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第9章 Freedom国の発展!
3話 街道②
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その日、ケンジとシェムは、楽しそうに仕事内容を言いあい、鍛冶工房でカギ爪を製作していたのだった。
「主殿!このカギ爪を結ぶロープはどうするのじゃ?」
「あっ!そう言えばそうだな」
「強い力で引っ張るのじゃ……生半可なロープじゃ千切れてしまうぞ!」
「なら、ツバキに頼んでくるよ。あいつの糸で作ったロープなら、まず千切れることは無いしな」
「じゃ、ちょっと言ってくるよ」
「主殿!ちょっと待つのじゃ」
「ん?まだ、なにかあるのか?」
「いや……そうじゃなくてじゃな!主殿は、全部自分でやろうとしておるから少し忠告じゃよ」
「ん?どういう事だ?」
「ここには、主殿の奴隷がいっぱいおる。なぜ、主殿がツバキの所にわざわざ行くのじゃ?もうそろそろ自分の立場を自覚する事も大事じゃよ。そこはここにいる誰か……儂にでも命令すればいいのじゃ」
「いや、だって……シェム達は作業中じゃないか。それを手を止めてまで、やる事じゃないと思って……」
「主殿!もう、貴方はそういう立場のお人じゃないんじゃぞ。主殿の言いたい事はよくわかるし、ワシらは主殿に本当に大切にされている事は、よくわかっているつもりじゃ。だが、主殿はなんでもかんでも自分でやりすぎなんじゃよ。前に自分で言ってたじゃろ?」
「何をだ?」
「その人その人には適材適所があると!主殿には、これからはもっと上に立つという立場に慣れてもらわないと駄目なんじゃよ」
「だけどなあ……そういうのは性に合ってないんだよな」
「そういうのも、儂等はよくわかっておるよ。だから、主の為にみんな役に立ちたいと思っている。それが子供のお使いのような事でもじゃ」
ケンジは、シェムの言う事をしばらく考え、目をつむり静かにうなずくのだった。
「ありがとな!じゃあ、ツバキに先ほど言ったロープを、作ってくれと伝えてきてくれ」
「それでいいのじゃ!急には無理かもしれないが、主殿ももうこの国の王じゃからな!人を操る事も仕事じゃよ」
「シェム、本当にありがとな」
ケンジは、シェムの気持ちが伝わり微笑みながら鍛冶工房でカギ爪を製作して、その日の仕事を終えるのだった。
仕事が終わった時に、ツバキが鍛冶工房に入ってきたのだ。
「ご主人様!ロープなのですが、これでよろしいですか?」
ケンジは、両手でロープで持ち、左右に広げ強度を確かめるのだった。ロープは、太いが絹のような美しくて、一見すぐに切れてしまいそうだが、ケンジのステータスで、力を入れてもびくともせず、何トンの力を入れても切れる事はなさそうだった。
「こんなに、何本も作ってくれて疲れただろ?助かるよ。本当にありがとな」
「いえ……勿体ないお言葉でうれしいです」
ケンジは、ツバキの控えめで冷静な対応に、なんかいじらしく思えて抱きついてしまうのだった。
「ひゃ!ご、ご、ご主人様!いきなりなにを」
ツバキは、ケンジにいきなり抱きつかれ、顔を真っ赤にしたのだった。
「あ、ごめん……つい嬉しくなっちまってロープありがとな!」
「いえ……いきなりだったので、驚いただけで大丈夫です」
ツバキは、冷静にしていたが受け答えしていたが、内心はドキドキして自分は魔物で、ケンジに対して恋心を持ってはいけないと、必死に自制していたのだった。
そして次の日、ケンジはランスロット達と共に、森へ足を踏み入れたのだった。
「ケンジ様!今日は何故一緒に来られたのですか?」
「いや、今日だけじゃなく、これから2ヶ月間毎日手伝うぞ!」
ランスロットだけじゃなく、伐採をする仲間達(奴隷達)もまた、驚き大きな声を出すのであった。
新しく購入された奴隷達は、ケンジに暖かい寝床や服や日用品を用意してもらっていたが、食事や日常の会話はしていなかった為、ケンジの存在は雲の上のような存在で、話しかけるのはおろかこうして、一緒に働く事さえ恐れ多い事であった。
「それじゃ、みんなここにある、10本の木を各自切り倒してくれ!」
