348 / 619
第9章 Freedom国の発展!
13話 久しぶりの中級ダンジョン③
しおりを挟む
マイ達、護衛メンバーはこんなはずではと思い焦っていたのだった。ここに来る前、ケンジは何を言っているんだと思っていたのだが、実際ここにきて愕然としたのだ。
ダンジョン内の、魔物達は力をつけていてオークでさえ、ケンジの装備がなければ、あれほどまでに苦戦を強いられたのだ。
「マイさん!この先にワイルドベアーが3体います!」
「わかった!」
マイ達の気配に気づいた、ワイルドベアーが突進してきたのだ。いつも通り、システィナは挑発したのだった。
システィナは、先ほどの事もあり今回は慎重に構えて、ワイルドベアーの太い腕から繰り出される爪攻撃を、受け止めるのではなく力の方向を変えるように薙ぎ払うのだった。
そして、プリムは全集中し、ワイルドベアーの急所を狙って、只の突きを繰り出し一撃で仕留めたのである。
「プリム、よくやったわ!システィナも冷静に対処して良かったわよ!」
「「ありがとうございます!」」
マイのこの言葉は、士気を上げる為にもリーダーとして必要な事である。そして、マイ達はどんどん先に進んだのだった。
「マイさん!40分経ちそうです」
「セイラ!補助魔法をお願い!」
「はい!」
システィナとマードックも、補助スキルを同時に掛けたのだった。そして、そのまま奥へと進むのだった。
「マイさん!奥にオーガが1体います」
「みんな、コイツを倒したら2階層よ!」
「「「「「はい!」」」」」
すると、オーガが侵入してきた、マイ達の姿を発見し、大きな丸太のような武器を振り回し、突進してきたのだった。
システィナは、いつも通りオーガを挑発したのだった。オーガは、近づくと判明したのだがオーガの上位種、オーガファイターであった。
「コイツは……只の、オーガじゃなくてオーガファイターよ!みんな気を付けて!」
ここにきて、ダンジョン内が薄暗い事で近くに来るまで、只のオーガだと思っていたのが、オーガファイターだったのである。
システィナは、オーガの武器に対して、意識を集中させ力を分散させる様に構えを取るのである。
一撃一撃が凄く重いオーガファイターの攻撃は、システィナに少しづつではあるが、ダメージを蓄積させていくのである。
オリヴィアは、ヒールの回復量を見極め、最大値になる様に唱えていくのである。その間、プリムとマードックはオーガファイターの後ろに回り込みドンドン攻撃を繰り返し、オーガファイターのHPを削っていくのである。
二人は、マイの命令でオーガの肩口に集中して、攻撃を繰り返していくのだった。その時、マードックの一撃が決まったのである。ブチっという音が聞こえ、それと同時にオーガファイターの丸太のような腕が切断されたのだ。
『グワァァァァァァァァァァ!』
オーガファイターの咆哮だった!通路から広くなった、広場のような部屋中に響き渡ったのである。その咆哮にシスティナとマードックが、麻痺したように動かなくなったのである。
「ゥぐ……」
「きゃっ!」
オーガファイターは、その瞬間を見逃さなかったのである。システィナに向けて、その丸太のような残った左腕で振りかぶり、システィナを殴りかかったのだ。
セイラは、システィナに向けて※①【クリアランス】を唱えたのだが、MPがこの連続の戦闘により足らなくなっていたのだ。クリアランスは失敗し、セイラが気絶したのだった。
「セイラァ!」
マイは叫ぶが、もうどうしようもないのだ。その瞬間、システィナは動けない状態でオーガファイターに殴られ、吹っ飛ぶのだった。
システィナは、麻痺をしていた為、叫び声も上げられず壁に打ち付けられ、気絶してしまったのだった。
オーガファイターの足元には、動けなくなったマードックがただ佇むだけで、オーガファイターはイヤらしい笑みを浮かべ、マードックを睨むのだった。
マイはやばいと思い、構えを取るのだった。
※②「立花極心流……奥義!覇殺拳‼」
これは、前にも使った奥義で、相手の心の臓に衝撃を叩き込み、鼓動を止める一撃必殺の技である。
