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第9章 Freedom国の発展!

50話 王国の決断

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 グランパス王国では、会議が行われていて、宰相達はFreedom国を避難していたのだった。

「国王!聖国と帝国に便乗さえすれば、Freedom国を好き勝手させる事はもうなくなるはずです!」

「宰相!ちょっと待つのだ!」

 キース王太子が、熱くなる貴族達を押さえつけるのだった。

「確かに!Freedom国は調子に乗っているが、今王国がこの同盟に賛同するのは早計だ!今は、Freedom国を手中に収めるべきではない!」

「王太子、何を言っているのですか?経済の中心が、王国ではなくなるのですよ!そうなれば、Freedom国は増々調子に乗るのは目に見えている!」

「だが、経済の中心の国の援助を受ければ、更に王国は発展する可能性が出てくると思わないか?戦争などと、馬鹿な考えを出すより、経済の中心にある国を利用したほうが良いだろ!」

「バカな‼経済の中心をやっとの事で、王国は手にしたのですぞ!10数年で、取って変わられるなどあってはならん事です!」

「たしかに、父上や貴方達の今までの苦労があって、グランパス王国が大陸一生活がしやすい国となった!そのおかげで人々が移住してきて、経済の中心地になった事はわかる!」

「だったら、あんなぽっと出の小国にとってかわられたら王国のプライドが……」

「そんなプライドなんて、最初からなかった事にしたらいいんだ!」

「なんて事をおっしゃるのですか!」

「いいか?あのFreedom国は、得たいがしれないと考えるべきだ!宰相達は、あのSSランクの従魔は同盟を組んだら、テンプルナイトがどうにかできると考えているんだろう?」

「それは当然でございます!テンプルナイトは、あの極級ダンジョンに潜れる唯一の騎士団なのです!だったらあのバトルホースやアラクネの相手をしてもらい、その間にあの国を攻め落とすなど簡単にできるはずです!」

「確かに、聖国と帝国の戦力をあわせれば、敵はいないであろう!」

「そうでございます!国王も、そのように判断できましょう!」

「うむ!それは確かにそう思う!」

「父上!待ってください‼その後は、どうするおつもりですか?」

「後とは、どういうことだ?」

「今、5都市がFreedom国から受けている恩恵ですよ。あのおかげで、王国の人口は増え続けているという事実です!」

「国王!それについても考えがあります!」

「宰相、申してみよ!」

「敗戦国となるFreedom国は、戦利品となるのは言うまでもありません。その時に、ケンジ達や奴隷達を取るのです。国や資産は、聖国や帝国に分け与えてしまえばいいのです」

 戦争で、敗戦国の分け前で、一番厄介なのが戦争奴隷である。普通の考えでは、奴隷を食わせなければ利益を出せないのだ。その為、土地や資産から取り合う形となり、最後に奴隷が残るのである。五体満足な奴隷なら、いいのだが敗戦国である為欠損や傷が残り、役に立つ奴隷が殆ど残らないのが実状である。

「バカな‼そんな事をすれば、損をするだけではないか!」

「いいえ、そんな事にはなりません!ケンジさえ手に入れ、王族の奴隷にしてしまえば、後は今まで通りに自由を奪い、王国の為に働かせればいいのです」

「なるほど!それは確かにいい考えだ!」

「父上!お待ちください。それは机上の空論でございます!本当に、この戦争は100%勝てると思いですか?」

「何を言っておる!聖国と帝国の同盟で、3国の連合で勝てないわけがなかろう!」

「父上!私は、あのケンジという人物は今までにない脅威を感じるのです。あの者が、王国に現れてたかだか5年にもならず、今の地位を築いているのですよ?」

「だから、どうしたというのだ?昔から言うではないか!」

「何を……言っているのですか?」

「出る杭は打たれるとな!あ奴は目立ち過ぎたのだよ!」

「何を言っておられるのですか?確かに目立ちすぎる人間は、今まで排除され表舞台からいなくなりました!」

「それと同じだよ!これからも、その方程式は変わらない事を、教えてやらねばならんのだよ!世界はこの王国がまわしているのだ。聖国や帝国がそれを変わるのならば100歩譲ってまだわかるが、5年そこそこの若造が、国を作りとってかわられるのは我慢がならん!」

「父上!思い直してください‼今までと、同じように考えては危険でございます!もし失敗した場合、どのように責任を取るおつもりですか?」

「ええ~~~い‼くどいぞ、キース!それ以上反抗するなら、地下牢に閉じ込めるから覚悟せい!衛兵‼」

 国王が衛兵を呼び、王太子であるキースを捕縛したのである。

「ち、父上!どうなっても知りませんよ!」

「黙らぬか!衛兵‼この計画が成功するまで、地下牢にぶち込んでおけい!」

「キース様、さあ……こちらへ!」

「父上~~~~~今ならまだ‼父っ」

 衛兵も、王太子を捕らえる事になろうとは思いもせず、遠慮気味に腕を取り、会議室から追い出すのだった。


 あれほどまでに、グランパス王はケンジの事を不可侵で行くと言っていたのだが、日頃の不敬が余程我慢をしていたのであろう、とうとう禁断の決断をしようとしていたのである。
 
「国王!よくぞ決断をしてくださいました!」

「だが、ケンジには最終警告を出しておこう!」

「何を言って……」

「一応、王族貴族のペナルティーをとく様に警告するのだ。もし、そこでそれに応じるのであるならば、この同盟は王国は辞退する!」

「どういう事でしょうか?」

「あいつらは、多分それには応じぬよ!だから、お主は出来るだけ下手に出るのだ!」

「なっ⁉」

「まあ、聞くのだ!お前には嫌な役目を与えるが、お前ほどの貴族が下手に出るのだ。普通なら、無下に扱う事は無いが、ケンジはそれを断るであろう!それは立派な不敬罪として、王国は攻め入る事が出来るようになる」

「な、なるほど!」

「戦争で、ケンジは奴隷になるから、お前にはその時に鬱憤を晴らさせてやろう!どうだ?」

「わ、わかりました。そういう事なら、この宰相頭の一つや二ついくらでも下げましょうぞ!」

「うむ!頼んだぞ!」

 グランパス王国は、愚かな決断をしてしまったのである。これにより、王国、帝国、聖国の3連合国とFreedom国は争う事になるのである。
 これを回避できるのは、ケンジが王国の最終警告を受け入れる事が、必須条件となるのだがどうなるのか?

 そして、王太子の命運は?そして、この会議を見届けていた影の存在がいた事には、誰も気づいていなかったのである。


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