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第8章 Freedom国の設立!
14話 生産ギルドのピンチ
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それからというもの、テンペの町のギルドに行くたび、ケンジは受付嬢から高ランク依頼を、受けてほしいとお願いされ続けていた。
そして、そのたびにギルドマスターが出てきていらぬ事を言われ、増々ギルドとの溝が深くなるのだった。
ケンジも又、そんなギルドマスターの嫌味を聞きたくない為、自然とテンペの町の依頼を受ける事が少なくなっていったのだった。
「ケンジさん……最近、Fランクの仕事を受けてくれなくなってきましたね。どうかしたのですか?」
テンペの町の老婦人が、わざわざケンジの家を訪ねてきたのだった。
「あ、申し訳ございません……最近ちょっと忙しくて、テンペの町に行けてませんでしたね。」
「ごめんなさいね……やっぱりケンジさんの仕事が綺麗で丁寧だから、やっぱり前の様に受けてほしいのよ」
「わかりました、近々またテンペの町に顔出すようにしますよ」
「そう?悪いわね。よろしく頼みます」
そういって、老婦人はテンペの町へと帰っていったのだった。
「ご主人様、最近忙しかったでしょうか?」
「セバス、そんな正直に何でも答えるわけないだろ」
「それではなぜ?」
「テンペの生産ギルドに依頼を受けに行くとな、ギルマスが鬱陶しいんだよ。最近では、前に受付嬢にアドバイスしてやった事がうまくいっているみたいでな……」
「何故ギルマスが?」
「今まで、ギルドが下になっていた状態が気に入らなかったみたいで、俺に頼らなくてもインゴットが手に入る様になっていちいち絡んでくるんだよ」
それを聞いた、セバスは呆れてしまうのだった。
「ギルマスは子供ですか……」
「ホント、子供なら良かったんだけどな」
ケンジも苦笑いを浮かべるのだった。
「まあ、でもこうして俺を頼ってくれて、わざわざ来てくださったんだ。明日あたりでも、依頼を又受けに行ってくるよ」
「それはようございます。あの老婦人も喜ばれると思いますよ」
次の日、ケンジは久しぶりにテンペの町に来たのだった。そして、生産ギルドに顔を出すと、ギルド内は騒然としていたのである。
「ケ、ケンジ様久しぶりです。いいところに来てくださいました!」
「はっ?何がいいところなの?」
「そ、それが採掘部隊が全滅してしまった恐れがあるのです……」
「は?どういうことなんだ?」
レーラの話によると、採掘士達を初級ダンジョンに送り込んだのらしいが、期日である2週間たっても帰ってこないらしいのだ。
そして、偵察隊を送り込んだ所、初級ダンジョンでスタンピードの予兆が見られ、初級ダンジョンの5階層では見られない魔物が出現したらしく、偵察隊は身の危険を感じ引き返して来たらしいのである。
「で、護衛役の冒険者達はどうしたんだ?」
「そ、それが……」
ギルドマスターが、欲に目がくらみ休憩を挟まず採掘士達を送り込んだのだ。そして、護衛部隊が整わずBランクに上がる手前のCランク冒険者と一緒に送り込んだのだそうだ。
いつものように、Aランクならば護衛対象を守り切れるはずだったのだが、Cランク冒険者では太刀打ちできなかったのではないかと推測されたのだった。
「あらら……だから、アドバイスした時に奴隷達を酷使するなと言っただろ?次につなげる努力はしたのか?」
「えっ?つなげる努力ってどういうことですか?」
「……」
「まさか、ずっと奴隷達だけで、インゴットを採掘していくつもりだった訳じゃないだろ?」
「そのつもりでしたが……」
「あのな?ここは生産ギルドだろ?だったら奴隷を酷使させるんじゃなく生産者に協力を集えよ!」
「生産者達は協力してくれなくて……」
「そうじゃなくて、奴隷達でうまくいってたんだろ?だったら、次は護衛料はギルドが持って、生産者達の採掘士に協力を要請させたらいいだろ?」
「それは……」
「護衛料がギルドから出るなら行こうという、採掘士もいるかもしれないじゃないか!そうやって、サービス向上して生産者の信用を取り戻そうと考える事はできないのか?それが、次につなげるって事だよ!」