マイの拳は、オーガファイターの心臓に拳が決まったのだ。オーガファイターはグラッと上体が揺れ、膝から力が抜けたと思った瞬間……また、力が復活したように持ち直したのだった。
マイの、覇殺拳が決まらなかったのだ。マイも、休憩してMPが全回復してなかった為、MPが足らなかったのである。そのため、オーガファイターにダメージを与えたのだが、心臓にまで衝撃波が十分に与える事が出来ず、心臓を停止させるだけの力が伝わらなかったのだ。
プリムは、※③【旋風陣】を放ちたかったのだが、麻痺を起こしてマードックが近くにいる為、放つ事が出来なかったのだ。
その為、通常攻撃を繰り返していたのだが、壁役であるシスティナもいなくなり、オーガの攻撃を避けながら攻撃を繰り出す事となり、なかなか致命傷を与える事が出来なくなっていたのだ。
「どうやらここまでのようだな……」
ケンジは、マイ達が死んでしまうと思い、手を出す事にしたのだった。ケンジは※④【コキュートス=レイ】をオーガファイターに撃ったのである。
一閃の矢の様に飛んで行った魔法はオーガファイターに当たり、その瞬間でオーガファイターの細胞全てが、活動停止し凍りついたのだった。
それを見た、マイとプリムはその場に崩れ落ちた様に、膝をついたのだった。ギルとオリヴィアも、その後景に安心した様で、やっと終わったのかという疲れで呆然としたのだった。
「ギル、オリヴィア!システィナとセイラの救護!プリムはマードックを運んできてくれ!」
「「「は、はい!」」」
ケンジはこの場所にハウスを出し、家の中にみんなを入れるのだった。マイをはじめ、ギル達は自分の不甲斐なさに落ち込むのであった。
ケンジは、前衛で戦っていたマイ達に※⑤【パーフェクトヒール】を唱え、システィナとMP切れのセイラにはベットで休んでもらう事にしたのだ。
「みんなも、システィナとセイラが目覚めるまでゆっくりしてろよ!話はそれからだ」
「「「「「はい……」」」」」
「ケンちゃん!ちょっと待ってよ」
「何か言いたい事があるのか?」
「これで終わりって言わないよね?」
「……」
ケンジは、マイの目をジッと見て悲しそうな顔をするのだった。
「何で何も言ってくれないのよ?」
「後で、言おうと思っていたが……本当にいいのか?」
「あたし達は、まだ終わってない!まだ頑張れるから!」
「だけど、あの時……俺が手を出していなかったらどうなってた?」
「そ、それは……」
「もし、今回これがギルドの依頼で、俺じゃない生産者の護衛としてのミッションだった場合、マイは今の様にまだ失敗してないと駄々をこねるのか?」
「……」
「いや……それ以前に全滅してたら、こうして文句も言えなかったかもしれないんだぞ?」
ケンジの言葉に、マイをはじめギル達も下を向き、悔しそうな顔をしていたのだった。
「いいか?マイ!今回の件でよくわかったと思うが、お前達は今の中級ダンジョンの1階層も、越える事が出来ない実力なんだ!」
「これは、ちょっと思ってた事と違って!」
「マードック……そうだろうな……今までなら、自分でも考えられない程の攻撃回数で圧倒していたのに、たかが2回攻撃になってびっくりしただろ?」
「はい……」
「マードック!勘違いしたら駄目だぞ。それがお前の基本スペックであり実力なんだ」
「そっ!」
「そんなじゃないんだ!冒険者達は普通その装備でお前よりもレベルが低いが、慎重にダンジョン攻略をしているんだ。それに今の中級ダンジョンは、また力をつけて強力な魔物が横行しているんだ」
「……」
「マードックもそう思わないか?たかがオークが、あんなに強いとは思わなかったろ?」
「それは……」
ケンジは、マードックにそういって話を続けるのだった。
「これで終わりじゃないぞ?お前達には、当分その装備で初心を思い出して貰うから、覚悟しておけよ?」
「主!初心ってどういう事だ?」
ケンジは、マードックに訳を話さなかった。ここで話すより、ケンジが後方から護衛をし、実戦で自分で気づいてもらわないと分からないと思ったからだ。
