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第8章 Freedom国の設立!
23話 ギルド追放
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ケンジは、ギルドがこういう手段に出てくるとは思いもしなかったのである。これにより、たぶん数多くの冒険者達の命が亡くなる事が、予想されるのが分かり、ケンジはいたたまれない気持ちになるのだった。
「ケンちゃん、本当にどうしたのよ?」
「マイ……たぶん、これから数多くの冒険者が犠牲になる……」
「何、言っているのよ?」
「こうなった原因は、俺にある……」
「ケンちゃん!しっかりしなよ。冒険者はいつだって自分の責任で危険な事をして生活しているんだよ」
「だが、あんな条件を出されたら、無茶をする冒険者が出てきてもおかしくないだろ?」
「それも含めて自分の責任だよ。その上で今までの経験を生かして依頼をこなすんだよ」
ケンジはマイの説明を受けながら、マイを抱きしめていたのだった。マイはケンジのこんな姿を初めてみたのだった。いつもは頼りがいのある幼馴染だが、ケンジは自分のせいで犠牲者が出ると思い、ショックを受けてマイに抱きついていたのだった。
「ケンちゃん!ケンちゃんがそんなこと気にする事ないんだよ。ギルドの言い分としては、あくまでも冒険者達のレベルアップが目的なんだから、こんな無茶なルールを作ったギルドに責任があるんだよ」
「だけど、どう考えても……」
「ケンちゃん、よく聞いてね。冒険者をあまり舐めないほうが良いよ。確かに、ケンちゃんの言う様に犠牲者は出ると思うけど、それはまだ未熟な冒険者だったからよ。一流の冒険者はどんな時も、自分のデットラインを把握しているものなの」
「……」
「だから、犠牲になったとしたらそれはその冒険者が未熟だった事で、ケンちゃんの責任じゃないよ」
ケンジは、マイの説明を聞き少し気が軽くなった気がしたのだった。
「そうですよ。主が気にするような事じゃないですよ」
ギル達が、ケンジの様子が少し変だと思い戻ってきたのだった。
「みんな……」
「そうですよ。ご主人様もギルドのルールを聞いて脱退の道を選んだように、冒険者達もそれぞれの判断で動くんですよ」
ギル達も、ケンジを少しでも気を軽くする為、フォローするのだった。
「ケンちゃん、今日はもう何も考えず休んだほうが良いよ。これからはもう、Freedom店の事だけ考えたらいいし、気が楽になるでしょ?」
マイの言う通り、これからはもうギルドが訪問してくる事はないのである。訪問してきても構成員じゃなくなるので、面倒なら会う必要もなくなるのである。
そういわれると、更に気が楽になるケンジだった。
「そっか……そうだよな。もう無理に会う事もないんだ!」
「うん、だからケンちゃんが、そんな責任を考えなくてもいいんだよ」
「みんな、心配させてすまなかった……それじゃあ、帰ろう」
これ以降、ケンジ達がギルドに顔を出す事は無くなり、ケンジはFランクの依頼をしてほしそうな家に、直接行きこなしていくのだった。
町の人達も又、ギルドのルール変更があった事を聞き、なかなか受けてくれる人間がいなくなり、独自の交流で依頼を発注する様になっていったのだ。時々、町の人達はケンジの店にまで来て、Fランクの依頼をするようになったのである。
そして、慌てたのは当然のごとく生産ギルドであった。もうすぐ一か月が経とうとしているのに、ケンジとマイが一向に依頼を受けに来ないのである。
焦ったギルドは、受付嬢をケンジの店に訪問させたのだが、案の定ギルドは会っては貰えず追い帰されてしまったのだった。
そして、約束の一か月が過ぎ、ケンジとマイはギルドを脱退となったのだ。その噂は、すぐさま町中に拡がり町の人達は、ケンジに依頼を出す事が出来なくなってしまったのだ。
これには、町の人達も落胆してしまい、ギルドの責任だと苦情を言いにギルドに押し寄せたのである。ギルドは、もういなくなった人間の事で対応を取らされる結果となり、一時機能がマヒしてしまったのだ。
「あの……ケンジ様は御在宅でしょうか?」
「我が主は、もうギルドとは関係のないお方なのでお引き取り下さい!」
ギルドが訪問してきても、セバスがこのように門前払いをしてしまいので、まずけんじには会えないのだ。
ギルドも、ケンジの知り合いで仲の良い人物に取り次いでほしいとお願いするのだが、その人もケンジに嫌われたくないので、承諾してくれないのである。
この地点でもう、ケンジは一国の主であり、王族に目通りするような事と同じなのだ。ただ、仲の良い交流のある人物はすぐに会う事は出来るのだが、ギルドの様に嫌われたものは、まず会う事は出来ないのだ。
町の人々がギルドに一時的に押し寄せた事があったが、すぐに収まった理由は、ケンジが時たまだが、町の雑用を今まで通り受けてくれた事だ。
町の人達も、ケンジはもうギルド構成員じゃない事が分かっており、できる限りの報酬額を提示し、依頼を受けてもらっていたのだった。
そして、ギルド関係者がFreedom店に、インゴットを買い付けに来たのだ。ここに買いに来るという事は、在庫がないのだろうと推測ができる。
「あの……すいませんが、インゴットの値段をもう少し値引きしていただけませんか?」
「ご主人様から、ギルドには1.5倍の値段と聞いております」
「そこを何とか!」
「お金が払えないのならお引き取りを!」
店の店員であるウランは、ギルドの受付嬢の申し出にいっさい応じず、押し問答をしていたのだった。
「もう……町の結界の維持に使うインゴットが無いのです。どうかお願いします!」
ウランは、受付嬢を刺すような冷たい瞳を向け言い放つのである。
「ご主人様には、もう関係のない話ですのでお引き取りを!フタバお願い!」
「はぁ~~~い!」
フタバは、受付嬢を担ぎ転移マットに乗せて、テンペ支店に戻してしまったのである。
「ちょっと離しなさい!まだ話は……」
「そんな事ばかり言ってないで、ギルドはお金を用意してきてください。お金を払ってくれたら、ちゃんとお売りしますよ」
フタバは、受付嬢を担ぎながら説明をしたのだった。
「払えるならちゃんと払ってます!それが出来ないから……こうして!」
「だったら、頼む人が間違っています!ギルドが、ご主人様を追い出したのに、その追放した人間に助けを求めるのは間違ってます」
「それは、ケンジ様が依頼を受けなかったから……」
「そんな、ルール作った時点でギルドはどうかしている!ご主人様のせいにする方がおかしい」
フタバは、受付嬢のを支店の前に放り出すのだった。
「お金が出来たら又の、お越しをお待ちしています!」
受付嬢は、また店に入ろうとしたがゴーレム(アンドロイド)であるフタバにはどうしようもなく、トボトボと肩を落として帰っていったのだ。
それを見ていた、行列に並んでいた町のお客様に話しかけられた。
「フタバちゃん。店の中で何かあったのか?」
「いえ、たいしたことじゃありませんよ!また性懲りもなくギルドが商品をまけてくれと言い張って、迷惑だったのでおいかえしただけです」
「又、ギルドが厄介事を言ってたのか……懲りない連中だな」
「ホント呆れてしまいますよ」
フタバは、列で待っているお客さんと世間話をして、お客さんの話し相手になったのだった。フタバやイチカはみんなにゴーレムという事はばれていたのだが、町の人達はそんなの気にする事なく、普通に接していたのである。
そればかりか、イチカ、フタバ、ミキはケンジが物凄く可愛らしく製作したので、町の人気者でもあるのだ。この3人がゴーレムとはみんな思っていないのだ。
こうして、支店の外でまた、受付嬢が来ないように見張りをしながら、行列に並んでいるお客様の相手をしながら、フタバの一日は終わったのである。
ギルドは早急に採掘士の奴隷を探していたのだが、オリハルコンを採掘出来るような奴隷などそうそう見つかる訳もなく、時間だけが過ぎ去っていくのである。
そして、ついにテンペの町では結界の維持が出来なくなったのである。これに貴族ギルドでは、城壁を強固にする依頼を発注し、物理防御を強化する事となったのだ。そして、城壁の外側に堀を作る計画も立てたりするのだった。