「「「「「はい!分かりました!」」」」」
ここの森は、未開の地で魔素が多い為、大木に育ち真っ直ぐに伸びた、良い材木になるのである。
「主!いっぺんに倒しても、切り株を何とかしないといけないから、反対に大変な作業になりますよ……」
「ギル心配するなって!それより周りの警戒をちゃんとしてろよ」
「は、はい!」
ギルは、ケンジが何を考えているのかわからなかったのだ。10本もの木を倒したところで、今日一日で切り株を除去できるのは5本分なのだ。それならば手間になるが、地道に5本づつ除去した方が反対に早く終わるのである。
「木が倒れるぞぉ~~~~~!」
メキメキメキ!ド~~~~~ン‼大きな音を立てて、辺り一帯に響き大木は倒れたのだ。そして、次々と大木は倒れ、その辺り一帯は切り株だけが残ったのだ。
「それじゃ!この大木をリアカーに全部積むぞぉ~~~!」
「あ、みんなそれは積まなくていいよ」
「え?ご主人様?この大木は捨てちまうんですかい?勿体ないですよ」
「いやいや、俺が運ぶからいいよ」
ケンジは10本の大木をインベントリに、収納してしまったのである。それを見た、ギル達以外の者達は目を見開き何が起こったのか、よくわからず固まってしまったのだ。
「ケ、ケンジ様!いったい何をやったのだ?」
「まあ、俺のスキルだと思ってくれ!とりあえず今はこっちの作業が先だ!」
「は、はい!」
ケンジは、みんなにきり株に、昨日作ったカギ爪につなげたロープを、頑丈に結ぶように指示を出すのだった。
「まさか、ケンジ様!このバカでかい切り株を馬で引っ張るつもりですか?いくら何でも馬の力では無理ですよ」
「このままじゃ無理なのは、俺だってそんなのわかってるよ」
「じゃあ!時間の無駄ですよ」
「まあまあ、ランスロット見てなって!たぶんうまくいくと思うよ」
「ご主人様!全部の切り株に結ぶことが出来ました」
「そっか、じゃあみんなここから後ろに下がって移動してくれ」
ケンジは、みんなに指示を出しケンジの後ろに下がらせた。そして※①【アースクエイク】の魔法を唱えたのだった。この魔法は本来、大地震を起こし、国同士の戦争で地割れの中人を落下させ、大量虐殺を目的とした魔法で、今の世に使い手はいない高階位の魔法である。
だが、ケンジはこの魔法を調節し地中をシェイクする事で、ここら一帯の土地を耕した状態にして柔らかくしてしまったのだ。
「ハヤテ!すまないがこのロープをつながせてもらうな」
「ぶるるるる!」
ハヤテはいいよと言っているようだった。そして切り株を繋げたロープを、ハヤテはゆっくりと引っ張るのであった。
すると切り株は、ずるずると動き始め苦労する事なく、根っこから丸ごと引き抜かれてしまったのである。
「な、な、なっ!ケンジ様何をしたんだ⁉」
「うん、ちょっと魔法でここらの土地を耕した状態にしたんだよ。SSランクのハヤテの力だから、切り株は抜けたけど、普通の馬にはちょっと無理かもしれないけどな」
その後景を見た、奴隷達はいったい何が起こったのか理解できず、その場で呆けているしか出来なかったのだ。
「ほら!みんないつまで呆けているつもりだ!いい加減正気に戻れ!」
正気に戻っても、やる事が伐採しかない為、街道の幅を十分に取り、テンペの町より2倍の幅の道を作る為、その分の大木を伐採し始めるのだった。
ギル達も又、ケンジの非常識さは見慣れていたとはいえ、この作業工程にはびっくりしていたのだった。
「主ってホントすげぇよな……普通あんな簡単に切り株を引っこ抜けるかよ。とんでもねえな……」
「まあ、ご主人様らしいと言えば、ご主人様らしいね……」
マードックとシスティナは苦笑いをして呆れ返っていたのだった。そしてランスロット達、元王国兵士は目の前で起こっている事が、受け入れる事が全然できなかったのである。
切り株の事もそうだが、大木を収納したスキル、土地を耕した大魔法どれをとっても、思考が停止するには十分なものだったのだ。
そして、ケンジはこの作業を奴隷達仲間に指示を出し、ケンジは抜けた切り株や伐採した大木を、どんどんインベントリに収納していった。
そして、抜いた後はガーデニングのスキルを持っている者が、木の根っこが残っていないか確認をし、少しだけ千切れた根っこを腐らせ、土に還したのだった。