「とにかくだ!セイラ達が目覚めたら、いったん国に帰るから全てはそれからだよ。お前達は、ダンジョンに潜ろうという、準備からなっていないから、こういう事になったのが分からないようだからな!」
「そ、そんな!主は準備の時、アイテムを確認した時、何も言ってくれなかったではありませんか!」
「ギル……お前は、あの時自信を持って大丈夫だ!と、俺に答えたじゃないか!あれは嘘だったのか?」
「そうではありません!もし足りないのであれば、あの時に言ってくれても!」
「それで、丁寧に教えてお前は身に染みて覚えるというんだな?」
「そ、それは……」
「今回の事は、お前自身身に染みたと思う!何が足りなかったか、よく分かったんじゃないか?」
「はい……」
ギルは、ケンジが言っている事がよくわかるのである。まずランタンがあれば、もっと先まで見通せる事が出来、罠にも引っかからなかったと思うのだった。ポーションも数が、全然足りない事も分かったのだった。
「いいか?ギル。それが経験だよ!俺が悪かったと言ったのは、それらの事をギル達に、経験させなかった事なんだよ……いきなり強力な装備を与えた事により、それらの経験をすっ飛ばしてしまったんだよ。本当に悪かった……」
ケンジは、ギル達に頭を下げたのだった。そして、それを見たギル達は下を向き、黙っているしか出来なかったのだ。
数時間した後、システィナとセイラが目を覚めた事により、ダンジョンから脱出し、簡易村だった場所にハウスを建てて、Freedom国に帰るのだった。
*-----*-----*-----*-----*
この話で出てきたスキル、魔法一覧
※①【クリアランス】
神聖魔法 5階位
消費MP 25
詠唱速度 1.5秒(詠唱スキルが無い場合)
効果時間 一瞬
効果対象 ひとり
効果範囲 なし
必要秘薬 なし
備考欄
状態異常の仲間を治療する魔法。この魔法は毒とかパラライズ、沈黙等
殆どの状態を治す事ができて便利である。
唯一、治せないのは呪いだけであり、MP消費が高いのが欠点だろう。
クレリック、プリースト職業レベル60信仰心スキル50.00で使用可能。
※②【立花極心流奥義 覇殺拳】
表の奥義 相手の心臓の鼓動に合わせ拳を打ち込む奥義。
心臓麻痺を起こす一撃必殺技
※③【旋風陣】
竜巻を前方に打ち出し嵐の中に閉じ込めエアカッターで、なます切りに
して上空に舞い上がらせ落下させる技
※④【コキュートス=レイ】
水属性魔法 10階位
消費MP 80
詠唱速度 85秒(詠唱スキルが無い場合)
効果時間 一瞬
効果対象 一人
効果範囲 なし
必要秘薬 紫水晶15個
備考欄
水属性魔法の最高位魔法で絶対零度の冷気を直接体内に
打ち込む魔法。当たった瞬間炎でさえ凍らせてしまう魔法。
一撃必殺の攻撃魔法である。
ダメージは無し命中した瞬間ありとあらゆる物は活動停止
し死亡してしまうからである。
大魔道師の職業レベル200・パッシブスキル魔法120.00で使うこと
が可能。
※⑤【パーフェクトヒール】
聖属性魔法 8階位
消費MP 56
詠唱速度 90秒(詠唱スキルが無い場合)
効果時間 一瞬
効果対象 一人
効果範囲 なし
必要秘薬 紫水晶・高麗人参・黒大蒜、各5個
備考欄
聖属性魔法の回復魔法としては最高峰の魔法。この上には回復魔法は
存在しない。この魔法を使うと命さえ無事ならば部位欠損さえも元通りに
してしまう。この上位になると蘇生魔法になるがそれらの魔法は禁忌になる。
大魔道士職業レベル150以上魔法スキル120.00で使える。
ダンジョン内の、魔物達は力をつけていてオークでさえ、ケンジの装備がなければ、あれほどまでに苦戦を強いられたのだ。
「マイさん!この先にワイルドベアーが3体います!」
「わかった!」
マイ達の気配に気づいた、ワイルドベアーが突進してきたのだ。いつも通り、システィナは挑発したのだった。
システィナは、先ほどの事もあり今回は慎重に構えて、ワイルドベアーの太い腕から繰り出される爪攻撃を、受け止めるのではなく力の方向を変えるように薙ぎ払うのだった。
