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第9章 Freedom国の発展!
8話 ケンジの悩み③
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ケンジにとって、ショックな事が起きるとそれは連鎖的に続くのである。まさかと思ったが、マイ達が討伐で失敗とは言えないが3人もの負傷者が出て、死にかける出来事が起こったのだ。
これが、まだ超級ダンジョンで起こったものであれば、まだ理解できるのだが、相手はスライムという情けないものであった。
ランスロット達の離反、内政での人材不足、マイ達の負傷……そして、今度は元ギルド職員達が面会に来たのであった。
「ケンジ様!今回は少し話があり訪問しました」
「なんだ?何かあったのか?」
「今回のスタンピードの件での事であります。ケンジ様は鉱石を採掘できるのに、あえてテンペの町を滅亡に追い込んだ事が、どうしても私達には納得がいかないのでございます!」
「「「「「そうだ!そうだ!」」」」」
「……」
「ケンジ様には、命を助けていただいた事は感謝しています!ですが、あんなやり方をして、結局は平民達の生活を台無しにしてしまったのです」
「それで、お前達はいったい何が言いたいんだ?」
「あんなやり方をした……ケンジ様に疑問というか、この先、あなたを信頼してよいのか分からなくなりました」
レーラ達は、ケンジが今回インゴットがあるにもかかわらず、ギルドには高い値段をつけて売ってくれなかった事に疑問を感じてしまったのだ。
結果的に、ケンジが町の人達の命を救った事には変わりなく、それだけの力があるなら、最初からインゴットを売ってくれたらいいのに、命を弄んでいるように感じてしまったのである。
「俺は、もうギルド構成員じゃなかったんだぞ?テンペの町に、ピンチがあってもそのまま放置してても、何の問題はなかったと思うが?」
「それです!その自分には関係ないという態度をちょくちょく出されていますが、結局手を出し、恩を売るというやり方が、不信感を生んでいるのです」
「君達の言い分はわかったよ。一応聞いておくが、今回テンペの町が滅んだ原因はなんだ?俺がインゴットを売らなかったから、スタンピードを止められなかったと言いたいんだな?」
「ケンジ様が、最初からインゴットを売っていただけたら、全て解決した事だと思います!」
「そうか!分かったよ……で、それが分かったからどうするんだ?」
「我々は、お暇を頂きたいと思います!」
「この国から出るというんだな?」
「「「「「はい!」」」」」
元ギルド職員は、ケンジのやり方にどうしても納得がいかなかったのである。その為、このままこの国で、ギルドの代わりとして生活が出来なくなったのだ。
「わかった!好きにしたらいいよ……だが、本当に後悔しないんだな?」
「こんな気持ちで、ここに残るよりは好きに生きていきたいです」
「他の、みんなのそうなのか?」
「「「「「はい!」」」」」
ランスロット達元王国騎士団に続き、元ギルド職員達も、この国を出る事となったのだ。ケンジは、この連鎖的に続く不測の事態に、少なからずショックを受けたのだった。
この事で、又必要な人材が、この国を去ったのである。そして、ケンジは今一度、計画を組み直す為、この国に移住を決めた平民達に話を聞く事にしたのである。
今回、自分のした事はそんなに人道に反れたものなのか?そして、それを聞きこの町を離れたくなくなった者は、いるのか聞き取りをしたのだ。
すると、5000人近くの住民達は、全てこの国に留まると言ってくれたのだ。確かにケンジがインゴットをギルドに売り、町の結界が維持できたら何の問題もなく回避できた事だが、それが出来なかったのはギルドの責任であり
ケンジのせいにするのはおかしいという事だった。
それに、ケンジはもうグランパス王国の人間でも、ギルド構成員でもないのに、自分達の命を救ってくれた英雄とまで言ってくれたのだ。