ランスロットや奴隷達は、今日一日でとんでもない事を、やってしまったのである。森の切り開きを昨日は5本しか出来なかったのに、150mも森を切り開いたのである。
「みんな、今日はよく頑張ってくれた!」
「何を言っているのですか?今日、一番頑張ったのはケンジ様ではありませんか……」
みんな、呆れた様子で笑っていたのであった。
「まあ、今日はみんなも伐採や護衛頑張っただろ。だからみんな頑張ったでいいんだよ。それに、ハヤテもよくやったな!」
ケンジは、ハヤテの頭を撫でて、労をねぎらったのだった。
「また、明日から頑張ってくれ!よろしく頼むぞ!」
「「「「「はい!お疲れさまでした!」」」」」
ケンジの作業は上手く行き、一日が終わったのであった。そして、ランスロット達は、今日一日ケンジの能力に驚愕し、ギルに話しかけるのだった。
「ギ、ギル……お前達は、今までこんな事をずっと、目の当たりにしてきたのか?」
「ま、まあ……そういう事だな」
「俺は今日一日で、気が変になったのかと思ったぞ……」
「主にとって、あの行為は普通の事なんだと思うよ。俺達もあの切り株の対処法には、度肝を抜かれたが今までに比べたらまだ優しい方だ」
「はっ?」
「まあ、詳しい事は言えないが、超級ダンジョンを攻略した事に比べればたいしたことではない事だよ」
ギルとランスロットは、ずっと共にしていた為、もう友達の様に話し合っていて、ギルも敬語を使う事なく、ランスロットもそれを気にしていないようだった。
*-----*-----*-----*-----*-----*
この話で出てきた魔法
※①【アースクエイク】
土属性魔法 8階位
消費MP 56
詠唱速度 10秒(詠唱スキルが無い場合)
効果時間 一瞬
効果対象 範囲全部
効果範囲 レベル×1平方m(任意に広さを設定可)
必要秘薬 紫水晶・マンドラゴラの根・アビスの葉 各3個
備考
本来、他国が攻めてきたとき範囲魔法として地震を起こし、大量虐殺
する魔法。ケンジは過去ダンジョンでこの魔法をゴブリンエンペラーの時
使ったとき以外は、魔力を調節し平和につかっている。
大魔道士職業レベル100、魔法スキル120.00で使用可能
「主殿!このカギ爪を結ぶロープはどうするのじゃ?」
「あっ!そう言えばそうだな」
「強い力で引っ張るのじゃ……生半可なロープじゃ千切れてしまうぞ!」
「なら、ツバキに頼んでくるよ。あいつの糸で作ったロープなら、まず千切れることは無いしな」
「じゃ、ちょっと言ってくるよ」
「主殿!ちょっと待つのじゃ」
「ん?まだ、なにかあるのか?」
「いや……そうじゃなくてじゃな!主殿は、全部自分でやろうとしておるから少し忠告じゃよ」
「ん?どういう事だ?」
「ここには、主殿の奴隷がいっぱいおる。なぜ、主殿がツバキの所にわざわざ行くのじゃ?もうそろそろ自分の立場を自覚する事も大事じゃよ。そこはここにいる誰か……儂にでも命令すればいいのじゃ」
「いや、だって……シェム達は作業中じゃないか。それを手を止めてまで、やる事じゃないと思って……」
「主殿!もう、貴方はそういう立場のお人じゃないんじゃぞ。主殿の言いたい事はよくわかるし、ワシらは主殿に本当に大切にされている事は、よくわかっているつもりじゃ。だが、主殿はなんでもかんでも自分でやりすぎなんじゃよ。前に自分で言ってたじゃろ?」
「何をだ?」
「その人その人には適材適所があると!主殿には、これからはもっと上に立つという立場に慣れてもらわないと駄目なんじゃよ」
「だけどなあ……そういうのは性に合ってないんだよな」
「そういうのも、儂等はよくわかっておるよ。だから、主の為にみんな役に立ちたいと思っている。それが子供のお使いのような事でもじゃ」
ケンジは、シェムの言う事をしばらく考え、目をつむり静かにうなずくのだった。
「ありがとな!じゃあ、ツバキに先ほど言ったロープを、作ってくれと伝えてきてくれ」
「それでいいのじゃ!急には無理かもしれないが、主殿ももうこの国の王じゃからな!人を操る事も仕事じゃよ」
「シェム、本当にありがとな」
ケンジは、シェムの気持ちが伝わり微笑みながら鍛冶工房でカギ爪を製作して、その日の仕事を終えるのだった。