そして、プリムは全集中し、ワイルドベアーの急所を狙って、只の突きを繰り出し一撃で仕留めたのである。
「プリム、よくやったわ!システィナも冷静に対処して良かったわよ!」
「「ありがとうございます!」」
マイのこの言葉は、士気を上げる為にもリーダーとして必要な事である。そして、マイ達はどんどん先に進んだのだった。
「マイさん!40分経ちそうです」
「セイラ!補助魔法をお願い!」
「はい!」
システィナとマードックも、補助スキルを同時に掛けたのだった。そして、そのまま奥へと進むのだった。
「マイさん!奥にオーガが1体います」
「みんな、コイツを倒したら2階層よ!」
「「「「「はい!」」」」」
すると、オーガが侵入してきた、マイ達の姿を発見し、大きな丸太のような武器を振り回し、突進してきたのだった。
システィナは、いつも通りオーガを挑発したのだった。オーガは、近づくと判明したのだがオーガの上位種、オーガファイターであった。
「コイツは……只の、オーガじゃなくてオーガファイターよ!みんな気を付けて!」
ここにきて、ダンジョン内が薄暗い事で近くに来るまで、只のオーガだと思っていたのが、オーガファイターだったのである。
システィナは、オーガの武器に対して、意識を集中させ力を分散させる様に構えを取るのである。
一撃一撃が凄く重いオーガファイターの攻撃は、システィナに少しづつではあるが、ダメージを蓄積させていくのである。
オリヴィアは、ヒールの回復量を見極め、最大値になる様に唱えていくのである。その間、プリムとマードックはオーガファイターの後ろに回り込みドンドン攻撃を繰り返し、オーガファイターのHPを削っていくのである。
二人は、マイの命令でオーガの肩口に集中して、攻撃を繰り返していくのだった。その時、マードックの一撃が決まったのである。ブチっという音が聞こえ、それと同時にオーガファイターの丸太のような腕が切断されたのだ。
『グワァァァァァァァァァァ!』
オーガファイターの咆哮だった!通路から広くなった、広場のような部屋中に響き渡ったのである。その咆哮にシスティナとマードックが、麻痺したように動かなくなったのである。
「ゥぐ……」
「きゃっ!」
オーガファイターは、その瞬間を見逃さなかったのである。システィナに向けて、その丸太のような残った左腕で振りかぶり、システィナを殴りかかったのだ。
セイラは、システィナに向けて※①【クリアランス】を唱えたのだが、MPがこの連続の戦闘により足らなくなっていたのだ。クリアランスは失敗し、セイラが気絶したのだった。
「セイラァ!」
マイは叫ぶが、もうどうしようもないのだ。その瞬間、システィナは動けない状態でオーガファイターに殴られ、吹っ飛ぶのだった。
システィナは、麻痺をしていた為、叫び声も上げられず壁に打ち付けられ、気絶してしまったのだった。
オーガファイターの足元には、動けなくなったマードックがただ佇むだけで、オーガファイターはイヤらしい笑みを浮かべ、マードックを睨むのだった。
マイはやばいと思い、構えを取るのだった。
※②「立花極心流……奥義!覇殺拳‼」
これは、前にも使った奥義で、相手の心の臓に衝撃を叩き込み、鼓動を止める一撃必殺の技である。
マイの拳は、オーガファイターの心臓に拳が決まったのだ。オーガファイターはグラッと上体が揺れ、膝から力が抜けたと思った瞬間……また、力が復活したように持ち直したのだった。
マイの、覇殺拳が決まらなかったのだ。マイも、休憩してMPが全回復してなかった為、MPが足らなかったのである。そのため、オーガファイターにダメージを与えたのだが、心臓にまで衝撃波が十分に与える事が出来ず、心臓を停止させるだけの力が伝わらなかったのだ。
プリムは、※③【旋風陣】を放ちたかったのだが、麻痺を起こしてマードックが近くにいる為、放つ事が出来なかったのだ。
その為、通常攻撃を繰り返していたのだが、壁役であるシスティナもいなくなり、オーガの攻撃を避けながら攻撃を繰り出す事となり、なかなか致命傷を与える事が出来なくなっていたのだ。
