上 下
425 / 619
第9章 Freedom国の発展!

90話 ギルドの変化

しおりを挟む
 ケンジは、錬金術でエリクサーが作れるようになり、半年に一回だけFreedom店でエリクサーを2本、販売することにしたのである。
 その値段はなんと3億ドゴンと高価な値段を提示したのである。しかし、貴族達は販売当日には、城門が空いたと同時に駆け足で支店に並んで購入するのである。
 そして、一番手にFreedom店に来た人間が購入していくのである。今まで、オークションで6億程の値段だが、高い値がつく時は10億でも買えないエリクサーが、年に2回4本だけだが確実に3億で手に入る事で人気商品となっていたのである。

 そして、ケンジは久しぶりに平日に錬金以外の事をしていたのである。

「ご主人様!今日は裁縫で何を作っているのですか?」

「ああ!今日はちょっとな……」

 裁縫工房長のエレナが話しかけてきたのである。

「ご主人様、遅くなりましたが……今回の件は本当にありがとうございます」

「ん?なんのことだ?」

「あの……女性の日の休暇の事でございます。みんなその……本当に助かって、特にひどい具合の娘にはありがたい休日です」

「そっか!俺にはその辺はよく分からんから、マイに礼を言ったらいいよ」

「はい!」

「それと、その日を休んだからといって、その週の聖の日に休日出勤みたいな事はするなよ」

「えっ⁉」

「おいおい!まさかそんな事しているんじゃないだろうな?」

「ですが、平日に個人の事で休ませていただいてるから……」

「あれは特別休暇だ。君達の当然の権利だからそんな事しなくてもいいよ」

「そんな奴隷に……」

「奴隷とか関係ないの!これからそんなことはせず、休暇の時は身体をゆっくり休ませリフレッシュさせなさい!」

「はい……ありがとうございます!」

 エレナは、ケンジの優しさに頭を下げたのである。店は休日は開けていない為、店の女性店員は個人スキルを上げる為、特別休暇を取った時には自主的に、工房で仕事をしていたことが発覚したのだった。工房で働いていたの人間は、その工房で聖の日に出勤をして遅れた分を取り戻していたのだった。

 ケンジはそのことを知って、特別休暇を取った者はその週の休みの日に働くのを禁止したのである。当然、衛兵勤務している人間には訓練とかも禁止にしたのである。
 当然だが、女性達からそんなことはできないと反発はあったが、ケンジがそれを止めたのである。休暇はちゃんと取らないと疲れがたまり、最高のパフォーマンスが出来ないほうが問題だと説得させたのである。



「ところで、ご主人様それは何ですか?」

「いやな……マイに聞いたんだが女性の日って、お腹が痛いとかいろんな症状が出るんだろ?」

「まあ、そうですね……」

「それで、下着に包帯でガードしていることも聞いたんだよ」

 エレナは、ちょっと恥ずかしくなって、顔が真っ赤になったのである。

「こんな話してわるいな……」

「い、いえ……」

「それで、その感触だけでもなくしたいと思って、新しい商品を考えたんだよ」

「本当ですか⁉」

「まだ試作段階だけどな……上手く行けば、あの日は気にならない位になるはずだ!」

 エレナは、ケンジの言葉に嬉しくなり抱きついてしまったのである。エレナも豊満なバストの持ち主でスタイルが良く、抱きつかれたケンジはその胸に押しつぶされて、息が出来なくなってしまうのだった。

「ご主人様!ありがとうございます!」

「ちょ、ちょっと、エレ……ムウ~~~~~!」

「エレナさん落ち着いて!ご主人様が息できないからぁ!」

 部下の一人が、ケンジが死にそうになっているのを見て、急いでエレナを引きはがしたのである。

「ぷはぁ~~~~~!死ぬかと思った……」

「ご、ご主人様……ごめんなさい!」

「ったく……気持ちよかったからいいけど、その胸は凶器だな!」

「ご主人様のエッチ!」

「工房長!なにどさくさに紛れていい気分になっているんですか!」
「そうですよ!エレナさんばかりズルいです!」
「ところで、ご主人様は何を作っているのですか?」

「出来てからのお楽しみだ!」

 ケンジは、生理用品を製作していたのである。内部には綿花を利用し、極小の神鋼魔石を綿花に混ぜたものをサラサラシートの中にいれたのである。
 この神鋼魔石は、血液を吸収させる為に混ぜたものであった。そして、コットンは肌触りを重視し製作したのである。



 そして、完成したナプキンをマイに持っていったのである。

「マイ!ちょっといいかな?」

「ケンちゃんどうしたの?」

「この間、女性の日で問題が合ったろ?それでこれを作ってみたんだよ」

「こ、これは!」

「ああ!これで多分感触だけでも、気分よくなるはずなんだよ。ちょっと試してみてくれるか?」

「ケンちゃん凄い!本当に作っちゃったんだ」

「それでつけ方なんかは、みんなにマイから説明して試してみてくれるかな?」

「うんうん!わかったわ!」

「もし、不具合があれば俺に言ってくれよ!すぐに直すから」

 マイは、ケンジの言葉にうなずき、必要な女性にナプキンを配り、使用方法を説明したのである。そして、ケンジはモニターになってくれた女性達に、改善点をきき修正していったのである。
 それにより、ようやく完成にいたり、Freedom店で販売開始した当日、大ヒットしたのである。いままで、こういう商品は無く包帯で代用して我慢していたが、ケンジの発明で女性達は感謝したのである。

 これに真っ先に反応したのは、やはりギルドであった。すぐに取り寄せ真似をしようとしたが、神鋼魔石を使っている為同じものを作れなかったのである。
 そして、悪あがきをしてコットンだけで製作したのだが、やはり吸収率が段違いでいまいちな為、失敗に終わったのである。

「くっそぉ……何で、ケンジ殿はこんなヒット商品を次々と生み出せるのだ」

「ギルドマスター!Freedomと争うのはもうやめましょう……」

「わしとて争うつもりはない!だが便乗できるかもしれないではないか!」

「わたし達も、ケンジさんと同じく着眼点を鍛えるべきです」

「着眼点?」

「そうです!今までにない商品を作ろうとする努力です」

「な、なるほど!で、どのような発案が出ておるのだ?」

「そ、それはまだ何とも……」

「やはり……何とかせねばならんな」

「ギルドマスター!Freedomになにをなさるおつもりですか?」

「何を言っているんだ?ワシはそんな事言ってないだろ?」

「今、何とかせねばって言ったじゃないですか?」

「いや、何とかしないといけないのはギルドの方だ!アーチェ、明日からの会議は各部門の責任者も参加する様に言ってくれ」

「え⁉各部門の開発者にもですか?」

「ああ!もう我々だけで考えるだけでなく、現場の意見を取り入れよう!」

「それでは、我々の立場は?」

「そんな、薄っぺらいプライドなんて捨てるのだ!受付嬢のレーラが言ってただろ?Freedomでは、奴隷の意見もケンジさんが取り入れてると!だったら、我々ギルドも下の者の意見を取り入れたら、いい商品が生み出せるかもしれない!」

「た、たしかに……」

 今度のギルドマスターは、今まで不遇の扱いを受けていた為、今までのようなプライドなど最初からなかったのである。幹部候補だった者の方がどちらかといえば、頭が固い行動をしていたのだ。

「鍛冶でも裁縫、あらゆる分野で活躍している人間がよれば、より良い意見が出てきてもおかしくない!まず何でもいいから一つギルドを上げてやってみようではないか!」

「「「「はい!」」」」

 今度のギルドは、強い組織になりそうな予感があったのである。

しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

悪役令嬢の選んだ末路〜嫌われ妻は愛する夫に復讐を果たします〜

ノルジャン
恋愛
モアーナは夫のオセローに嫌われていた。夫には白い結婚を続け、お互いに愛人をつくろうと言われたのだった。それでも彼女はオセローを愛していた。だが自尊心の強いモアーナはやはり結婚生活に耐えられず、愛してくれない夫に復讐を果たす。その復讐とは……? ※残酷な描写あり ⭐︎6話からマリー、9話目からオセロー視点で完結。 ムーンライトノベルズ からの転載です。

ドン引きするくらいエッチなわたしに年下の彼ができました

中七七三
恋愛
わたしっておかしいの? 小さいころからエッチなことが大好きだった。 そして、小学校のときに起こしてしまった事件。 「アナタ! 女の子なのになにしてるの!」 その母親の言葉が大人になっても頭から離れない。 エッチじゃいけないの? でも、エッチは大好きなのに。 それでも…… わたしは、男の人と付き合えない―― だって、男の人がドン引きするぐらい エッチだったから。 嫌われるのが怖いから。

ポンコツ女子は異世界で甘やかされる(R18ルート)

三ツ矢美咲
ファンタジー
投稿済み同タイトル小説の、ifルート・アナザーエンド・R18エピソード集。 各話タイトルの章を本編で読むと、より楽しめるかも。 第?章は前知識不要。 基本的にエロエロ。 本編がちょいちょい小難しい分、こっちはアホな話も書く予定。 一旦中断!詳細は近況を!