仕事が終わった時に、ツバキが鍛冶工房に入ってきたのだ。
「ご主人様!ロープなのですが、これでよろしいですか?」
ケンジは、両手でロープで持ち、左右に広げ強度を確かめるのだった。ロープは、太いが絹のような美しくて、一見すぐに切れてしまいそうだが、ケンジのステータスで、力を入れてもびくともせず、何トンの力を入れても切れる事はなさそうだった。
「こんなに、何本も作ってくれて疲れただろ?助かるよ。本当にありがとな」
「いえ……勿体ないお言葉でうれしいです」
ケンジは、ツバキの控えめで冷静な対応に、なんかいじらしく思えて抱きついてしまうのだった。
「ひゃ!ご、ご、ご主人様!いきなりなにを」
ツバキは、ケンジにいきなり抱きつかれ、顔を真っ赤にしたのだった。
「あ、ごめん……つい嬉しくなっちまってロープありがとな!」
「いえ……いきなりだったので、驚いただけで大丈夫です」
ツバキは、冷静にしていたが受け答えしていたが、内心はドキドキして自分は魔物で、ケンジに対して恋心を持ってはいけないと、必死に自制していたのだった。
そして次の日、ケンジはランスロット達と共に、森へ足を踏み入れたのだった。
「ケンジ様!今日は何故一緒に来られたのですか?」
「いや、今日だけじゃなく、これから2ヶ月間毎日手伝うぞ!」
ランスロットだけじゃなく、伐採をする仲間達(奴隷達)もまた、驚き大きな声を出すのであった。
新しく購入された奴隷達は、ケンジに暖かい寝床や服や日用品を用意してもらっていたが、食事や日常の会話はしていなかった為、ケンジの存在は雲の上のような存在で、話しかけるのはおろかこうして、一緒に働く事さえ恐れ多い事であった。
「それじゃ、みんなここにある、10本の木を各自切り倒してくれ!」
「「「「「はい!分かりました!」」」」」
ここの森は、未開の地で魔素が多い為、大木に育ち真っ直ぐに伸びた、良い材木になるのである。
「主!いっぺんに倒しても、切り株を何とかしないといけないから、反対に大変な作業になりますよ……」
「ギル心配するなって!それより周りの警戒をちゃんとしてろよ」
「は、はい!」
ギルは、ケンジが何を考えているのかわからなかったのだ。10本もの木を倒したところで、今日一日で切り株を除去できるのは5本分なのだ。それならば手間になるが、地道に5本づつ除去した方が反対に早く終わるのである。
「木が倒れるぞぉ~~~~~!」
メキメキメキ!ド~~~~~ン‼大きな音を立てて、辺り一帯に響き大木は倒れたのだ。そして、次々と大木は倒れ、その辺り一帯は切り株だけが残ったのだ。
「それじゃ!この大木をリアカーに全部積むぞぉ~~~!」
「あ、みんなそれは積まなくていいよ」
「え?ご主人様?この大木は捨てちまうんですかい?勿体ないですよ」
「いやいや、俺が運ぶからいいよ」
ケンジは10本の大木をインベントリに、収納してしまったのである。それを見た、ギル達以外の者達は目を見開き何が起こったのか、よくわからず固まってしまったのだ。
「ケ、ケンジ様!いったい何をやったのだ?」
「まあ、俺のスキルだと思ってくれ!とりあえず今はこっちの作業が先だ!」
「は、はい!」
ケンジは、みんなにきり株に、昨日作ったカギ爪につなげたロープを、頑丈に結ぶように指示を出すのだった。
「まさか、ケンジ様!このバカでかい切り株を馬で引っ張るつもりですか?いくら何でも馬の力では無理ですよ」
「このままじゃ無理なのは、俺だってそんなのわかってるよ」
「じゃあ!時間の無駄ですよ」
「まあまあ、ランスロット見てなって!たぶんうまくいくと思うよ」
「ご主人様!全部の切り株に結ぶことが出来ました」
「そっか、じゃあみんなここから後ろに下がって移動してくれ」
ケンジは、みんなに指示を出しケンジの後ろに下がらせた。そして※①【アースクエイク】の魔法を唱えたのだった。この魔法は本来、大地震を起こし、国同士の戦争で地割れの中人を落下させ、大量虐殺を目的とした魔法で、今の世に使い手はいない高階位の魔法である。
だが、ケンジはこの魔法を調節し地中をシェイクする事で、ここら一帯の土地を耕した状態にして柔らかくしてしまったのだ。