「どうやらここまでのようだな……」
ケンジは、マイ達が死んでしまうと思い、手を出す事にしたのだった。ケンジは※④【コキュートス=レイ】をオーガファイターに撃ったのである。
一閃の矢の様に飛んで行った魔法はオーガファイターに当たり、その瞬間でオーガファイターの細胞全てが、活動停止し凍りついたのだった。
それを見た、マイとプリムはその場に崩れ落ちた様に、膝をついたのだった。ギルとオリヴィアも、その後景に安心した様で、やっと終わったのかという疲れで呆然としたのだった。
「ギル、オリヴィア!システィナとセイラの救護!プリムはマードックを運んできてくれ!」
「「「は、はい!」」」
ケンジはこの場所にハウスを出し、家の中にみんなを入れるのだった。マイをはじめ、ギル達は自分の不甲斐なさに落ち込むのであった。
ケンジは、前衛で戦っていたマイ達に※⑤【パーフェクトヒール】を唱え、システィナとMP切れのセイラにはベットで休んでもらう事にしたのだ。
「みんなも、システィナとセイラが目覚めるまでゆっくりしてろよ!話はそれからだ」
「「「「「はい……」」」」」
「ケンちゃん!ちょっと待ってよ」
「何か言いたい事があるのか?」
「これで終わりって言わないよね?」
「……」
ケンジは、マイの目をジッと見て悲しそうな顔をするのだった。
「何で何も言ってくれないのよ?」
「後で、言おうと思っていたが……本当にいいのか?」
「あたし達は、まだ終わってない!まだ頑張れるから!」
「だけど、あの時……俺が手を出していなかったらどうなってた?」
「そ、それは……」
「もし、今回これがギルドの依頼で、俺じゃない生産者の護衛としてのミッションだった場合、マイは今の様にまだ失敗してないと駄々をこねるのか?」
「……」
「いや……それ以前に全滅してたら、こうして文句も言えなかったかもしれないんだぞ?」
ケンジの言葉に、マイをはじめギル達も下を向き、悔しそうな顔をしていたのだった。
「いいか?マイ!今回の件でよくわかったと思うが、お前達は今の中級ダンジョンの1階層も、越える事が出来ない実力なんだ!」
「これは、ちょっと思ってた事と違って!」
「マードック……そうだろうな……今までなら、自分でも考えられない程の攻撃回数で圧倒していたのに、たかが2回攻撃になってびっくりしただろ?」
「はい……」
「マードック!勘違いしたら駄目だぞ。それがお前の基本スペックであり実力なんだ」
「そっ!」
「そんなじゃないんだ!冒険者達は普通その装備でお前よりもレベルが低いが、慎重にダンジョン攻略をしているんだ。それに今の中級ダンジョンは、また力をつけて強力な魔物が横行しているんだ」
「……」
「マードックもそう思わないか?たかがオークが、あんなに強いとは思わなかったろ?」
「それは……」
ケンジは、マードックにそういって話を続けるのだった。
「これで終わりじゃないぞ?お前達には、当分その装備で初心を思い出して貰うから、覚悟しておけよ?」
「主!初心ってどういう事だ?」
ケンジは、マードックに訳を話さなかった。ここで話すより、ケンジが後方から護衛をし、実戦で自分で気づいてもらわないと分からないと思ったからだ。
「とにかくだ!セイラ達が目覚めたら、いったん国に帰るから全てはそれからだよ。お前達は、ダンジョンに潜ろうという、準備からなっていないから、こういう事になったのが分からないようだからな!」
「そ、そんな!主は準備の時、アイテムを確認した時、何も言ってくれなかったではありませんか!」
「ギル……お前は、あの時自信を持って大丈夫だ!と、俺に答えたじゃないか!あれは嘘だったのか?」
「そうではありません!もし足りないのであれば、あの時に言ってくれても!」
「それで、丁寧に教えてお前は身に染みて覚えるというんだな?」
「そ、それは……」
「今回の事は、お前自身身に染みたと思う!何が足りなかったか、よく分かったんじゃないか?」
「はい……」