そして、この国の生活は今は、我慢する時だとみんなが協力してくれていて、他の国なら生活の保障などしてくれないとまで言っていたのだ。
ギルド職員達は、王都に転移させてもらい、それぞれ生活をする為散らばっていくのだった。
「ケンジ様!元ギルド職員が町を去ったって本当でございますか?」
「あっ!ムシュダルクさん……」
「どうしてですか?」
ケンジは、ムシュダルクに事の経緯を説明したのだった。すると、ムシュダルクは残念そうな顔をしたのだった。
「ムシュダルクさん……すみません。カリスマ性がなくて、どんどん人が流出してしまって……」
「あっ!いえ……ケンジ様が悪いんじゃないですよ!それにしても、ギルド職員達も愚かな……自分達が町を救えなかった事を、ケンジ様のせいにしてこの国を去るとは……」
ムシュダルクは、この国はもっと大きくなり大陸を飲み込むであろうと予想していたのである。ケンジの意見を聞き、王国制にもかかわらず、今までにない意見を聞いていた、ムシュダルクには新鮮に思えていたのだ。
「ムシュダルクさん、いなくなった人材は考えてもしょうがない……後は任せます。俺は取り敢えず衛兵の件から、片づけていく事にします」
「はい!わかりました」
ケンジは、ゴーレムの製造をする為、鍛冶工房に篭り続けたのだった。そして、10体ものゴーレムを完成させたのだった。
「イチカ、フタバ、ミキ!これから町の治安を任せるぞ!よろしく頼む!」
「「「ご主人様!任せてください!」」」
Freedom国は、琵琶湖を背にして、北門・東門・南門の3か所の城門があり、南門が正面となっている。南門にイチカと新しいゴーレム4体、東門にフタバ率いる3体のゴーレム、北門にミキが率いるゴーレム3体が守る事となったのだ。
「お前達は、Freedomロイド騎士団と名づける!」
それを聞いたイチカ達は誇らしげに城門勤務に向かうのであった。Freedom国の外周にも区画整理された道がドンドン出来上がっていたのだ。大通りは石畳が整備されていたり、街灯が並んでいたのだ。公衆便所も設置され全てケンジの商品で作ってあり清潔なのだ。
この光景を見ただけでも、他の町とは全然違い噂が広まれば、大陸中から移住してくる事が予想されたのである。
これが、まだ超級ダンジョンで起こったものであれば、まだ理解できるのだが、相手はスライムという情けないものであった。
ランスロット達の離反、内政での人材不足、マイ達の負傷……そして、今度は元ギルド職員達が面会に来たのであった。
「ケンジ様!今回は少し話があり訪問しました」
「なんだ?何かあったのか?」
「今回のスタンピードの件での事であります。ケンジ様は鉱石を採掘できるのに、あえてテンペの町を滅亡に追い込んだ事が、どうしても私達には納得がいかないのでございます!」
「「「「「そうだ!そうだ!」」」」」
「……」
「ケンジ様には、命を助けていただいた事は感謝しています!ですが、あんなやり方をして、結局は平民達の生活を台無しにしてしまったのです」
「それで、お前達はいったい何が言いたいんだ?」
「あんなやり方をした……ケンジ様に疑問というか、この先、あなたを信頼してよいのか分からなくなりました」
レーラ達は、ケンジが今回インゴットがあるにもかかわらず、ギルドには高い値段をつけて売ってくれなかった事に疑問を感じてしまったのだ。
結果的に、ケンジが町の人達の命を救った事には変わりなく、それだけの力があるなら、最初からインゴットを売ってくれたらいいのに、命を弄んでいるように感じてしまったのである。
「俺は、もうギルド構成員じゃなかったんだぞ?テンペの町に、ピンチがあってもそのまま放置してても、何の問題はなかったと思うが?」
「それです!その自分には関係ないという態度をちょくちょく出されていますが、結局手を出し、恩を売るというやり方が、不信感を生んでいるのです」
「君達の言い分はわかったよ。一応聞いておくが、今回テンペの町が滅んだ原因はなんだ?俺がインゴットを売らなかったから、スタンピードを止められなかったと言いたいんだな?」
「ケンジ様が、最初からインゴットを売っていただけたら、全て解決した事だと思います!」
「そうか!分かったよ……で、それが分かったからどうするんだ?」
「我々は、お暇を頂きたいと思います!」
「この国から出るというんだな?」
「「「「「はい!」」」」」
元ギルド職員は、ケンジのやり方にどうしても納得がいかなかったのである。その為、このままこの国で、ギルドの代わりとして生活が出来なくなったのだ。
「わかった!好きにしたらいいよ……だが、本当に後悔しないんだな?」
「こんな気持ちで、ここに残るよりは好きに生きていきたいです」
「他の、みんなのそうなのか?」
「「「「「はい!」」」」」
ランスロット達元王国騎士団に続き、元ギルド職員達も、この国を出る事となったのだ。ケンジは、この連鎖的に続く不測の事態に、少なからずショックを受けたのだった。
この事で、又必要な人材が、この国を去ったのである。そして、ケンジは今一度、計画を組み直す為、この国に移住を決めた平民達に話を聞く事にしたのである。
今回、自分のした事はそんなに人道に反れたものなのか?そして、それを聞きこの町を離れたくなくなった者は、いるのか聞き取りをしたのだ。
すると、5000人近くの住民達は、全てこの国に留まると言ってくれたのだ。確かにケンジがインゴットをギルドに売り、町の結界が維持できたら何の問題もなく回避できた事だが、それが出来なかったのはギルドの責任であり
ケンジのせいにするのはおかしいという事だった。
それに、ケンジはもうグランパス王国の人間でも、ギルド構成員でもないのに、自分達の命を救ってくれた英雄とまで言ってくれたのだ。
そして、この国の生活は今は、我慢する時だとみんなが協力してくれていて、他の国なら生活の保障などしてくれないとまで言っていたのだ。
ギルド職員達は、王都に転移させてもらい、それぞれ生活をする為散らばっていくのだった。
「ケンジ様!元ギルド職員が町を去ったって本当でございますか?」
「あっ!ムシュダルクさん……」
「どうしてですか?」
ケンジは、ムシュダルクに事の経緯を説明したのだった。すると、ムシュダルクは残念そうな顔をしたのだった。
「ムシュダルクさん……すみません。カリスマ性がなくて、どんどん人が流出してしまって……」
「あっ!いえ……ケンジ様が悪いんじゃないですよ!それにしても、ギルド職員達も愚かな……自分達が町を救えなかった事を、ケンジ様のせいにしてこの国を去るとは……」
ムシュダルクは、この国はもっと大きくなり大陸を飲み込むであろうと予想していたのである。ケンジの意見を聞き、王国制にもかかわらず、今までにない意見を聞いていた、ムシュダルクには新鮮に思えていたのだ。
「ムシュダルクさん、いなくなった人材は考えてもしょうがない……後は任せます。俺は取り敢えず衛兵の件から、片づけていく事にします」
「はい!わかりました」
ケンジは、ゴーレムの製造をする為、鍛冶工房に篭り続けたのだった。そして、10体ものゴーレムを完成させたのだった。
「イチカ、フタバ、ミキ!これから町の治安を任せるぞ!よろしく頼む!」
「「「ご主人様!任せてください!」」」
Freedom国は、琵琶湖を背にして、北門・東門・南門の3か所の城門があり、南門が正面となっている。南門にイチカと新しいゴーレム4体、東門にフタバ率いる3体のゴーレム、北門にミキが率いるゴーレム3体が守る事となったのだ。
「お前達は、Freedomロイド騎士団と名づける!」
それを聞いたイチカ達は誇らしげに城門勤務に向かうのであった。Freedom国の外周にも区画整理された道がドンドン出来上がっていたのだ。大通りは石畳が整備されていたり、街灯が並んでいたのだ。公衆便所も設置され全てケンジの商品で作ってあり清潔なのだ。
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