「ハヤテ!すまないがこのロープをつながせてもらうな」
「ぶるるるる!」
ハヤテはいいよと言っているようだった。そして切り株を繋げたロープを、ハヤテはゆっくりと引っ張るのであった。
すると切り株は、ずるずると動き始め苦労する事なく、根っこから丸ごと引き抜かれてしまったのである。
「な、な、なっ!ケンジ様何をしたんだ⁉」
「うん、ちょっと魔法でここらの土地を耕した状態にしたんだよ。SSランクのハヤテの力だから、切り株は抜けたけど、普通の馬にはちょっと無理かもしれないけどな」
その後景を見た、奴隷達はいったい何が起こったのか理解できず、その場で呆けているしか出来なかったのだ。
「ほら!みんないつまで呆けているつもりだ!いい加減正気に戻れ!」
正気に戻っても、やる事が伐採しかない為、街道の幅を十分に取り、テンペの町より2倍の幅の道を作る為、その分の大木を伐採し始めるのだった。
ギル達も又、ケンジの非常識さは見慣れていたとはいえ、この作業工程にはびっくりしていたのだった。
「主ってホントすげぇよな……普通あんな簡単に切り株を引っこ抜けるかよ。とんでもねえな……」
「まあ、ご主人様らしいと言えば、ご主人様らしいね……」
マードックとシスティナは苦笑いをして呆れ返っていたのだった。そしてランスロット達、元王国兵士は目の前で起こっている事が、受け入れる事が全然できなかったのである。
切り株の事もそうだが、大木を収納したスキル、土地を耕した大魔法どれをとっても、思考が停止するには十分なものだったのだ。
そして、ケンジはこの作業を奴隷達仲間に指示を出し、ケンジは抜けた切り株や伐採した大木を、どんどんインベントリに収納していった。
そして、抜いた後はガーデニングのスキルを持っている者が、木の根っこが残っていないか確認をし、少しだけ千切れた根っこを腐らせ、土に還したのだった。
ランスロットや奴隷達は、今日一日でとんでもない事を、やってしまったのである。森の切り開きを昨日は5本しか出来なかったのに、150mも森を切り開いたのである。
「みんな、今日はよく頑張ってくれた!」
「何を言っているのですか?今日、一番頑張ったのはケンジ様ではありませんか……」
みんな、呆れた様子で笑っていたのであった。
「まあ、今日はみんなも伐採や護衛頑張っただろ。だからみんな頑張ったでいいんだよ。それに、ハヤテもよくやったな!」
ケンジは、ハヤテの頭を撫でて、労をねぎらったのだった。
「また、明日から頑張ってくれ!よろしく頼むぞ!」
「「「「「はい!お疲れさまでした!」」」」」
ケンジの作業は上手く行き、一日が終わったのであった。そして、ランスロット達は、今日一日ケンジの能力に驚愕し、ギルに話しかけるのだった。
「ギ、ギル……お前達は、今までこんな事をずっと、目の当たりにしてきたのか?」
「ま、まあ……そういう事だな」
「俺は今日一日で、気が変になったのかと思ったぞ……」
「主にとって、あの行為は普通の事なんだと思うよ。俺達もあの切り株の対処法には、度肝を抜かれたが今までに比べたらまだ優しい方だ」
「はっ?」
「まあ、詳しい事は言えないが、超級ダンジョンを攻略した事に比べればたいしたことではない事だよ」
ギルとランスロットは、ずっと共にしていた為、もう友達の様に話し合っていて、ギルも敬語を使う事なく、ランスロットもそれを気にしていないようだった。
*-----*-----*-----*-----*-----*
この話で出てきた魔法
※①【アースクエイク】
土属性魔法 8階位
消費MP 56
詠唱速度 10秒(詠唱スキルが無い場合)
効果時間 一瞬
効果対象 範囲全部
効果範囲 レベル×1平方m(任意に広さを設定可)
必要秘薬 紫水晶・マンドラゴラの根・アビスの葉 各3個
備考
本来、他国が攻めてきたとき範囲魔法として地震を起こし、大量虐殺
する魔法。ケンジは過去ダンジョンでこの魔法をゴブリンエンペラーの時
使ったとき以外は、魔力を調節し平和につかっている。
大魔道士職業レベル100、魔法スキル120.00で使用可能
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