ギルは、ケンジが言っている事がよくわかるのである。まずランタンがあれば、もっと先まで見通せる事が出来、罠にも引っかからなかったと思うのだった。ポーションも数が、全然足りない事も分かったのだった。
「いいか?ギル。それが経験だよ!俺が悪かったと言ったのは、それらの事をギル達に、経験させなかった事なんだよ……いきなり強力な装備を与えた事により、それらの経験をすっ飛ばしてしまったんだよ。本当に悪かった……」
ケンジは、ギル達に頭を下げたのだった。そして、それを見たギル達は下を向き、黙っているしか出来なかったのだ。
数時間した後、システィナとセイラが目を覚めた事により、ダンジョンから脱出し、簡易村だった場所にハウスを建てて、Freedom国に帰るのだった。
*-----*-----*-----*-----*
この話で出てきたスキル、魔法一覧
※①【クリアランス】
神聖魔法 5階位
消費MP 25
詠唱速度 1.5秒(詠唱スキルが無い場合)
効果時間 一瞬
効果対象 ひとり
効果範囲 なし
必要秘薬 なし
備考欄
状態異常の仲間を治療する魔法。この魔法は毒とかパラライズ、沈黙等
殆どの状態を治す事ができて便利である。
唯一、治せないのは呪いだけであり、MP消費が高いのが欠点だろう。
クレリック、プリースト職業レベル60信仰心スキル50.00で使用可能。
※②【立花極心流奥義 覇殺拳】
表の奥義 相手の心臓の鼓動に合わせ拳を打ち込む奥義。
心臓麻痺を起こす一撃必殺技
※③【旋風陣】
竜巻を前方に打ち出し嵐の中に閉じ込めエアカッターで、なます切りに
して上空に舞い上がらせ落下させる技
※④【コキュートス=レイ】
水属性魔法 10階位
消費MP 80
詠唱速度 85秒(詠唱スキルが無い場合)
効果時間 一瞬
効果対象 一人
効果範囲 なし
必要秘薬 紫水晶15個
備考欄
水属性魔法の最高位魔法で絶対零度の冷気を直接体内に
打ち込む魔法。当たった瞬間炎でさえ凍らせてしまう魔法。
一撃必殺の攻撃魔法である。
ダメージは無し命中した瞬間ありとあらゆる物は活動停止
し死亡してしまうからである。
大魔道師の職業レベル200・パッシブスキル魔法120.00で使うこと
が可能。
※⑤【パーフェクトヒール】
聖属性魔法 8階位
消費MP 56
詠唱速度 90秒(詠唱スキルが無い場合)
効果時間 一瞬
効果対象 一人
効果範囲 なし
必要秘薬 紫水晶・高麗人参・黒大蒜、各5個
備考欄
聖属性魔法の回復魔法としては最高峰の魔法。この上には回復魔法は
存在しない。この魔法を使うと命さえ無事ならば部位欠損さえも元通りに
してしまう。この上位になると蘇生魔法になるがそれらの魔法は禁忌になる。
大魔道士職業レベル150以上魔法スキル120.00で使える。
0
お気に入りに追加
2,450
あなたにおすすめの小説
異世界へ誤召喚されちゃいました~女神の加護でほのぼのスローライフ送ります~
モーリー
ファンタジー
⭐︎第4回次世代ファンタジーカップ16位⭐︎
飛行機事故で両親が他界してしまい、社会人の長男、高校生の長女、幼稚園児の次女で生きることになった御剣家。
保険金目当てで寄ってくる奴らに嫌気がさしながらも、3人で支え合いながら生活を送る日々。
そんな矢先に、3人揃って異世界に召喚されてしまった。
召喚特典として女神たちが加護やチート能力を与え、異世界でも生き抜けるようにしてくれた。
強制的に放り込まれた異世界。
知らない土地、知らない人、知らない世界。
不安をはねのけながら、時に怖い目に遭いながら、3人で異世界を生き抜き、平穏なスローライフを送る。
そんなほのぼのとした物語。
辺境伯家次男は転生チートライフを楽しみたい
ベルピー
ファンタジー
☆8月23日単行本販売☆
気づいたら異世界に転生していたミツヤ。ファンタジーの世界は小説でよく読んでいたのでお手のもの。
チートを使って楽しみつくすミツヤあらためクリフ・ボールド。ざまぁあり、ハーレムありの王道異世界冒険記です。
第一章 テンプレの異世界転生
第二章 高等学校入学編 チート&ハーレムの準備はできた!?