【完結】溺愛予告~御曹司の告白躱します~

蓮美ちま
恋愛
モテる彼氏はいらない。 嫉妬に身を焦がす恋愛はこりごり。 だから、仲の良い同期のままでいたい。 そう思っているのに。 今までと違う甘い視線で見つめられて、 “女”扱いしてるって私に気付かせようとしてる気がする。 全部ぜんぶ、勘違いだったらいいのに。 「勘違いじゃないから」 告白したい御曹司と 告白されたくない小ボケ女子 ラブバトル開始

二人の公爵令嬢 どうやら愛されるのはひとりだけのようです

矢野りと
恋愛
ある日、マーコック公爵家の屋敷から一歳になったばかりの娘の姿が忽然と消えた。 それから十六年後、リディアは自分が公爵令嬢だと知る。 本当の家族と感動の再会を果たし、温かく迎え入れられたリディア。 しかし、公爵家には自分と同じ年齢、同じ髪の色、同じ瞳の子がすでにいた。その子はリディアの身代わりとして縁戚から引き取られた養女だった。 『シャロンと申します、お姉様』 彼女が口にしたのは、両親が生まれたばかりのリディアに贈ったはずの名だった。 家族の愛情も本当の名前も婚約者も、すでにその子のものだと気づくのに時間は掛からなかった。 自分の居場所を見つけられず、葛藤するリディア。 『……今更見つかるなんて……』 ある晩、母である公爵夫人の本音を聞いてしまい、リディアは家族と距離を置こうと決意する。  これ以上、傷つくのは嫌だから……。 けれども、公爵家を出たリディアを家族はそっとしておいてはくれず……。 ――どうして誘拐されたのか、誰にひとりだけ愛されるのか。それぞれの事情が絡み合っていく。 ◇家族との関係に悩みながらも、自分らしく生きようと奮闘するリディア。そんな彼女が自分の居場所を見つけるお話です。 ※この作品の設定は架空のものです。 ※作品の内容が合わない時は、そっと閉じていただければ幸いです(_ _) ※感想欄のネタバレ配慮はありません。 ※執筆中は余裕がないため、感想への返信はお礼のみになっておりますm(_ _;)m

妹が私の婚約者を奪った癖に、返したいと言ってきたので断った

ルイス
恋愛
伯爵令嬢のファラ・イグリオは19歳の誕生日に侯爵との婚約が決定した。 昔からひたむきに続けていた貴族令嬢としての努力が報われた感じだ。 しかし突然、妹のシェリーによって奪われてしまう。 両親もシェリーを優先する始末で、ファラの婚約は解消されてしまった。 「お前はお姉さんなのだから、我慢できるだろう? お前なら他にも良い相手がきっと見つかるさ」 父親からの無常な一言にファラは愕然としてしまう。彼女は幼少の頃から自分の願いが聞き届けられた ことなど1つもなかった。努力はきっと報われる……そう信じて頑張って来たが、今回の件で心が折れそうになっていた。 だが、ファラの努力を知っていた幼馴染の公爵令息に助けられることになる。妹のシェリーは侯爵との婚約が思っていたのと違うということで、返したいと言って来るが……はあ? もう遅いわよ。

拝啓、婚約者様。ごきげんよう。そしてさようなら

みおな
恋愛
 子爵令嬢のクロエ・ルーベンスは今日も《おひとり様》で夜会に参加する。 公爵家を継ぐ予定の婚約者がいながら、だ。  クロエの婚約者、クライヴ・コンラッド公爵令息は、婚約が決まった時から一度も婚約者としての義務を果たしていない。  クライヴは、ずっと義妹のファンティーヌを優先するからだ。 「ファンティーヌが熱を出したから、出かけられない」 「ファンティーヌが行きたいと言っているから、エスコートは出来ない」 「ファンティーヌが」 「ファンティーヌが」  だからクロエは、学園卒業式のパーティーで顔を合わせたクライヴに、にっこりと微笑んで伝える。 「私のことはお気になさらず」

今さら、私に構わないでください

ましゅぺちーの
恋愛
愛する夫が恋をした。 彼を愛していたから、彼女を側妃に迎えるように進言した。 愛し合う二人の前では私は悪役。 幸せそうに微笑み合う二人を見て、私は彼への愛を捨てた。 しかし、夫からの愛を完全に諦めるようになると、彼の態度が少しずつ変化していって……? タイトル変更しました。

処理中です...