「だったら、すぐにそのように!」
「たぶん、もう無理だぞ……」
「なんでですか?」
「立場を置き換えて考えなよ。あんたは、いくら護衛料がギルド負担になったからと言って、死亡者が出た計画に乗ったりするのか?」
「そ、それは……」
「この噂はもう広まっているんだろ?なら無理なんじゃないか?」
「ケンジ様どうしたらよろしいですか?」
「専属の奴隷採掘士ってもういないんだろ?オリハルコンを掘れるって事はレジェンダリーか110.00以上を持っているって事だ。そんな採掘士そうそういるもんじゃないからな……」
「ケンジ様!」
「いや……そんな頼られても無理だよ。ダンジョンで亡くなった者は諦めるしかないだろ?」
「ですが、ケンジ様はピンチになったら頼れって、言ってくださったではありませんか?」
「いやいやいや……ちゃんと聞いていたのか?レーラさんがピンチの時って言ったよな?今ピンチなのは、あんたじゃなくギルドだろ?なら、俺が手伝う事は何もないよ。」
「そ、そんな……」
ケンジは、ギルドの事には興味を一切気にも留めず、Fランク依頼を受けるのだった。
「でしたら、初級ダンジョンに偵察をしに行ってくれませんか?」
「おいおい!ダンジョン偵察なんて冒険者の仕事じゃないか!生産者の俺が行くような事じゃないだろ?」
「ですが、ケンジ様は超級ダンジョンに行けるほどの生産者じゃないですか」
「それを言うなら、初級ダンジョンの5階層なら、Aランク冒険者に依頼出すのが筋だろ」
「それはそうですが……」
「なんでもかんでも俺に頼んじゃねぇよ!それに、俺はここのギルマスには本当にむかっ腹がたっているんだ。最近は、立ち寄らないようにしていたが、依頼を受けるたびに嫌味を言って調子に乗っていたからな!」
「あ……それについては、申し訳ございません!」
「いや、レーラさんが謝罪する事じゃないよ」
「まあ、そう言う事だから俺はこの依頼しかやらない!後はギルマスに責任を取らせたらいいんじゃないのか?これで俺の店のインゴットが、又売れる事になるから願ったり叶ったりだよ」
ケンジは、笑いながらギルドを後にしたのだった。
そして、そのたびにギルドマスターが出てきていらぬ事を言われ、増々ギルドとの溝が深くなるのだった。
ケンジも又、そんなギルドマスターの嫌味を聞きたくない為、自然とテンペの町の依頼を受ける事が少なくなっていったのだった。
「ケンジさん……最近、Fランクの仕事を受けてくれなくなってきましたね。どうかしたのですか?」
テンペの町の老婦人が、わざわざケンジの家を訪ねてきたのだった。
「あ、申し訳ございません……最近ちょっと忙しくて、テンペの町に行けてませんでしたね。」
「ごめんなさいね……やっぱりケンジさんの仕事が綺麗で丁寧だから、やっぱり前の様に受けてほしいのよ」
「わかりました、近々またテンペの町に顔出すようにしますよ」
「そう?悪いわね。よろしく頼みます」
そういって、老婦人はテンペの町へと帰っていったのだった。
「ご主人様、最近忙しかったでしょうか?」
「セバス、そんな正直に何でも答えるわけないだろ」
「それではなぜ?」
「テンペの生産ギルドに依頼を受けに行くとな、ギルマスが鬱陶しいんだよ。最近では、前に受付嬢にアドバイスしてやった事がうまくいっているみたいでな……」
「何故ギルマスが?」
「今まで、ギルドが下になっていた状態が気に入らなかったみたいで、俺に頼らなくてもインゴットが手に入る様になっていちいち絡んでくるんだよ」
それを聞いた、セバスは呆れてしまうのだった。
「ギルマスは子供ですか……」
「ホント、子供なら良かったんだけどな」
ケンジも苦笑いを浮かべるのだった。
「まあ、でもこうして俺を頼ってくれて、わざわざ来てくださったんだ。明日あたりでも、依頼を又受けに行ってくるよ」
「それはようございます。あの老婦人も喜ばれると思いますよ」
次の日、ケンジは久しぶりにテンペの町に来たのだった。そして、生産ギルドに顔を出すと、ギルド内は騒然としていたのである。