第三章 高等学校編 さあチート&ハーレムのはじまりだ!
第四章 魔族襲来!?王国を守れ
第五章 勇者の称号とは~勇者は不幸の塊!?
第六章 聖国へ ~ 聖女をたすけよ ~
第七章 帝国へ~ 史上最恐のダンジョンを攻略せよ~
第八章 クリフ一家と領地改革!?
第九章 魔国へ〜魔族大決戦!?
第十章 自分探しと家族サービス
役立たずと言われダンジョンで殺されかけたが、実は最強で万能スキルでした !
本条蒼依
ファンタジー
地球とは違う異世界シンアースでの物語。
主人公マルクは神聖の儀で何にも反応しないスキルを貰い、絶望の淵へと叩き込まれる。
その役に立たないスキルで冒険者になるが、役立たずと言われダンジョンで殺されかけるが、そのスキルは唯一無二の万能スキルだった。
そのスキルで成り上がり、ダンジョンで裏切った人間は落ちぶれざまあ展開。
主人公マルクは、そのスキルで色んなことを解決し幸せになる。
ハーレム要素はしばらくありません。
研磨職人!異世界に渡り、色んなものを磨き魔法スキルと合わせて、幸せに暮らす。
本条蒼依
ファンタジー
主人公である小野田博俊(おのだひろとし)は女神ミーレヌのせいで死んでしまい、
異世界であるミストラルに転移してもらう。
そこには研磨という職業は無く、博俊は研磨でお店を開き、魔法と掛け合わせて
楽しく儲けて生活する物語。
研磨で新しい効果を生み出し、時には笑い時には悲しみありの長編小説。に、
したいとおもいます(*^-^*)
貧民街の元娼婦に育てられた孤児は前世の記憶が蘇り底辺から成り上がり世界の救世主になる。
黒ハット
ファンタジー
【完結しました】捨て子だった主人公は、元貴族の側室で騙せれて娼婦だった女性に拾われて最下層階級の貧民街で育てられるが、13歳の時に崖から川に突き落とされて意識が無くなり。気が付くと前世の日本で物理学の研究生だった記憶が蘇り、周りの人たちの善意で底辺から抜け出し成り上がって世界の救世主と呼ばれる様になる。
この作品は小説書き始めた初期の作品で内容と書き方をリメイクして再投稿を始めました。感想、応援よろしくお願いいたします。
公爵家長男はゴミスキルだったので廃嫡後冒険者になる(美味しいモノが狩れるなら文句はない)
音爽(ネソウ)
ファンタジー
記憶持ち転生者は元定食屋の息子。
魔法ありファンタジー異世界に転生した。彼は将軍を父に持つエリートの公爵家の嫡男に生まれかわる。
だが授かった職業スキルが「パンツもぐもぐ」という謎ゴミスキルだった。そんな彼に聖騎士の弟以外家族は冷たい。
見習い騎士にさえなれそうもない長男レオニードは廃嫡後は冒険者として生き抜く決意をする。
「ゴミスキルでも美味しい物を狩れれば満足だ」そんな彼は前世の料理で敵味方の胃袋を掴んで魅了しまくるグルメギャグ。
いきなり異世界って理不尽だ!
みーか
ファンタジー
三田 陽菜25歳。会社に行こうと家を出たら、足元が消えて、気付けば異世界へ。
自称神様の作った機械のシステムエラーで地球には帰れない。地球の物は何でも魔力と交換できるようにしてもらい、異世界で居心地良く暮らしていきます!
若返ったオバさんは異世界でもうどん職人になりました
mabu
ファンタジー
聖女召喚に巻き込まれた普通のオバさんが無能なスキルと判断され追放されるが国から貰ったお金と隠されたスキルでお店を開き気ままにのんびりお気楽生活をしていくお話。
なるべく1日1話進めていたのですが仕事で不規則な時間になったり投稿も不規則になり週1や月1になるかもしれません。
不定期投稿になりますが宜しくお願いします🙇
感想、ご指摘もありがとうございます。
なるべく修正など対応していきたいと思っていますが皆様の広い心でスルーして頂きたくお願い致します。
読み進めて不快になる場合は履歴削除をして頂けると有り難いです。
お返事は何方様に対しても控えさせて頂きますのでご了承下さいます様、お願い致します。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる