の中地獄だぞ……」

「た、確かに……」

「という訳で、このポーションの使い道がないという訳だよ」

「惜しいですね……こんな世紀の大発見な事ですのに!」

「そんなことありませんよ!」

 ここで、笑顔でハインが意見をしてきたのだった。ハインという人物は、この工房で働いているキュアポーションが得意の錬金術師で、ケンジの奴隷である。自分の名前をちゃんと覚えてもらって、ケンジの役に立ちたいと言った人物である。

「ん?どういう事だ?」

「このポーションは、ご主人様だけが使えばいいのですよ!そうしたら、ご主人様は老死することは無くなり、ずっと私達の主が死ぬことは無くなります!」

「「「「「確かに!」」」」」
「ハイン!いい事に気が付いたわね!」
「うんうん、確かにこれほど有益な使い道はないわ!」

 その場にいる、ケンジの奴隷達はハインの意見に賛成し、みんな笑顔となっていたのである。

「まあ、お前達の気持ちは分からんではないが、このポーションに頼らなくても、絶対お前達より先には死なないから安心しろって!」

「そんなのわからないじゃないですか……」

「いや絶対に、死なない理由があるから安心しろって!」

「ここにいる一番年下のミーヤはまだ9歳ですよ!ご主人様は、もうすぐ22歳じゃないですか?」

「みんなは知らないかもしれないが、俺の種族はハイヒューマンだよ。まず、老死の心配はいらないんだよ。言ってみたら、ハイエルフは不老だからユリアの次に長生きをするのが俺って事なんだよ」

 ケンジの説明に、ここにいる人間は何を言っているのか理解できず、思考が止まったのである。

「ご主人様って、滅亡したハイヒューマンの末裔だったんですか⁉」

「末裔じゃないけど、ハイヒューマンって事は確かだよ。だから寿命も最低でも5000年は生きるからね。だからこのポーションに頼らなくてもいいんだよ」

「ご主人様って……ホントいろんなところで常識知らずなのですね」
「まあ、ご主人様だしね」
「まあ、しょうがないよね!」

 その場にいた者達、全員でケンジの非常識さに同意し始めたのである。

「なっ!種族は俺のせいじゃないだろ!お前達は本当に失礼な奴等だな……」

「「「「「ご、ごめんなさい……」」」」」

「いいや!許さん!お前達は一週間、今の衣食住を没収だ!」

「「「「「「いやぁ~~~~~!」」」」」
「ご主人様ごめんなさい!」
「許してください!」

 ケンジの罰に、みんな一斉に土下座して許しを請うのだった。

「くっくっくっ!」

 何やら、ケンジが笑っているの声が聞こえたので、みんな顔を上げると、ケンジが意地わるそうな顔をしながら、声を殺して笑っていたのだった。

「えっ⁉」

「冗談だよ!冗談!ちょっと意地悪したくなっただけだ」

 その言葉を聞き、その場に崩れ安心したダリア達だった。

「ご、ご主人様、酷いですよ……本当だと思ったじゃないですか!」

「悪い悪い……お前達だって俺の事常識知らずだって言ったじゃないか!他のみんなからも、いつも同じ事を言われて結構傷ついているんだぞ」

「だって……ご主人様を見てたら、いつも凄い事ばかりするんですもの!」

「それだよ!それ!凄いならいいよ。凄いと常識知らずは違うだろ?」

「「「「「た、確かに……」」」」」

「ご主人様は、常識を知らない凄さがあると思います!」

 いきなり、9歳の少女のミーヤが、ない胸を張り指を建てて、ドヤ顔をして宣言をしたのであった。それを見てみんなは、プッと吹き出し大笑いしたのだった。

「ったく……」

 ケンジは、9歳の少女に怒る事も出来ず苦笑いするのだった。しかし、ケンジはみんなが楽しそうに笑っているのを見ていいかと思い微笑むのだった。

 そして、このリターンポーションの存在が、ケンジがいつも思っていた事を解決する事になるとは、夢にも思わなかった事を、今はまだ知る由もなかったのである。

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 この話で出てきたアイテム

 ※①【リターンポーション】
 このポーションを服用することで、肉体年齢が1歳若返ることが
出来るポーション。


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