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第9章 Freedom国の発展!

54話 連合部隊の最後

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 城壁内におびき寄せられた、連合国の兵士達は、自分に達に何が起こったのか分からなかったのである。

「これは……いったい……」

 飛龍騎士団の団長は、目の前の光景を見て愕然とするしかなかったのだ。そして、キース王太子の言葉を思い出していたのである。

『あの国は、得体のしれない何かがあると思って行動した方が良い!』

 そして、我が主君はFreedom国の実力を見誤ったと思い、その場で気絶してしまったのである。これは、ドラクーン騎士団団長、テンプルナイト団長も同じように思い、この小国が今大陸一の実力を持つ国だと思い、そんな国に喧嘩を売った事を後悔したのだった。
 だが、もう遅いのである。何もしていない国を、魔王の復活のようにでっち上げ、戦争を吹っ掛けたのはこちら側なのである。

 そして、Freedom国の城門が開き、生き残っている者は全て捕虜となってしまったのである。そして、ケンジはギルやロイ、ランスロット達Freedom国の鳳凰騎士団に命令したのだった。

「今から、最外壁の扉を開く!連合国の兵士達を蹴散らせ!生産職の人間や歯向かう気力のない者は、無駄に命を奪うな!」

「「「「「「おう‼」」」」」」

 ケンジは、連合国がいる正面門の鉄の塊を、インベントリに収納し城門を開いたのである。それと同時に、鳳凰騎士団である騎馬に乗ったランスロット達は、出撃したのだった。それと同時に、マイと、ギルやロイ達護衛メンバーは、予め草原に隠していた転移マットを使い連合国の後方から、伏兵として出撃したのである。
 ここには、ハヤテとツバキ達アラクネの9人、イチカ達AIゴーレム13人も加わっていたのである。

 連合国は、ここでもまたケンジの策にはまり、挟み撃ちにされたのだった。

「将軍‼敵兵です!お逃げください。ここはもうだめです!」

 将軍は、騎馬に乗り出撃しようとしたが、部下に止められ後方に向きを帰られたのである。

「馬鹿者!総指揮官が逃げてどうするのだ!」

「将軍さえ逃げていただけたら、まだ再起ははかれます!ここは我々が必ず足止めをします!」

「くっ……」

 将軍は部下達の姿を見て、死ぬつもりだという事がわかったのだ。それほどまでに、部下達の姿はボロボロで、今向かってくる、ランスロット達には勝てないと分かるのだった。

 すると、部隊の後方で悲鳴が上がるのである。

「わああああ!たすけてくれええ!」
「やめて!やめてくれえええ!」
「ぐは!」

「将軍!大変でございます!」

「いったいどうしたのだ!」

「後方から伏兵が!」

「なっ⁉」

 将軍が後方を見ると、そこにはバトルホースが睡眠ブレスを吐き、味方の兵士がバタバタ倒れ、アラクネ集団が涙を流しながら、抵抗する兵士を粘着糸で拘束しているのである。

「お前達のせいでキキョウが!」
「わあああ~~~~!」

 マードック達は、抵抗し反撃してくる兵士達だけを斬り捨て、ドンドン連合国の兵士や生産者達が動けなくなっていくのである。

「く、くっそぉ~~~~~!」

「将軍!ここはもう無理です!早くお逃げください‼」

 将軍と護衛数名は、草原から外れ森の中をつき切り、逃亡するしかなかったのである。ランスロット達、鳳凰騎士団は、連合国の兵士達を騎馬の上からランスで攻撃し、容赦なく気絶させていくのである。

 ランスロット達も、修業のおかげで体力は戻り前の状態以上に、レベルもあがっていたのである。その為、弱り切った連合国の兵士には、手加減をしても相手が出来ていたのである。

 そして、Freedom国の完全勝利となったのである。これにより、Freedom国は名実と共に大陸一安全な国となったのである。

 そして、逃げ切った総指揮官である将軍は、今の状況が信じられなかったのだ。今朝までは、自分のもとには3国の騎士団がついて、その数およそ6万という騎士団がいたのである。
 冒険者や生産者の数をいれれば8万はいたのに、今は自分を入れて12名となっていたのである。

「ぐっ……何故だ……どこで間違えたのだ……」

「「「「将軍……」」」」

「ワシは、いったいどのように我が主君に申し開きをすればいいのだ……」

 将軍は、目の前で起こっていた事が、本当に信じたくなかったのだ。それも当然であり、Freedom国は1000人も満たなかったのである。城壁の上には確かに人数はいたのだが、それでもあんな場所に万という人数はいなかったのだ。
 そして最後、騎馬に乗ったランスロットの騎士団は、元14番隊で間違いなかったのだ。元14番隊は奴隷に落とされ生き残ったのは100名もいないと聞いていたのだ。