だが、そのころテンペの町のダンジョンでは、異変が起こり始めていたのだが、まだその事実に気づいていなかったのだ。着実にテンペの町は破滅に近づいていたのだった。
「ケンちゃん、本当にどうしたのよ?」
「マイ……たぶん、これから数多くの冒険者が犠牲になる……」
「何、言っているのよ?」
「こうなった原因は、俺にある……」
「ケンちゃん!しっかりしなよ。冒険者はいつだって自分の責任で危険な事をして生活しているんだよ」
「だが、あんな条件を出されたら、無茶をする冒険者が出てきてもおかしくないだろ?」
「それも含めて自分の責任だよ。その上で今までの経験を生かして依頼をこなすんだよ」
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「ケンちゃん!ケンちゃんがそんなこと気にする事ないんだよ。ギルドの言い分としては、あくまでも冒険者達のレベルアップが目的なんだから、こんな無茶なルールを作ったギルドに責任があるんだよ」
「だけど、どう考えても……」
「ケンちゃん、よく聞いてね。冒険者をあまり舐めないほうが良いよ。確かに、ケンちゃんの言う様に犠牲者は出ると思うけど、それはまだ未熟な冒険者だったからよ。一流の冒険者はどんな時も、自分のデットラインを把握しているものなの」
「……」
「だから、犠牲になったとしたらそれはその冒険者が未熟だった事で、ケンちゃんの責任じゃないよ」
ケンジは、マイの説明を聞き少し気が軽くなった気がしたのだった。
「そうですよ。主が気にするような事じゃないですよ」
ギル達が、ケンジの様子が少し変だと思い戻ってきたのだった。
「みんな……」
「そうですよ。ご主人様もギルドのルールを聞いて脱退の道を選んだように、冒険者達もそれぞれの判断で動くんですよ」
ギル達も、ケンジを少しでも気を軽くする為、フォローするのだった。
「ケンちゃん、今日はもう何も考えず休んだほうが良いよ。これからはもう、Freedom店の事だけ考えたらいいし、気が楽になるでしょ?」
マイの言う通り、これからはもうギルドが訪問してくる事はないのである。訪問してきても構成員じゃなくなるので、面倒なら会う必要もなくなるのである。
そういわれると、更に気が楽になるケンジだった。
「そっか……そうだよな。もう無理に会う事もないんだ!」
「うん、だからケンちゃんが、そんな責任を考えなくてもいいんだよ」
「みんな、心配させてすまなかった……それじゃあ、帰ろう」
これ以降、ケンジ達がギルドに顔を出す事は無くなり、ケンジはFランクの依頼をしてほしそうな家に、直接行きこなしていくのだった。
町の人達も又、ギルドのルール変更があった事を聞き、なかなか受けてくれる人間がいなくなり、独自の交流で依頼を発注する様になっていったのだ。時々、町の人達はケンジの店にまで来て、Fランクの依頼をするようになったのである。
そして、慌てたのは当然のごとく生産ギルドであった。もうすぐ一か月が経とうとしているのに、ケンジとマイが一向に依頼を受けに来ないのである。
焦ったギルドは、受付嬢をケンジの店に訪問させたのだが、案の定ギルドは会っては貰えず追い帰されてしまったのだった。
そして、約束の一か月が過ぎ、ケンジとマイはギルドを脱退となったのだ。その噂は、すぐさま町中に拡がり町の人達は、ケンジに依頼を出す事が出来なくなってしまったのだ。
これには、町の人達も落胆してしまい、ギルドの責任だと苦情を言いにギルドに押し寄せたのである。ギルドは、もういなくなった人間の事で対応を取らされる結果となり、一時機能がマヒしてしまったのだ。
「あの……ケンジ様は御在宅でしょうか?」
「我が主は、もうギルドとは関係のないお方なのでお引き取り下さい!」
ギルドが訪問してきても、セバスがこのように門前払いをしてしまいので、まずけんじには会えないのだ。
ギルドも、ケンジの知り合いで仲の良い人物に取り次いでほしいとお願いするのだが、その人もケンジに嫌われたくないので、承諾してくれないのである。