「ケ、ケンジ様久しぶりです。いいところに来てくださいました!」
「はっ?何がいいところなの?」
「そ、それが採掘部隊が全滅してしまった恐れがあるのです……」
「は?どういうことなんだ?」
レーラの話によると、採掘士達を初級ダンジョンに送り込んだのらしいが、期日である2週間たっても帰ってこないらしいのだ。
そして、偵察隊を送り込んだ所、初級ダンジョンでスタンピードの予兆が見られ、初級ダンジョンの5階層では見られない魔物が出現したらしく、偵察隊は身の危険を感じ引き返して来たらしいのである。
「で、護衛役の冒険者達はどうしたんだ?」
「そ、それが……」
ギルドマスターが、欲に目がくらみ休憩を挟まず採掘士達を送り込んだのだ。そして、護衛部隊が整わずBランクに上がる手前のCランク冒険者と一緒に送り込んだのだそうだ。
いつものように、Aランクならば護衛対象を守り切れるはずだったのだが、Cランク冒険者では太刀打ちできなかったのではないかと推測されたのだった。
「あらら……だから、アドバイスした時に奴隷達を酷使するなと言っただろ?次につなげる努力はしたのか?」
「えっ?つなげる努力ってどういうことですか?」
「……」
「まさか、ずっと奴隷達だけで、インゴットを採掘していくつもりだった訳じゃないだろ?」
「そのつもりでしたが……」
「あのな?ここは生産ギルドだろ?だったら奴隷を酷使させるんじゃなく生産者に協力を集えよ!」
「生産者達は協力してくれなくて……」
「そうじゃなくて、奴隷達でうまくいってたんだろ?だったら、次は護衛料はギルドが持って、生産者達の採掘士に協力を要請させたらいいだろ?」
「それは……」
「護衛料がギルドから出るなら行こうという、採掘士もいるかもしれないじゃないか!そうやって、サービス向上して生産者の信用を取り戻そうと考える事はできないのか?それが、次につなげるって事だよ!」
「だったら、すぐにそのように!」
「たぶん、もう無理だぞ……」
「なんでですか?」
「立場を置き換えて考えなよ。あんたは、いくら護衛料がギルド負担になったからと言って、死亡者が出た計画に乗ったりするのか?」
「そ、それは……」
「この噂はもう広まっているんだろ?なら無理なんじゃないか?」
「ケンジ様どうしたらよろしいですか?」
「専属の奴隷採掘士ってもういないんだろ?オリハルコンを掘れるって事はレジェンダリーか110.00以上を持っているって事だ。そんな採掘士そうそういるもんじゃないからな……」
「ケンジ様!」
「いや……そんな頼られても無理だよ。ダンジョンで亡くなった者は諦めるしかないだろ?」
「ですが、ケンジ様はピンチになったら頼れって、言ってくださったではありませんか?」
「いやいやいや……ちゃんと聞いていたのか?レーラさんがピンチの時って言ったよな?今ピンチなのは、あんたじゃなくギルドだろ?なら、俺が手伝う事は何もないよ。」
「そ、そんな……」
ケンジは、ギルドの事には興味を一切気にも留めず、Fランク依頼を受けるのだった。
「でしたら、初級ダンジョンに偵察をしに行ってくれませんか?」
「おいおい!ダンジョン偵察なんて冒険者の仕事じゃないか!生産者の俺が行くような事じゃないだろ?」
「ですが、ケンジ様は超級ダンジョンに行けるほどの生産者じゃないですか」
「それを言うなら、初級ダンジョンの5階層なら、Aランク冒険者に依頼出すのが筋だろ」
「それはそうですが……」
「なんでもかんでも俺に頼んじゃねぇよ!それに、俺はここのギルマスには本当にむかっ腹がたっているんだ。最近は、立ち寄らないようにしていたが、依頼を受けるたびに嫌味を言って調子に乗っていたからな!」
「あ……それについては、申し訳ございません!」
「いや、レーラさんが謝罪する事じゃないよ」
「まあ、そう言う事だから俺はこの依頼しかやらない!後はギルマスに責任を取らせたらいいんじゃないのか?これで俺の店のインゴットが、又売れる事になるから願ったり叶ったりだよ」
ケンジは、笑いながらギルドを後にしたのだった。
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