「将軍!やっぱりキース王太子の言う事が正しかったのです!」

「そうです!あの国は常識が通じなかったのです……」

「城壁内で、何が起こっていたのか分かりませんが、あの爆発音はただ事じゃないのは確かでございます!」

「だが、8万対1千では誰も信じてくれまい……」

 将軍は、そういってグランパス王国に落ちのびていったのだった。




 そして、その頃Freedom国周辺では、捕虜となった1万単位の人間が、町の中に連行されていたのだった。
 その後景はまるで、市中引き回しの罪人のようだった。だが、町の中は歓声が上がり、最初絶望だと思っていた連合国に、1000人程度で圧勝しこちらの犠牲者は、キキョウの一人だけだったのである。

 だが、ケンジは困っていたのである。いきなりこんな大量の捕虜の扱いに困っていたのである。中には王国騎士で、顔の見知ったテンペの町の衛兵やダンジョンの衛兵もいたのである。

「ムシュダルクさん、これからどうしたらいいですか?」

「普通なら、捕虜は鉱山送りになり、死ぬまで鉱石や宝石資材を採掘をさせるのですが、Freedom国は所有の鉱山が無いですからね……」
「ですが、あの捕虜たちは団長や隊長クラスの人間ばかりです。鳳凰騎士団に加入させたら、いいのではないでしょうか?」
「それに、生産職の人間や物資は、国の為に使えばよろしいでしょう!」

 内政を得意とするムシュダルク達は色んな案を出していくのだった。捕虜は、普通戦争奴隷となり勝国のものとなるのである。

「うん!わかったよ。そのようにあつかってくれ!だが、捕虜と言っても、普通世間一般のような扱いはしないでくれよ!」

「ケンジ様!何を言っているのですか⁉」

「そんな奴隷食なんか、与えても役に立たないだろ?ランスロット達のように、鳳凰騎士団の役に立てるようにしなくては意味がないだろ?」

「ですが、一万数千人の食事や生活費など……」

「どうにもならないのか?」

「いえ……検討して見ます……」

 今のFreedom国に、それ位の事は普通に出来る事であった。生産者の捕虜がいることも幸いしたのである。ポーションを作る錬金術士がいる事も味方し、生産量が上がる事となるのである。
 そして、捕虜となった各国の団長クラスの騎士達を治療する事で、国の周りにいる食材を採取する事と、畑で取れる野菜類を、大量生産をすれば全然賄えるのである。

「それと、ムシュダルクさん!3国に賠償請求を頼む!王国・帝国・聖国のトップには責任を取ってもらい、辞任してもらうように言ってくれ!」

「ケンジ様?Freedom国の、支配下には置かないのですか?」

「それはどう考えても無理だろ?」

 ケンジが無理というのは当然であった。

 帝国領は地球でいう山口県から兵庫県まであり統治されているのである。
 王国領は大阪府から南海あたりと静岡の富士の裾野当たりまで、それに聖国は関東一円を治めているのである。

 それならば、賠償金を取り責任を取って、辞任してもらうのが現実的なのである。

「ですが、言う事を聞くとは思えないのですが……」

「言う事を聞かなければ、今度はこっちが攻め入ると言ってくれ!相手は一日で全滅したんだ。Freedom国の怖さはわかっているはずだよ」

「わ、分かりました!」

 こうして、これからFreedom国は、戦争の後始末をするのである。



 その頃、グランパス王国では会議が開かれ、戦争の勝利の報告を今か今かと待っていたのであった。

「報告はまだか?」

「国王!王国では昨日の朝に進行が開始されたと言います!そんなに焦っては……それに、3国の連合ですので時期に報告が上がるかと!」

 その時、その会議室に数名の影が現れるのだった。

「グランパス王よ!」

「何者だ!」

 その時、国王の前にブラックスペンサーも現れ、国王をガードしたのである。

「貴様は!闇ギルドのギルドマスター!」

「ああ!宰相もいたか……丁度良い!我々は言ったはずだよな?あの国に、ケンジにだけは手出ししたらいけないってな」

「がははははは!何を言っておる!連合国が相手になっているのだ。ケンジ如き何を恐れる事があるのだ!」

「グランパス王は先が見えておらんようだな……お主の息子の言う事を、聞いておれば良かったのに残念だよ!」

「何を言っておる!勝てば正義だ。いずれ勝利の報告が入って来るわ!」

「そう思いたかったら思っていればいいさ!俺達闇ギルドは王国だけでなく、帝国聖国からも撤退させてもらうよ。精々がんばんなよ!」

「な、なんだと⁉王国だけでなく、帝国や聖国からも撤退だと?なぜだ?」

「そんな分かり切った事を!俺らの情報網では、連合国が負けたからだよ!3国にいたら俺達にとばっちりが来たらかなわねえからな」 

「馬鹿な‼連合国が負けたと申すのか?」

「信じれないが現実だ!お前はよくて奴隷落ちだな!それじゃお達者で!」

 そういって、闇ギルドマスターは音もたてず消えていったのだ。そして、その場にいた、国王と上級貴族は何も言えず、会議室は静寂に包まれたのだった。


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