この地点でもう、ケンジは一国の主であり、王族に目通りするような事と同じなのだ。ただ、仲の良い交流のある人物はすぐに会う事は出来るのだが、ギルドの様に嫌われたものは、まず会う事は出来ないのだ。
町の人々がギルドに一時的に押し寄せた事があったが、すぐに収まった理由は、ケンジが時たまだが、町の雑用を今まで通り受けてくれた事だ。
町の人達も、ケンジはもうギルド構成員じゃない事が分かっており、できる限りの報酬額を提示し、依頼を受けてもらっていたのだった。
そして、ギルド関係者がFreedom店に、インゴットを買い付けに来たのだ。ここに買いに来るという事は、在庫がないのだろうと推測ができる。
「あの……すいませんが、インゴットの値段をもう少し値引きしていただけませんか?」
「ご主人様から、ギルドには1.5倍の値段と聞いております」
「そこを何とか!」
「お金が払えないのならお引き取りを!」
店の店員であるウランは、ギルドの受付嬢の申し出にいっさい応じず、押し問答をしていたのだった。
「もう……町の結界の維持に使うインゴットが無いのです。どうかお願いします!」
ウランは、受付嬢を刺すような冷たい瞳を向け言い放つのである。
「ご主人様には、もう関係のない話ですのでお引き取りを!フタバお願い!」
「はぁ~~~い!」
フタバは、受付嬢を担ぎ転移マットに乗せて、テンペ支店に戻してしまったのである。
「ちょっと離しなさい!まだ話は……」
「そんな事ばかり言ってないで、ギルドはお金を用意してきてください。お金を払ってくれたら、ちゃんとお売りしますよ」
フタバは、受付嬢を担ぎながら説明をしたのだった。
「払えるならちゃんと払ってます!それが出来ないから……こうして!」
「だったら、頼む人が間違っています!ギルドが、ご主人様を追い出したのに、その追放した人間に助けを求めるのは間違ってます」
「それは、ケンジ様が依頼を受けなかったから……」
「そんな、ルール作った時点でギルドはどうかしている!ご主人様のせいにする方がおかしい」
フタバは、受付嬢のを支店の前に放り出すのだった。
「お金が出来たら又の、お越しをお待ちしています!」
受付嬢は、また店に入ろうとしたがゴーレム(アンドロイド)であるフタバにはどうしようもなく、トボトボと肩を落として帰っていったのだ。
それを見ていた、行列に並んでいた町のお客様に話しかけられた。
「フタバちゃん。店の中で何かあったのか?」
「いえ、たいしたことじゃありませんよ!また性懲りもなくギルドが商品をまけてくれと言い張って、迷惑だったのでおいかえしただけです」
「又、ギルドが厄介事を言ってたのか……懲りない連中だな」
「ホント呆れてしまいますよ」
フタバは、列で待っているお客さんと世間話をして、お客さんの話し相手になったのだった。フタバやイチカはみんなにゴーレムという事はばれていたのだが、町の人達はそんなの気にする事なく、普通に接していたのである。
そればかりか、イチカ、フタバ、ミキはケンジが物凄く可愛らしく製作したので、町の人気者でもあるのだ。この3人がゴーレムとはみんな思っていないのだ。
こうして、支店の外でまた、受付嬢が来ないように見張りをしながら、行列に並んでいるお客様の相手をしながら、フタバの一日は終わったのである。
ギルドは早急に採掘士の奴隷を探していたのだが、オリハルコンを採掘出来るような奴隷などそうそう見つかる訳もなく、時間だけが過ぎ去っていくのである。
そして、ついにテンペの町では結界の維持が出来なくなったのである。これに貴族ギルドでは、城壁を強固にする依頼を発注し、物理防御を強化する事となったのだ。そして、城壁の外側に堀を作る計画も立てたりするのだった。
だが、そのころテンペの町のダンジョンでは、異変が起こり始めていたのだが、まだその事実に気づいていなかったのだ。着実にテンペの町は破滅に近づいていたのだった。
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